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2012年7月 1日

セレッソ大阪×浦和レッズ、清武国内ラストゲームにて

0-1でリードされたまま、後半のこり10分ぐらいのところでソアレス監督が、この日国内ラストゲームとなる清武をベンチに下げた。3万6千人の入ったスタジアム、客席の反応はおおむね「なんでやねん!?」といった感じ。この日の「主役」を、いくら負けているゲームだからといって、なぜブランキーニョと交代させるのか・・・というムードに(この時点で帰り支度をする客もいた)。

しかしその後必死の猛攻でアディショナルタイムに柿谷が同点ゴールを決めたことを思うと、これはやはり「采配の妙味」なんだろうなと思う。つまり、ソアレス監督は清武を下げたことでピッチ上にいる選手たちに奮起を促した、という見方ができる。おそらく「なんで!?」と思ったのは客だけじゃなく、選手たちもそうだったのかもしれない。一見「空気の読めない采配」だったかもしれないが、プロの仕事としてはうまくいったケースであろう(ただし、これは国内外問わずしばしば苦言を呈したくなる事項なのだが、サッカーで同点ゴールを決めたら、サポーターは狂喜していてもいいが、選手はできるだけすみやかにボールをふたたびセンターサークルに戻すべきであり、そういう意味では昨年のなでしこのW杯決勝において宮間あやが同点ゴールを決めたあとにとった振る舞いがもっとも望ましい)。

というわけで、大賑わいのスタジアムが最後になって大盛り上がりとなり、そうして和やかにハートフルな清武旅立ちのセレモニーが試合後に行われた。
森島と香川が花束を贈呈に。背番号8の系譜がこうしてまたひとつあたらしい意味合いを帯びてサポーターの心に焼き付けられていくのだろう(この2人を生で観られたのは得した気分であった)。
考えてみたら、現役の海外組の選手が、過去に在籍していたクラブで(しかも同じ背番号を受け継いだ選手の)海外挑戦への壮行会で花束を贈呈するというシーンは、いままで日本のサッカー界であったのかどうか。それだけセレッソが多くの選手を輩出しているクラブであるわけだが、なんだかこれってすごいことだよな、と純粋に思った。

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試合そのものについて言えば、扇原が序盤にかなり積極的に前で攻撃にからんでいて、近日中に発表されるオリンピック代表メンバー入りに向けての気合いを感じさせた。ただしセレッソは柿谷とキム・ボギョン(韓国五輪代表入りが決定)と右サイドバックの酒本のあたりでしか得点を生み出す雰囲気が創れていなかった感じ。清武不在のあとにどこまで攻撃を組み立てることができるか。

レッズは、鈴木啓太が戻ってきて阿部とのコンビネーションでうまくバランスをとってまとめていたように思う。先制点も柏木との連携プレーで鈴木啓太がゲット。DF槙野が調子乗ってガンガン前に攻め上るがゆえに、このオトナなボランチ二人がちゃんとフォローして尻ぬぐいしていたあたりが印象的。そして槙野同様、このチームは両サイドMFの梅崎と平川がひたすら攻守にわたって走りまくっており、ここの運動量がミシャ・ペトロビッチ監督の思い描く3バックでの攻撃において生命線となってくるのがよくわかった。

あと前線でいえば、五輪代表入りを狙う原口元気、わりとワントップの動きを自分のモノにしている印象があって、なんだか実際以上に身長まで大きく見えた。数試合前からこのような形をトライしていて「原口にはワントップは向いていないだろう」と思っていたのだが、もしかしたら本当にポストプレーヤーとして開花していったり。彼と交代で入ったデスポトビッチがチャンスをムダにしまくったがゆえに、なおさら原口の健闘が印象的。

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