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2013年6月

2013年6月30日

文生堂書院「サッカーとワールドカップに関する洋古書コレクション」

仕事の関係で、古書店の文生堂書院のメールマガジンを受け取るようになっていたのだが、たまたま先日紹介されていたのが、
「サッカーとワールドカップに関する洋古書コレクション」の目録。
こちらのページ)から、PDFでダウンロードもできる。

当然ながら、洋書の世界でサッカー関係の本は古くから山ほど出版されているわけで、このリストも丁寧に読めばすごくツッコミがいのある本も見つかるかもしれない(時間がないのでゆっくり確認できていないが)。

ザッとみて目についたのは110番の『Soccer Skills with Gazza.』。アメリカW杯の前年に出版されているわけで、怪童ポール・ガスコインのサッカースキルが堪能できる本なんだろうな。たぶんサッカー教本かもしれないんだけど、ガスコインが教えてくれるサッカー本っていうのは、これはちょっと気になる(って、すっかり忘れていたのだが、イングランドはアメリカ大会の出場を逃していたんだよな)。

そういえばロンドンにサッカー関連書籍がメインのちいさい本屋さんがあったのを思い出したのだが(たぶん書店の多いレスタースクエア周辺)、すっかり名前も場所も忘れてしまった。どこかにデータがあるはずだが・・・とにかく一軒まるごとスポーツ書籍だけのお店というのもそれはそれでアリだなーと思った。

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2013年6月23日

代表チームのアイデンティティ

メキシコ戦のあと、ザック監督は記者会見で、おおきくスタメンを変えずに試合に臨んだことについて「チームのアイデンティティを壊したくなかっ た」という旨の返答をしたとのこと。やはりザックはクラブチームの監督のパースペクティブで代表チームをみているのかな、と感じてしまう。実際ザックにとって日本代表がはじめてのナショナルチームでの指揮となるわけで、そのあたりはかなり大きいポイントかと思う。

チームのアイデンティティというのは、クラブチームでこそ監督の色がすぐに反映されるのかもしれないが、日常的に試合ができないナショナルチームになると、その根幹の思想は歴史と時間によってのみ生成されていくと思うのだ。

たとえばオランダ代表の4-3-3システムは育成年代から一貫して採用するなど、かなりあのフォーメーションの伝統を大切にしてきたり、ドイツ代表の不屈の闘志とか、アイルランド代表のあの感動的なまでのロングボール一辺倒からのワンチャンスにかける泥臭さとか、そういうものは一人の監督によって築かれるものではないと思えるのだ。

なのでメキシコとの3戦目はまったくスタメンを入れかえて臨んでほしかった。せっかく呼んだ選手を、完全なる消化試合で使わないのならいつ使うのやら。そういう意味で今のところザック采配については疑問が残りまくる。

と同時に、監督の国籍がW杯予選をひかえるたびにコロコロ変わって、やたら厳格なルールを求められたり、急に自由ばかりが与えられたりなど、一貫性のない方向性でもって日本代表が右往左往されてしまう状況を作っている協会にも疑問が生じてくるわけで。頼むよ原さん。

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コンフェデ杯にあわせて起こったブラジルの大規模デモについて、ロイターのサイトで21日に公開されていた「焦点:『南米の春』遠いブラジル、アラブと異なるデモの本質」は分かりやすい記事だった。ただしその翌日ぐらいからデモ参加者が100万人とかの報道になったので、記事が書かれたころとはまた違った局面になっているのかもしれないが。

いずれにせよ、来年のW杯のときにも同様のことは行われるかもしれないし、その次に開催される(おなじBRICsでもある)ロシアのW杯だったりも、今回のことからいろいろと波及していく動きがあるかもしれない。

この記事でも述べられているように、「今まではサッカーで不満が解消されていたのに、新しい世代の新しい形のデモだ」というのは、ブラジルから発信されたという意味ではとても重要なことのように思う。

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そんななか、日本のスポーツメディアが当然ながら報道しないU-20ワールドカップ、トルコにて先週からひっそり開幕。日本が出場権を逃したこの大会は、次のリオ五輪世代にとっての登竜門であり、あぁなんでこの大会に出られなかったのか日本よ、とあらためてネットで結果をみながら残念に思う。

韓国はポルトガル・ナイジェリア・キューバ、オーストラリアはトルコ・コロンビア・エルサルバドル、そしてイラクはイングランド・チリ・エジプトと同組。やー、楽しそうでうらやましい。

このU-20世代は、セレッソの南野や、広島の野津田とか神戸の岩波とかJリーグでも試合に出るようになって面白い存在が揃ってきつつあるだけに・・・。京都の久保だって、本来なら今頃トルコでこの大会に出ていたのかもしれず、その悔しさにより私は思わず先日西京極にいって彼のホームラストゲームを見届けてきたぐらいだ(なんでこのタイミングでスイスリーグに移籍するのか、J1リーグ目指したほうがよっぽどいいんじゃないか、とはやっぱり思うのだが)。

なので、コンフェデでA代表が3連敗したことよりも、それ以上にこの世代が国際大会の経験を積めないままでいることのほうが悔しくて心配。

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2013年6月18日

NHKは、あの頃のことを思い出そうよ。

早朝のナイジェリア×タヒチは試合終了ごろに起きてテレビをつけっぱなしにしていたが、よくみたらタヒチが1点取っていて「おおお!」となった。ボコボコに負けることしか想定していなかったので・・・。

するとそのあとのNHK総合の朝のニュース、その試合の模様をちゃんと伝えてくれたのはいいんだけど、なぜにタヒチが点を決めたことはスルーした!? そこが一番のキモだったのにっていう。ゴールがひとつ決まっただけで、FIFA主催の国際大会のグループリーグであんなに盛り上がったシーンってなかなかないぐらいなのに。
あぁ、今朝のタヒチと同じように、日本代表がはじめて檜舞台(フランスW杯)に出たときのあのときの気持ちを思い出そうよー。結局あの3試合でゴン中山が1点決めただけなんだけど、あの1得点がどれほど今に至る我々にとって永遠の輝きをもたらしてくれているか、考えてくれよー。

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そして、さっきまでやっていたW杯最終予選、韓国×イラク。そして同時開催のウズベキスタン×カタールの試合とのハラハラすぎる展開。じつはコンフェデどころじゃないぐらいすごい試合が今夜はひかえていたのであった。
で、イラクがまさかのシュート1本で1ゴールを決めるという超ワンチャンスを守り切って勝ち、そしてウズベキスタンの後半怒濤の猛攻がすごかった・・・そうして得失点差+2の僅差で韓国がギリギリ出場権獲得という、近年のアジア最終予選でも屈指のすごい展開で終わった。

やー、もちろん、どうしたって他人事の目線になってしまうけど、ちょっと韓国がうらやましかった。これぐらいのヒリヒリする展開のなかで最終予選を闘えたことに。

ただ前節の韓国×ウズベクでも思ったが、どうにも気になるのが韓国ホームのスタジアムの雰囲気。ひょっとして相当サッカー人気が落ちているのか? と思わずにはいられないほどに熱気が伝わってこない。今日の試合だって、こんなヒヤヒヤな展開で試合を行う機会ってそうそうありえない(あるとすれば、再びW杯のアジア枠が3.5とかになるときぐらい)わけで、もっと地獄の一歩手前のような暴発寸前の雰囲気を作っていてもおかしくなかったわけで。韓国はやはり熱さとパワーで盛り上がってくれないと困る。

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2013年6月16日

まぁ、W杯予行演習だもんな。

コンフェデレーションズカップ開幕。
ていうか、ワールドカップ予行演習大会開幕。

開幕カードで開催国ブラジルと闘えるというのは、アジアカップ制覇のご褒美ですから、その状況をじっくり味わって、あまり試合結果にどーのこーの言うのもなぁ、と思いつつ試合開始を迎えたわけだが、いきなりのマルセロ弾丸パスからフレッジ落としーのネイマールゴラッソ!! っていう見事なゴールに一気にやられてしまって、おのずと「キー!」ってなったわな。もうちょっと0-0の展開で引っ張ってって欲しかった・・・とにかくあのマルセロのパスが渋かったな。

んで、試合を観ながら思ったことといえば、

・ネイマールが背番号10に変更になって、それとともに背中の選手名が「ネイマールJR」ってあって、これって前からそうだったの? 髪型がなんだかフツーな人に変わっているのも相まって、ひょっとして以前我々が知っていたトサカ頭のネイマールと、この「ジュニア版ネイマール」は別人だったら、とか妄想。

・むしろセレソンはオスカルが10番のままであってほしかった。ちなみにチェルシーサポーターとしてはこの試合はオスカルとダヴィド・ルイスのプレーを久しぶりに生で観る機会となったが、オスカルの存在感があまりないなー・・・と思ったら最後の最後で3点目アシスト。

・あ、ダヴィドルイスにおいては、マッチアップした本田さんから「てめぇこの野郎」的に指さされてましたね(笑)。お互いちょっとキャラ立っている感じなので、本田さんは良い好敵手を見つけたんじゃないか。ぜひ本田さんはプレミア移籍してもらって、今後もガチガチやってもらいたい。

・この日の審判は、ここぞというときの絶妙なパスコースをことごとく邪魔していたよな。たまにいるんだ、こういう人。

・ゴール裏の横断幕に、「PANIC」っていうフレーズだけのものがあって、どういう意図だったんだろう。誰かのニックネームなのか。パニックといえば『パニック・アタック』で、奥田民生のいたユニコーンのアルバム(1988年)だが、そんなことを2013年の早朝に想起させてくれるブラジルの観客って不思議。

Panicattack

▲名盤だよな。

・たしかに完全アウェイな状況ではあるものの、どうしたってスタンドは陽気というかおおらかな雰囲気があったなぁ。あまりみんなで歌わないし。あと、試合が終わる頃にはかなりの人数がすでに席を立っていたのも印象的。

それにしても、来年のことも含めて、良いカードなのに日本時間では朝7時キックオフとか、普通に生放送では観にくい状況がこれからどんどん出てくるわけで、これの対応策として「気分的にはあまり大会をハイテンションで楽しまないように努める」という本末転倒な感じでいこうと考えている。

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同じ日の午後は国立で震災復興支援スペシャルマッチをやっていた。今年もこういう企画をきっちりやるJリーグや選手達も立派だし、そしてスタンドを埋め尽くす多くのサポーターもえらいと思う。こういう試合こそ地上波でやってほしかったが、難しいのだろうな。松井大輔が彼のキャラに似合わず大ハッスルしていて(交代のためピッチを出たが、そのあと森本のシャツを代わりに着て再びピッチに入ろうとしたり)、いよいよJリーグ復帰へのアピールなるか。

そしてこの試合には佐藤寿人や柿谷(最近の彼の表情には運気の良さみたいなものすら感じさせる)、そして高萩とか柴崎とかも出場していて、実は今ブラジルにいててもいいんじゃないかという選手たちがたくさんいたわけで。

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2013年6月15日

のぞみ7号に乗ってのぞみ7番を応援してきた

以前、このブログで「のぞみ7号」という記事を書いた。

去年の夏、日本で開催されたU-20女子W杯、決勝へむけて勝ち上がっていく日本代表を応援すべく、そして何よりキャプテン藤田のぞみ・背番号7に心からの声援を送るべく、東京へ向かう際はいっそのことゲン担ぎで新幹線「のぞみ7号」に乗っていこうと意気込んでいたら、じつは新幹線の列車番号で奇数のものはすべて博多方面行きだったということを初めて知ってガッカリ、というオチである。

そんなどうしようもないネタのことを覚えていた、友人で湯郷ベルサポーターのM・フィオリオが、今シーズンのはじめに「笠岡で行われるカップ戦の吉備国際大学シャルム×浦和レッズレディースの試合には、のぞみ7号に乗っていきなさい」と冗談で言ってきた。しかしその後、フィオリオ氏があらためて時刻表で調べたところによると、「のぞみ7号」が岡山駅につくのが10時18分で、そこから山陽本線に乗り換えると笠岡駅に11時14分に到着し、歩いてスタジアムへいっても13時のキックオフはおろか試合前のウォームアップにもちょうど間に合うとのこと。「のぞみ7号」は、この試合においては考え得る最善のルートだったのである。

「思いつきで言ったことが、真実味を帯びてくるあたりから、タテイシさんには他と比べて秀でた何かがあると思ってしまいます。」
と、ホメてるんだかネタにして笑っているんだか分からないコメントをいただき、あとは私の実行力次第となってしまった。

ただ、ギリギリまで迷っていた。
「今のところスタメンが続いているが、今回はカップ戦だし、右腕の怪我がまだ完治していないかもしれないし、もし本人が出場しなかったら、高いネタになるぞ、これ・・・。」
「そもそも、このネタはそんなに面白いわけでもないよな・・・」
などなど。

でも何より今は、レッズレディースが苦戦続きであり、どうにかして復調の兆しをつかんでほしいところであるので、応援にいけるチャンスがあるのならそこは行くしかないだろうと直前になって考えを改めた。

そうしてJRのみどりの窓口にいき、新幹線の指定席を予約しにいく。そして、せっかくなので「のぞみ7号の、7号車で!」とリクエストした。さらに調子に乗って「7列目」とか「13列目」の座席を調べてもらったが、あいにくすでに予約で埋まっていた。もっと自分が早々にこのネタの実行を決断しておけば、7列目に座れたわけで、申し訳ない(誰に謝ってるんだか)。

こうして本当にのぞみ7号の7号車に乗ってのぞみ7番を応援しにいくこととなった。

で、当日実際に新幹線のホームにたたずんで曇り空を眺めているうちに、「本当に来てしまった・・・」と思いながら、ネタに走ったことを軽く自嘲しつつ、そうしてホームのベンチに座ると、隣にいたおじさんが読んでいた、フランス語の初学者向けっぽいテキスト本のページが目に入り、そのページのメインテーマが、よりによって

「aller」 だった。

「GO」かよ。

「行ってしまえ」っていうことか、とメッセージ性を感じてしまった。「ネタの神様」が自分を応援してくれている、と勝手に解釈しておいた。「aller」と聞くと、ついどうしても98年フランスW杯における日本代表の「アーレーアレアレージャーポーン・・・」の応援歌が脳内をめぐる。

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こうしてフランス語テキストにうっかり勇気をもらった私はタオルマフラーとともに新幹線を撮影しつつ(恥ずかしいが、ネタのためならばこそ)、のぞみ7号の7号車に乗り込む。

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車内は混んでいて、気になる7列目は、老齢の方々がおそらく団体旅行のグループで座っていた。
私は結局4列目に座っていた。そしてよくみたら、すぐ近くに浦和レッズな格好をしていた人が1人いることに気付いた。もしかしたらこの人ものんちゃんファンかもしれないが、さすがに声はかけられなかった。

岡山駅につき、予定通り在来線の電車は笠岡駅につき、確かに時間的余裕があったので、笠岡駅周辺を軽く散策したのち、歩いて陸上競技場へむかう。

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▲味のある建物たち

なでしこリーグカップ グループB・第2節 
吉備国際大学シャルム×浦和レッズレディース。

浦和の7番はスタメンだった。ホッとした。ホントに、マジで。
たしかにネタとしては、「来てみたら今日は出場していませんでしたぁ~!ガーーン!」、のほうが面白いのかもしれないとは新幹線のなかで考えてはいたが、現場にきてみると、やはりスタメンじゃなかったら相当ショックだっただろうなと感じた。

試合は、なんとしても勝ち点3を奪いたいという気迫をフルで見せ続けたレッズが圧倒したというイメージ。
FWの後藤にボールが収まり、ポストプレーもちゃんと機能したおかげでアタッカー陣ものびのび動いていった感じ。
シャドーで動く加藤が2ゴール、柴田が3点目のゴールを奪い、3-0で快勝。藤田のぞみも機を見て積極的にゴール前に顔を出し、うまく相手DFをひきつけた動きなどで加藤のゴールが生まれていた。
ケガから復帰の高畑がボランチに入って、新しいかたちのなかで藤田のぞみは攻撃参加をかなり意識した動きだった。

開幕戦以来の公式戦勝利。なので、そりゃあもう、いい笑顔でしたみんな。
そしてこの日の試合後、さっそく公式サイトのブログも更新されたのだが、ちょうど執筆順が回ってきていたのが我らがのんちゃんだった!(この記事です

今シーズンようやく目の前であの笑顔を拝見できたわけで、今回のネタは普通にすばらしい結末を迎えたのであった。サッカーの神様とネタの神様、ありがとう。

ただし、

出待ちのとき、本人を前にして

「のぞみ7号に乗ってきました」

とは、さすがに言えなかった。

(今回、『FOOTBALL ACTIVIST』のZINEをお渡しさせていただきましたよ! ←そして冊子にふったシリアルナンバーは当然7番をご用意させていただきました!)

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2013年6月 7日

DJポリスの出現は「ロックフェス的封鎖」というコンセプトを支えていくのか

近いうちに、サッカーファンが「DJポリス」の横断幕とかTシャツとか作りそうな予感がするな・・・。

今日になって「『DJポリス』に警視総監賞授与へ W杯出場決定後の渋谷でユーモア誘導 負傷者、逮捕者ゼロを評価」というニュースもでてきたわけで、思わぬカタチで今回のW杯出場決定にまたひとつ印象的なトピックスが増えた。

ネット上ではいたって冷静に、今回の騒動についての否定的な見解も多く見受けられていて、渋谷で騒ぐ人びとについて「結局は警察の仕事を増やしていることになる」とか、「テレビ局が煽るからよけいに人が渋谷に集まってくる」とか、そして今回のようなDJポリスが登場したことにより、次回以降同じようなシチュエーションが想定されるときは、今回以上に「自分も行ってみよう」っていう人でさらにごった返すことも考えられる。つまりこれから先、もっとこの対応策は難しい状況に追い込まれる可能性が高い。

あと私が気になるのは、DJポリスの見事な誘導による「美談」のかげで、「そもそも、渋谷のスクランブル交差点を封鎖したことは本当によかったのか?」という点が忘れられてしまった気がして、メディアはもっと冷静に論じてほしい気もする。現場にいたわけじゃないので何も分からないのだが、この対処法で本当にトラブルはなかったんだろうか、と思わずにはいられないし、どうせ封鎖できる領域から常にファンははみ出していくであろう(なぜなら、それがサッカー的な動きでもあるから)。

そこで想像できるのは、これはひょっとしたら「ロックフェスと同じ状況」を創り出しているかもしれないということだ。
つまり、ステージのすぐ近く、ひたすら踊って暴れて声を出したいオーディエンスのところが「DJポリス」のいる封鎖ゾーンになり、友人と飲みながらステージを遠目に眺める層が、封鎖ゾーンをすり抜けたところでワイワイ騒ぐサポーターに対応するわけで、そういうロックフェス的棲み分けが今回実験的に行われた、ということになるのかもしれない。や、わかんないけれど。

いずれにせよ、今回の出来事が、今後の日本の公共空間においてサッカーファンが騒ぎ立てるときに常に参照されるべきエポックメイキング的な先行事例として語られていくのは間違いないだろう。ここから、お互いにとってより良い道筋を模索していければと思う。どうしたって「サッカーファンは粗暴だ」というイメージが先行していけばいくほど、いまあちこちの地方で行われているサッカースタジアムの建設推進運動に暗い影を落としていくわけで。そういう影響も常に忘れてしまいたくない。

あと今回のDJポリス騒動で個人的にグッときたのは、「サッカーを比喩的に表現し、そのプレゼンテーションが多くの人に伝わって、何らかのアクションを導いた」という点である。逸脱行動への衝動や社会規範や群集心理や理性のはざまにあって、サッカー的比喩とユーモア精神がギリギリのところでせめぎあっていたことも印象的だった。

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2013年6月 4日

ネガティヴな意味で興味深い試合だった

まだ15分ぐらいあるのに、FW前田を下げてセンターバックの栗原投入というところで、そんなあからさまな「守り切れ」メッセージを送ってきたことに驚く。これぞイタリア人の美学ってやつだったのか。それにしても残り時間を考えてもこれは厳しいんじゃないか、とか思っていた矢先、まさにディフェンスラインが落ち着く前にアクシデント的な失点を喫する。

そういう意味ではネガティブな意味で興味深い試合だった。サッカーって本当にむずかしい。
ある意味ではドーハの悲劇のような教訓をもたらしかねない展開。
「ザック、やらかしたな采配」がこの大一番で出てきてしまった。
栗原→ハーフナー→清武って、これはまったく逆の順番で投入すべきだった交代のはず。

あと試合後に選手のインタビューで、みんなすでに来年のW杯に自分が選ばれている前提で話しているように思えてきたのだが、そういう危機感があまり伝わってこない代表チームにたいするザック監督のマネジメントのあり方も気になってくるわけだ。キャプテンって長谷部でいいのか? あのボランチのコンビは来年も本当に使うの? 前田ハーフナー岡崎以外にもストライカーはいると思うぞ? などなど。

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2013年6月 3日

WELCOME BACK HOME, JOSE !!!!!!!!!

ブログを更新したとたんにビッグニュースきた。
もう、それとなく言われまくってはいたのだけど、あらためてチェルシーFC公式より。

"MOURINHO APPOINTED"

Chelsea Football Club is delighted to announce the appointment of Jose Mourinho as First Team Manager.

このときを待っていました。
戻ってきてくれてありがとうございます!!

いま地上でもっともスタンフォード・ブリッジにいてほしい人が帰ってきてくれた。

ふたたびモウリーニョ監督と呼べる日がきて、感動的な気分。
素直な実感。

チェルシー歴代の監督で再任した最初の人物でもある。クラブの体質から言えば、きわめて異例(笑)

ファーガソン引退という大きな節目を迎えたイングランドのフットボールシーンのなかで、チェルシーFCがエキサイティングな新体制を築いて新しい時代に向かっていく。このワクワク感ったらない。

今後もジョゼ・モウリーニョという人物の輝かしいキャリアのなかで、絶対的に想起されるイメージとして、青いライオンのエンブレムが掲げられるような、深くて長い関係が続いていくことをひたすら、本当に、願う。

チェルシーFCが、この人に似合うクラブでありつづけてほしい。

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英国の着ぐるみマスコットは、インタビューに自らしゃべって答える

 世界ではいろいろなことが日々起こっているのとまったく同じぐらいのスケールで、世界ではサッカーをめぐっていろいろなことが起こっているわけである。
 そのなかの氷山の一角がメディアを通してニュースとなって届いているわけで、この動画ニュースもそんな調子。

ロンドンにあるバーネットFCのマスコットキャラについて。

「英バーネットFC、チームの降格に続きマスコットも偉業を逃す」(こちら

どうやらイギリスではいろいろな業態におけるマスコットの着ぐるみによる障害物競走? が毎年行われているらしい・・・

そもそもこういう「マスコットキャラクターによる運動会」みたいなものが、けっこうガチなノリで開催されていること自体が微笑ましい。
(このニュース記事でも最後に触れられているが、マスコット自らがインタビューに応じているのは確かに日本人としては衝撃的である 笑)

で、よりによって、マスコットキャラ業界における強豪として知られている(っぽい)のが、このバーネットFCのマスコットのハチだそうで。3連覇がかかっていたのが、惜しくも今年は優勝を逃してしまった(おまけにクラブも降格していたのでダブルショック)というニュース。

Barnetfc

ところで、バーネットFC・・・私がいままで旅行で訪れたことがあるロンドンのサッカークラブのなかで最弱といっていい超マイナーなクラブなのだが、マイナーゆえの「よい想い出」のなかにただよっている存在で、その後も何かと順位を気にしてきた。近年がんばってリーグ2(つまり4部ね)で奮闘していたのだが、今シーズンを経て残念ながらふたたび5部リーグへの降格が決まってしまった。

アンダーヒル・スタジアムという名前の、その名の通り丘を下ったところにある、味のある小さい(ボロい)スタジアムで、ロンドンのノーザンラインの地下鉄の一番北の端、ハイ・バーネット駅から歩いてすぐのところにある。

それでも、イングランドのサッカー文化の底力を感じさせるポイントとして、スタジアムと反対方向の、駅前のメインストリートの一角に、いっちょまえに(?)クラブのグッズを売るお店が存在していたのである。そしてそんな小さいグッズ売店に、バーネットFCのエンブレムとロゴが描かれた30cm定規(センチメートルとインチの両方の目盛りが入っていて、現実的に便利グッズだったりする)が売ってあって、そのプライドというか、堂々たるその定規の存在感にやられて記念に買ったことがある。

ちなみにこのバーネットFCは、同じロンドン北部のアーセナルと提携関係にあるのか、しばしばアーセナルのリザーブチームが調整試合をこのアンダーヒル・スタジアムでやっている。今でも提携関係があるのか知らないが、その影響で一時期稲本潤一はこのスタジアムで試合をこなしていた。そういう意味でも日本人サッカーファンにとってほんの少し縁のあるクラブであった。

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