ドルトムントでクロップ監督の役者っぷりを拝む:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その5)
ドルトムントにやってきた。中央駅について上の写真を撮ったと思うが、すでに黄色いユニフォーム姿の人が見受けられる。
この日の夕方に、リーグ開幕前にDFLスーパーカップということでドルトムント×バイエルン・ミュンヘンの試合が行われることになっていて、奇跡的に私はチケットが取れたのである。
中央駅から電車でほんの少し北にあがって今日のホテル、Senator by Centro Comfortの最寄り駅へ。都会だけど、のどかな雰囲気。
ホテルに荷物を置いて、すみやかに中央駅に戻って、Uバーンに乗りスタジアムへ向かう。
とにかくすごい人混み。チケットブースで予約していたチケットをゲットし、メガストア店内へ行ってみる。
映画館とかライヴハウスのロビーっぽい雰囲気。やや暗めの照明にするのがポイントか。
ユニが黄色基調だから、タオルマフラーのほうは黒基調のデザインが映える。
スタジアムをモチーフにした黒い紙袋は欲しくなったが、持ち歩きにくいので買わず。
自分のなかではハチだと思っているのだが、未だによくわからない生物のマスコットキャラ。
クロップ監督をモチーフにしたグッズが予想外に少なくて残念だった。
私がこのメガストアで見つけたグッズですごく気に入ったのが、ゴール裏のサポーターの写真をあしらったポストカードだった(カードの表面がギザギザしていて、角度によって画像が動いているように見える)。
やはりドルトムントといえばこの光景だ。このゴール裏をいつか見てみたいと思っていたが、こういう形で実現することになって嬉しい。
こうしていざスタジアム内に入ってみる。
落ち着きなくカメラを撮るから全部ブレまくっていた。
なぜか、大量のグミキャンディーの屋台があって、他のスタジアムではなかなか見受けられない展開だと思った。
そうして自分の席に着く前に、ホーム側ゴール裏の様子をうかがってきた。
うおおおおおお。
試合開始はもうちょっと後だったはずだが、このゴール裏だけは早めにギッシリと埋まっていた。
(コロナ禍だからよけいに思うが)ものすごい密集度と熱さである・・・あと、このスタンドだけを「一枚板」みたいな形状にしたことがすごく効果的なのである。角度の付け方も含めて。
リーグ開幕前ということでいやおうにも盛り上がるこの状況のなかで、試合前のアップが開始される。
私の目の前ではバイエルンの選手達がアップをしていて、場内からのブーイングなどはお約束のもので、周囲を囲むドルトムントサポーターの熱量にシビれまくる。
そしてこの日私がもっとも印象的だったのが、このアップの時間帯におけるクロップ監督の姿だった。
(拡大)
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これである。クロップ監督は、両チームがアップをしている最中、ピッチの中央で、ずっとバイエルン側のほうを眺め続けていたのである。
いやぁ~、この光景はヒジョーーに興味深かった・・・ある意味「奇行」ですらある(笑)。リーグ開幕前のこのタイミングで、まるで「自分たちの選手のことは問題ないし、全幅の信頼を置いている」と言わんばかりに、ライバルチームの選手の動きだけをピッチの真ん中からひたすら凝視し続けていたのである。これはバイエルンの選手たちにとってもすごくやりにくかったんじゃないかと思う。どうしたって視線を感じるわけである。
試合そのものの細かいことは記憶から薄れていくのだが、とにかくこの日はクロップ監督の仕掛けた挑発的な心理戦、あの役者っぷりが強烈な印象として残った。
▲こんな世界屈指のオモシロ監督、なぜもっとグッズ展開させないのだ。
そんなわけで試合前からすっかりお腹いっぱいの気分であった。
試合はドルトムントが2-0で勝利した。オーバメヤンがゴールパフォーマンスでスパイダーマンのマスクをつけたのがちょっとした話題に。
当然ながら両チームともに、先日のワールドカップに出場していた各国代表選手の競演となっていて、どこを見てもテンションのあがるスター選手がいたわけだが、特に感じ入ったのがスイス代表のシャキリで、当時バイエルンの11番を背負って、小柄だけど強い体をうまく使ってゴリゴリの肉弾戦を展開していくプレースタイルが面白かった。
▲試合後の状況。バイエルンファンが先に帰宅を急ぐ感じがうかがえる。
自分もわりと早めにスタジアムを後にした。地下鉄駅の係員から「乗り換えて帰ってくれ」みたいな指示を受けてよく分からなかったが、1日乗車券を持っていて、それなりにちゃんと中央駅まで戻って来られた。
ただ、晩ご飯を食べる場所を探すのが難しくて、こういうときは結局ファストフード系の店にお世話になりがちだが、メニューのオーダーの仕方をよくわかってなくて、どういうわけか「ポテトのみ」となったのが苦笑い。
そんなわけで、欧州屈指のゴール裏の雰囲気を味わい、最高峰のスタープレーヤーの闘いを間近で目撃し、そしてクロップとグアルディオラの両監督の激突をこの地で観られたことはこの旅のひとつのハイライトであった。
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