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2012年7月

2012年7月30日

日本×モロッコ、そして宮本恒靖の解説について

あらためてブログに書こうと思うと、なかなか難しい気分になってくる。
さんざん、ニュースもネットも、もはや言い尽くされている感覚にとらわれるので、あえてここで私なんぞがあらためて書くことはあるのかどうか。

まず思ったのは、ニューカッスルのスタジアムのことだ。
セント・ジェームズ・パークというスタジアムで日本代表が試合をしたことが、とてもグッときた・・・多くのサッカーファンにこのスタジアムの情景が届けられたことに。
だいいち、普段ニューカッスル・ユナイテッドが試合をする場合は、いつも超満員でチケット入手も困難と伝え聞く。それが五輪だとこのスタジアムの中に入って試合を堪能できるなんて、とてもうらやましく思えた。もっと羨ましいのはU-23の選手たちだ。ここで試合ができたわけだから。どうかこの芝の感触、そして純粋にサッカーが好きなニューカッスルの人々(たぶん、観た感じけっこう客席は入っていたと思う)から投げかけられた歓声のことを、生涯忘れないでいてほしいと思う(そしてこの日のノルウェー人レフェリーの『流しっぷり』も、まさにイングランドサッカーっぽく感じた)。

そんななか、劇的な永井のゴールでモロッコから勝ちを収めた試合となったわけだが、ゲーム開始から重量級のフォワードめがけて縦に早いサッカーをしかけてきたあたり、これはスペインよりも手強い感じがあった。しかも相手キーパーが調子良く、どうなるやら・・・とハラハラしつつも、どこかでこのチームは大崩れしない気分もしていた。たぶんその要因のひとつは、この日の解説を務めた宮本恒靖のおかげではないかという気がしてきた。

 とにかく宮本は、現役時代のピッチ上でも、そして解説者としても冷静沈着で、選手だけじゃなくテレビの前のサッカーファンをも落ち着かせてくれる(笑)。つまり、これこそがやはり、ディフェンスリーダーとして代表を率いてきた人のもつ「実感」みたいなものなのだなと思った。や、だからといって同じDFとして松木安太郎の解説を批判するつもりもない(笑)。あれはあれで「芸」として捉えておきたいし、松木安太郎はなんだかんだ、一般視聴者を意識して、選手名を呼ぶときに背番号を一緒に合わせて語ろうとする努力(『今のドリブルいいですねー、17番清武!』みたいな)が伺えたりして、サッカーの熱情をストレートに伝えようとしている姿勢が私は嫌いじゃない。

 ともあれ、宮本の解説のおかげで、冷静な気分で「そうか、いまDFラインが押し込められているのか」となり、やがて宮本が「鈴木大輔はアムラバトの重さと強さに慣れてきた」ということで、こちらも「そ、そうか。それならいいぞ」となっていく。宮本が「ボランチはもっと前線に出てサポートを」と言えば、あ、これは扇原をやんわりと批判しているのだなと思えたし、コーナーキックのチャンスのときに宮本が「ニアサイドが空いている」といえば、その空いたニアに吉田マヤが飛び込んで惜しいシーンを作ったりと、まるで宮本恒靖が神様のようにつぶやき続けながら、選手およびテレビ視聴者の双方が、その試合の流れを冷静に租借し、みんなでボールを追いかけているかのようだった。毎回私はブログで書いているかもしれないが、とにかく宮本解説は絶妙なのである。ディフェンス目線で、リアルな指摘がことごとく経験に裏打ちされていて説得力がある。さすがである。やはりこういう選手がナショナルチームのディフェンスを統率しておいてほしいと思った。自分はサッカー選手ではないにせよ。

と同時に、たぶん宮本は、そうした解説を通して、サッカー少年少女たちに「守備の面白さと奥深さ」を伝えようとしているのかな、とも思えてくる。ついぞサッカーは前のほうのポジションが華かもしれないが、ここぞというところの「守りの愉しさ」を宮本は特に若いプレーヤー向けに語っている気もする。

というわけで、終始宮本のおかげで、ハラハラしつつもどこかで確信をもって冷静に見続けることができた試合となった。スペイン戦のこともあり相手から警戒されていたであろう永井をあえて2列目に配置しておいて、最初から飛ばすのではなく後半ここぞということでワントップに配置し「永井シフト」にして、案の定そこで先制点を奪ったらすぐに杉本健勇を入れてまた永井を2列目に戻すという、手堅い采配。そして忘れてはならないのは権田をはじめとするディフェンス陣の奮闘。なんだかんだこのチームは権田なのである。

なにより試合後のインタビューで吉田マヤが「国内の(Jリーグの)レベルは低くないと示せた」と素晴らしいコメント(フジテレビのみがこの生放送のインタビューを流していた)。
私が言う資格はほとんどないのだが、やはりもっとサッカーファンにはJリーグを観て欲しいし、スカパーだけじゃなくて地上波でもっとJリーグの映像が流れることを望みたい。案外近いところに素晴らしいサッカーが街中に転がっている、のだ。

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2012年7月28日

なでしこ×スウェーデン

初戦と同じコベントリーのスタジアムで出来たことは有利だったが、結果は0-0ドロー。
負けなかったのはよかった。
しかしやはり中2日はコンディション的にキツそうだった。とくに澤。

唯一の収穫は澤と交代で入った田中“フォブレガス”明日菜をこの試合で使えたことか。ボランチとしての彼女がチームにフィットしないことには上位進出が望めないほど、重要なファクターを担っていると私は思っている。敬愛するセスク・ファブレガスのごとく冷静なボールの散らしを期待したい。

安藤の投入時間帯もあれでよかったのかどうか・・・ノリさん采配、どうせなら岩渕と同時投入で前線からのプレスをかけまくってほしかった。

嫌な流れの時間帯もあったが、DF陣とGK福元の、じつに世界王者にふさわしい落ち着きと安定感で、なんとかふんばってくれた。

3戦目の南アフリカ戦、勝利はもちろんのこと、得失点差で決まっていくので、できるだけゴールをあげるというミッションに挑戦することとなる。ちなみに南アフリカの「愛称」は「バニャナバニャナ」というらしい。バナナじゃないぞ。

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グラスゴーの大金星(そして、歴史は繰り返されていたように思えたことについて)

アトランタ五輪での「マイアミの奇跡」のことを多くのファンは思ったはずだ。あれは確かに「奇跡」だった。山ほどシュートを浴びたが、川口に神が降りてことごとくシュートを弾き返し、そしてほぼ唯一といっていいチャンスを決めて逃げ切った。
でも今回は「奇跡感」はない。シュートチャンスは日本のほうが上で(しかも想像を超えるほどに外しまくり)、逆にスペインはこれといったシュートを放つことが少なかった。勝つべくして勝った、そう思える。
(もちろん、10人のスペインに押し込まれていたことは確かだが)

FW永井がJリーグでこの2ヶ月ぐらい絶好調だったことをスペインのスタッフ陣は知らなかったのだろう。じゃなければあんなにルーズな守備はしなかったと思う。スペインのディフェンス陣は永井にさんざん走られまくっていた。序盤の時点でもうちょっとマシな修正ができたはずだ。でもそれができなかった。やはりシーズンオフ明けの身体は重そうに見えた。そしてこれは前線からの連動したプレスを続けるという「勤勉な日本人サッカー」がうまくハマった好例ともいえる。

永井の躍動はJリーグファンにとっては痛快だったと思う。「いつものこと」が繰り広げられていたのである。名古屋グランパスと闘うときはいつだってあの俊足が脅威になっていた。この日のスタメンは、吉田を除いたらすべて1年前は「Jリーガー」だった。そんな「Jリーグ」が国際舞台ではじめてスペインに勝った(国際大会で前回スペインとガチで勝負をしたのは、『黄金世代』の1999年ワールドユース決勝で負けたあの試合だったことを、さっき播戸竜二のブログを読んで思いだした)。この意味は大きい。もっと代表だけじゃなく、Jリーグにも興味を持って観てみようかな、っていう人が増えて欲しいなぁと。結局はそこに尽きる。

そしてそんな永井が今、グランパスで薫陶を受けているのがストイコビッチ監督なのである。かつてワールドカップでスペインを魔法のように翻弄した“ピクシー”である(そして監督はオシムであった)。強引に考えてみると、「歴史は繰り返していた」のである。そのことをぼんやり考えながら観ていたことも含めて、忘れがたいベストマッチとなった。

90年W杯ユーゴスラビア×スペインでのストイコビッチのプレーだけを集めた動画。どのプレーにおいてもただよう芸術性と意外性。

ちなみに、某サイトで紹介されていた、日本×スペイン戦についての各国メディアの反応のなかで、
イタリア:「日本のFWはシュートを打たないほうがいい。ドリブルのまま枠に入れ」
が秀逸。

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2012年7月26日

ロンドン五輪初戦 なでしこ×カナダ

記念すべき開幕戦に際してこんな話題から始めるのもあれだが、
試合前に流れた君が代の音楽、ちょっと音程がヘンだった箇所がなかっただろうか(仮眠のあと寝ぼけていたからそう聴こえたのか?)。
実際、別会場での北朝鮮戦では選手紹介CGで誤って韓国国旗が表示されて猛抗議で試合開始が延びたとのことだが、五輪組織委員、大丈夫か。それとも壮大な前フリなのかこれも。次の国歌斉唱のときにあらためてチェックだ。

試合は、やはり大会の初戦の入り方の難しさを感じさせるものだった。カナダの猛烈なプレスに苦しみながら・・・と思いきや、なぜか前半の真ん中あたりから急激にカナダの運動量が落ちた気がする。そうして日本も落ち着いてボールを回すことができるようになっていった。前半の猛攻を耐えるうえでは、澤の奮闘ぶりが光っていた。体調不良説を払拭する出来で、この初戦にコンディションを合わせてきたあたり、さすがバロンドーラーだとつくづく思った。宮間がらしくないパスミスを連発していただけに、つられて澤のところでバタバタせずによかった。そしてボランチでコンビを組む阪口の気の利いた守りっぷりにも助けられていた。

前線からのプレッシングをサボらず、そして2列目からも間合いを詰めて、そこで苦しみながら相手の出したパスをDFラインでカットしていくという、このチームの守備における生命線はこの連動性にある。それゆえに、相手国がどれだけ大柄でパワフルなフォワードを並べてきても、なでしこジャパンは恐れることなく闘える。なので失点シーンについては、完全に彼らは鮫島の左サイドを意識的に狙っていたわけで、攻め上がった背後をあのようにカウンターで突かれると、往々にして決定的ピンチを招くことになる。基本的に鮫島の守備力の部分がなでしこの弱点のひとつと言われているため、今後もそこは狙われまくるだろうなという気がする。

宮間はサイドに張り付くというよりも真ん中でボールを受けて欲しいと思える選手である。しかしボランチとしては澤と阪口のコンビも捨てがたい。なので1トップ3シャドーみたいな布陣で2列目に宮間と大野と川澄がかきまわすというパターンもアリなのでは、とあらためて思った。

2得点を前半で決められたのは本当によかった。これで安心して見ていられた。
ただし、後半になって2-1になって以降、何らかの修正を施したり流れを変えるような動きがあまり見られなかったことが、とても気になっている。前半20分すぎぐらいで相手の運動量が急に落ちたことを意識してか、ちょうど後半20分ごろにおそらく前線からのプレスを再活性化させようという意図でFWの安藤を投入した。それは良い選択ではあったが、それ以降は選手交代がなかった。しかもカナダは交代枠を使い切ったあとに残り5分のあたりで不運にも負傷退場者を出してしまって数的優位になったにも関わらず、そこで日本のベンチが動かなかったのが疑問である。

2つも交代枠が余っていたのだから、ここでこそ走力のある丸山だったり、機敏なドリブルで相手DFラインを下げさせることができる岩渕といったフレッシュなアタッカーを投入すべきだったのではないかと思う(確かに二人とも本調子ではないのかもしれないが)。そのあたりの展開力をあえて初戦の時点でライバルたちに見せたくなかった、という考え方もできるのだが、しかしその影響もあって最後までハラハラでしたよノリさん。まぁ、これがグループリーグにおけるゲームプランってやつなのだろうか。

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2012年7月25日

U-23代表ではオーバーエイジ枠を使わなくていいと思う理由。

あと数時間後にロンドン五輪でのなでしこジャパンの初戦がはじまる。
繰り返しになるけれど、銅メダルを獲れればもはや大成功なのである。そういう競技種目であるという認識で観ておきたい。

『Number』の最新号は、澤とカズが並んで写真に収まっていて、この表紙をみるだけで感動的な気分になった。最近横浜FCのカズを観たせいもあってか、サッカーファンとしての2012年の夏が、この表紙によって忘れがたい想い出となっていくような感じがする。



あとこの号における宮間あやのロングインタビュー、内容もさることながら、ACミランのウェアを着て楽しそうにボールとたわむれる彼女の写真がどれもとても可愛らしくて、ハッとさせられるものがあった。サッカーにおける引き出しの多さとともに、実に魅力に富んだ人だと再認識。

そして男子U-23代表。
よく考えてみたら、U-23代表として五輪に出場する選手が、大会のあとにJリーグから欧州のクラブへ新に移籍するというパターンが、今回2名ほどいる。つまり彼らは3月のJリーグ開幕から、おそらく12月のドイツリーグのウインターブレイクまで、ほとんど休み無く動くことになる。これは五輪代表に関しては今までなかったパターンであり、相当な厳しさが求められることになるであろう。清武と酒井がこの試練をどのように乗り越えていくか。そのあたりも気になってくる。

そしてエルゴラッソ紙でも語られていることだが、欧州のサッカー選手たちはシーズンオフ明けのコンディションのため、Jリーグを闘い続けたまま乗り込む日本代表にとって、明日のスペイン戦でもし後半の半分ぐらいまで同点のままで持ち込めたら、十分勝機があると踏んでいる。なのでそれまでになんとか守備陣がふんばってくれればと願う。

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さて表題のとおり、私は今回のロンドン五輪のメンバー選考のプロセスをみていて、「U-23代表にはオーバーエイジ枠を使わない方が良い」という考え方を持つようになった。

オーバーエイジを使った方が良いという意見においては、「本気で勝ちに行くため」という理由が挙げられる。ではなぜ五輪の勝ちにこだわるべきか。その理由としてしばしば挙げられるのが「日本においてはサッカーはまだまだマイナースポーツなので、オリンピックのような大舞台でその一般的存在感を増すため」ということだ。

それは確かにそうかもしれない。しかし私が思うに、「その役割は、今や、なでしこジャパンが担っているのではないか」ということだ。

なので私の意見としては、「五輪の女子サッカーで年齢制限が設けられない限りは、男子の五輪代表はなるべく一人でも多くの有望な若手の経験を積ませるほうが後々になって得策ではないか」ということだ。こうしてなでしこジャパンががんばってくれたおかげで、日本サッカーは「メダル獲得への盛り上がり」と、「男子の若手の国際経験の育成」の両方を追い求めることができるポジションにいるわけだ。そのメリットを活かすべきであって、今回の代表がオーバーエイジ枠を使ったことをちょっと残念に思う。毎回このオーバーエイジの問題では、日本サッカー協会の五輪にたいする考え方の一貫性のなさみたいなものがメディアで批判されているようだが、もうそろそろ上記のように割り切って考えてみてもいいんじゃないか、と。


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2012年7月22日

TEAM AS ONEチャリティーマッチ

都合により、後半30分つまりデルピエロが交代で下がるところぐらいまでテレビで観ていた。

まさかそんな長い時間までプレーしてくれるとは思っていなかったので、本当に感謝したい気分。ゴールも決めた。

Jリーグのクラブが契約してほしい、という思いがいろいろと語られているし、Jリーグチェアマンが「年俸の半分をJリーグが負担してもいい」とさえ言っている(個人的な意見としては、そこにお金を使うぐらいなら、もっと日本におけるサッカー代理人が働きやすくなるような環境改善にお金を使うほうが、将来的にはもっとたくさんの有効な移籍を成立させやすくなる投資になるんじゃないかと思うが)。

で、今後デルピエロがどうなるのかはもちろん分からないものの、でもいずれにせよ昨日の試合で言えることは、大震災から1年以上が過ぎ、2年目の夏を迎えたところで、あらためて復興支援チャリティーマッチを行うことができ、そしてデルピエロのような選手が出場したいと思って来日してプレーしてくれるという、Jリーグとは、そういうリーグになったのだ。そのことを、もっと誇って良いと思うのだ。

「スポーツに何ができるのか」という問いは、そりゃあもう震災後の状況においては、無力感すらただようものではあるし、これからもそうなのかもしれない。それでもなお、Jリーグはサッカーのチカラを示すべく、まさにサッカー的に「あきらめずに走り続けてパスを回し続ける」ことを黙々とやっていくのである。その繰り返しがダイナミズムをもたらしていく。そういう角度からサッカーをもっと応援しようと思う。

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2012年7月17日

宮本恒靖引退試合

最初は、行くかどうか迷っていた。

ただ、久しぶりにF氏から連絡があり、ぜひ行きましょうとなったので、このタイミングも何かの縁だと思い、宮本恒靖引退試合に向かう。

結果として、行って良かった。本当に。

宮本の引退試合に際して、古巣のガンバ、最後のクラブとなったヴィッセルはもとより、かつてともに代表で闘ったメンバーも集結し、「ツネフレンズ」として試合を行った。これほどのメンバーが集まったことを、宮本の人柄やリーダーシップとともに忘れないでいたいと思う。

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1試合目の、ツネフレンズ(日本代表)とヴィッセルの試合。いきなり私たちの目の前に現れたのは、宮本・中田浩二・中澤による「フラット3」であった。2002年W杯でありシドニー五輪だったりする。もちろん、故・松田直樹がここにいたら、と思わずにはいられない。いずれにせよ、このディフェンスラインを動かしている宮本の姿をみて、感慨深さのボルテージはいきなりマックスにあがる。

そして当日になるまで「サプライズ」ではあったが、薄々それは誰もが感じていたあの男の登場。

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中田英寿。やー、本当に来て良かった。

もうここであらためて書く必要はないのだろうが、ヒデがいて、俊輔とか稲本とかとパス交換していたりするわけだ。福西は今も現役なんじゃないかっていうぐらいに躍動していたし、前線には鈴木隆行師匠があいかわらずいいオーラだして走っているのである。三浦アツがフリーキックを蹴ったり、最近引退を表明した藤田俊哉も少し出場してくれたり、とにかく、宮本がたどってきた日本代表および五輪代表の歴史が凝縮されて目の前にあったのだ。そういうことだった。

途中でヘディングの競り合いで頭を痛めてピッチの外で横たわる「フリをした」宮本が、メディカルスタッフの仕込んだ「バットマン・マスク」をつけてピッチに戻るなど、これは正直言って予想外の「ネタ」であった。さすが関西人。客大喜び(そしてディフェンス陣も全員バットマンマスクを少しの間だけつけていたりする)。

宮本の息子さんも「追加出場」でピッチにあらわれ、そして普通に上手なドリブルで選手たちをかわしていく姿にどよめく。そして三都主がわざと突き飛ばして(この日の彼はちゃんとヒール役をしっかりこなしていて見事だった)PKを与えて、息子がゴールを決めた。

そのあとも、ヒデと俊輔が宮本の息子とマッチアップするなど、終始ハートフルな展開。

ヴィッセル神戸フレンズやガンバ大阪フレンズとしても宮本がそれぞれ加わって3試合をこなす。それにしてもガンバの苦しい事情を思うと、来日してくれたシジクレイとかは普通に今のガンバに復帰したらいいのに、っていう安定したパフォーマンス(苦笑)。なにより現在のミスター監督が背番号11をつけて、ちゃんとエリを立てて少しだけピッチに立っていたりして、そして家長とか吉原宏太とか大黒や山口智も違和感なくガンバ大阪のためにプレイし、ガンバファンとしても楽しめた試合だったと思う。

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なので、「宮本が主役」でありつつも、「宮本恒靖のいた時代」における日本および関西のサッカー界の歴史みたいなものが、この日のホームズスタジアムで見事に演じられていたような感覚がある。

あぁ、惜しむらくはスタジアムに空席がけっこうあったことだ。とくにゴール裏がスカスカだったのがちょっと残念。もちろん私ですら最初は行くのを迷った試合ではあるが、この空間はあの2002年W杯を忘れたくない人間にとって、なんとも言いようのない感情をもたらしてくれた。感謝したい気分というか、懐かしすぎて泣けそうな気分というか、戻らない時間を悔いる気分だったり。

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最後のあいさつで、宮本恒靖はこう言った。

 サッカーはこの日本でもっと大きな存在になれると思います。そうなっていかないといけないとも思います。毎試合スタジアムが満員になること。親子3世代が手を取り合ってスタジアムに行くことが普通になること。グラウンドがたくさんできて、子どもたちがどこでもサッカーをできるようになること。そしてW杯で日本が優勝する日が来ること。絶対にそんな日が来るのではないかと思ってます。
 
 そのために、皆さんがみんながそれぞれの立場でやれることがあります。選手はいいパフォーマンスをみせて、お客さんに感動を与えないといけないと思います。そして皆さんは皆さんの立場でサッカーの良さ、素晴らしさを周りに伝えていってください。周りの人をスタジアムに連れてきてください。僕は僕でこれから学ぶこと、経験することでサッカー界の発展に貢献していきたいと思います。

おこがましさを承知で書くが、私も、それゆえにサッカーを応援しようとしてきた。なので宮本がこの場でこういうふうに表明をしてくれたことで、ものすごく勇気づけられたのである。それぞれの立場の人々が、勝ったり負けたり泣いたり笑ったり、まさにサッカーのポジションのように、自分のできるプレーで自分なりにサッカーのために貢献していくありかた。「FOOTBALL ACTIVIST」と言い張る自分にとって、宮本は「チームメイト」であり、これからも彼は私たちにとっての永遠のキャプテンでもある。

 

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2012年7月 9日

宮間、福元、カズ、大嶽、山口を岡山でみた日

湯郷ベルのサポーターになったM・フィオリオ氏が、なでしこリーグカップ、対伊賀FCくノ一戦を観に行くというので、渋いカードに行くなぁと感心した。
そこで試みに私は、「ちなみにその試合が終わったあとの夜、岡山市街にあるカンコースタジアムでは、ファジアーノ岡山×横浜FCがありますよ。カズ見れるかもしれませんよ、カズ」とダメモトで進言したら予想以上に乗り気になったので、ではいっそのこと2試合ハシゴしてみようとなり、私も予定をあわせてクルマに乗せてもらい、今年二度目の“酔狂な”湯郷行きとなった。

やはりクルマでいくと湯郷は近く感じる。道の駅なんか寄ったりして、野菜を買い込んでしまう(用意のいいフィオリオ氏がクーラーボックスを持ってきていた)。

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雨が過ぎていい天気だった。いつ来てものどかで牧歌的なスタジアムだ。
この「地元の運動会的なムード」が、フィオリオ氏にとってはツボだったようだ。

ちなみに伊賀FCは、かつてなでしこジャパンでも活躍していた宮本ともみが現役復帰してボランチをやっている。実際、試合のなかでも目立っていた。
そして監督は(てっきり現地にくるまで忘れていたのだが)元サンガ、ていうか元フリューゲルスの大嶽直人である。「ドーハの悲劇」の日本代表経験者でもある。そんな大嶽監督の存在感が個人的には懐かしい気分を伴ってグッときた。

試合展開は、オウンゴールで先制した湯郷が、喜びもつかのま次のキックオフのワンプレーで見事に崩されて同点にされてしまい、テンポのかみ合わないまま追加点を許してしまい負けてしまうという展開となった。

試合後、ロンドン五輪へむけた壮行会が行われた。フィオリオ氏は「ロンドンでの結果がどうであれ、五輪後をいかに迎えて応援し続けるかが大事だ」と主張して壮行会を見るのをやめて早くファジアーノの試合にいこうとしたが、私はせっかくなんで壮行会をみたいとゴネさせてもらった。

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この日は一眼レフカメラを借りてきていたので、こういう写真が撮れた。
やはり負けた試合の直後だけに、二人とも憮然とした表情である(笑)。ともあれ、ロンドン五輪へ出発する直前に湯郷でこの二人を見ることができたのはよかったと思う。

試合後に壮行会をみたので出発が遅れた。フィオリオ氏は湯郷から「1時間で」岡山市街にいけると踏んでいて、実際にアクセルを踏みまくって、本当に一時間ぐらいで岡山に到着。しかし駐車場がなかなか見つからず、岡山駅までいって停めて、そこからタクシーでカンコースタジアムへ。

すでに前半が終わるころであったが、私はこの日の試合ではカズが見られたらそれでオッケーであり、そして今シーズンはたいていカズはベンチスタートなので、おそらくハーフタイム中にピッチ上でアップをしている姿が見られるか、運がよければ後半途中から出場するであろうと思っていた。

そうしてカンコースタジアムに近づく。噂には聞いていたが、熱いサポーターが多く、そしてこの日はやはり観客数が多い気配だった。

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陸上競技場ではあるが、スタンドの傾斜角度がかなり良い感じで、西京極とはえらい違いである。そして独特の一体感を覚えるのはなぜだろうか・・・と思ったら、フィオリオ氏が「ファジアーノの赤茶色のチームカラーと、陸上トラックの色が合っている」という発見をした。なるほどと思った(笑)。

で、我々はメインスタンドど真ん中の指定席に座った。到着したとき、ちょうどハーフタイムだったので、横浜FCの様子をみると・・・

「あれ、カズがいない!!」
となり、ショックを受けた。今日は欠場なのか?

しかし後半が開始され、電光掲示板に本日のメンバーが表示され、そして客の盛り上がりを見て驚いた。じつはスタメンでカズが出ていたのである。
あがるテンション。

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おおおおおー、カズだカズ。
やー、来てよかったっす。
じつに久しぶりにカズを観た。
後半途中までの出場で、そのあいだこの日はずっとカメラでカズを追っていた。

ちなみに横浜FCの監督は山口素弘がシーズン途中から就任し、この人も大嶽とともにフリューゲルスの黄金期を支えていたことを思うと、不思議な気分であった。

ファジアーノのほうはフォワード・川又の奮闘ぶりを楽しみにしていた。さすがチームをひっぱっていこうとする力強さがヒシヒシと伝わってくる。
そしてサポーターも良い感じで盛り上げていて、何より感心したのは、メインスタンドの客もみんな一緒になってセットプレーのときなどに必ずマフラーを振り回していたことだ。案外こういう応援文化って珍しい気がする。ファジアーノ、かなり地元で愛されている。

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試合は惜しくもホームチームが0-1で負けたのだが、あとになって分かったのは、
「横浜FCはJ2リーグ記録となる、アウェイ9連勝となった」ことと、
「この日の観客数1万2千人は、今シーズンのファジアーノのホームでは最多」
とのこと。やはりカズ効果があったのか。

終わったあと、この大観衆にも関わらず、気楽な気分で帰れたのは、スタジアムから岡山駅までの道のりがほどよい距離だったので、自然に人間の流れが分散されていったからである。途中に立ち寄れそうな飲食店もあるし、道幅は広いので、とてもよくできたロケーションだと思った。
そして岡山駅に近づくと、ファジアーノのショップもあったりする。

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試合後に立ち寄りたくなる雰囲気があった。

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JリーグクラブのTシャツって欲しいと思えるものが少なすぎるのだが、ファジアーノについては、ベースカラーが落ち着いているからか、とても感じのいいデザインのものが散見された。本気で買おうかと思って1枚選んでみたら、よくみると子ども用サイズしか残っていなくて残念。

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マスコットキャラもスマートで嫌味がなく、格好いいと思う。

ファジアーノ岡山、何もかもが「ほどよい感じ」の都市型フットボールクラブであった。
こういう雰囲気で自分の地元にもプロサッカークラブがあればいいよな、と思える。
それに岡山県は、なでしこチャレンジリーグのFC高梁も含めたら3つもチームがあるのだった。恵まれている県である。

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2012年7月 2日

EURO決勝と五輪代表メンバー発表

いろいろあった一日であるが、まずはEURO決勝。スペインの早い時間帯の1点目につきる。セスクの、まるでダヴィド・シルバの顔面にめがけて蹴ったかのような早いボールを、シルバがちゃんとヘッドであわせて、あんなスーベルゴールを見せられたら、そりゃあ拍手を送るしかない。2点目のゴールも見事。相変わらずゼロトップでチマチマした感じのスペイン代表だったが、今大会でいちばんいい内容の試合をしたのかもしれない。とはいえ私は、3人目の交代で入ったチアゴ・モッタが早々に負傷退場して10人になってしまった時点で、横になって睡眠モードに入ってしまったが・・・

いずれにせよ今回ほどEUROをしっかり観た機会はなく、そしてワールドカップと同等の、いやそれ以上に面白い代表戦をたくさん観させてもらった気がする。WOWOWのサッカー中継も噂通りに良いクオリティで、なんだか「ゴージャス感」はスカパーよりも感じられたのはなぜだろう。あと元ベルマーレの野口さんの解説も、テンポ良くて聴きやすかったり。

ちょっと話がそれるが、この6月にスカパーのJSPORTSではじめて(のはず)「ルマン24時間耐久レース」の中継が行われて、その再放送をちょっとだけ観るチャンスがあったのだが、やっぱり人生に一度はこの「偉大なる草レース」を観たいとあらためて思った。とくに真夜中から明け方にかけて、満身創痍でボロボロ状態のマシンが、フランスの朝焼けの綺麗な空を背景に果敢に走り続けるそのヴィジュアルにポエジーな旅情感をかきたてられた次第である。
そんなこんなで「あーー、ルマンってやっぱりいいよなぁ」と思いつつ、ふと思い立って調べると、なんと次回のEURO2016年大会は、よりによってフランス開催とのこと(笑)。ここは気が早いと思われるが、大きな声で主張したい・・・「ユーロとルマン24時間が一緒に楽しめますよお嬢さん!!!」ということだ。これはものすごく素晴らしいことであるぞ、と。おそらくルマンの時期的に、EUROのグループリーグがおわって準々決勝あたりの日程とかぶりそうな気配だが、私はちょっとホントになんとかしてこの時期のフランスにいられないかとついつい夢想モードに入ってしまう。こうして次回のEUROもかなーーり楽しみになってくるのである。

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さて、また話が変わって、今日はロンドンオリンピックの日本代表メンバーが発表された。
なでしこジャパンは宇津木がケガのために落選した以外は、ほぼ予想通りの人選。ディフェンス陣の人数が少ないように思われるかもしれないが、田中明日菜はINACでセンターバックもやっているので、そのあたりはうまくやりくりできるかもしれない。丸山の選出にあたっては佐々木監督が「ピッチ外でのポテンシャルの高さも含めて」といったコメントをして場内を笑わせたみたいだが、でもこれはサッカーの国際大会を闘ううえでは重要なファクターだと思う。単にサッカーの技術だけの優劣で代表チームに選出されるわけではなく、あくまでサッカーはチームスポーツであり、ピッチ外での「日常」においても、まさに「サッカー的に生きていく」ことが求められることを示していると思う。

驚きは男子U23だった。大迫や原口が落選。そして杉本健勇が選出。彼はこのためにわざわざセレッソから短期レンタル移籍でヴェルディにいったわけだが、そこでの活躍も認められた格好になる。いずれにせよ、私の感覚でいえば、大迫ではなく健勇を選んだ背景には、「清武・蛍・扇原・健勇」という「実質的にセレッソ大阪」のメンバーを軸に攻撃を組み立てていくというノリがうかがえるわけで、大迫には申し訳ないが、そういう側面を優先してこれからは本大会にむけて連携を高めていくことを期待するしかない。しかし大迫や指宿がバックアップメンバーにすら入らなかったこのメンバー構成だと、もし健勇の身に何かが起こったら、トップでターゲットになるFWは実質ゼロになってしまう不安がある。そのときのためにも、やっぱりオーバーエイジには吉田マヤではなく闘莉王を選んでおくべきだったかもしれない。

あと山崎や山本康裕のジュビロ勢も18人には入れずに残念。山本康のような器用な選手はメンバーに入れておきたいのだが、でもいまは清水の村松がJリーグでものすごく好調のようなので(あと彼はSBもできる)、なかなか難しかったか。そしてあらためてこの場で個人的に心から残念だと思うのは川崎の登里!!このタイミングでケガを負ってしまったことが大変悔やまれる。

そのほかにも「オーバーエイジのGK林がなぜかバックアップに回ったことによる権田への影響」とか「主将はこれでも山村なのかよ」とか「宇佐美の試合勘をどうやって取り戻すか」とか「清武、東、大津、齋藤、宇佐美って豪華でいいんだけど2列目でどういう組み合わせで使うのか、指揮官の判断迷わせるだけじゃないか」とか、じつに「語りがいのあるU-23代表」になっていくわけで、これらも本大会に向けてじわじわと考察していければと思う。

ちなみに、今回のロンドン五輪代表候補をめぐるいろいろなやりとりをこの1年ぐらい眺めていて、私はようやく、男子のU-23代表のオーバーエイジ枠の利用は「不要」だという結論に至った。これについてはまた今度書きたいと思う。

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2012年7月 1日

セレッソ大阪×浦和レッズ、清武国内ラストゲームにて

0-1でリードされたまま、後半のこり10分ぐらいのところでソアレス監督が、この日国内ラストゲームとなる清武をベンチに下げた。3万6千人の入ったスタジアム、客席の反応はおおむね「なんでやねん!?」といった感じ。この日の「主役」を、いくら負けているゲームだからといって、なぜブランキーニョと交代させるのか・・・というムードに(この時点で帰り支度をする客もいた)。

しかしその後必死の猛攻でアディショナルタイムに柿谷が同点ゴールを決めたことを思うと、これはやはり「采配の妙味」なんだろうなと思う。つまり、ソアレス監督は清武を下げたことでピッチ上にいる選手たちに奮起を促した、という見方ができる。おそらく「なんで!?」と思ったのは客だけじゃなく、選手たちもそうだったのかもしれない。一見「空気の読めない采配」だったかもしれないが、プロの仕事としてはうまくいったケースであろう(ただし、これは国内外問わずしばしば苦言を呈したくなる事項なのだが、サッカーで同点ゴールを決めたら、サポーターは狂喜していてもいいが、選手はできるだけすみやかにボールをふたたびセンターサークルに戻すべきであり、そういう意味では昨年のなでしこのW杯決勝において宮間あやが同点ゴールを決めたあとにとった振る舞いがもっとも望ましい)。

というわけで、大賑わいのスタジアムが最後になって大盛り上がりとなり、そうして和やかにハートフルな清武旅立ちのセレモニーが試合後に行われた。
森島と香川が花束を贈呈に。背番号8の系譜がこうしてまたひとつあたらしい意味合いを帯びてサポーターの心に焼き付けられていくのだろう(この2人を生で観られたのは得した気分であった)。
考えてみたら、現役の海外組の選手が、過去に在籍していたクラブで(しかも同じ背番号を受け継いだ選手の)海外挑戦への壮行会で花束を贈呈するというシーンは、いままで日本のサッカー界であったのかどうか。それだけセレッソが多くの選手を輩出しているクラブであるわけだが、なんだかこれってすごいことだよな、と純粋に思った。

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試合そのものについて言えば、扇原が序盤にかなり積極的に前で攻撃にからんでいて、近日中に発表されるオリンピック代表メンバー入りに向けての気合いを感じさせた。ただしセレッソは柿谷とキム・ボギョン(韓国五輪代表入りが決定)と右サイドバックの酒本のあたりでしか得点を生み出す雰囲気が創れていなかった感じ。清武不在のあとにどこまで攻撃を組み立てることができるか。

レッズは、鈴木啓太が戻ってきて阿部とのコンビネーションでうまくバランスをとってまとめていたように思う。先制点も柏木との連携プレーで鈴木啓太がゲット。DF槙野が調子乗ってガンガン前に攻め上るがゆえに、このオトナなボランチ二人がちゃんとフォローして尻ぬぐいしていたあたりが印象的。そして槙野同様、このチームは両サイドMFの梅崎と平川がひたすら攻守にわたって走りまくっており、ここの運動量がミシャ・ペトロビッチ監督の思い描く3バックでの攻撃において生命線となってくるのがよくわかった。

あと前線でいえば、五輪代表入りを狙う原口元気、わりとワントップの動きを自分のモノにしている印象があって、なんだか実際以上に身長まで大きく見えた。数試合前からこのような形をトライしていて「原口にはワントップは向いていないだろう」と思っていたのだが、もしかしたら本当にポストプレーヤーとして開花していったり。彼と交代で入ったデスポトビッチがチャンスをムダにしまくったがゆえに、なおさら原口の健闘が印象的。

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