のぞみ7号に乗ってのぞみ7番を応援してきた
以前、このブログで「のぞみ7号」という記事を書いた。
去年の夏、日本で開催されたU-20女子W杯、決勝へむけて勝ち上がっていく日本代表を応援すべく、そして何よりキャプテン藤田のぞみ・背番号7に心からの声援を送るべく、東京へ向かう際はいっそのことゲン担ぎで新幹線「のぞみ7号」に乗っていこうと意気込んでいたら、じつは新幹線の列車番号で奇数のものはすべて博多方面行きだったということを初めて知ってガッカリ、というオチである。
そんなどうしようもないネタのことを覚えていた、友人で湯郷ベルサポーターのM・フィオリオが、今シーズンのはじめに「笠岡で行われるカップ戦の吉備国際大学シャルム×浦和レッズレディースの試合には、のぞみ7号に乗っていきなさい」と冗談で言ってきた。しかしその後、フィオリオ氏があらためて時刻表で調べたところによると、「のぞみ7号」が岡山駅につくのが10時18分で、そこから山陽本線に乗り換えると笠岡駅に11時14分に到着し、歩いてスタジアムへいっても13時のキックオフはおろか試合前のウォームアップにもちょうど間に合うとのこと。「のぞみ7号」は、この試合においては考え得る最善のルートだったのである。
「思いつきで言ったことが、真実味を帯びてくるあたりから、タテイシさんには他と比べて秀でた何かがあると思ってしまいます。」
と、ホメてるんだかネタにして笑っているんだか分からないコメントをいただき、あとは私の実行力次第となってしまった。
ただ、ギリギリまで迷っていた。
「今のところスタメンが続いているが、今回はカップ戦だし、右腕の怪我がまだ完治していないかもしれないし、もし本人が出場しなかったら、高いネタになるぞ、これ・・・。」
「そもそも、このネタはそんなに面白いわけでもないよな・・・」
などなど。
でも何より今は、レッズレディースが苦戦続きであり、どうにかして復調の兆しをつかんでほしいところであるので、応援にいけるチャンスがあるのならそこは行くしかないだろうと直前になって考えを改めた。
そうしてJRのみどりの窓口にいき、新幹線の指定席を予約しにいく。そして、せっかくなので「のぞみ7号の、7号車で!」とリクエストした。さらに調子に乗って「7列目」とか「13列目」の座席を調べてもらったが、あいにくすでに予約で埋まっていた。もっと自分が早々にこのネタの実行を決断しておけば、7列目に座れたわけで、申し訳ない(誰に謝ってるんだか)。
こうして本当にのぞみ7号の7号車に乗ってのぞみ7番を応援しにいくこととなった。
で、当日実際に新幹線のホームにたたずんで曇り空を眺めているうちに、「本当に来てしまった・・・」と思いながら、ネタに走ったことを軽く自嘲しつつ、そうしてホームのベンチに座ると、隣にいたおじさんが読んでいた、フランス語の初学者向けっぽいテキスト本のページが目に入り、そのページのメインテーマが、よりによって
「aller」 だった。
「GO」かよ。
「行ってしまえ」っていうことか、とメッセージ性を感じてしまった。「ネタの神様」が自分を応援してくれている、と勝手に解釈しておいた。「aller」と聞くと、ついどうしても98年フランスW杯における日本代表の「アーレーアレアレージャーポーン・・・」の応援歌が脳内をめぐる。
こうしてフランス語テキストにうっかり勇気をもらった私はタオルマフラーとともに新幹線を撮影しつつ(恥ずかしいが、ネタのためならばこそ)、のぞみ7号の7号車に乗り込む。
車内は混んでいて、気になる7列目は、老齢の方々がおそらく団体旅行のグループで座っていた。
私は結局4列目に座っていた。そしてよくみたら、すぐ近くに浦和レッズな格好をしていた人が1人いることに気付いた。もしかしたらこの人ものんちゃんファンかもしれないが、さすがに声はかけられなかった。
岡山駅につき、予定通り在来線の電車は笠岡駅につき、確かに時間的余裕があったので、笠岡駅周辺を軽く散策したのち、歩いて陸上競技場へむかう。
▲味のある建物たち
なでしこリーグカップ グループB・第2節
吉備国際大学シャルム×浦和レッズレディース。
浦和の7番はスタメンだった。ホッとした。ホントに、マジで。
たしかにネタとしては、「来てみたら今日は出場していませんでしたぁ~!ガーーン!」、のほうが面白いのかもしれないとは新幹線のなかで考えてはいたが、現場にきてみると、やはりスタメンじゃなかったら相当ショックだっただろうなと感じた。
試合は、なんとしても勝ち点3を奪いたいという気迫をフルで見せ続けたレッズが圧倒したというイメージ。
FWの後藤にボールが収まり、ポストプレーもちゃんと機能したおかげでアタッカー陣ものびのび動いていった感じ。
シャドーで動く加藤が2ゴール、柴田が3点目のゴールを奪い、3-0で快勝。藤田のぞみも機を見て積極的にゴール前に顔を出し、うまく相手DFをひきつけた動きなどで加藤のゴールが生まれていた。
ケガから復帰の高畑がボランチに入って、新しいかたちのなかで藤田のぞみは攻撃参加をかなり意識した動きだった。
開幕戦以来の公式戦勝利。なので、そりゃあもう、いい笑顔でしたみんな。
そしてこの日の試合後、さっそく公式サイトのブログも更新されたのだが、ちょうど執筆順が回ってきていたのが我らがのんちゃんだった!(この記事です)
今シーズンようやく目の前であの笑顔を拝見できたわけで、今回のネタは普通にすばらしい結末を迎えたのであった。サッカーの神様とネタの神様、ありがとう。
ただし、
出待ちのとき、本人を前にして
「のぞみ7号に乗ってきました」
とは、さすがに言えなかった。
(今回、『FOOTBALL ACTIVIST』のZINEをお渡しさせていただきましたよ! ←そして冊子にふったシリアルナンバーは当然7番をご用意させていただきました!)
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コメント
おめでとうございましたとでもいうべきなのでしょうか?
大した調べではありませんでしたが、調べた甲斐があったというものです。
今までのバツの悪さを考えると、私と二人揃うと、良くないことが起きるのでしょうね。
また、レッズレディースのHPに載っているこの頃の写真には
藤田のぞみがいい写りをしているものが多いので、
そのあたりは抜かりないと思いますが、ぜひ見てください。
7月の高槻戦もぜひ応援してきてください。
投稿: M.フィオリオ | 2013年6月15日 10:57
フィオリオ>そうですね。調べてくれなかったら、自分でそこまでちゃんときっちり調べなかったかと思います(笑)
投稿: N.Tateishi | 2013年6月15日 22:09