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2018年8月26日

“なでしこフィーバー”の完結と、あたらしい歴史への闘い

 興奮から一日たって。

 まず大枠の話。
 2011年のワールドカップ優勝を小学生のころに見ていたであろう世代が、Uー20女子ワールドカップを制覇した。ここにひとつの「なでしこフィーバー」の完結を見た思いがする。今回の決勝戦でのフジテレビNEXTの中継解説は野田朱美氏だったが、何度も「ここからが本当の勝負」というようなことを言っていて、それはU-20代表の彼女たちだけでなく、「すべてのカテゴリーでW杯を制覇してしまった後の日本女子サッカー界」にたいする気持ちでもあったのだろうと自分は受け止めた。一連の「フィーバー」はここで完結したのだから、後はいったい何を目標に、どういう方向性でこの業界を活性化させていかねばならないのか。言うまでもなく、男子サッカー界はそういう意味での「完結感」はまだ味わっていないのである。あのW杯を優勝しないことにはたどり着けないわけだから。
 なので来年の女子W杯フランス大会は、新たな歴史をどういうふうに紡いでいくのかの難しい第一歩となるのだと思う。誰しもが、この「強豪国」の立場になったあとの状況について、まったくの未知なのである。

 試合のこと。

 グループステージからずっと、キーパーのスタンボー華はパンチングが多くてキャッチングが不得手かと思えるプレーぶりが続いていたので、序盤からスペインもそのあたりを狙っていた気がする。スタンボーに弾かせてコーナーキックを奪い、そこからセットプレーの高さでいくつか決定的なチャンスを作っていた展開にはヒヤヒヤさせられた。もちろん、この試合でスタンボーはいくつかファインセーブを見せてはいたが、終始キーパーは今回のチームでウィークポイントだった。でもそれは女子サッカー全体においてもこの難しいポジションで人材が豊富な国は存在していないと思うので、「どっこいどっこい」の話なのだろうけど(そう思うと日本と対戦したときのパラグアイ代表のキーパーが神がかっていたのですごく印象的だった)。

 それでも前半終わり頃に宮澤のスーパーゴールが決まり、いい流れで後半につなげることができた。ずっとポゼッションで圧倒しているはずなのに、なぜかリードを許してしまっていることに戸惑いの色を隠せないスペイン。そこへ宝田、長野がゴラッソを立て続けに決め、W杯の決勝という舞台にも関わらず、このあと時間稼ぎをするわけでもなくさらに4点目を狙うべく前線から鬼神のプレスで走りまくっていた彼女たちの姿には末恐ろしいものを感じさせた。この感覚は男子W杯では未だに体験したことのない味わいであり、つくづくこの試合が地上波で全国放送されなかったことの損失を思う。どんなに気持ちのいいサッカーだったか。手を抜かず、お互いの技術力の高さを信じ合ってひたむきに走りきり、すべてが良い距離感でパスワークが行われ、深い信頼関係にある監督が苦しい時間帯に鼓舞し続ける・・・これが「自分たちの、日本のサッカー」なのだった。グループステージのパラグアイ戦以降、もうこのチームは崩れないという自信すら漂わせていたわけで、そりゃあ優勝するわな、とすら思わせた。日本サッカー史上類を見ない「超攻撃的チーム」がそこにあった。

 本当なら1点を返された直後に、流れを変える意味でも、FWからの守備を活性化させるべくすぐに村岡真実を投入してほしかった・・・そうして疲弊したスペインにトドメを刺す華麗なマタドール役と化す村岡を期待していたのだが、実際に投入されたのは残り数分のところであった。しかし最後の最後で歴史的なピッチ上に村岡が立てたことには、オルカ鴨川を応援するすべての人々、およびなでしこ2部リーグでがんばっている多くの選手・関係者が感銘を受けたはずだ。

 さらに言うと、表彰式でキャプテンの南がワールドカップを掲げるシーン、および大会名の書かれたバナーを前にして全員で記念写真を撮るときの村岡真実のポジショニングはどれも申し分なく、猛者たちの中でもしっかり彼女らしい才覚(?)を見せていたことを個人的には高く評価したい(笑)。

20180825

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コメント

さて、お願いがありますので、ブログとは関係ないけど(少し、あるかな?)書き込みます。
ノンちゃんサポーターに(及びだんだんオルカサポーターに染まりつつあると思います。)、
「6連勝、おめでとうございます。今、2部で一番雰囲気のいいチームだろうと推測」
(ハリマも続く5連勝中で、雰囲気良いですよー)
その勢いをもってして、ぜひ日曜には伊賀を足止めして下さい。
ここからの3節が、順位でいうと3-2-4位。ここでくいとめないと、優勝をほぼ固められ、あとは入替戦権利争奪戦になってしまいます。
オルカさんに勝ってもらったら、ハリマも頑張って続きますんで(カップ戦含むなら、ハリマは対伊賀に1勝1分1敗、負け越してないのが少し自慢)どうか、よろしくお願いします。

あとは、チェルシー4連勝おめでとう。
サッカーキングの記事で少しクスッとした。サッリ、評価上昇87%まで上昇。
しかしベップやクロップは、下降しても94%、97%ってどれほどサポーターに信じられてるんだろう。(モウリーニョは現在40%だとか)
ワトフォードはいつまで快進撃続く?
プレミアはレスターの奇跡とか、時々意外な年があるんで面白い。(リーガやセリエよりは)

投稿: 兵庫県人だけど以下略 | 2018年9月15日 10:49

兵庫県人さん>はい、すいませんでした、負けました・・・(笑)ともに最終節に向かって血みどろの争いに勤しみましょう・・・
チェルシーが不気味に調子良くて、あまのじゃくな私としては「なんだこのチーム?」って思ってしまう部分があります。こんなに監督代えてすんなり勝てていいのか? とすら(笑)

投稿: タテイシ | 2018年9月17日 21:51

もし 望の字だったなら
「希望」待望 羨望 威望 大望 望外
人望 本望 願望 要望 熱望 野望
切望 渇望 あたりだったんでしょうか。
後半は、なんかサポの感情みたくなってますが。

「漢字ドリル」横断幕の珍奇さは、
いかがでしたでしょうか。
なかなか、他チームでもなさそうな感じは
ありませんでしょうか。

とにかく、姫路で小池快主将の横断幕の
署名式のご協力有難うございました。
(本当に)感謝しています。

(美人ではないかもしれんが、カワイイ子でしょ?性格がけなげな、いい子なんですわ。
選手としても一生懸命、チームに貢献しています)

さあ、(聖者が街にやってくる)じゃなく、
のぞみが 京都にやってくる!
るんるん。

投稿: 兵庫県人だけど以下略 | 2018年9月22日 06:44

オルカさんの、5連勝の内の後半3連勝の帯同記録を拝読しました。
熱意が、チームの発火材料になっていればよいですね。
また、チームが勝ち続けるのを立ち会えると、疲れもトラブルもありますが、
充実感・満足感もおおいにあると思います。
うらやましい。エンヴィー。

ああ、私も残り6試合(実質3試合)で、
何回も味わいたいものです。

投稿: 兵庫県人だけど以下略 | 2018年9月22日 06:52

3連投(たち悪うー)

のんちゃんの、ビューティフルゴール(抑えたミドルレンジ、価値ある敗北免れの)を見れて、
タテイシさんの住む街で見れて、良かったです。

(カップ戦の去年も今年も1ゴールを除いて)
リーグ戦では、去年の鴨川も・武蔵野のも見てないので、9+13=22ゲーム/3の確率のゴールを見れて、自分の強運に満足しています。

投稿: 兵庫県人だけど以下略 | 2018年9月22日 18:27

兵庫県人だけど以下略さん>今日はおつかれさまでした。ラッキーでしたね。なかなかそういう意味でも忘れがたいゴールでした・・・また追々ブログで書きます。

漢字ドリル横断幕のお披露目、そしてご本人登場のタイミングに立ち会えてよかったです。

投稿: タテイシ | 2018年9月22日 19:45

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