試合/match

2025年3月30日

エディオンピースウイング広島に行ってみた(広島×横浜FC 2025年3月2日)

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今年のJリーグ開幕前のスーパーカップをテレビで観ていて、サンフレッチェ広島はヴィッセル神戸相手に躍動し、新加入選手や補強が大当たりの予感があって、今季もっとも注目しておきたいチームとなっていた。

それとともに、関西以外のクラブでは他にも横浜FCの試合を観たいと思っていて、なぜなら中村俊輔がコーチをしているからだ。つまり試合前のアップのときに、ボールを蹴る中村俊輔をライヴで観ることができるかもしれないわけで、そんなわけでずっと「できるだけ横浜FCの試合に向かわねば」という思いがあった。

で、調べたら開幕間もない第4節、広島ホームで横浜FC戦があり、この時期だとデーゲームだからのんびり日帰りで観に行けそうだし、去年オープンしてすごく気になっていたエディオンピースウイングスタジアムへこの機会に行ってみようとなったのだ。

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雨が降ったりやんだりの空模様だったが、広島駅からいろんなルートでアクセスできる立地の良さは本当に魅力的。

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広島における「新スタジアム問題」は長年にわたっていろいろな紆余曲折があったわけだが、結果的にこうして平和祈念のしるしとしてのスタジアムが無事に建ったことはいちサッカーファンとしてうれしく感じる。

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あたらしいスタジアムに当然ながらテンションも高ぶり、スタジアム併設の大きいグッズショップも延々とウロウロしたくなる。

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選手名入りのタオルの並びをみるだけでも、ついつい気分が高揚し、大注目選手である「中島洋太朗」のタオルをカゴに入れた。

そして店の一角には、WEリーグのレジーナのグッズも多く取り揃えられているのを見てしまったもんだから、、、


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ええ、勢いで中嶋淑乃選手のアクリルキーホルダーもカゴに入れましたよ。

かつてオルカ鴨川FCのファン感謝デーのミニサッカー大会に参加したとき、当時このクラブにいた中嶋淑乃と同じチームになって数試合プレーしたことがあるのだった。私の出した雑なパスが、どうみてもつながらないコースに飛んで行ったにもかかわらず、ダッシュでボールを追いかけていってくれた中嶋淑乃の後ろ姿に「ごめん!」と強く思った記憶が残っている。

はい、なので私にとって彼女は「元チームメイト」と言っていいんです(強引)。
(そうしてミニサッカーを一緒にさせていただいた数年後には三苫薫ばりの左サイドのドリブラーとして覚醒し、なでしこA代表に入るまでの選手になるとは当時想像もできていなくて、おっさんはただひたすら嬉しく思っております)

で、この流れで男子チームのアクリルキーホルダーも見てみたのだが、中島洋太朗を探すと・・・









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や、たしかにまだ十代だというのに、すでに悟りの境地に至っているかのようなクールさをただよわせているが!

これはこれでキャラ立ちしている雰囲気がツボにはまり、これもお買い上げ(そもそもこういう推し選手のアクリルキーホルダーなんてグッズを買うのは初めてだった 笑)。

会計時のレジではひとつひとつのグッズの選手名を店員さんから確認されるのでそのとき気づいたが、結果的にアクリルキーホルダー、「ナカジマとナカシマ」の組み合わせとなった。

そうしていよいよスタジアム内部へ。ぐるっと一周してみたり。

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さすがのクオリティで、自分が今まで味わったなかでは豊田スタジアムのバックスタンドの傾斜っぷりとパナソニックスタジアム吹田の開放的でソリッドな雰囲気の、それぞれの良いところを組み合わせたような印象。

そして歴代レジェンドプレーヤーを紹介するコーナーなども。

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歩き回っているうちに、無性に甘い物がほしくなったので、スイーツ系のスタグル売り場へ。関西エリアの各スタジアムだと「いつでも来れるから」と思ってスタグルの限定コラボメニューなどをチェックして買い求めることはめったにないのだが、この日だけは積極的に行列に並んでしまう。

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売り場の案内をみたら、今日は中島洋太朗選手コラボメニュー「レモネード、おいしいです(あったかいです)600円」なるものが販売されていたので、これはオーダーするしかないだろう。

で、飲んでみた。














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う、うむ、たしかにレモネードでトンガッたバリエーションを生み出すのは難しいからな!

・・・気を取り直して、別のコラボスイーツに挑戦すべく、また行列に並んだ。

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キーパー大迫敬介選手による「さつまの大学芋スティックでごわす Wホイップ仕立て1,000円」があり、「うむ、そういうの良いな! そうか大迫は鹿児島出身なのね~」など思いながら並んでいたわけだが、

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「すいません、普通のアップルシナモンのチュロス650円のにしました」
(や、なんか、保管ケースに置いてあった大迫の芋スティックの実物をみて、ちょっとヒヨってしまい・・・)

そういうことも含めて、スタグルもエンジョイ!!

さてそんなわけで、いよいよ選手ウォーミングアップのお時間。
座席からカメラを構えて待機。

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      俊輔コーチ、キター!

私がかろうじて確保できたチケットは最上階のエリアだったのだが、望遠レンズでひたすら中村俊輔の姿を追いかけてシャッターを押しまくっていた(他にも三浦文丈や土肥洋一といった懐かしい名選手たちもコーチ陣にいる)。なので私の周りに座っていた紫色の方々からは「こいつアウェイチームのサポだな」と思われていたことだろう。

選手のためにボールの出し手になったりするシーンもちょくちょくあり、そのたびにファインダーをのぞきながら「うぉぉお、俊輔のボールタッチだ~」と、一人で興奮していたりする。

「キーパー練習のキッカー役とかやってほしいなー、ガチ本気の左足を見たいよなぁー」とか勝手なことを思いながら練習風景を凝視していたのだが、それに近いキックはウォーミングアップ終了時、方々に散らばったままのボールを回収するときに見せてくれた。

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そうそうそう、これですよこれ!!

・・・と、まだ試合も始まっていないうちに、私はひとり無言のうちにハイテンションで中村俊輔御大のフォームを堪能していたわけである。

こうしてキックオフを迎える!

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サンフレッチェ広島は、いきなり公式戦でガンガン点を取っている驚異の大卒ルーキー中村草太がスタメンだったのが嬉しかった。
そしてU-20アジアカップの日本代表が惜しくも決勝進出ならず、予定よりも早い帰国となったため、この日は中島洋太朗もベンチメンバーに名を連ねていた。

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客席のかなり上方からでも、迫力のあるシーンが観られて、カメラで追いかけるのも楽しかった。

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札幌から横浜FCへのレンタルを延長している福森晃斗の、中村俊輔から日々薫陶を受けているであろうフリーキックも目の前で味わえたり。

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で、後半途中から中島洋太朗と今季新加入の田中聡が同時に交替出場となり、この若いボランチコンビが先日のスーパーカップでもすごく印象的だったので、スタジアムで観ることができてよかった。

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この二人については印象的なシーンがひとつあった。

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二人が交替で入ったすぐ直後、ほかの選手が接触プレーで痛み、しばらく試合が止まったときのことである。すかさず中島洋太朗はボールをもって田中聡に声をかけ、その場でできる限り体を温めてアップを補うべく、素早くパス交換を繰り返していたのだった。なんというか、「あぁきっと中島くんは高校生活とかでもスキマ時間を有効活用して英単語とか覚えるの得意そう~」と思わされたのである(笑)。

横浜FCの堅い守りにずっと手を焼いていたが、後半途中からこの中島・田中のダブルボランチによって、少しずつ流れが変わっていったように思う。

そんな後半33分に中村草太が決勝ゴールを決めた瞬間は、なんだかワケが分からないうちにブレブレのなかでカメラを連写していた。「勢い」があるって素晴らしい。ゴールを呼び込むオーラというか。

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で、こちらは皆が喜んでいるときにちゃんとセンターサークル内に留まって相手にキックオフされないようにしている荒木隼人さん。

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中村草太については、この日撮ったすべての写真の中で、彼の表情を捉えたこの写真が最もベストな一枚になった。(ぜひクリックして拡大して見ていただければ)

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終盤に交代枠を使い切ったなかでトルガイの負傷離脱というアクシデントにみまわれた広島はそのまま10人での防戦を余儀なくされたが、このまま1-0で逃げ切った。

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コンサドーレつながりで、しばし笑顔で交歓する菅ちゃんと福森。

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ホームチームの勝利に沸くスタンド。

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で、チームの広報カメラマンらしきがサポーターをバックに中村草太の写真を撮っているなーと思っていたら、

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このように試合後のスタジアム内のモニターにさっそく表示されていて、いい演出だった。

このあとも時間はたっぷりあったので、スタジアム内にある「広島サッカーミュージアム」も見学した。

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これは入口付近にあった壁で、場内は写真撮影できなかった。被爆地としての広島でどのように戦前・戦後とサッカーが振興していったかという歴史やサンフレッチェ広島の歩みをじっくり紹介しつつ、サッカー選手の身体能力に挑むアトラクションや科学的な展示などもあったり。
日常を平和に過ごしてみんなでサッカーが楽しめるというのは、当たり前のようで実はそうでもないことを実感しながら、スタジアムを後にする。

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この流れで、スタジアムから南にすこし歩いたら、原爆ドームにたどりつく。

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ちゃんと訪れたのは小学6年生の修学旅行以来なのだが、今回再訪して強い印象を受けたのは、建物内部の床に散らばるおびただしい瓦礫の連なりだった。子どもの頃の目線とは違って、大人になって背が高くなったからこの床面を見ることができるようになったからか、あらためてこの瓦礫の状況が目に刺さってきたのであった。

そうして原爆ドームから街中へふらふら歩き、「大山のぶ代ご推薦の店」という看板が目に入ったので、お好み焼き店へ。
中に入るとカープファン御用達のお店だったようで、大量のユニフォームと、カープの選手のサイン色紙で壁面が埋め尽くされていた。サッカー日本代表ユニだけ片隅に掲げてあったり。

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夕食をとるには早い時間帯だったのであまり混み合ってなかった。せっかくなんでカキを乗せて。ちなみに後でこのお店についてネットで調べたら「観光客価格のぼったくり店」とあって、苦笑い。これもまたひとつの旅の味わい。

そのあともしばらく街中をウロウロしていたら、エディオンの本店にたどり着き、

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この標識が歩道からも目に入ったのでつい立ち止まってしまい、

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わざわざ冷蔵庫コーナーに行ってこれを確認した(笑)
たしかにあらゆる家電製品のなかでも冷蔵庫だと平面部分が多いからデコレーションしやすいよなぁ、と感心した。

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そして賑やかな商店街ではデカデカとレジーナの応援キャンペーンが展開されていて、私の元チームメイト(←違うだろ)とここでも再会。

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ちなみにサッカーとは関係ないが、スタジアムの近所にある「ひろしま美術館」で「オディロン・ルドン展」が3月23日まで開催中であったことを、今回の日帰り旅を行う直前まで知らなかったのである。

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なのでスタジアムに向かう前に早めに現地入りして美術館を訪れたのだが、私はルドンの「神秘的な対話」という作品が人生でベスト3に入るぐらい好きで、まさかこの作品と広島で再会できるとは!と、いたく感激しつつ可能な限り長い時間、絵の前に突っ立っていた(岐阜県美術館が世界屈指のレベルでルドンの絵画を大量に保有していることはもっと知られてほしい)。

で、このルドン展は巡回してこの4月から6月にかけては東京のパナソニック汐留美術館で行われるとのこと(こちら)。この人は音楽で例えたら、若い頃はハードコア・デスメタルみたいなのをやっていたのが晩年にはクラシック・ギタリストになっていったような「揺れ幅」が特徴的なのであるが、ハマる人にはハマる世界観だと思われる。 ※さすが東京と思わせるのは土日祝は「予約制」だそうで・・・

そんなわけで、これもピースウイングスタジアムが街の中心部にできたからこその、美術館~サッカー観戦のハシゴが楽しめたということで、つくづく素晴らしいスタジアムであることを実感させていただいた。また何度でも来たい!

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2024年3月23日

写真たち:U-23日本代表×マリ代表の親善試合&山田楓喜の左足とパフォーマンスは要チェックや!

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先日の日曜日にひさしぶりに行ってきたサンガスタジアムに、つぎの金曜日の夜にまた行くこととなった。
U-23日本代表がマリ代表との親善試合をここでやるというので、職場から直で現地に向かうことに。

今日もカメラを持ってきたので、南側ゴール裏から撮影にトライするも、ぜーんぜん自分としては上手く撮れないので、もっと修行が必要。

で、開始早々いきなり町田ゼルビアの平河が先制点をあげて驚いた。先日のA代表の北朝鮮戦みたいだ。

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目の前で喜んでくれてうれしかったですよ。

自分なりに納得のいく出来映えの写真が少なすぎるので、一気にアップしますが・・・

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と、試合は1-3でU-23マリ代表が勝ちきり、テストマッチとはいえもうちょっと日本のゴールシーンが観たかったところ。防寒対策をしていたけれども、それでもやたらと寒い夜だったし、「熱さ」が欲しかった。

で、マリ代表には8番をつけてキャプテンマークを巻いたブバカール・トラオレという選手がいた。プレミアリーグのウォルバーハンプトン・ワンダラーズFC(長いからウルブズと略すのが一般的だが、声に出して読みたい正式名称ではある)でプレーをしているということで、このピッチにはプレミアリーガーがいたわけだ。実際にこの日の試合もほとんどのボールが彼を経由していたんじゃないかと思えるほどに、チームの心臓として中盤に君臨していた印象。

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自身で3点目も決めていたが、相手のプレスをうまくかわしてボールを取られずにキープして試合をコントロールしていたり、さすがにうまかった。

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ちなみに私はこの日、トラオレに敬意を表してウルブズのネクタイ(2012年にチェルシーのアウェイ戦を観に行ったときにクラブショップで買った)を身につけて職場からやってきた次第。
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▲ダサいと思っていた狼のエンブレムが妙に可愛らしく見えるので好きなデザイン。でもキラキラしてて派手なので普段あまり職場では使ってない。

あとマリのゴール裏サポーターがたくさんの太鼓を軽妙なリズムで演奏し続けていて、クセになる心地よさがあった。

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そしてU-23日本代表においては見どころがいくつもあるわけだが、最近気になっているのは京都サンガから期限付き移籍で今季は東京ヴェルディでプレーしている山田楓喜だ。

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開幕のマリノス戦で圧巻のフリーキックを決め、そして先日の新潟戦でも再び見事なFKを決め、いまJリーグでもっとも危険なキッカーの一人であり、個人的にも「左足のフリーキッカー」っていうジャンルはやはりどうしたって特別な思い入れとともに注目したくなるわけである(ていうか、それまで山田楓喜を知らなかった自分は、地元であるサンガの試合をついサボッて観に行っていないことがバレバレですいませんっていう気分にもなっています、はい)。

短い助走から左足で繰り出されたその開幕戦の衝撃的なフリーキックについては、ヴェルディ公式でこのような見応えのあるムービーが作られていた。必見。

この、手で顔をおおうゴールパフォーマンス(ディバラみたい)が印象的で、話しっぷりからも若手選手とは思えない堂々たるマインドを感じさせる。

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そんななか、この記事を書くにあたって調べていたら、東京ヴェルディはこんな公式グッズを作っていたことを知った。

Verdy

おお、加入後のファーストゴールを記念したタオルですか。

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ほう、写真は本人がチョイスしたと。なるほど・・・

で、そのタオルというのが














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顔、みえてへんやん!!www


いやー、なかなかの怪グッズが爆誕(笑)
あえて横方向からの写真を選ぶか・・・まぁ、ある意味で神秘的なミステリアス感は出せているのか・・・?

でもよくみたら、受注生産品で、すでに販売終了しているのね・・・
一瞬、買おうか迷ったのだが(笑)

そんなわけで、パリ五輪の出場権をかけた4月のU-23アジア杯においても、これでまたさらに楽しみが増えた。「セレブレーションもゴールの一部」と言ってのける山田楓喜にはその左足で世界の強敵たちを震撼させて、「知り合いの子どもと約束した」というゴールパフォーマンスをこれからも披露しまくってほしいものである。


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2024年3月17日

写真たち:2024年J1第4節 京都サンガ×横浜Fマリノス

ハリー・キューウェル監督みたさに今年は横浜Fマリノスを積極的に現場で観戦したい旨をツイッターXでつぶやいたら、京都サンガのサカユニ・ランナーであるダイさんが、サンガ×マリノス戦に行けなくなったというのでチケットを譲ってくださったのである。場所はバックスタンドの最前列ということで、カメラ撮影には絶好の位置だった。あいにくの雨模様だったけど負けじとシャッターを切りまくった。

なので今回は写真メインの記事となります。

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▲でもよく考えたら、キューウェルがプレミアリーグのリーズ・ユナイテッドで活躍していた頃はまだ生まれていないか、乳幼児だったという選手が多いのかもしれないと気づき、ずいぶん歳を重ねてしまったことを実感。

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▲マリノスは松田直樹のイラストをこれからもずっと掲げていてほしいと思う。

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▲開始早々にいきなり点が決まるも、カメラのファインダーごしだと何が起こったのか分からなかった・・・

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サンガは開始早々にアピアタウィア久が一発レッドで退場したり、2失点を喫するも、前半のうちに追いつくというイケイケの展開。しかし後半にふたたびアンデルソン・ロペスにゴールを許し、相手キーパーの退場もあったものの3点目が遠かった。

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▲試合終了後にうなだれる川﨑颯太。すぐにU-23代表の試合が待っている。

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アップダウンの激しい試合展開で、サンガ側のスタンドは最後は静かに敗戦の悔しさをかみしめていたけれど、写真を撮るぶんには楽しかった。。。もっと経験を積んで自分の思うような絵が切り取れるようになりたい(応援するクラブにこだわりがないので、つい家でDAZNを観てしまいがちだが・・・)。

そんなわけで、ダイさんには今回良い機会をいただき、感謝!

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▲これはダイさんお薦めのスタグル、焼き鯖寿司。美味。


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2023年12月25日

夏の思い出&今年もありがとうございました

中村俊輔の引退試合は仕事がなければ絶対行きたかった・・・!(でもチケットはとれなかっただろうなぁ)。
現役を終えてから時間をおいていたとはいえ、やはり「いつかはこの日が来るんだろう」という、ぼんやりとした感慨みたいなものがあって、スカパーの録画をみながら、いやもうこのフリーキック見せられたらまだまだイケるやん!? と思ったし、多くの人もそう感じたのでは。
将来、どこかの監督になってもフリーキックのシーンで「俊輔蹴って!」とか言われそうな気もする。
挫折を知り、苦労を重ねてきた選手だけに、指導者としてどうなっていくのか、その第二章も楽しみにしています。

そして小野伸二も引退したわけで、この選手についてもいろいろと語りたいところではあるんですが、日本代表での実績として「ここぞという大事な試合のときに限ってなぜか出られない巡り合わせの多かった選手」っていう印象がすごくあって、そしてシドニー五輪予選のときに負ってしまった大ケガの影響が、その後の彼が本来たどり着くべきはずだったステージを遠ざけてしまったのではないかという「悲運の天才」という見立てがどうしてもぬぐいきれなかったりするのです。それでも彼は運命に負けじと、全身でサッカーを楽しむようにボールを華麗に扱い、観る人を魅了し続けたプレーヤーだったことは忘れないでいたいと思います。

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そしてもうひとつ、ブログで書きそびれていたのですが。
夏に、JFLのティアモ枚方対沖縄SVの試合を観に行ったわけです。

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たまゆら陸上競技場。
暑かった。

一緒に行った友人のFくん(初めてオランダ旅行に行ったとき、到着した空港であのヨハン・クライフに出くわして一緒に写真に収まり「アムステルダムへようこそ」と言ってもらえたという、サッカーファンとして垂涎の幸運に恵まれた過去を持つ)が、現役時代からの二川孝広のファンということで、いま監督をしているティアモ枚方の試合を観にきたわけです。
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フタさん!!

ティアモ枚方のコーチ陣には、G大阪・横浜FCでプレーしていた寺田“ちんさん”伸一氏がいたり、そして京都サンガでプレーしていた大槻紘士氏もいて個人的に懐かしかったり。
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そしてこの日の対戦相手には、この男がいたわけですよ!
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自分と同世代ということもあり人生で一番日本代表を応援していたと言っていいシドニー五輪世代の代表的ストライカーには強い思い入れがあり、最近買ったばかりのカメラでひたすら激写していました。

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選手兼監督として沖縄SVを率いて、今シーズン限りでの現役引退が発表されていたので、そういう意味でもこの日の試合は見逃せなかったわけです。

試合前の両監督の挨拶シーン。
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ここで私のカメラは痛恨のピントぼけ(笑)。いい笑顔だったのに・・・

この日、高原はスタメンで出場。うぉぉ。
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まさか本当にピッチでプレーする高原が観られるとは。
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ただ残念なことに前半早々に、脚に違和感を覚えたのかピッチを去ることに。
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辛そうだった。

そんなわけで最大のお目当て2名はベンチにいることになり、使い慣れないカメラでひたすらスローシャッター撮影にトライしながら選手の動きを追いかけて楽しみました。
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高原はそのあと、監督としてベンチから戦況を見つめ続けていて、そして沖縄SVが先制点をあげる展開に。
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そうしてFくんと私の関心はやがて「二川監督は選手達に声を荒げて指示を出すのかどうか」というところに移っていくいくわけです。
現役時代、孤高の無口キャラゆえに「言葉はいらない、プレーで魅せろ」というフレーズの横断幕まで出ていたことが思い出されるわけです。

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無言。


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たまに、立つ。

そして、無言。

・・・いやはや、恐れ入りました。
(まぁ、実際はベンチから声を出していたけど、客席側までには聞こえていなかったんだろうなとは思うわけですが)

そんなこんなで、試合は沖縄SVがそのまま逃げ切りまして。
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最後の最後まで高原直泰の存在感が印象的でした。
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ただひたすらに、おつかれさま・・・高原&俊輔&小野!!

そうして、人生は続く!!


・・・ということで今年のFOOTBALL ACTIVISTブログはこの記事で締めくくりたいと思います。
読んでいただきありがとうございました-!!

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▲「試合後のミーティングでも、フタさん言葉少なめ・・・!?」と、そこばかり気になってしまう我々。

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2022年2月13日

World Champions! Chelsea!!

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すいません、結局ぜんぜんクラブW杯をライヴで観る状況ではなかったんですが、朝起きて優勝を知りました。
2012年の横浜開催のときの雪辱を果たしましたね・・・いやはや、おめでとうございます。
思えばアブラモビッチ体制になってからちょうど20年ぐらい経ったわけで(個人的にはあっという間な気分ですが)。ここまでオーナーが支えてくれるとも予想だにしませんでしたが、こうして頂点の頂点までトロフィーを獲得したわけで、そういう意味でもなんかホッとしたというか、どういうわけかオーナー目線でこの勝利を捉えてしまいますな(笑)。

後追いでYouTubeで試合を確認すると、ネックになったのは双方の2得点がVAR判定がらみだったということで、それなりに難しい試合展開だったようで。

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この最大の大一番における「現地組」のサポーターたちのユニフォーム着用率がとても気になるので、写真を探してしまいがちですが、ここぞというときに着るユニってそれぞれ思い入れがあると思うんですね。で、やはりみんなバラバラで、レトロなユニが興味深い。逆にいうと現行の「3ユニ」ってあまり人気なさそうな気もする。

それにしても英国版の公式サイトのトップページをみたら、
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いやー、このアスピリクエタの笑顔が、なんともインパクトあっていいですね。この笑顔に乾杯ってやつです!
Well done, Blues!!

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2021年5月30日

CHAMPION AGAIN!!

おおおおおおめでとうございますブルーズ各位!!

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9年前に初優勝したとき、「もう数十年は来ないだろうなぁ、もしかしたら人生で二度とないかもなぁ」と勝手に思っていたチェルシー・フットボール・クラブの2回目の欧州チャンピオンズリーグ制覇に、なんかもう、謝りたい気分!!イエス!!(笑)

急にDAZNからWOWOWにCLの放送権移ったりして、気持ち的にも「まぁいいか」って全戦スルーしていたので、よけいに!!

でもですね、今日はさすがに決勝は観ようとWOWOWに申し込んで、キックオフ1時間前からスタンバイしていたにもかかわらず、ハヴェルツが決勝点を決めたときは寝ていたので、「タテーシが起きてライヴ観戦しているとチェルシー点が入らない記録」は継続しています。すなわち今季のCL決勝に進めたのも、ひとえに私が「まったく観ていなかったから」ということが要因のひとつとなっていたわけであります。ええ、そういうの慣れてるんで。

それにしても1-0でギリギリの試合だったけれども、しっかり守れていたので後半途中からはなんだか負ける気がしなかった・・・まぁ、デブライネの気の毒なケガがあったのでよけいにシティの怖さが失われていたのもあり。あとアグエロがもし先発スタートだったらそっちのほうが怖かった気もする。

BBCワールドつけたら、スタンフォード・ブリッジ周辺の様子をレポートしていた。
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「大きな混乱はなかった」とのこと。しかしいずれにせよ、人混み溢れまくりな様子なので、みなさん感染防止は気をつけてもらいたいですねぇ~(現地組も同様。無理もないが)。そういえばトロフィー授与のときメダルを一人一人かけてお立ち台に移動する流れで、監督も選手もみんな、置いてあるトロフィーの同じようなところチューしまくっていて、そこがやたら気になってしまう世情のなかでの欧州制覇でありました。

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2021年5月 4日

ドルトムントでクロップ監督の役者っぷりを拝む:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その5)

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ドルトムントにやってきた。中央駅について上の写真を撮ったと思うが、すでに黄色いユニフォーム姿の人が見受けられる。

この日の夕方に、リーグ開幕前にDFLスーパーカップということでドルトムント×バイエルン・ミュンヘンの試合が行われることになっていて、奇跡的に私はチケットが取れたのである。

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中央駅から電車でほんの少し北にあがって今日のホテル、Senator by Centro Comfortの最寄り駅へ。都会だけど、のどかな雰囲気。

ホテルに荷物を置いて、すみやかに中央駅に戻って、Uバーンに乗りスタジアムへ向かう。

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試合の日はみんなに付いていけばいいだけなので迷わない。

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公園をみんなで散歩し・・・

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すごい人。さっきまでの、のどかな街並みとは違う異世界。

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ついに来てしまったジグナル・イドゥナ・パーク。

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そう、こういう人たちを観に来たのである。

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とにかくすごい人混み。チケットブースで予約していたチケットをゲットし、メガストア店内へ行ってみる。

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あらゆるスケール感がデカい。

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映画館とかライヴハウスのロビーっぽい雰囲気。やや暗めの照明にするのがポイントか。

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ユニが黄色基調だから、タオルマフラーのほうは黒基調のデザインが映える。

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スタジアムをモチーフにした黒い紙袋は欲しくなったが、持ち歩きにくいので買わず。

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自分のなかではハチだと思っているのだが、未だによくわからない生物のマスコットキャラ。

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クロップ監督をモチーフにしたグッズが予想外に少なくて残念だった。

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バーのような雰囲気のユニフォームナンバー貼り付けコーナー。

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子ども向けにミニサッカーで遊べるスペースも備わっていた。

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芝刈り機も売っていた。

私がこのメガストアで見つけたグッズですごく気に入ったのが、ゴール裏のサポーターの写真をあしらったポストカードだった(カードの表面がギザギザしていて、角度によって画像が動いているように見える)。
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やはりドルトムントといえばこの光景だ。このゴール裏をいつか見てみたいと思っていたが、こういう形で実現することになって嬉しい。

こうしていざスタジアム内に入ってみる。
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落ち着きなくカメラを撮るから全部ブレまくっていた。

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なぜか、大量のグミキャンディーの屋台があって、他のスタジアムではなかなか見受けられない展開だと思った。

そうして自分の席に着く前に、ホーム側ゴール裏の様子をうかがってきた。
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うおおおおおお。
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試合開始はもうちょっと後だったはずだが、このゴール裏だけは早めにギッシリと埋まっていた。
(コロナ禍だからよけいに思うが)ものすごい密集度と熱さである・・・あと、このスタンドだけを「一枚板」みたいな形状にしたことがすごく効果的なのである。角度の付け方も含めて。

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自分の座席からあらためてゴール裏を眺める。圧巻。

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こちらはバイエルン側。

リーグ開幕前ということでいやおうにも盛り上がるこの状況のなかで、試合前のアップが開始される。
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私の目の前ではバイエルンの選手達がアップをしていて、場内からのブーイングなどはお約束のもので、周囲を囲むドルトムントサポーターの熱量にシビれまくる。
そしてこの日私がもっとも印象的だったのが、このアップの時間帯におけるクロップ監督の姿だった。

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Klopp
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これである。クロップ監督は、両チームがアップをしている最中、ピッチの中央で、ずっとバイエルン側のほうを眺め続けていたのである

いやぁ~、この光景はヒジョーーに興味深かった・・・ある意味「奇行」ですらある(笑)。リーグ開幕前のこのタイミングで、まるで「自分たちの選手のことは問題ないし、全幅の信頼を置いている」と言わんばかりに、ライバルチームの選手の動きだけをピッチの真ん中からひたすら凝視し続けていたのである。これはバイエルンの選手たちにとってもすごくやりにくかったんじゃないかと思う。どうしたって視線を感じるわけである。
試合そのものの細かいことは記憶から薄れていくのだが、とにかくこの日はクロップ監督の仕掛けた挑発的な心理戦、あの役者っぷりが強烈な印象として残った。
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▲こんな世界屈指のオモシロ監督、なぜもっとグッズ展開させないのだ。

そんなわけで試合前からすっかりお腹いっぱいの気分であった。
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試合はドルトムントが2-0で勝利した。オーバメヤンがゴールパフォーマンスでスパイダーマンのマスクをつけたのがちょっとした話題に。
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当然ながら両チームともに、先日のワールドカップに出場していた各国代表選手の競演となっていて、どこを見てもテンションのあがるスター選手がいたわけだが、特に感じ入ったのがスイス代表のシャキリで、当時バイエルンの11番を背負って、小柄だけど強い体をうまく使ってゴリゴリの肉弾戦を展開していくプレースタイルが面白かった。

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▲試合後の状況。バイエルンファンが先に帰宅を急ぐ感じがうかがえる。

自分もわりと早めにスタジアムを後にした。地下鉄駅の係員から「乗り換えて帰ってくれ」みたいな指示を受けてよく分からなかったが、1日乗車券を持っていて、それなりにちゃんと中央駅まで戻って来られた。
ただ、晩ご飯を食べる場所を探すのが難しくて、こういうときは結局ファストフード系の店にお世話になりがちだが、メニューのオーダーの仕方をよくわかってなくて、どういうわけか「ポテトのみ」となったのが苦笑い。
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そんなわけで、欧州屈指のゴール裏の雰囲気を味わい、最高峰のスタープレーヤーの闘いを間近で目撃し、そしてクロップとグアルディオラの両監督の激突をこの地で観られたことはこの旅のひとつのハイライトであった。


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▲あと、この日のホテルの部屋にあった電話機がかわいかった。

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2019年3月18日

『フットボール批評』23号「川口能活とポーツマス」を読んで、久しぶりにあの街のことを想う

 最新号の『フットボール批評』23号に、「川口能活とポーツマス:かつての友人たちから親愛なるヨシへ」という6ページの記事が載っている。昨シーズンをもって引退した川口が以前在籍していた、ポーツマスFCにゆかりのある人物を訪ね、当時の川口との思い出をたどっていくという、小川由紀子氏によるこのレポートに私は感銘を受け、これだけでも今回の『批評』は買う価値があると思った。

 2001年から始まる川口能活のイングランド挑戦を振り返るときに私がまず思い出すのは、川口が渡英した直後にスカパーが当時2部のポーツマス戦の生中継を敢行したことだ。翌年のW杯を控えて日本代表のゴールキーパーが初めて欧州に挑戦するということで話題性は高く、2部チャンピオンシップリーグの試合が生中継で観られることそのものにまずは興奮したわけであるが、実際にフタを開けてみると、こともあろうに川口はスタメン出場ではなかった。「主役不在の試合」を当時の実況・コメンタリーがどのように苦慮しつつ進行していたのか、そこまではさすがに記憶がないのだが、イングランドの港町で繰り広げられる、まったく馴染みのない選手たちによるフットボールが展開される様子を眺めながら、歴史や伝統といったなんともいえないものに阻まれたかのような「壁の高さ」を感じた記憶だけは残っている。

 そのあとのポーツマスの印象としては、プレミアリーグに昇格してシャカ・ヒスロップというゴールキーパーが登場するやスタメンを張り続け、ついぞ川口はイングランドで輝きを放ったとは言いがたいわけである。

 それが、今回の『批評』の記事を読むと、川口のポーツマスでの日々が不遇だったとされる「歴史的認識」を違う角度から改めさせてくれたのである。
 細かいことは実際の記事をぜひ手に取って読んでもらいたいのだが、確かに川口個人としては活躍を残せたとは言いがたかった日々ではあるものの、スタッフたちや地元サポーターにとって、川口能活と過ごした日々がいかに素晴らしかったかということが、この記事を通して伝わってくるのである。アジアから来たキーパーにたいしてどれだけポーツマスの人々から愛情が注がれていたのか、その「記録や数字だけでは測れない何か」を今に至るまで残し続けていることに胸が打たれたのである。

 そもそも振り返れば川口というキーパーは、体格のハンデをものともしない「神がかったセービング」で強いインパクトを残し続けた選手である。そう思うと、記録や数字を越えた何かを彼は体現しつづけていて、そのひとつにポーツマスでの日々があったのかもしれないと思わせる。

 そして何より、このイングランド南部の港町については個人的にも感慨深い思い出があるがゆえに、なおさらに今回の記事であらためてポーツマスという街のことを繰り返し想起している。

 それはすでに川口も退団したあとの2009年12月のことで、プレミアリーグで奮闘していたポーツマスFCのホームゲームを観に行く機会があったのである。

 たどりついたスタジアム「フラットン・パーク」は、海からの潮風に絶えず吹きさらしにされてきたような、ある種、期待を裏切らない寂れ感があった。よけいな飾りたてもなく、あらゆる設備が必要最小限で済まされていて、時間の流れとともに少しずつ綻びながらたたずんでいる感じに、この国の人々の「アンティークを尊ぶ価値観」が表れているようにも思え、このスタジアムもまたそのひとつだと感じた。

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 晴れた日で、私が座っていた場所はコーナーフラッグ寄りでピッチの対角線上に位置していた。ポーツマスにはカヌやクラニチャルらが在籍していて、対戦相手のリバプールにはジェラードやトーレスがいた時代である。当然ながら試合の具体的な中身については記憶の彼方にあるのだが、特筆すべきは、この試合を2ー0で制したのはポーツマスの側だったことだ。そして2点目を決めた選手【記録ではフレデリック・ピケオンヌだった】が、コーナーフラッグのところへ走り込んできて、駆け寄るサポーターたちと歓喜の抱擁をしていた。
 このシーンだけが強く記憶に残っているのは、その後ホテルのテレビで繰り返しこの大金星となる得点を叩き込んだ喜びの場面がニュース映像として流れていて、「まさに自分の目の前の数メートル先で起こっていたこと」だったからだ。コーナーフラッグのすぐ近く、階段状の通路側に座っていた私も、やろうと思えば階段を降りて、あの抱擁の輪に加わることができたのである。それなのに私は動けなかった。もちろん、海外からの観光客としての一般的な振る舞いとしては正しかったのだろう。しかし、こういうときにこそ規範を少し逸脱して、心からワクワクするほうへ動けるようにもなりたいと、いまでもあのシーンを思い返すとちょっとした後悔の気持ちがわいてくる。

 そしてまたこの試合の勝利の意味を自分としては大事に受け止めていたいのである。というのも、このシーズンにポーツマスは7勝7分け24敗で最下位となり、あえなくプレミアリーグから降格することになるわけで、この12月19日に挙げたリバプールからの勝利というのは、当時の記録からすると、これ以後に強豪クラブに金星を挙げることができなかったという意味では、ポーツマスFCが成し得た国内トップリーグでの、現時点では最後の「輝いた瞬間」だったとも言えるのだ。

 そして試合後の高揚感あふれるスタジアムの雰囲気よりもはっきり覚えているのは、ポーツマスの中央駅近くに戻り、ショッピングモールで、ポーツマスFCのグッズを身につけた人々に向かって、家族連れなどが声をかけると、すかさずサポーターからも「2ー0で勝ったぜ!!」みたいな雰囲気で大声を返し合っていた光景だった。その日の夕刻、こうしてポーツマスの街のあちこちで、おらがクラブの奮闘ぶりがたくさんの人々に共有されていて、このエリアで船舶していた帆船を照らす夕日の印象とともに、心感じ入るハートフルな雰囲気に満ちていたのであった。

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 その後ポーツマスは破産問題における勝ち点剥奪のペナルティの影響もありディビジョンを落とし続け、一時期はサポーターがトラストを組織して市民オーナー制度でクラブが運営されるというドラマチックな出来事も経験し、4部リーグまで落ちていた時期もあるが、今シーズンは3部リーグの首位争いをしており、ふたたび上を目指すことのできるベクトルが整ってきているのであれば喜ばしい。そして今もなおスタジアムはあの「味のあるボロさ加減」を保っているのであろうかと想像する。

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2019年3月 9日

グランパスの好調ぶりを見届ける

久しぶりにJリーグのことを書く。
新シーズンに向けた名古屋の補強の充実ぶりが気になっていたので、ガンバ×グランパスを観るべく吹田へ。
例によって茨木市方面からレンタルサイクルで行くのだが、今回もやはり立ち寄るのはこのお店、「あきない」。

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私もJリーグの現場ではいつもスタグルをそれなりに楽しもうとは思うのだが、しかしスタジアムの近所で確実に美味しいものが食べられるのなら、そっちを選びたくなる。何せこの店のたこ焼きは10個でも600円、コスパ面でも素晴らしいのである。今日は時間があったので立ち飲み席でじっくりいただく。
さて、スタジアムに着いたら、「ピッタリ7」というイベントが行われていた。
ストップウォッチできっちり7秒を押せたらトートバッグがもらえるというもの。

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見た目は非常に地味な催しではあるが、私はこの「時間を正確にカウントする」という技術には密かに自信があったので、喜び勇んで待機列に加わってチャレンジ。一人につき2回トライできる。ストップウォッチを見ながらやってもいい。
結果は・・・非常に惜しいところまで行ったが、キッチリ7秒は達成できず。
ギリギリの人は「ゴールポスト賞」ということで、キラキラシールをもらえる。

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その場で状況を見守っていたスタッフさんに、こうやってコストをかけずにみんなが楽しめる催しがあるのはいいですよねぇ、と伝えると「そうでしょう!?」っていう感じで笑っていた。

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そんなわけで試合は、キックオフ早々40秒たらずで名古屋がゴール前できれいに崩し、赤崎による古巣への恩返し弾が炸裂。間違いなく自分がいままでスタジアムで目撃した「試合開始最短ゴール」となった。
そのあとも両チームにそれぞれオウンゴールが出たことも、自分にとってはなかなか珍しい体験だった。
私は最近、「左利きのセンターバック」というジャンルにちょっとこだわりを持って注目しているのだが、この試合は奇しくもガンバのキム・ヨングォン、名古屋の丸山祐市という二人の新加入DFがともにレフティーであったのが興味深かった。左利きゆえの独特の角度からパスを狙っていく感じとか、グッとくる。【追記:丸山は昨シーズンから加入しておりました・・・すいません】
そして名古屋においては、丸山とともに新加入となる米本拓司と吉田豊という、ボール奪取のためにひたすらファイトし続けることのできる二人の存在感がやはり光っていたように思う。ガンガン相手に向かっていくので、自分たちのペースにできる時間帯が長かったように思う。ガンバ側は吉田のマッチアップ相手として守備力のあるオ・ジェソクがスタメンだったが、後半終盤に米倉に交代していて、本来ならもっと早めに代えて攻撃的なガチンコ対決を見てみたかったところ。
あと最近の注目株のひとり、名古屋の相馬勇紀も後半交代で出場し、決勝点のオウンゴールを誘発するクロスを放っていた。
ちなみにその相馬とともに私が強い印象を受けたのは、背番号28をつける榎本大輝だった。とはいえこの試合には出場していないのだが、試合前のウォームアップのときになんとなく観察していたら、榎本と相馬がお互い背格好や雰囲気がそっくりで、遠くから見ると区別がつかないところにまず興味を覚え、そして榎本のボールの扱い方などを見ていると、相当なテクニシャンの雰囲気がありありで、やはり風間監督が選ぶだけあるなと思わせた。それまでまったく知らない選手にこういう鮮烈な印象を強く受けると、やはりもっとマメにいろんなスタジアムに足を運ばないとなぁと思う次第である。

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2018年9月17日

横断幕と暮らす日々(その12):ゲーフラとも暮らす日々

 出待ちをするなら、ましてや選手の個人サポーターを自認するのであるならば、本人にどういった声をかけるのかをあらかじめちゃんと考えておかねばならないと自省した日。

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 リーグ杯のグループリーグ最後の試合は7月14日のニッパツ横浜FCシーガルズとの一戦。会場は三ツ沢球技場で、ここはJリーグでも使用される球技専用スタジアムだけに、ピッチも観やすくて、サッカーを観に来ることの愉しさをじっくり味わえる場所だと感じた。

 この日はありがたいことに、関東在住のYさんがオルカの応援席にやってきてくれた。当ブログでもたびたび登場する、チェルシーFCのスタジアムツアーに初めて参加したときにたまたま同じ組になってから交流が続いている方である。オルカのユニフォームをまとい、そしてゲートフラッグを手にし、チャントの応援の声だしに精を出す私の姿をかたわらで見守って(?)、かつ写真に収めてくださった。

 ともあれ、この日も苛烈な暑さがおそいかかる日で、藤田のぞみはスタメンとして、バランスよくポジションを構えてここぞの場面でボールを奪う仕事が目立った。そして後半途中で交代した。

 得点が決まるときは決まるもので、齋藤敏子のゴールを皮切りに3点を奪って勝った。カップ戦の決勝進出には届かなかったが、このあとの中断期間を挟んだ肝心のリーグ戦に向けて良いイメージで終えられることが何よりこのチームには大事だった。

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 ただし出待ちのとき、ふいに現れた本人を前に、どういうわけか何も言うべき言葉が出てこず、ついとっさに「前の試合のゴールは本当によかったです」みたいな話をしてしまった。ちなみによく考えるとこの日の前の試合、リーグ杯のちふれエルフェン戦は私は「欠席」していたので、「前の試合のゴール」は3週間も前の出来事である。そりゃあ相手にとってもリアクションに困る微妙な感じになり、そしてその様子を後ろで見守っていたYさんも、このあっけなく終わったやりとりに「え、これで完了?」という雰囲気だった・・・。そういうわけで、私ももう少し気のきいた声かけができるようになろうと反省した日である。

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 この試合後からスケジュールは中断期間となり、かのU-20代表はフランスでワールドカップを戦った。オルカ鴨川から代表に選出されていた村岡真実は、フォワードの交代カードの切り札として奮闘していたこと(そして表彰台の上でもフォワードらしく良いポジショニングをキープしていたこと)は先の記事で述べたとおりである。

 U-20ワールドカップ初優勝という最高の結果をひっさげて、大会終了後最初の公式戦となった9月2日のスフィーダ世田谷戦において、さっそく村岡真実はスタメンでの出場となった。選手紹介のアナウンスのときは村岡にたいしてスフィーダのゴール裏サポーターからも拍手がおこっていた。

 この日の会場である「味の素フィールド西が丘」は、国立スポーツ科学センターの敷地のなかにある球技専用のスタジアムで、声出しをするサポーターはゴール裏側のスタンドに陣取ることができた。ピッチとの距離が近く、シュート練習のボールもすぐ飛んでくる場所だった。

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 試合中もたまたま私が一番ゴール寄りの場所に立っていたので、久しぶりにゴールキーパー目線からの試合観戦を楽しめた。なにより、この日もスタメンだった藤田のぞみがゴール前に進入してシュートを狙い、惜しくも外れたその力強いボールが私のところに飛んできたことが良い思い出となった。本来ならそのボールをそのままキャッチするか、パンチングで弾くかしたかったのだが、案の定受けとめることができず、ピンボールのようにベンチを行ったり来たりするボールをあたふたと追いかけることしかできなかったわけだが(試合中に選手が蹴ったボールを触ったのは、2009年に訪れたウエストハム・ユナイテッドの在りし日のホーム、アップトン・パークでのチェルシーとの試合中、バックスタンドにいた私と父のところにボールがやってきたとき以来だ。これはすごい幸運だとボールの手触りを味わいつつ、すぐにピッチにボールを戻さなかったので、ミヒャエル・バラックが「早くよこせ」と言わんばかりにこっちを見ていたことが懐かしい)

 このときのシュートに留まらず、この日の藤田のぞみは他にもシュートを狙ったり、前線へのスルーパスをたくさん試みていた印象だった。しかしなかなか状況を打開できず、後半に入ってサイドバックの吉田紫穂が負傷退場となった関係で、前線にいた村岡真実がサイドバックの位置に下がった。するとこのポジション変更直後に村岡が後方から上げたボールを永木真理子がヘディングでゴールに叩き込んで、それが決勝点となった。村岡の存在感が際だつ内容だった。

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 そして出待ちでは前回の反省をふまえ? 今日はスルーパスをガンガン狙ってましたね、という声かけをのんちゃんにさせていただく。もっとも他にもたくさんいるファン対応に勤しむ状況にあっては、あまり長々とした対話はいつもできないのだが。
 この日は全体的に出待ちの場の雰囲気がなんとなくゆったりと和んだ感じだった。試合に勝てたことが大きいのだろうが、暑い夏が終わろうかという気候もそうさせたからかもしれない。そしてたくさんの贈り物を抱えた村岡真実は凱旋試合後の疲れをみじんも感じさせないいつもの陽気さで、バスが出る直前までひっぱりだこだった。

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 この翌週、私は人生で最大級といえる強烈な台風を体験し、北海道では地震が起こり、落ち着かない日々が続いていたが、9月8日は伊丹空港から飛行機で松山市へ。愛媛FCとのアウェイ戦に臨む。

 総合運動公園に着いて路線バスを降り、広場を見渡すと、遠くからいつものオルカのコアサポーターのみなさんがこちらに向かって歩いてくるタイミングだった。しかも横一列に並んだその様子が『Gメン'75』のオープニングを思わせたので一人で笑ってしまった。そのことを伝えるとコールリーダーのEさんが突然「あの滑走路の『75』のロゴはベニヤの張りぼてだったんですよ」というトリビアを披露したり、みなさんだいたいそのあたりの世代・・・(笑)。

 

 試合会場となる愛媛県総合運動公園球技場は、Jリーグ愛媛FCのホーム「ニンジニアスタジアム」の裏手、丘のふもと側にあった。ちょうどこの日は愛媛FCとカマタマーレ讃岐のJ2リーグ戦も夜に開催されるので、ニンジニアスタジアム周辺では試合準備が行われつつあり、Jリーグのサポーターの姿もちらほらと見えていた。

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 ウォーミングアップ開始前、選手監督スタッフがアウェイサポーター席の前に来て挨拶をするとき、Tさんが村岡真実ゲーフラを掲げ、そのとなりで私も藤田のぞみゲーフラ(ネットでの公開が遠慮されるやつ)を掲げた。愛媛FCサポーター側をチラッとうかがうと、こういうゲーフラを掲げている様子はなさそうで、この澄んだ山間ののどかな球技場のチープな客席のなかにあっては、このゲーフラもかなり目立ってしまう。そのせいか、選手たちの何人かがこのゲーフラに反応しているようにうかがえ、そして藤田のぞみ本人もなんだか苦笑しているように見えた。インパクト重視のこのゲーフラが試合前の彼女たちに変なムードを与えてしまっていないか、いまさらそういうことを軽く心配しつつ私はキックオフを待った。

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▲コールリーダー用の特製ボード。

 雨が降ったり止んだりで難しいピッチのなか試合が行われ、苦労しながらの試合展開。先発の藤田のぞみはこの日は前節よりも攻撃参加を控え、ボール奪取の動きを多く見せていた印象。相手が2位のチームだということもあったが、前節と違いこの日はスタートから齋藤敏子とのコンビで中盤を構成していたからかもしれない。いつも感じていることなのだが、イタリア代表のレジェンドでいうと、ピルロのように後方から絶妙なパスを配球したかと思えば、ガットゥーゾのように闘犬のごとく相手ボールに食らいついて奪い返す、そこが藤田のぞみの真骨頂である。

 そんなこんなで拮抗した試合展開が続き、「アウェイで2位相手の試合、スコアレスドローでも御の字だよな・・・」というムードになって、試合終了を迎えようかというそのとき、最後の交代カードで入っていたフォワード土屋佑津季が、まさに昇格争いに加わるターニングポイントとなりうるミラクルなシュートを豪快に決めて大勝利を挙げたのであった

 沸き立つアウェイサポーター、そして雨がまた降り出してきた。横断幕を早々に片づけ、そして何人かは急いで帰路にむかう。人数の少ないこの日の出待ちでは、村岡真実のお母さんとはじめてゆっくり話をさせてもらったり。
 設備が整っているわけでもない試合会場なので、待機しているバスまで距離があり、大雨のなか選手スタッフは駆け足で移動。そんな状況で藤田のぞみをつかまえて、急いでいるなか恐縮だったが、この日はどうしてもアップ前のゲーフラの件について本人に尋ねてみたかった。あのゲーフラ、他の選手も笑っていたようだけど、実際どうなんでしょう?

「、好評です。」

と笑顔で言ってもらえた。なんだか文頭に「、」をつけたくなるような感じ・・・そう、若干この「、」のなかに苦笑い要素が入っていたような気がする(笑)。

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本当はこのあとのJ2の試合も気になっていたのだが、ますます雨が強くなり、立ちっぱなしでコールを続けていた疲労もあり、いますぐホテルにチェックインして横断幕とゲーフラを干したい気分だった。グッズ売場で愛媛FCのピンバッジを買い(一平君グッズは迷ったがスルー)、ホテルに着いてバタバタと横断幕などを干したりして、時間に余裕ができたので閉店間際の道後温泉に行ってみたりした。

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今年は夏に大きな旅行を予定していなかったので、この愛媛遠征が唯一といっていい、旅行らしい旅行のつもりで楽しみにしていた。しかし翌日も雨で、あまり出歩く気分にもなれず、とりあえず正岡子規記念博物館に行ってみた。見所の多い展示でそれなりに楽しんだが、そうこうしているうちに午後になると雨がさらに強烈になって避難勧告発令・警報レベルになり、JRが運行休止となったことをスマホで知る。夕方にゆっくり鉄道で帰ろうとしていた私はやむなくJR松山駅に駆けつけて切符をキャンセルし、急きょ飛行機の予約をとって松山空港へバスで向かって予定外のルートで帰着することとなった。てんやわんやだったが、アウェイでの劇的勝利、そしてゲーフラのことも含めて? 充実感は残った。

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