なでしこ×ブラジル
なでしこジャパン 4-1 ブラジル代表
ロンドン五輪前になでしこジャパンを観ることができてよかった。神戸のホームズスタジアムは客席とピッチの距離および傾斜角度が絶妙なので、バックスタンドの9列目で楽しませていただく。
そして考えてみたら、あらゆるカテゴリーでブラジル代表を観るのも初めてである。初・セレソンである。
日本はディフェンスラインを高めに設定して、コンパクトななかで相手ボールホルダーに人数をかけてプレスし、ボールを奪って速攻していくパターンがうまくいっていたのだと思う。
ちなみに前半はやたら簡単に縦パスが入るなーと思っていたが、これはあとになって他の評論家のブログを読むと「ブラジルDF陣がわざとそうしておびきよせてカウンターを狙っていた」という意見があって、なるほどサッカーって観れば観るほど謎だらけだなぁと感じる。
前線では川澄と安藤ががんばって相手にプレスをかけ続けるべく奮闘していた姿が印象的。後半は安藤に代わって永里が投入されて、屈強なDFに負けることなく前でボールを受けてタメがつくれるプレーに凄みを感じる。そして前半サイドにいた宮間が後半はボランチに移動したこともあり、攻撃のバリエーションが増えていった感じ。期待通り宮間は「ホンマにすごい」と思った。両足の正確なキックはもちろん、わざと相手をひきつけて、そこからパスを散らすタイミングの良さとかテクニックとか冷静さとか、ただひたすら唸るしかないプレーヤーだった。3点目もゴール前に走り込んで詰めてゲット。代表Aマッチ100試合出場達成を祝うゴール。すべてにおいてグレート。今シーズンかならず湯郷Belleの試合を観に行こうと誓った。
印象的だったのは、試合が終わるまで誰一人として守備をさぼらず、献身的に動き続ける「ひたむきさ」が本当になでしこジャパンの基本姿勢として貫かれていることだった。観ていてそれがヒシヒシと伝わってくる。日本人の勤勉さをうまく活かし、そしてそこにバルサ風のパスワークと連動性を兼ね備えようとしつつあるチーム。なのでラテン系のチームに負ける気がしなかった(笑)。でも「サッカーで日本人がブラジル人を圧倒している」というシーン、考えてみたらすごい気がする。
じゅうぶん分かっていたつもりであるが、やはり生で触れるとますますこの「ひたむきでよく走るサッカー」を志向するなでしこジャパンに、よりいっそう五輪での期待感が高まる。せっかくここまで爆発的な進化をとげた女子サッカーには、これからもこの「ひたむきな精神」をDNAとして受け継いでいってほしいと願う。
試合前、なでしこジャパンはベンチにいる控え選手とスタッフも含めて大きな輪になって円陣を組んでいた。いまこういうことをするチームって世界中にここだけじゃないかと思える。世界王者になろうがどうなろうが、こうした「みんなで挑む」意識で試合に臨むというのがなでしこJAPANなんだと思う。
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