ようやく語る気になった今シーズンのチェルシーFCについて:またはフットボール・ジャーナリズム史に残るのではないかと思える1枚の写真のこと
この夏から今日に至るまでいろいろとあったが、今シーズンの欧州サッカー界を面白くしてあげているのがチェルシーFCであるということを今日はハッキリ書いておきたい。
何せ、欧州リーグもまだまだこれからという時期なのに、たとえばスペインだとやっぱり優勝争いは3チームになるよなぁという感じで、ドイツも2チームの争いかもしれないが、もはやバイエルンの独走で突っ走る気配が漂っている。イタリアはその点興味深い争いをしているが、どうも数年前の八百長スキャンダル騒動以後、私にとっては「あまり真に受けないようにしておく」というスタンスで向き合わざるを得ないリーグになっている(ただ長友がインテルと契約延長したのは、それはもう本当に凄いことだと思っている)。
そんななか、前年王者のチェルスキーは歴史に残る見事なコケッぷりをみせ、降格争いをガチで憂慮するほどの事態をもたらし(まだ降格ゾーンまで5ポイントしかない)、あと岡崎のレスターがまさかの首位攻防戦を演じていたりと、イングランドのサッカー界を予測不能の混迷状態に陥れているこの2クラブにはもっと感謝してもらいたいものである。
そもそもレスターのラニエリ監督は「アブラモビッチ以前/以後」の時代の転換期におけるチェルシーの指揮官だったわけであり、ユニフォームの色も含めて、やはり彼は「青い血」の流れる、いまいち冴えない風体だけどなぜかここぞのときに頼りになるお父っつぁんである。ひさしぶりのプレミアリーグでラニエリが輝くのは、チェルシー時代の基盤があってこそだと強引に解釈すれば、これについてもチェルシーFCには感謝していただきたいものである。
んで、
モウリーニョ監督の3年目不発ジンクスがいかんなく発揮され、そしてようやくこの期に及んでジョン・テリーの後継者がいないことに気づいて慌てだしているかのようなクラブ事情も組み合わさって歴史的な低迷を続けている我らがブルーズだが、どうしてもここで言及したいのは、チェルシーがウエストハムのホームに乗り込んだ10月の試合のことである。
ホームチームに先制され、一時は追いつくも、そのあとマティッチが退場、そしてモウリーニョ監督もベンチから退席処分を喰らう。
で、モウ監督は客席に移動して試合を見届けていたのだが、最後の最後でキャロルに勝ち越されて負けた試合である。
この試合を報じたBBCのサッカーニュースの写真がこれである。
これはフットボール・ジャーナリズムにおけるピューリッツァー賞をあげてもいいのではないか。私はこれほどまでに見事なサッカーの報道写真を観たことが無い。
この写真で観ると、2人の客は殴られてもしょうがないぐらいの距離で、ゴールが入るや振り返り、おもいっきり監督本人に向かって「ざまぁぁぁぁーーー!!!」とやっている。その躍動感と、まったく硬直して動かないモウリーニョの対比。これはもはやダヴィンチの『最後の晩餐』を思わせるほどの芸術性あふれる一瞬を捉えた作品である。あ、大げさですか、ハイ。
や、そりゃあ、チェルサポにとっては悔しい試合なのだろうけど、この一枚の写真で、私は今シーズンのモウリーニョ・チェルスキーをすべて許せる気がしたのである(この当時はまだ、すぐに浮上するものと思えていたわけだが、まさかここからさらに下がっていくとは 笑)。
| 固定リンク
« 2015奈良マラソンでの「サッカーユニフォーム姿のランナーさんをサッカーっぽく応援する企画」実施場所は今年も浮見堂近くを予定 | トップページ | 2015奈良マラソン「サッカーユニフォーム姿のランナーさんをサッカーっぽく応援する企画」実施報告と集計 »
コメント
もはや昇格チーム相手にホームで負けても驚きもしない惨状です。あ、もしかして昨シーズン優勝したのはチャンピオンシップリーグだったのかな? そりゃあ昇格1年目は苦労するはずだ! と、半ばおかしな思考回路に陥っております。
エバさぁーん! かむばぁぁぁぁぁぁっく!!(こわれた)
投稿: Consadole at stamfordbridge | 2015年12月10日 23:31
Consadole at stamfordbridgeさま>なるほど、そうだったんだ! ってガチで思いたくなるボーンマス戦の惨状でしたね・・・ホームで昇格組に負けるなんて記憶にないことです。エバさんカムバック、、、、
投稿: タテイシ | 2015年12月11日 01:01