久保建英のユニフォームの名前表記はTAKEじゃないほうがいいのでは問題
もちろん、どうでもいい話かもしれない。
しかし今のマジョルカにおける「TAKE」の表記を見るにつけ、これから久保建英が世界のサッカー市場に向けて名前を売っていくにあたっては、やはり「KUBO」のほうがいいのではないかと、お節介なおじさんは思ってしまうわけである。
もちろん、気軽に名前を呼びやすく、ファンからも覚えられやすいのはTAKEのほうだろう。ただよく考えてみてほしいのだが、ペレの本名はエドソン・アランテス・ド・ナシメント 、ジーコの本名はアルトゥール・アントゥネス・コインブラ で、彼らが本名のままで活動していたら、もしかしたらここまでの世界的知名度は得られなかったかもしれない。でもTAKEの本名は「TAKEFUSA KUBO」なのだから、そのあたりは何も心配することなく「KUBO」の名前で売り出していいのではないか。
本人がどれほどそのことを意識しているかは分からないが、Jリーグおよび日本代表において、ちょっと前まで「久保」といえば、久保竜彦のイメージが強かったわけだ。
それでも久保建英はまだまだこれからたっぷり日本代表選手として活躍できる時間も可能性も大いにあるわけで、そのうち「日本代表の久保といえば久保建英」となるだろう。ひょっとして「建英」の漢字名を「たけふさ」と読まれにくいことについて、日本人向けには「オレはタケだ」というアピールは一定の効果があるかもしれないが、充分その存在を知られている日本市場にはそこまで気をつかう必要はないと思う。
そしてこの問題を考えるうえで、さらに私が気をもんでしまうのは、すでに日本代表でも海外挑戦においても、久保裕也という先達がいることだ。
いまベルギーリーグのKAAヘントに所属しているが、このまま久保建英がスペイン1部でブレイクしていくと、むしろ久保裕也のほうが、名前を売るという意味では不利になっていく。「YUYA KUBO」となると、名字は久保建英とカブり、名前のほうはブレーメンの半端無い大迫勇也とカブってしまうわけである。
この事態は、実はすごいことかもしれないのだ。日本人サッカー選手が世界で挑戦するようになり、その人数が増えていくと、こうした「名前も名字もカブる問題」が発生しやすくなるのである。その最初の事例として、この久保裕也が挙げられよう。
そこですぐ思い出されるのは中田英寿と中田浩二のことだ。同時代において、二人とも同じぐらい日本代表選手としても活躍していたわけで、そして中田英寿は自分のユニフォームにHIDEと書くこともなくナカタで闘い続けた。その後マルセイユやバーゼルで海外挑戦をした中田浩二は、ひょっとしたらこの名前カブり問題に少しは苦しんだ可能性があるかもしれない。仮に、私が当時の彼に話ができる立場にいたら、「もし世界中で覚えられやすい登録名を考えているのなら、いっそのことロック・ドラマーのコージー・パウエルにあやかって、ユニフォームの登録名を“COZY”にしてみたらどうか」と提案したかった・・・まぁ、本人にしてみたら「自分は自分、だからナカタでいく」という気概でいたのだろうけど。
▲マルセイユのときはトルシエが監督だったな。
▲「NAKATA」カブりに悩まされたのか、つづくバーゼルでは「KOJI」の表記だったことを今回初めて知りました。
でも確か中田英寿が欧州で活躍したあとの代表のユニフォームでは中田浩二は「K.NAKATA」と書いていて、ヒデのほうは何も変わらず「NAKATA」だった記憶があって、それはちょっと不公平な気がした記憶がある(←ここはうろ覚えなので間違っていたらすいません)。
というわけで、今こそ私は、久保裕也が今後、そうした「名前カブり問題」のちょっとしたアヤを乗り越えて、世界の舞台で輝けるようにと願うばかりである。
そして、この文章を書いている途中に気がついたのだが、高校卒業後にいきなり海外挑戦となった宮市亮も、アーセナル(=フェイエノールトへのレンタル)やボルトンにいた頃は、背番号のネームを「RYO」にしていたわけである。
うむ、やはり売り出し中の若手選手は、いきなりファーストネームを押し出すのはやめたほうがいいのではないかという気になってきた。
ちなみにその後、彼が長く在籍することになるザンクト・パウリではMIYAICHIのネームになっている。
それにしてもザンクト・パウリのユニフォームは書体も風変わりで、あいかわらず独特な雰囲気だな。
・・・というわけで書いている自分でも予想外だったが、久保建英の話題で書きはじめて、最後は宮市のいるザンクト・パウリの話になっていく記事となった。
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