書籍/books

2014年12月28日

海外サッカー雑誌の表紙デザインが素敵すぎる件:ドイツの『11FREUNDE』、オーストリアの『ballesterer』

 雑誌の表紙デザインの面白さは、雑誌の存在を書店でアピールするうえで大切な要素だが、だからといって「なんのこっちゃ分からない」ところまで行きすぎると、かえって雑誌の内容が分かりにくく、伝わらない部分がある。そのあたりのバランスが問われる難しさがうかがえる。

 そんななか今回紹介したいのは、ドイツの雑誌『11 FREUNDE』、そしてオーストリアの『ballesterer』だ。どちらも偶然にその存在を知った雑誌なのだが、バックナンバーの紹介ページをみると、所々で「おぉ~」と唸ってしまう秀逸なデザインが多く、文字が読めなくても手に取ってしまいたくなる。それこそが「デザインの勝利」なわけであるが。

 ひとまず、ざっと画像を貼り付けてみる。

 まずは『11 FREUNDE』から

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・・・・といったところで、じつはこの雑誌については、122号(緑色の表紙)を、はじめてドイツに行った2012年に駅の売店で何気なく買ったことでその存在を知ったのだった。そのとき紹介されていたバックナンバーの表紙たちをみて「おお、オシャレ!」とずっと思っていた。

とくにこの力強い表紙のロゴがいい味出している。「11人の仲間」っていう意味になるのだろうけど、ステッカーとか作りたくなる感じ。

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そして次は『ballesterer』。

「バックナンバー売り切れ」と思われる文字が表紙にかぶっているのが残念だが、それはそれとして見ていても、すごく良い雰囲気の表紙が連発。

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 こういう分野になると、自分が「洋モノかぶれ」であることは認めるしかないが、部屋にインテリアで飾りたくなるものが多い。

 特にこの雑誌の表紙には、サッカーにおける政治・経済・宗教といったテーマを特集で扱っていると思われるものもいくつか見受けられる。それでもデザインのクオリティによってサッカー雑誌としての魅力を損なわずに展開しているわけで、こういうのはサッカーに限らず日本のあらゆるスポーツ雑誌ではなかなか見受けられない気がする。

 「そのものについての事象を、それ以外のモノで置き換えて表現する」っていうのは、考えてみたら日本の詩歌とかの伝統に照らせば、決して不得手ではないと思うので、『Number』あたりなんかは良いクオリティを保持しているだけに、ここからもっと冒険してもいいんじゃないかという気もする。

 つまり「この表紙デザインだから、捨てがたい一冊」になることも多いわけで・・・こうして今、まさに年末の大掃除で雑誌の整理作業などを抱えながら、逃げるようにパソコンに向かってブログを書いていたりする自分にとっては・・・「日本のスポーツ雑誌、もっとデザインがんばってよ」という気持ちを実感をこめて言いたくなるわけであった。

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2014年2月22日

「好きなこと」を仕事にし続ける情熱を絶やさないコツ:ライアン・ギグスに学ぶ

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『Number』の最新号(No.847)。この2人が並ぶ表紙だと私は買うしかない。せっかくだったらモウ監督もスーツでキメてほしかったが(だってこれだといかにも『休日のパパ的風情』が、最近の彼はとくに強まる)。

「レジェンドが語る欧州フットボール論」って、もはやそれだけだと陳腐な企画のようにも思えるけど、それはそれで予想以上に楽しめた。

そのなかでもライアン・ギグスのインタビューがよかった。やはり現役を長く続けるうえでは、日々の自己管理が大事なわけだが、特に興味深かったのは「メンタルの管理」についての話。「成功に酔わず、試合で手応えを感じても、『で、次の対戦相手は?』とすぐに気持ちを切り替える」という話で、

「・・・その意味では、あんまりサッカーを楽しめていないのかもしれない。だから僕は、次に対戦するチームやマッチアップする選手のビデオを見終わった後、あえてまったく関係のない試合を眺めたりもするんだ。仕事のことを忘れて、純粋に一人のファンとしてサッカーを愛する気持ちを保っていくためにね」

とのこと。これはきっと、ギグスがその長いキャリアを築き選手として成熟していくうえで、そのプロセスのなかで編み出した自分なりの対処方法なのだと思う。ハングリー精神を失わないことと同じぐらい、「サッカーを純粋に楽しみ続ける気持ち」という、少年のような精神性も失わないように努めていく。その両輪があってこその、日々のフットボーラーとしての生活の積み重ねがあったということだ。こういう「対処法」を意識的にやりつづけるからこそ、ライアン・ギグスという選手は40歳になってもプレミアリーグのトップレベルでプレーを続けられている。「好きなことを仕事にすることの苦しみ」への対処法としてもヒントになりそうな話だ。

そのほかの記事では、いまベンフィカのディレクターを務めるルイ・コスタのインタビューも楽しかった。「背番号10番について語ってほしい」という依頼を持ち込んだら、忙しいにも関わらずやってきて語りまくって、あげくインタビュー後もわざわざ記者さんの携帯電話に「あと3人、言い忘れた背番号10がいる!」って電話をかける、そのルイ・コスタの人柄にグッときた。「相手が率先して語りたくなるテーマを用意する」っていうのは、ジャーナリズムの世界だけじゃなく、いろいろな場面でポイントになってくると思うわけで、ルイ・コスタも「10番」を語りたくてしょうがなかったんだなぁ、と微笑ましい気分になった。

そしてページをまたいで掲載されている夕暮れのリスボンの街並みの美しさも印象的。『Number』はスポーツ雑誌における『ナショナル・ジオグラフィック』だとずっと思っているのだが、こういう見事な風景写真が添えられると、海外サッカー観戦への旅情がかきたてられる。

そのあとに続く記事「フィリッポ・インザーギを訪ねて。」も秀逸。ルイ・コスタに「10番」を語ってもらうなら、「9番」を語るに相応しいのがインザーギなのは当然であったが、約束されたはずのインタビューが(ミランの新監督お家騒動のゴタゴタにより)勝手にドタキャンとなり、「実現しなかったインタビュー企画そのものをネタとして、無理矢理インザーギを語ってみる」という、このスタンスがいい。なんかこう、ドタバタのなかでも一瞬光る内容を見せるあたり、たった一発のチャンスをワンタッチで決めてギャーギャー喜びを爆発させるインザーギのキャラクターそのものっぽくて、ひるがえって記事として成立しているのがすごい。いつかインザーギだけで本を作ってほしい気がする。マジで。

Miniinzaghi

「ギャー!!」

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2013年9月 4日

今さらながら、『ジャイキリ』のこと

本当に、今さらではあるが、『ジャイアントキリング』のことについて書かせていただく。

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2010年のワールドカップのときに、スカパーの情報番組で連日「パッカくん」が登場しているあたりからずっと気になっていて、うすうすこのマンガの面白さは伝わってきていて、それでも「マンガはハマると怖い」という昔ながらの臆病な部分が顔を出してはズルズルと年月が過ぎていき、そして昨年の秋頃からついに手を出してしまった。それでも「一週間に一冊ずつ」のペースを守りきり(笑)、最近ようやく最新刊に追いついた次第である。

このマンガは、もちろん達海監督というキャラクターを軸に据えて読めるけれども、本当の意味での主人公および主題となるテーマは、絶対的に「サッカークラブそのもの」だということがすごい。

「地域におけるサッカークラブとは何か」というテーマと、
「サッカーを通して人はいかに成長するか」というテーマがこのマンガを支えていて、「そうそう、こういうサッカー漫画が読みたかった!!」という気分である。

や、もう、私なぞが改めて書く必要がないほどにメジャー級に人気のある作品なんだけど、そういうことだ。

単にサッカー選手や監督だけじゃなく、彼らをとりまくスタッフ、フロント陣、サポーター、取材記者、カメラマン、スポンサー、地域の市井の人びとなど、多様な人びとの目線に立って、それぞれの物語を語り得るようなストーリー構成をとっているあたりが最高に楽しい。ひとつのボールを追うことに、これほどまで多面的な視野から熱く表現されうるサッカーマンガとしては、もうこれ以上のものは存在できないんじゃないかと思わせるほど。

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とくにグッとくるのは、このマンガにおける「観客席のサポーターの描き込みっぷり」である。だいたいスポーツマンガにおける観客ってテキトーに書いても別に問題はないはずなんだが、ジャイキリにおいては実際のJリーグの観客席にたいする取材を相当行っているのがよく分かるほどに、それぞれのサポーターの姿にバリエーションと表情があり、身につけている応援グッズとかゲーフラとかのディテールなど、じっくり観ていると本当によく描き分けられている。まさに一人一人にとっての「ETUとの物語」がそこから垣間見られるような感覚があって、それがまたいっそうリアリティを高めていて、それほどまでにやはりこのマンガは「サッカークラブ」がメインの存在として描かれていくのである。

決してサッカークラブはモノを言わないし、その存在が主体的に動きを見せることはないにせよ、このマンガを全体的に包むテーマやモチーフとしての「クラブ」の存在感。
そしてそれは当然ながら「Jリーグ賛歌」でもあるし、「百年構想」を考えるうえでのとても入りやすい「参考図書」でもあるわけで、もっとJリーグもよりいっそうこのマンガとコラボしてほしいものだ(いつかマスコットのパッカくんに出会ったらすごいテンションあがるだろう)。

そういう意味で、誰にもしばられず、自由人でありたい気風があるはずの達海があえて監督就任に際してETUのクラブハウスの一室を住居にするという設定も、その真意は現時点ではよくわからないが(ひょっとしたらジャイキリの関連書籍のなかでは解明されていたりするのかもしれないが、まだチェックしていない)、興味深いのである。それは達海にとっての「ホームスタジアム」としての、まさに「ホーム」の感覚を描いているようにも思えるし、そして達海の過去に起因する、そのクラブをとりまく地域の人びとにたいする複雑な気持ちの反映がその設定に描写されているとも受け止めることができるし、さらに言うと「一人の選手はクラブ以上の存在にはなり得ない」という、現実的にFCバルセロナなどを語るうえでたびたびでてくる問題のことなども想起させたりするし、別の見方では「単に面倒くさいから、いろいろ便利なクラブハウスに住んじゃっただけだろう?」とか、いろいろ考えると面白いのである。

そんなこんなで、これからこのマンガがどのような展開を見せるのか、楽しみで仕方ないのである。

<ついでに>

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過去にアディダスとのコラボ商品でこのようなトラックジャケットも出ていたようだが、第2巻あたりで達海や松ちゃんが着ていたこれの白色バージョンも作ってくれたらとっても嬉しい。

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2013年6月30日

文生堂書院「サッカーとワールドカップに関する洋古書コレクション」

仕事の関係で、古書店の文生堂書院のメールマガジンを受け取るようになっていたのだが、たまたま先日紹介されていたのが、
「サッカーとワールドカップに関する洋古書コレクション」の目録。
こちらのページ)から、PDFでダウンロードもできる。

当然ながら、洋書の世界でサッカー関係の本は古くから山ほど出版されているわけで、このリストも丁寧に読めばすごくツッコミがいのある本も見つかるかもしれない(時間がないのでゆっくり確認できていないが)。

ザッとみて目についたのは110番の『Soccer Skills with Gazza.』。アメリカW杯の前年に出版されているわけで、怪童ポール・ガスコインのサッカースキルが堪能できる本なんだろうな。たぶんサッカー教本かもしれないんだけど、ガスコインが教えてくれるサッカー本っていうのは、これはちょっと気になる(って、すっかり忘れていたのだが、イングランドはアメリカ大会の出場を逃していたんだよな)。

そういえばロンドンにサッカー関連書籍がメインのちいさい本屋さんがあったのを思い出したのだが(たぶん書店の多いレスタースクエア周辺)、すっかり名前も場所も忘れてしまった。どこかにデータがあるはずだが・・・とにかく一軒まるごとスポーツ書籍だけのお店というのもそれはそれでアリだなーと思った。

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2013年5月16日

『FOOTBALL ACTIVIST』ZINEの第1号ができました

チェルシーぃぃ
祝・ヨーロッパリーグ優勝!

そしてこちらもようやく完成して嬉しいのです。

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『FOOTBALL ACTIVIST』#01号、テーマ「サッカーファンならではの方法で楽しんでみる、市民マラソン大会の応援~Jリーグサポーターよ、沿道に集まろう!」(本文16ページ、定価500円)

本当に小さい冊子ではありますが。

たとえばイングランドのフットボールシーンではこうした「ファンジン文化」は今でも残っているのですが、日本ではスポーツをモチーフにした小冊子が珍しい気がしていたので、こういうのをずっと作りたかったわけです。

というわけで、創刊号テーマとして、かねてからこのブログでも紹介している、例の「市民マラソンを走るサッカーウェア姿のランナーさんを勝手に応援しよう企画」を取り上げてみました。この応援をやるに至った経緯、そして応援のコツなどを16ページにわたって書いております。

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そしてさらに言えば、私としては今回のZineにおいては「浦和レッズの背番号7のユニフォームを着た女の子」のイラストを描けたことに、ひとつの達成感を覚えていたりします。

本冊子をお取り扱いしていただいているお店を紹介しますと・・・

★こうしたインディーズ自主出版などを扱っておられるオンラインストア「Lilmag」さんでは、さっそく紹介文を添えて販売していただいております(こちらのリンクをクリック)。

お店のHPのトップページは(こちら)。

実店舗の本屋さんでは、
★東京
SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS(お店のHPはこちら)

★京都
ガケ書房(お店のHPはこちら

上記お店にて販売していただいております!ありがとうございます!

このほかにも随時、取り扱っていただけるお店を募集中です。

もちろん著者本人にもお問い合わせいただければ対応いたします!
メールは prog_howe(at)hotmail.com  まで。

第一版は限定300冊をつくりました。
どうやったら、こういう冊子を読んでくれるサッカーファンの方々に届くのか、まったくおぼつかない状況でスタートしております。お知恵を拝借しながら、とにかくまずは冊子を作って、サッカーをプレイするがごとく、あちこち走りながら考えていこうと思っています。




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2013年4月 1日

サッカー文化と「政治的なるもの」とのマッチアップのなかで生きること:『アナキストサッカーマニュアル』を読んで

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『アナキストサッカーマニュアル:スタジアムに歓声を、革命にサッカーを』
ガブリエル・クーン著、甘糟智子・訳、レイジ・フットボール・コレクティブ・協力 現代企画室・刊

この数週間、この本について何をどう説明して書こうかと、あれこれと思索してみたのだが、タイトルに「マニュアル」とあって、それはつまり網羅的な情報を伝えていこうという意図のもとで書かれた本ゆえに、全体的にこれだ、という説明が難しいことを感じている。

この本はまさに文字通りの「アクティビスト」、つまり政治・社会運動の文脈において考察されていくサッカー本である。このブログで私が「フットボール・アクティビスト」と名乗ってはいるものの、このような本の前においては、まったくアクティビストのアの字にも至っていないわけだが・・・。

それでもなお、まずはこの本の内容について、自分なりのコトバで一文でまとめてみると、

「タイトルに『アナキスト』って書いてあるが、実際にはこの本の著者は、左サイドに張り付いてプレーをするのではなく、できるだけ中盤の真ん中にポジションをとり、巧みなプレーで『政治とサッカー』をめぐる世界中の多彩な出来事をパス出ししてくれる好著である」

ということだ。決してこれは、左派政治運動の極端な人による極端な物言いで埋め尽くされている本ではない(と、少なくとも私はそう受け止めている)。
サッカーのボランチのように、非常にバランスを意識したポジショニングで、著者が誠実に、「サッカーと政治」を語ろうとしている努力が伝わってきて、いままで読んだサッカー本のなかでも際だって特別な位置を占めそうな予感がある。

つまりは、「パスの受け手(読者)」である我々の読み方にかかってくる。
それゆえ、「フットボール的」な書籍であった。

この本を日本語で読めるようにしてくれたことに最大限の感謝を示したい。

で、

正直なところ、私はこの本を読んで、どうしていいかわからないぐらい「ヤバい、ヤバいぞ」という気分でいる。
その「ヤバい」という感覚は何かというと、「知らないこと、考えが至っていないことが、まだまだたくさんありすぎる」ことへの焦燥感だ。そこを刺激してくれる本なのである。

「反人種差別ワールドカップ」、「オルタナティブ・ワールドカップ」、「金の警棒賞(最も暴力的な警備を行うクラブに与えられる)」のこととか、あとサッカー文化におけるセクシャル・マイノリティの運動がこれほど活発になっていることとか、今までまったく知らなかったことがたくさん紹介されている。

さらにいうと、伝統的な政治的議論だと、「サッカーは大衆のためのアヘンであり、政治意識を失わせるので害のあるスポーツだ」と言われてきたことが、そういう方向ではなく、「異なる立場の人びとを結びつけ、連帯させるエネルギーを有する、世界で最も愛されているツール」のようにサッカーを捉えて、その可能性や面白さをいかに活用していくかということに向かっていくのであれば、ラディカルな政治意識をもったまま、サッカーを応援することに矛盾を感じなくて済むわけで、そしてそういうバランス感覚でなされている実践がすでに世界のあちこちで試みられていて、それは(個人的にも)重要な示唆に富んだヒントをもたらしてくれる。

「サッカーを『大衆のアヘン』や資本家たちの楽園でしかないとみなしたり、ナショナリズムや派閥心を育む反動的な温床だとみなすのは短絡的だ。サッカーには、直接民主主義や連帯、それから忘れてはならないのは、楽しさといったことに基づくコミュニティの形成と確立を促進する価値観が生来的に備わっている」(p.322)

「理想的な状況下であれば、サッカーは個人の自由と社会的責任の結合を体験する、そして実験する、完全な環境である。その上、社会と同様、チームが成功するためには異なるスキルを持った人間が協力し合わなければならない。マラドーナばかりが10人いてもW杯で優勝はできないだろう。マラドーナが輝くためには、彼が出来ないたくさんの仕事を他のチームメートがやらなければならない。堅固なディフェンスラインを敷き、ルーズボールを追い、相手をタックルし、頭で競り勝ち(『神の手』は使わずに)といった具合だ。『名もない』チームがスター満載のチームを倒してきた例がサッカーの歴史に多いのは、選手たちが自分たちの能力を、チームとして最大限発揮したからだ。サッカーは個人の才能を、社会的に最も有益となる形で結集させることを人びとに教えてくれる」(p.326)


というわけで、今後もできるかぎり再読して、気合いを入れてこの本に書かれている情報を自分でもフォローしていきたい。もし可能であれば、この本をもとに、そう、まさにこの本とピッチ上でパス交換をするがごとく、自分なりにZine冊子のようなかたちで、この本から得られたものを別の形にして自分なりに表現・発信していけたらいいなと考えているし、そしてまたこの本の帯に書かれている言葉を借りれば「ラジカル・フットボーリズム」とはそういう態度こそが求められていると思う。そうさせるだけのエネルギーと、好奇心の高揚と、ちょっとした勇気をもたらしてくれたこの本に、そしてサッカーそのものにも、感謝したくなる。

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2013年2月16日

今日はエルゴラ紙渾身のJリーグ選手名鑑発売日でしかもエルゴラのタオルマフラーが当選して嬉しくて、その足で宮崎キャンプ行ってきます

いきなり朝に荷物が届いて、

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エル・ゴラッソ特製タオルマフラーが当選したーーー!!

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めっちゃうれしい! 前からずっと欲しかってん!!(笑)

私のように特定のJリーグクラブを応援しない者にとっては、こういうテイストのマフラーがちょうどいいのである。

ごくたまに、こうしてエルゴラ紙が読者アンケートを実施するのだが、そのときにハガキにいろいろと意見なり日頃の感謝の気持ちなりを書きまくったわけで、その気持ちが通じたのであれば本当に嬉しい。

で、奇しくも今日はそのエルゴラッソ紙によるJリーグ選手名鑑、2013年版が発売になった。ずっと待っていて、今夜まさに宮崎キャンプにでかける日だったので、ギリギリ間に合ってよかった。いまさっそく書店で買ってきたところ。

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この選手名鑑は毎年本当によく作られていて、バージョンアップし続けているので本気でオススメ。
それぞれの担当記者の力量によるところがあるが、選手紹介において「コネタ」が炸裂しているクラブは読んでいて楽しい。「そんな情報いらないだろう!」と思えるネタが、ひるがえって味わい深く読めてしまう。これらのコネタがきっかけで顔と名前を覚えた選手もわりといるので、この効果は計り知れない。
たとえば今パッと川崎フロンターレのところをみたら、ジェシのところで「日本食が好きで、長期離脱中に等々力のうどん店に息子と行儀良く並んでいた」なんてネタがあったり、もうそれだけでこのブラジル人DFに親しみを覚えずにはいられないわけだ。

このあと宮崎行きのフェリーに乗るべく出かけるわけだが、フェリーのなかでこれを熟読するのが楽しみなのである。そして今年もここに選手たちのサインをもらうことができればなおいっそう良し。

そして宮崎は暖かいからマフラーはいらないかなと思っていたが、せっかくなのでエルゴラのマフラーも持って行くことにした!

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2013年1月12日

2013年のJリーグキャンプ地予定表についてはこのサイトをチェック

おそらく何人かはJリーグのキャンプ地の場所やスケジュールを調べるべくこのブログにたどり着いたようで、恐縮している。去年の情報しか載せていないので(こちらなど)。

というわけで、昨年も今年もお世話になっているサイトが「さっかりん」である。
いろんな情報を細かく載せているサイトで、キャンプ地の場所やスケジュールもご覧の通り非常に分かりやすく紹介されている。

→リンクはこちら

各クラブからリリースされた情報がすみやかに更新されている、そのマメさに感服。

こうしてみると、今年も去年と同じような時期に同じような場所で各クラブはキャンプをはっていることが分かったり。やはり今年も個人的に宮崎県に面白そうなクラブが集まっていく。

が、今年もキャンプ地めぐりに行くかどうかはまだ迷い中。

夕刻の、巨大な総合運動公園のなかを人の気配の少ないなかブラブラ歩いて駅まで向かい、背の高い椰子の木を見上げたときの感覚とか、なんだかこのところ急にフワッと想起されて、あぁ、あれはあれでちょっと寂しくもあり、でも気候のせいかちょっとテンションが高ぶっていて、サッカーとともにすごす旅の時間の醍醐味がそこにあったのかもしれない、と思ったり。

キャンプの合間の練習試合の日程が判明しだしたら、またさらに「うぉぉ、行きたいかも!」なテンションが増幅されていくかもしれないが。

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最新号の『Number』、テーマは「選択の人間学:僕はこんな道を選んできた」を読む。

漠然とした感想なのだが、カズがすごいのかNumberの取材力がすごいのか分からないが、カズはこの雑誌に登場するたびに「そうだったのか!?」と言える話が飛び出す。彼にとってクロアチア・ザグレブでプレーしていたあのわずかな日々が、今に至るきっかけとしてそこまで大きかったとは。ちょっと新鮮な発見。

それと、ちょっと地味な扱いではあったが、中村俊輔のインタビュー「フリーキックの極意:心で上回れば、迷いは消える」も実は濃厚な話が語られていてよかった。そこまで逐一彼のこれまでのインタビューをチェックしてきたわけではないが、フリーキックを蹴るときの心境だったり情報収集・心理戦的な部分についてここまで赤裸々に語ったことって珍しい気がする。

あと「美女アスリートファイル2013」という新春特別企画があって、何がどう新春と結びつくのかは分からないが、サッカー界からは猶本とタナヨウがどアップで紹介されている。個人的には陸上の久馬姉妹がツボでした。FLIPFLAPを思い出します。

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2012年9月19日

『終わらない物語』 Number誌8/24増刊号より

日々野:フランス戦のキックオフの際、宮間さんから“いい言葉”があったそうですね? 「初めてあったときから信じてたよ」って。

大儀見:そう! 2人で並んでいたときに、いきなり。初めてっていつのこと? って思ったら、笛がピーッですからね(笑)


   

これはロンドン五輪閉幕直後に出た『Number』における大儀見優季のインタビューから。やはりこのインタビューも聞き手は日々野真理さん。この引用のくだり、忘れがたい感動がある。実際のところ宮間がどういう想いでそういう話をしたのか、前後関係がよくわからなくても、なんだか感動する。メダルのかかったフランス戦だったから、なおさらこのやりとりには重みがある。

この熱かった夏のおわり、久しぶりにこの号をパラパラとめくって、あらためてグッときたので、ここに記しておこうと思った。

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2012年9月17日

QPR×チェルシーとか『Number』最新号のこととか

QPR 0-0 チェルシー

お互い粘り強い守りで結局はスコアレスドロー。QPRのキーパー、よくみたら今年からいきなりジュリオ・セーザルだもんなぁ。いくら衰えているとはいえキーパーって35歳から40歳までがもっともピークなんじゃないかと思うのである。フリーデルとかツェフとかロリスとかクディチーニとかヤースケライネンとかボイチョフとか、いまロンドンは世界で最もハイレベルなゴールキーパーの競演が観られる都市だと思う(ただでさえロンドンにはサッカークラブが多いから、というのもあるが)。

でもQPRでいえばロバート・グリーンを獲ったあとにセーザルも獲ったという、代表クラスのキーパーを2人もそろえる補強をしでかしており、このバブリーな流れには不気味さすら感じる。
QPRのスタジアム、ロフタス・ロードはかつて稲本がフルアムにいた時代にスタジアムを間借りしていたこともあって、一時期毎週のようにスカパーで中継をやっていた。その頃からあまり変わることなく、ここは街中に突如として現れるようなこじんまりしたサッカー専用スタジアムゆえに、カメラが設置されている位置がピッチに近すぎるようで、行きかうボールを画面に収めつづけるのに苦労するような状態。なのでムダに臨場感がある。でもそんな不安定なカメラワークをホームチームの金満?オーナーがよしとするとも思えず、ひょっとしてこのスタジアム自身もいつかバブリーに改修されてしまうかもしれない。でも実際に現地でこのスタジアムを訪れたとき、「絶対これ以上は拡張できないよな」っていうぐらい、密集した住宅街のなかにあった印象が。

そんななかQPRは今年から加入したパク・チソンがキャプテンとして奮闘中。それもまた個人的には感慨深い。

それとチェルシーからQPRに移籍したボシングワが、試合中にダビド・ルイスとかとちょっと笑いあっていた。個人的には彼の移籍は痛い(ていうかこんな状況でも右サイドバックのバックアッパーとしていまだにチームに残留しつづけてくれているパウロ・フェレイラのほうをもっと讃えておきたいところでもあるが)

チェルシー側の印象としては、やはりアザールは毎試合どこかで「おおっ!」と思わせるスキルを見せてくれるので、そういうキャラの立ちかたは大歓迎だ。

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『Number』の最新号は「日本サッカー総力特集 ロンドン五輪代表と考える 男と女の未来図」。なんだか月9ドラマのタイトルみたいだが、こうして女子も男子も「未来図」を描けることができるのも、ロンドン五輪で両者ともに一定の戦績を残したからにほかならないわけで、返す返すロンドン五輪、よかったなぁ、と思うわけだ。

そして日々野真理さんによる、宮間へのインタビュー記事が今回も印象的。この人だからこそ展開できるのであろうトークの流れのちょっとしたツボが、いつもワンポイントとなって記事を興味深いものにしてくれている。「メチャクチャなんです、ウチら(笑)」って、宮間はテレビカメラの前では絶対に言わない気がする。

あと福西・名波・田中マコの3人の写真(p.46)のちょっとバカっぽい笑い顔がツボ。田中さん、一瞬わたしは大泉洋かと思いました。こんな形で「あ、じつは似てたんだ!」ということを知るとは。

そして今号ではヤングなでしこのW杯についての記事も。大会前のときと同様、今回も猶本とタナヨウがフューチャーされていて、本当だったらここに仲田も加わるべきだったところだ。『Number』であれば、あえてここで(聞きにくいけど)仲田による今大会についてのコメントを取って載せるぐらいの一歩踏み込んだ根性を期待したいのだが。

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