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2012年10月30日

ガンバ大阪サンフレッチェ広島湯郷ベルINAC神戸チェルシーにマンチェスターユナイテッドの週末

 ガンバ大阪×サンフレッチェ広島。

 降格ゾーンからの脱出をはかりたいガンバ大阪が、首位争いでベガルタ仙台に並ばれたばかりの広島を迎えるという、なかなか味わいのあるシチュエーション。今年はセレッソ戦のときの広島もみているので、今回も面白い試合をみせてくれると期待。今回はとくに森脇、千葉、水本の不動のセンターバックの動きを中心に観ていた。ほとんど誰も欠けることなくこのディフェンスラインでフルシーズンを闘えたことが今年のサンフレッチェのすごいところである。特にこれはエルゴラ紙でも書いていたが、新潟から森保監督がひっぱってきた千葉和彦は今年のJリーグ随一の「当たり補強」である。

 そうして観察すると、むしろ広島は3バックのサポートとして、サイドハーフのミキッチと若手の清水が攻守において献身的に走り続けていることに感心する。しんどくても約束ごとがきっちりしているのか、かならず反対サイドの攻撃のときにはディフェンスに下がって4バックみたいになっている。これを徹底してできる運動量が、この広島のサッカーの重要な条件のようだ。

 しかし後半10分になって均衡がくずれ、ガンバの遠藤がゴール前で冷静にかわしてゴラッソなシュート。お客さん驚きに似た歓喜。まるでメッシみたいだった。それで思い出したが、試合前の前座でやっていた少年サッカーの試合でも、10番をつけたひときわ小柄な子がメッシのように恐ろしく巧くて、誰よりも輝いていたのがすごく印象的で、名前がもしわかったら、チェルシーFCに報告したいぐらいだと思ったほど。あぁこうして輝かしい才能が日本にはどんどん育っているのか、と思わせた。だってJリーグの前座試合の少年サッカーで何回もお客さんをどよめかせるプレーヤーってそうそういないよ。あの少年はこの日観た2つの試合のなかである意味一番衝撃的だったかもしれない。お金払って今日のこのスタジアムに来てよかったと思わせたプレーヤーだった(笑)。

 で、しかし広島のディフェンスは、失点のあとでも非常に落ち着いているようにみえた。まだまだいけるし大丈夫、そういう余裕が感じられた。とにかくレアンドロに何もさせないようにがんばっていた感じ。そのぶん家長がわりとフリーでボールを受けてチャンスを作れそうだったりしていた。あと前半途中でフリーでうまく抜け出した二川が絶好機を外したのが今思うと残念!フタさんゴールはみたかった。
 そんなこんなで後半のこり15分ぐらいのところ、広島は石原にいいボールが通って、その混戦でうしろから森崎のシュートがつきささる。選手の一部はベンチに向かって一緒に喜んでいたのが印象的。
 その後、試合はドローで決着。他会場のスコアが気になる試合となった。

 あと広島のゴール裏サポーターによる、佐藤寿人コールの太鼓のリズムが感じ入った。
「ヒサト!(タカタカタカタカ)ヒサト!(タカタカタカタカ)ヒサト!(タカタカタカタカ)ヒサト!(タカタカタカタカ)」
どういうことかというと、普通なら名前のあとに「ドン・ドン!」と2拍で打ちそうなところを、このコールでは16分音符を8連打し、さらにそれを4回繰り返すという、この細かい打ち方がとてもカッコよかった。スピード感があるので、まさに佐藤寿人のプレーそのもののイメージでもある。太鼓をたたく人の技術と体力が要求されるテンポでもあり、なんだか今も耳に残る。

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 翌日は湯郷へ。INAC神戸をホームで迎えるとあってM・フィオリオ氏によると前売り券は速攻で完売したとのこと。そして今回我々は満を持してキックオフの3時間前にスタジアムへ向かったのだが、スタジアム付近で早くから入場を待つ列の長さに驚く。以前からずっとこのカードは湯郷で観たいと思っていたし、「宮間×澤」の闘いを観たい、と思っていたわけだが、やはり思うところはお客さんみんな同じで、結局5000人近い観客を集めた。せっかくならもっと入場料上げてもよかったと思うぞ湯郷ベル。

 なんとかメインスタンドの席をぎりぎり確保できる程度には前のほうで並んでいたようだ(でも3時間前到着でこれだもんな)。試合は序盤に訪れた宮間のFKが惜しくもクロスバーを叩いて、ここが勝敗の分かれ目のようであった。その後INACがサイドを広く使って猛攻をしかけて前半2点、後半2点を押し込んだ。湯郷ベルもかなりシュートチャンスは作ったが、松岡の意地の1ゴールに留まり、これでベルサポーターのフィオリオ氏は、今季タテーシを連れてきたホームゲーム3試合で全敗となり、来シーズンも湯郷まで車に乗せてもらえるかどうか(笑)。

 このゲーム、かなり意識して注目していた宮間も、試合になると遠慮せずに澤にガツンと当たりに行っていたり、あと宮間のフリーキックを澤がヘッドできれいに跳ね返したり、あとGK福元がこの日も存在感あるコーチングで奮闘していた・・・先日発表された今年のバロンドール候補者の3選手が同じピッチで立っていて、まさに「バロンドーラー・ダービー」ともいえる、実は日本サッカー界においてもかなり見応えのある現場だった(我々としては福元が今年のバロンドールで受賞に値する選手であると一致した)。

 帰りも大混雑で、我々の車が駐車場の奥の奥だったため、すぐには会場を離れることができないと思ったので、この日はメインスタンドに長くたたずんでいた。試合後のベルの選手たちのボール回しの練習などを眺めてみたり、雨に濡れた横断幕をスタンドで乾かしていて、あぁこの横断幕はこういうペイントで描かれていたのかと観察したりして時間をつぶしていた。今回は出待ちをするつもりもなく、そしてたくさんのファンが今回も駐車場付近でINACの選手を待っていた。

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スタジアム裏手の状況。

だが、もうそろそろ駐車場に向かって帰ろうかとスタンドの階段を降りて正門側に出ようとしたら、階段を下りてすぐそばにあった自販機に近賀や大野(たぶん)がダッシュで向かって、ジュースを買ってすぐにまた戻っていくというタイミングに遭遇。まさにサッカーの試合のごとく「一瞬のうごき」で我々は翻弄されたのだが、予期せぬ形で今回も「出待ち」みたいになって、間近で見られてなんだかつくづくそういう部分ではいつも湯郷ではラッキーな目にあう。

あと帰り間際で目撃したのは、フル出場していた湯郷の中野が試合後で足を引きずっていたにも関わらず、軽トラックでグラウンドから外に出ようとしていたスタッフのおじさんから、鉄門の開閉を頼まれて、イヤな顔をまったく見せず重い扉を一人で開け閉めしていたり・・・おいおいこの人選手だぞ、さっきまで闘っていたんだぞ、足ひきずってんだぞ、とヒヤヒヤして眺めていましたが。いずれにせよ、美作ラグビー・サッカー場、いつ訪れても、なんだか牧歌的でユルい世界でステキです。

Yunogor0056537

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そしてこの週末のサッカーはこれで終わらず、深夜は気合いをいれてチェルシー×香川不在ユナイテッドの大一番を半分寝ながら観つつ・・・気づけば2失点され・・・でも追いついて、ハイテンションな試合でボルテージがあがり、でも結果的にこの日の主審が、おそらくプレミアリーグの優勝争いを面白くしたがったのだろうというジャッジを連発。怒りとか悔しさというのではなく、なんだかもう、「あぁ、そうですか、そうやって順位表を楽しくしちゃうってわけですかハイハイ!」という気分である。でもこの日の両チームのバトルをみるにつけ、2枚のレッドカードがなければ、もっと素晴らしくハイテンションで楽しい試合展開になっていたはずで、それが何より惜しい。

それに、私の知るご夫妻が、ハネムーンとしてこの日スタンフォードブリッジに行っており、初めての海外サッカー観戦がこの試合となって、おそらくホームスタジアムのサポーターは荒れ狂っていたり罵詈雑言をのたうちまわってかなり凄まじい雰囲気であったかと思うのだが、それも含めてどうかいい想い出となってくれていたらいいな、と願わずにはいられない。

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コメント

日曜日はお疲れ様でした。
ベルの試合を観に行きたいとあれば、これに懲りずに、湯郷まで乗せていきます。
この前の出待ちといい、今回の自動販売機での遭遇といい、ラ・サスタは、むしろ試合後の方が集中力を途切れさせてはいけないところだということが、骨身にしみて理解させられました。

投稿: M.フィオリオ | 2012年10月31日 20:23

M・フィオリオ>安心しました。ありがとうございます(笑)。試合後も集中しなければならない、ある種スリリングなスタジアムですね。ラサスタ。

投稿: N.Tateishi | 2012年10月31日 22:51

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