日本×ホンジュラス:夏は、始まったばかり
客席でサー・ボビー・チャールトン翁が鎮座しておられたが、なんであそこのスタジアムにいたのだろうか。この日の英国代表はちょっと遠いカーディフで試合をするわけで、普通ならそっちにいくべきはずなのだが。
まさかマンチェスター・ユナイテッドのスカウティングのために・・・永井でも獲るのか・・・いやいや。
試合前の時点ではまだモロッコにも進出の可能性が残っていて、いま思えばこのグループは「死のグループ」だったのかもしれない。
勝つか引き分けでグループ1位突破が決まる日本、ここにきて5人のスタメンを入れ替えてくる。このムダにドキドキさせる関塚采配が注目であった。
しかも山村のボランチといい、村松の右サイドバックといい、普段の所属クラブではあまり担当していないはずの仕事をこの舞台で任せることもよりいっそうドキドキ感を高めていったように思う。
(今シーズンの清水エスパルスの右サイドバックは吉田豊が多いですよね?)
そして、本来なら最も休みを取ってもらいたいと感じる山口蛍と吉田マヤは結果的にこの日もフル出場。コンディション大丈夫か・・・
そんなドキドキ感だけがつのる試合、案の定中盤でボールが収まらず、そして奪われ方もよろしくない。
向こうも1位狙いだったので、点を取りに来るのは分かっていたのだから、あえてここは序盤からカウンター狙いでもよかったかもしれない。
(とはいえ、永井を休ませる必要もあったからなんとも難しいところだが)
そんななか、わりと攻め込まれて権田さんのナイスセーブが2つ。
ただし、どうにもリズムが作れない。選手の距離間が拙いのかもしれない。
ハーフタイム、ロンドンのスタジオからは宮本氏「試合勘のない選手がいる」と断言。宇佐美がんばれよ・・・。
後半も相変わらずボールロストを連発し、じわじわとムードも停滞。
今日の「引き分け狙い」は、先日のなでしこのそれとは違ってかなり危なっかしい。
結局最後までヒヤヒヤしっぱなし、でも最終的には(あきらめて?)ホンジュラスも守りに入ってくれて、これが大いに助かった。
ホンジュラスは、日本代表というチームがアディショナルタイムの時間帯に伝統的ともいえる勝負弱さを秘めていることを知らなかったのかもしれない。本気で心から助かった気分がした。
そうして平和な(としか言いようがない)アディショナルタイムが過ぎ、おたがいグループリーグ突破。日本は大会前の予想をくつがえす1位通過を果たす。
もちろん、この試合で点が取れなかったことは反省材料だったが、ともあれ1位通過だ。
次はエジプトと闘い、その先はメキシコかセネガルになる。
文字通り、日本サッカー史上最高のチャンスのひとつが広がってきたのである。
まずはそのことを喜びたい。
熱い夏はまだ始まったばかりである。
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