クネクネしていない試合としてのCL決勝
こういうのが観たかったんだよな、っていうスカッとしたチャンピオンズリーグ決勝だった。
本当は寝てしまおうかと思ったけど、試合が始まるやすごくテンション上げてくれて最後までビシッと目が開いたまま楽しめた。
なんかこう、タテに早くて切り替えも早い。最近はどうしてもバルサの影響で「パスサッカー」というフィーリングがもてはやされている中、今回の決勝戦は痛快なまでにパキパキとした速さと強さが冴え渡るサッカーだったと感じた。そして両チームのゴールキーパーが試合をキリッと引き締めていったわけで、皮肉にも舞台はウェンブリー、イングランドサッカーの殿堂において、この両クラブのドイツ人キーパーを前にして「ああーーー、ゴールキーパーっていうのはこういう人たちのことを言うのだよ」と諭されているかのような状況を思った。
どちらのキーパーも、ビッグセーブのあとの平然としたクールなたたずまいが、またニクい。
くっそーー格好いいじゃねぇかよお! しかも試合があんなにスピーディーな展開だから、よけいにキーパーの仕事がいいアクセントというか、リズム感をさらに高めていった感じに思える。
そして特にロッベンの決勝ゴールも、あれは文句なしでビューティフルゴール。あの状況であれができるのが凄かった。ほんの一瞬のトラップの妙味でかわして、しかもキーパーの動きをみてフッと横にすらしていく感じは、時が止まったかのような不思議な感覚があった(ついでにいうと土曜日のセレッソ柿谷のシュートもハイライト映像で観たけどロッベンに負けず劣らずトラップが今回もすごかったですが。なんだか最近はデニス・ベルカンプのごとく神トラップ&シュートの鬼みたいな選手になってきていて、もう今年のJリーグでは柿谷を出来るだけスタジアムで観ておかないと、っていう)。
あともうひとり印象的だったのが、ドルトムントのセンターバック、スボティッチのことなんだが、ライン上ギリギリに入りそうなボールをスライディングでクリアしたシーンは強烈に面白かったわけだが、そのあとにも別のシーンで、ダンテの鋭いシュートをキーパーのヴァイデンフェラーが弾いた状況についても書いておきたい。
あのときのリプレイをスローでみると、おそらくあのシュートはスボティッチが足を出してブロックしようと思ったらできそうな感じがしたのだけど、おそらく彼は一瞬の判断、もう本当に神がかり的な刹那の一瞬に、「自分がこのボールを足で当てにいったら、リフレクトでボールが変なところに飛ぶ!」と判断し、あえてボールの行方をそのままキーパーに委ね、足を少しひっこめたかのように見受けられたのが興味深かった。結果的にそれはナイス判断で、ちゃんとキーパーが止められるコースであるということもその判断のなかで行われたのかもしれないし、その信頼関係もすごいと思える。ひょっとしたらそれは考えすぎなのかもしれないけど、でもリプレイのスローモーションでそういう細かいところで見入ってしまいたくなるぐらい、この試合はひたすら面白くて試合時間があっというまに過ぎていったわけである。
そう、悔しいけど去年の決勝戦よりもスピーディーで面白い試合だったのは認めざるを得ない(笑)
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コメント
ええ、まったくもってハイレベルな、footballファンなら誰でも楽しめる素晴らしい決勝戦でした。ドイツの両雄がCL決勝戦までたどり着いた理由がよく解りましたね。
ハインケスは自身のラストシーズンにクオリティもメンタリティも完成形のチームを示しましたね。ぶっちゃけ今のチェルシーがバイエルンと戦っても勝てる気がしません(汗)。
投稿: Consadole at Stamford Bridge | 2013年5月27日 08:37
Consadole at Stamford Bridge>やっぱりそう思いますよね(苦笑)。ああいうスピーディーな攻撃にさらされてしまうと、ちょっと耐久力の面では厳しいかなぁと。そんなこんなでバイエルンも来季はグアルディオラ監督ということで、また違った味わいになるんでしょうか。
投稿: N.Tateishi | 2013年5月27日 23:32