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2012年4月

2012年4月30日

岡山湯郷Belleを観に行ってきた(車がない人のための岡山美作ラグビー・サッカー場へのアクセスについて)

岡山美作ラグビー・サッカー場で行われた湯郷Belle×アルビレックス新潟レディースの試合を日帰りで観に行ってきた。
そして湯郷に行きたかったもうひとつの目的は、温泉である。通っている鍼灸の先生が温泉に詳しくて、湯郷の療養湯(源泉)の素晴らしさについて以前から語っていたのである。サッカーと温泉。これだけの目的があれば、そりゃあ行くしかないだろう。

さて自家用車をもたない生活をしていると、こういうときは公共交通機関に頼らざるを得ない。
とはいえ湯郷について調べれば調べるほど「クルマじゃないと本当に行けないなぁ~」と思えてきて、ちょっとくじけつつあった。で、湯郷の観光協会のHPにメールでのお問い合わせフォームがあったので、とくにサッカー場について尋ねてみたら、後日になってとても丁寧な毛筆書きの宛名で、いろいろと地図や資料が封筒で送られてきて驚く。なのでこれは絶対に湯郷に行かないといけないと思った。

というわけで今回は、JR大阪駅から中国道ハイウェイバス・津山駅行きを利用。京都からも走っているが、大阪始発の本数がものすごく豊富だったので、あえて大阪から乗る。
連休なので渋滞にひっかかり、2時間半ほどで美作インターチェンジに到着。
(ちなみにこの場を借りて言うが、やはり高速バスというのは危険な乗り物なので、とにかくシートベルトは絶対に着用すべきだ。いつも感じるのだが、高速バスの客はシートベルトを付けなさすぎる気がする。私も以前に怖い思いをしたことがあるので、それ以来とにかくシートベルトはちゃんと付けるようにしている。)

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いったん高速のゲートを出て、右手にみえるバス停に停車。行きも帰りもこのバス停。
左のモニュメントは「宮本武蔵ゆかりの地」と書いてあった。

そこから県道をみやると、タクシー乗り場がある。

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右方向が南。湯郷方面。

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道路をわたったところ。右にタクシーのりばの看板。なんだかんだ、タクシーが通っていたので、そんなに心配する必要はなかったが、念のために地元のタクシー会社(安全タクシー、英田交通など)の電話番号はひかえておいたほうがいいかもしれない。

ちなみに向こうにみえるのが大きなスーパーの「マルナカ」。たぶんサッカー場では何もないと思われたので、ここで食料を調達したが、結果的にそれは杞憂だった。

で、いろいろと調べた結果、やはり美作ICからサッカー場へいくのは、タクシーしかないということだ。約1500円で10分ほど走ったらサッカー場へつく。歩けないこともないだろうが、とにかく山道の登りがちょっと厳しいかもしれない。

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入り口の様子。
その反対側の建物前で、当日券のチケットを売っていた。

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前売りが800円、当日券1000円というやたら安い値段設定だったので、できるだけリーグが潤ってほしい気持ちから(笑)、あえて当日券で購入しようと思った。

で、こじんまりした場内では限られたスペースにも関わらず、想像していた以上に物販や飲食類が充実していたのである。すばらしい。

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せっかくなのでBelleのタオルマフラーを買った。よくみたら「今治タオル」製なので、とっても高品質だぞ(笑)。

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Belle特製お弁当が。スーパーで弁当を買ってしまったので後悔する。

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たしかになでしこジャパンブームではあるが、このBelle関連お菓子類の充実ぶりには驚かされた。お店の人も「まだまだあるんですよ」とか言っていた。
そうか、Belleでプロ契約しているのが宮間と福元だけなので、この2人だけはキャラクターとして商品に使用できるのだな。

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スタジアムの中。なぜかやたらスタジアムDJが「写真や動画をチームの許可なくアップしないように」といった通達をしていたのが印象的だったのだが、こういう写真もNGなのだろうか?
このスタジアムはゴール裏に座席がなく、それぞれのサポーターはメインスタンドの両端で応援を行っていた。バックスタンドは芝生席となっている。
この日の入場者数は約3500人だったようで、開幕戦より入ったとのこと。たしかにメインスタンドはほぼ満員だった。そしてやはり高齢の方々が多かった気がする。そんな地元の人々からの温かい目で見守られながら、背番号10・宮間あやがやっぱりこの人スゲーーーーよ的なパスを連発するわけで、美作の皆さん良いもん観ていますよ。プレスの中に外国人の姿もあったりして、確かに現実的に今、世界で一番サッカー上手な女性のひとりがここにいるんだよなぁ、と。福元のコーチングの声の大きさも含めて、この2人がやはりさすがに湯郷Belleをひっぱっていってるなぁ、と。試合も3-0で勝ち、リーグ開幕3連勝。
アルビレックスのほうは上尾野辺が出場できなかったが、DF登録されている山崎円美がフォワードで起用されていて、ポストプレーでなかなかの脅威となっていたのが印象的。ちなみにチームの公式HPで彼女のプロフィールをみたら、好きなチームに「チェルシー」と答えていて、好感度はさらに上った。

スカパーでも中継があり、試合後のヒロインインタビューは日比野真理さんがやっていた。10年前の日韓W杯のスカパー中継の頃から知っているので、一人で内心静かに盛り上がっていた。

さてスタジアムから、湯郷の中心街へはどうやって行こうかなと迷っていたのだが、ちょうど会場の物販エリアに湯郷の観光協会の人が地元情報のパンフを配っていたので訊いてみたら、だいたい30分ぐらいで歩いて行けますよと言われた。
なので運動公園のエリアの西側から南にむかって下り坂をひたすら歩く。

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こういうノボリがずっと続いていた。

そして本当に30分ほどで中心街につく。
ちなみに、スタジアムで買ったタオルマフラーを首に巻いたまま中心地を歩いてみた。これは最近、愛媛FCの関係者だったと思うのだが「サッカー観戦で訪れた観光客の方々には、できるだけサッカーと分かる格好をして歩いてもらって、地元の人たちに経済効果があるんだということを伝えて欲しい」ということをどこかでアピールしていたことを思い出し、それに習ってみた(笑)。なのでフットボール・アクティヴィストとしては、今後もなるべく地方でのサッカー観戦旅行では、このことを意識しておきたいと思う。

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この円仁法師という人が平安時代に鷺が足を湯に浸けて傷を癒しているのをみて、薬湯を発見したといういわれがあるそうで。

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この巨大な施設が「湯郷鷺温泉館」で、いろんなお湯が楽しめる場所らしく観光客が必ず訪れる場所なんだろうけど、今回の目的はここではなく、この裏にある「村湯・療養湯」と呼ばれるところだ。

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このように源泉が奉られていて、その横に

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地味だが、ここが源泉かけ流しの湯が味わえるところ。
で、地元の住人用と、一般客用が分かれている。一般客は600円。

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このように、とてもこじんまりしていた。
そして客は結局わたしだけだった。

重要なのは「石けん、シャンプーの使用は禁止」という、まさに「湯治のために、ただひたすら湯につかる」ということを目的としたハードコア温泉だということである。
鍼灸の先生が言うには、こういう源泉かけ流しが味わえる温泉は貴重だそうで。ちなみに加温もされていないので、まさに源泉そのものがダイレクトに肌にしみこむ。なので若干ぬるいお湯であった。でもそのぶん、長くじっくり入ることが可能だ(受付の人には「1時間ぐらいをめどにしたほうがいいですよ」とのアドバイスがあった)。

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念のため、注意事項も掲示。クリックすると拡大。

世界に名だたる最高レベルのサッカー選手・宮間あやのプレーを堪能したあと、こうして薬湯にじっくりつかってゆったりと健康的な時間を過ごせる湯郷っていうのは、最高に贅沢な場所ではないか。「や~、日本に温泉があってよかった~、湯郷Belleに宮間がいてくれてよかった~」と湯につかりながら思ったわけである。

ちなみに観光案内所にいって、地図や資料を封筒で送ってもらったお礼を言いに行ったら、ちゃんと私のことを認識していただいていてひたすら恐縮。
今回はとにかくスタジアムと中心街の距離感が分からなかったので日帰りでさっさと帰ってきたが、次回以降はもっとゆっくり滞在してみようかなと思う。

<おまけ>

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観光協会のところにあった顔はめパネル・・・が、顔が入らないではないか! と思いきや、これは「フタ」みたいになっていて、ちゃんと顔がはめられて、かつ3人もメンバーがいなくても空いたところはこうしてフタが「代役」を担ってくれるというシステム。こんなの初めて観た(笑)。このホスピタリティ精神?が湯郷温泉の魅力かもしれない!(でも3人目の顔は、親指の部分になるんだけどな 笑)




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2012年4月25日

チェルシーFCはこれからも空気の読めないクラブであってほしい

欧州チャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグ
バルセロナ 2-2 チェルシー
(合計 2-3)

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先制点を取られた直後、ジョン・テリーが不用意なプレーで一発レッド退場になったとき、まず考えたことは、
「もう寝よう」
ということだった。

しかしそこで思いとどまったのは、「なでしこジャパンのW杯決勝戦」のことを思い出したからである。

つまり私は今日のこの試合も、途中で「完全にあきらめた」気分でいたわけだ。
案の定、そのあと追加点を入れられてしまい、これ以上この試合を観てもしょうがない・・・という状況になった。
それでも、やはり「なでしこジャパン」のあの試合を経て、自分のなかで「一度みた試合は、最後まで見届ける」ということへのこだわりが増していったのかもしれない。

論者によっては、あのテリーの退場によって「チェルシーの結束感が高まった」と見る人がいるかもしれないが、それは断じて、間違いであると言いたい。
あのバルセロナ相手に10人で試合をするという状況においては、結束感もへったくれもない。
あれは「クラブ史上最悪の危機のひとつ」だったのだ。つまりは「自滅行為」であった。あの退場によって得られたものは、100歩譲って、「ドラマ性が高まったこと」ぐらいだ。

あと、テリーの退場がセンセーショナルだっただけに、今になって忘れられやすい事実として、この試合がはじまって10分足らずで、チェルシーはセンターバックのケイヒルをケガで失うという不運に見舞われていたわけで、それはこの試合のひとつの「アヤ」であったわけだ。
つまりケイヒルが負傷し、テリーが退場したことで、ベンチ要員も含めてあのグラウンド上でチェルシーにおけるセンターバックはイヴァノヴィッチしか存在しなかったのである。本来サイドバックのボシングワが最終的にはセンターバックのポジションに収まってくれたが、そういう状況下で前半36分以降、チェルシーは「守れる人が絶対的に不足しているなか、ただひたすらバルセロナの攻撃を封じる」というミッションに立ち向かったということだ。

そんななか、前半ロスタイムにいきなりチェルシーがワンチャンスをつかむ。
ワンチャンス、つまりこの試合はじめての枠内シュート・・・ラミレスからのループが、バルサゴールに入っていった。
アウェイゴール1点獲得。これで試合は実質的に「ふりだし」に戻った。ふりだしというよりも、このまま2-1で試合が終わったら、それはチェルシーの勝ち抜けを意味する。その意味をめぐって、ハーフタイムをはさんで多くの思惑がうごめいていったのであろう。

こうして、あのすさまじい後半戦を迎えることになる。

私はドログバが、ほとんど左サイドバックに張り付いて多くの時間を過ごしていたことを忘れない。ドログバがずっと守備をするという、おそらく今後もありえない状況。おそらくドログバとしては、普段やり慣れていない役割ゆえに、どことなく「真ん中で守っていたらみんなに迷惑がかかるかな」という気持ちがあったのかもしれず、だからずっと左サイドにいたのかもしれない。あのドログバが、あのストライカーが、チェルシーの最終ラインの、左の端っこで、ひたすら守備をしていた・・・私のこの試合の記憶の多くがこの姿に集約されている。

「美しく勝利せよ」とヨハン・クライフは語った。そうしてバルセロナはその美学を探究してきた。それでも、この試合はチェルシーが、ありとあらゆる努力を傾けて、守りきった。それはとても醜い、汚らしいサッカーだったかもしれない。そういう「美学」でもって、結果的にチェルシーファンとして「額に飾っておきたい試合」となった。

チェルシーの総パス数約100本ほどに対してバルセロナは約600本。
ボールポゼッションはバルセロナが72%、チェルシー28%。
バルセロナのシュート数17本にたいしてチェルシー7本。
そんな試合でも、サッカーは2-2で終わるのである。
美しいサッカーは楽しい。そりゃあそうである。
でも美しくて楽しいサッカーは、それでも負けることがある。
「サッカーという存在を越えて美しく楽しいもの」は、ありえないかのようだ。
バルセロナは、あまりに美しく楽しいサッカーを完成させたがゆえに、その美しさに匹敵する惜敗を、サッカーという存在のまえで成し遂げてしまったかのように。

バルサの数々のシュートが防がれたが、あれはもはや、多くのサッカーファンの期待とは裏腹に、チェルシーの勝利を念じ続けた多くの人々の気持ちが、あのゴール前に集まっていったとしか思えない。
そういう幾多の思いを踏みにじったという意味で、ジョン・テリーには複雑な感情がわき起こる。4年前の決勝、あのモスクワでのPK失敗から、ジョン・テリーそしてチェルシーFCはより大きなテーマをもって闘い続けてきたはずである。それが、あんな軽率なプレーで、すべてをナシにしてしまったことの事実を、自分としてはまだ受け止め切れていない。あの瞬間、テリーは何を思っていたのか。たとえこの試合を勝ち抜いても、レッドカードをもらえば決勝には出場できないことについて、あの瞬間を経て、彼はどのタイミングで理解しえたのだろうか(あまりの重大さにうろたえていたおかげで、私はそのことに思い至るタイミングが遅かった)。
テリー本人が望む以上に、ジョン・テリーとともに、あのモスクワから再びチャンピオンズリーグの決勝にたどり着こうと、あらゆる人々がチカラを尽くしてきたっていうのに。
私が哀しいのは、この10年間あまりのチェルシーが、あとあとになって「ジョン・テリーの時代」として区切られうるはずなのに、歴史的事実というものによって、この試合を頂点として、すべてにケチがついてしまいそうな予感があることだ。この日々があのプレーによって(そしてモスクワでのあのPKとともに)永遠の後悔として、テリーとともにチェルシーをめぐるすべての人々が背負わないといけない可能性が高いということ、そのことがただひたすら残念であり惨めなのである。どんなに批判されようとも、もちろんチェルシーサポーターとしてジョン・テリーを守っていきたい。しかし、この日のテリーにたいしては、おそらく何一つ擁護できる自信はない。そのことが、ただひたすら苦しい。
 なので、ますますこれから、「ジョン・テリー」というキャプテンの存在が、チェルシーFCにとって、そして私にとってもいろんな意味で大きなものとなっていく。それもまた事実だ。

この数日間、この試合を前にして、ずっと「チェルシーFCは空気の読めないクラブであってほしい」というタイトルでブログを書こうと思っていて、しかし書きそびれていた。
多くのサッカーファンは、CL決勝でのバルサ×マドリー“クラシコ頂上決戦”を望んでいたであろう。チェルシーにはそれを完全に裏切ってほしかった。そういう意味で「空気の読めないクラブ」になっていってほしいと願っていた。
願いがかなうなら、数時間後に行われるもうひとつの準決勝は、なんとしてもレアル・マドリーに逆転勝ちしてもらいたい。ずばり「モウリーニョ・ダービー」として決勝を迎えられたら最高である。

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2012年4月23日

ナポリを着て働く

仕事場で着るウインドブレーカーを変えてみようと思い、どうせならサッカー的なウェアがいいなとネットオークションで探していたら、ナポリのウインドブレーカーに出くわす。

ちょうどチェルシーがCLでナポリ相手に劇的な勝ち上がりを決めた直後でもあったので、「あのナポリとの試合を忘れないように」と冗談半分で入札したら、ライバルが誰もいなかったようで、そのまんま通ってしまった。信じがたい値段でゲット。

Napoli

ついているスポンサーワッペンなどで調べた感じでいうと、どうやら10年ぐらい前のモデル。その頃のナポリはセリエAではなく、セリエBもしくは破産申請していた時期とかでセリエC1とかにいた時代っぽい。なので日本では発売されなかったであろうかなりのマニアックなウェアだということが判明(ついているタグも外国語でよくわからない)。

同僚には「体育教師みたい」と言われた。

この調子で、よくわからない怪しげマニアックサッカー路線の服装で働こうかと画策中。

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2012年4月15日

今季のガンバ大阪がパッとしない理由のひとつは試合前のスタメン紹介ムービーにあるんじゃないかと心配になった件

久しぶりの万博競技場。
ガンバ大阪は川崎フロンターレをむかえ、0-2のビハインドから3点取り返し、リーグ戦今季初勝利をあげる。
いいもん観させてもらいました、という気分になる。
全日本少年サッカー大阪府大会の開会式が試合前にあった影響で、バックスタンドは小学生サッカー小僧がぎっしり埋めていたのだが、彼らの目の前でこういうゲームを勝ちに持って行ったことはよかったと思う。何せゲーム開始30秒ぐらいで川崎に先制点を食らうような展開だったわけで(たぶん私の人生でもあれほど早いゴールはもう二度とお目にかからないんじゃないか、っていう)。


ところで、気になったことが。


試合前のスターティングメンバーの紹介ムービーなのだが。

今年もちょっと微妙なCGを駆使して盛り上げようとしているのだが、今シーズンのバージョンでは、「選手にボールを回して、その選手がリフティングをして、また次の選手に渡す」という内容となっている。

で、リフティングをしているときの顔がクローズアップされて、一瞬静止画像になり、そこで背番号と名前が映し出される。

しかし、だ。

リフティングをするということは、

★ ボールをしっかり観るから、顔がこわばる

★ おのずと視線は下向きになる

ということで、選手たちは自ずと「表情固く、伏し目がち」になってしまうのである。

伏し目がちイレブン。
あまり景気よくないんじゃないか、これ・・・。

ロイ・キーン監督だったら

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「伏し目がちなスタメンなど、使わん。」

とか言いそうだ。


実際に他の人が撮影した画像がYouTubeにアップされていたのでご参考までに。

ゴールキーパーと、なぜか遠藤だけはリフティングを「免除」されているので、顔がまっすぐ向いて収まっている。

今シーズンのガンバが冴えないのはこの「伏し目がちなスタメン紹介ムービー」も原因の一端じゃないかと思った。もうちょっと縁起の良さそうなものにしたほうがいいんじゃないかと。

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2012年4月12日

サッカーの1試合における95%ぐらいの時間はつまらなくて退屈かもしれない、が。

サッカーを観ていてうすうす誰もが思っていることはそういうことなんじゃないかと思う。

キックオフからボールが転がって試合が始まり、そこから90分ちょっとにわたる、退屈でつまらない時間の連続。

ときおりチャンスシーンがあって色めき立つ。
そして1試合において何回か、ゴールが決まって喜んだり、決められて悔しがったり悲しがったりする。
さらに、スコアが動かずに0-0で終わる試合だってしょっちゅうある。

それでもサッカー観戦はつづく。
「サッカー観戦はおもしろい」。そのとおりだと思う。そして一方で、同じぐらい「サッカーの試合を眺めていて、ほとんどの時間は退屈だ」というのも、そうだと思う。

あの、パスが交換されたり、誰かがドリブルをしかけたり倒されたり、審判が笛をふいてフリーキックになったり、ゴールキックやコーナーキック、スローインが行われたりして、またパス交換が繰り返されたり・・・という、あの時間におけるいろいろな営み。
トータルであの営みを眺めている時間に、そこはかとなく流れていく「退屈で無為な時間感覚」。

でも思う。
それって人生そのものだと。
サッカーを観ている時間は、人生を眺めている時間みたいだ。

人生において、悲喜こもごもの心揺さぶられるデカい出来事は、そりゃあよくて2-1とかのスコア並みがせいぜいかもしれない。2回歓喜、1回悲痛。
あるいは何も起こらないような人生であっても、後半ロスタイムに1-0にできるかもしれない。

そして、人生もサッカーも、「何も起こっていない、つまらないように見える時間」のなかにも、よく観ればとても味わい深い部分がたくさん見いだせたりする。
よく生きること、日々をじっくり味わうこと。サッカーも人生も。
プレイヤーとしても観戦者としても。


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2012年4月 7日

なでしこ×ブラジル

なでしこジャパン 4-1 ブラジル代表

 ロンドン五輪前になでしこジャパンを観ることができてよかった。神戸のホームズスタジアムは客席とピッチの距離および傾斜角度が絶妙なので、バックスタンドの9列目で楽しませていただく。

 そして考えてみたら、あらゆるカテゴリーでブラジル代表を観るのも初めてである。初・セレソンである。

 日本はディフェンスラインを高めに設定して、コンパクトななかで相手ボールホルダーに人数をかけてプレスし、ボールを奪って速攻していくパターンがうまくいっていたのだと思う。
 ちなみに前半はやたら簡単に縦パスが入るなーと思っていたが、これはあとになって他の評論家のブログを読むと「ブラジルDF陣がわざとそうしておびきよせてカウンターを狙っていた」という意見があって、なるほどサッカーって観れば観るほど謎だらけだなぁと感じる。
 前線では川澄と安藤ががんばって相手にプレスをかけ続けるべく奮闘していた姿が印象的。後半は安藤に代わって永里が投入されて、屈強なDFに負けることなく前でボールを受けてタメがつくれるプレーに凄みを感じる。そして前半サイドにいた宮間が後半はボランチに移動したこともあり、攻撃のバリエーションが増えていった感じ。期待通り宮間は「ホンマにすごい」と思った。両足の正確なキックはもちろん、わざと相手をひきつけて、そこからパスを散らすタイミングの良さとかテクニックとか冷静さとか、ただひたすら唸るしかないプレーヤーだった。3点目もゴール前に走り込んで詰めてゲット。代表Aマッチ100試合出場達成を祝うゴール。すべてにおいてグレート。今シーズンかならず湯郷Belleの試合を観に行こうと誓った。

 印象的だったのは、試合が終わるまで誰一人として守備をさぼらず、献身的に動き続ける「ひたむきさ」が本当になでしこジャパンの基本姿勢として貫かれていることだった。観ていてそれがヒシヒシと伝わってくる。日本人の勤勉さをうまく活かし、そしてそこにバルサ風のパスワークと連動性を兼ね備えようとしつつあるチーム。なのでラテン系のチームに負ける気がしなかった(笑)。でも「サッカーで日本人がブラジル人を圧倒している」というシーン、考えてみたらすごい気がする。

 じゅうぶん分かっていたつもりであるが、やはり生で触れるとますますこの「ひたむきでよく走るサッカー」を志向するなでしこジャパンに、よりいっそう五輪での期待感が高まる。せっかくここまで爆発的な進化をとげた女子サッカーには、これからもこの「ひたむきな精神」をDNAとして受け継いでいってほしいと願う。

 試合前、なでしこジャパンはベンチにいる控え選手とスタッフも含めて大きな輪になって円陣を組んでいた。いまこういうことをするチームって世界中にここだけじゃないかと思える。世界王者になろうがどうなろうが、こうした「みんなで挑む」意識で試合に臨むというのがなでしこJAPANなんだと思う。

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