Jリーグの「キャンプ」を観に行くのは面白いのかどうか
毎年のように気になっていたことを、週末は実際に確認しにいこうと思う。
この時期、サッカー選手や野球選手のみなさんは
「キャンプ」
を行っている。
来るべきシーズンに備え、体力づくりから始まり、そしてチーム力の向上を図るべく戦術の確認やチームワークの構築を図っているのである。
しかし、
そもそも「キャンプ」という名前で呼ばれているこれらの取り組みについて、子どもの頃にスポーツニュースとかでその言葉に最初に触れたとき、幼心には「本当にキャンプをやっている」と誰しもが一瞬は思ったはずだ。
山道をハイキングして、カレーを作ったり、たき火を囲んで歌をうたったりする、あのキャンプ。
そりゃあ、チームワークの向上にもつながるよな。
テントをはり、薪を割って、石をつみあげて火をくべり、川で泳いだりする、あのキャンプ。
そりゃあ、体力トレーニングにもなるよな。
その合間に、選手達は通常の練習をしている・・・といった妄想により、子どもながらに「キャンプ」という響きによってかもしだされる牧歌的なイメージがあるわけだ。
でもテレビのスポーツニュースで毎日のように報道されるプロ野球の「キャンプだより」では、野球場で練習したあと、どうやら選手はそのまま荷物を持って歩いてホテルに戻っていく姿しか見られない。せめてバットとともに薪割りの斧とかを持って歩いてほしいのだが、そうでもない。そうやって子どもたちは事情を察していくのである。
それでもなお、こうしてオトナになっても、この時期に「キャンプ」ときくと、何か日本語として「通常の合宿」とは違ったニュアンスとして、「特別な長期合宿」の意味合いを感じるわけである。なぜ「2月になった、さぁキャンプインだ」となって、「2月になった、さぁ長期合宿だ」とならないのか。それはおそらくアメリカ由来の野球における古い慣習みたいなところから来ているのだろうが、ともかく「キャンプ」は特別な日々のことを指しているのである。
おそらく私の推測だが、「合宿」と名付けられると、一ヶ月にわたる長い猛練習の日々がさらに辛く感じられるのかもしれない。それが「キャンプ」となると、どこかで「何かしらの妥協点みたいなもの」が生まれるのかもしれない。何せ、そもそもはあの「牧歌的なキャンプ」のイメージだ。日常を離れ、みんなで不便ながらもテントで暮らすあのイメージ、そう、「多少辛いことがあっても、ひとつのテントのしたで、みんなで励まし合いながら乗り切っていこう」という、あの感覚が「キャンプ」の言葉にも反映されているのではないか。そう思うと、「合宿で走らされる」ことと「キャンプで走らされる」ことのニュアンスの違いが、メンタルおよびフィジカルに与える影響にも違いが出てきそうである。「キャンプで走らされる」というのは、「自発的に楽しく(しんどいけど)走りまくる」ということなのだ。「不便、かつ辛い」ことを率先して楽しく行うのが「キャンプ」である。
さらにいうと、「合宿」という言葉には「地獄の」というフレーズが似合う気がする。「地獄のキャンプ」というのも実際には存在するだろうが、やはり国語的には「地獄の合宿」のほうがしっくりくる。なので合宿が地獄で行われることはあっても、キャンプは地獄では行われない気がする。
そんなことはともかくとして、今回私は、宮崎市に行ってJリーグクラブの「キャンプ」を少し見てこようと思う(ただし正確にいうと、スケジュールの都合上、今回はトレーニングよりも「キャンプ地で実施される他チームとの練習試合」をメインに観に行くことになりそうだ)。
宮崎県は今年、過去最多となる28ものプロスポーツチームがキャンプを張っているそうだ(この『キャンプを張る』という言い方も、あきらかにテントのそれを指しているように思うわけだが)。
有名なのはやはり巨人のキャンプであろう。日本で一番人気のある野球チームが毎年宮崎でキャンプを張るのだから、よほど宮崎はキャンプに適しているのだろうと昔から感じていた。おそらく気候が暖かく、この時期に練習をするには素晴らしい環境なのであろう。なので今回、現地に行ってみて、「キャンプ」というのがどういうものなのかを味わい、そして何より、ファンは宮崎でキャンプ地めぐりをやって楽しめるのかどうかを確かめてみたいのである。
宮崎での滞在は1日と半日ではあるが、自動車に乗らない人がバスなどの交通機関をたよりにどこまでJリーグのキャンプをハシゴして楽しめるのか、今回をテストケースとして実施し、もし面白かったら今後もリピーターとして訪れることにもなるだろう。
そもそも(いろんな意味で)読み応えのある選手名鑑なので、旅の移動中にはもってこいなのである。
そしてもうひとつ、今回のキャンプ地めぐりのポイントは、「自分自身にとってもキャンプ」である。どういうことかというと、宮崎への旅のなかでは、「何もすることがない時間」がたくさんあるような気がして、そのあいだに「自分がやるべきこと、考えるべきこと」にじっくり向き合おうということである。具体的にはまずなにより、自分がいつも作っているフリーペーパー「HOWE」の原稿を書くという作業だ。作りかけのまま昨年末から放置しており、ここらでじっくりと「キャンプ」のなかでフリペを仕上げていこうと思う。
先月のイギリス・ドイツ旅行ではノートパソコン持参で、現地から意識的にマメに旅行記をブログに書きまくっていたが、今回はキャンプだから、そういうものを持ち込まず、ただひたすらフリペづくりのための用紙や道具一式を携えて旅に出る。こうして書くとストイックな雰囲気だが、実際にストイックにフリペと向き合うつもりだ。なぜならキャンプだからだ。本当か。
というわけで、旅から戻ったら、いろいろとこの新しいブログで報告するつもりである。
(ちなみに今日になって気付いたが、五輪代表だけでなくA代表も来週は試合および合宿があるから、キャンプ地ではクラブ所属の代表選手を見ることがちょっと難しそうである。代表選手を見たい場合はキャンプ地にいくタイミングをはかる作業も大切であることを知る)
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コメント
最近は宮崎撤退の風潮が・・・
サッカーは知りませんが
投稿: あらき | 2012年2月18日 21:33
あらき>たしかに、野球の場合は沖縄でキャンプをしているイメージがありますね。どうなんでしょう。
投稿: HOWE | 2012年2月21日 18:58