試合/match

2024年3月23日

写真たち:U-23日本代表×マリ代表の親善試合&山田楓喜の左足とパフォーマンスは要チェックや!

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先日の日曜日にひさしぶりに行ってきたサンガスタジアムに、つぎの金曜日の夜にまた行くこととなった。
U-23日本代表がマリ代表との親善試合をここでやるというので、職場から直で現地に向かうことに。

今日もカメラを持ってきたので、南側ゴール裏から撮影にトライするも、ぜーんぜん自分としては上手く撮れないので、もっと修行が必要。

で、開始早々いきなり町田ゼルビアの平河が先制点をあげて驚いた。先日のA代表の北朝鮮戦みたいだ。

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目の前で喜んでくれてうれしかったですよ。

自分なりに納得のいく出来映えの写真が少なすぎるので、一気にアップしますが・・・

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と、試合は1-3でU-23マリ代表が勝ちきり、テストマッチとはいえもうちょっと日本のゴールシーンが観たかったところ。防寒対策をしていたけれども、それでもやたらと寒い夜だったし、「熱さ」が欲しかった。

で、マリ代表には8番をつけてキャプテンマークを巻いたブバカール・トラオレという選手がいた。プレミアリーグのウォルバーハンプトン・ワンダラーズFC(長いからウルブズと略すのが一般的だが、声に出して読みたい正式名称ではある)でプレーをしているということで、このピッチにはプレミアリーガーがいたわけだ。実際にこの日の試合もほとんどのボールが彼を経由していたんじゃないかと思えるほどに、チームの心臓として中盤に君臨していた印象。

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自身で3点目も決めていたが、相手のプレスをうまくかわしてボールを取られずにキープして試合をコントロールしていたり、さすがにうまかった。

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ちなみに私はこの日、トラオレに敬意を表してウルブズのネクタイ(2012年にチェルシーのアウェイ戦を観に行ったときにクラブショップで買った)を身につけて職場からやってきた次第。
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▲ダサいと思っていた狼のエンブレムが妙に可愛らしく見えるので好きなデザイン。でもキラキラしてて派手なので普段あまり職場では使ってない。

あとマリのゴール裏サポーターがたくさんの太鼓を軽妙なリズムで演奏し続けていて、クセになる心地よさがあった。

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そしてU-23日本代表においては見どころがいくつもあるわけだが、最近気になっているのは京都サンガから期限付き移籍で今季は東京ヴェルディでプレーしている山田楓喜だ。

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開幕のマリノス戦で圧巻のフリーキックを決め、そして先日の新潟戦でも再び見事なFKを決め、いまJリーグでもっとも危険なキッカーの一人であり、個人的にも「左足のフリーキッカー」っていうジャンルはやはりどうしたって特別な思い入れとともに注目したくなるわけである(ていうか、それまで山田楓喜を知らなかった自分は、地元であるサンガの試合をついサボッて観に行っていないことがバレバレですいませんっていう気分にもなっています、はい)。

短い助走から左足で繰り出されたその開幕戦の衝撃的なフリーキックについては、ヴェルディ公式でこのような見応えのあるムービーが作られていた。必見。

この、手で顔をおおうゴールパフォーマンス(ディバラみたい)が印象的で、話しっぷりからも若手選手とは思えない堂々たるマインドを感じさせる。

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そんななか、この記事を書くにあたって調べていたら、東京ヴェルディはこんな公式グッズを作っていたことを知った。

Verdy

おお、加入後のファーストゴールを記念したタオルですか。

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ほう、写真は本人がチョイスしたと。なるほど・・・

で、そのタオルというのが














Fukiyamada


Buffon


顔、みえてへんやん!!www


いやー、なかなかの怪グッズが爆誕(笑)
あえて横方向からの写真を選ぶか・・・まぁ、ある意味で神秘的なミステリアス感は出せているのか・・・?

でもよくみたら、受注生産品で、すでに販売終了しているのね・・・
一瞬、買おうか迷ったのだが(笑)

そんなわけで、パリ五輪の出場権をかけた4月のU-23アジア杯においても、これでまたさらに楽しみが増えた。「セレブレーションもゴールの一部」と言ってのける山田楓喜にはその左足で世界の強敵たちを震撼させて、「知り合いの子どもと約束した」というゴールパフォーマンスをこれからも披露しまくってほしいものである。


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2024年3月17日

写真たち:2024年J1第4節 京都サンガ×横浜Fマリノス

ハリー・キューウェル監督みたさに今年は横浜Fマリノスを積極的に現場で観戦したい旨をツイッターXでつぶやいたら、京都サンガのサカユニ・ランナーであるダイさんが、サンガ×マリノス戦に行けなくなったというのでチケットを譲ってくださったのである。場所はバックスタンドの最前列ということで、カメラ撮影には絶好の位置だった。あいにくの雨模様だったけど負けじとシャッターを切りまくった。

なので今回は写真メインの記事となります。

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▲でもよく考えたら、キューウェルがプレミアリーグのリーズ・ユナイテッドで活躍していた頃はまだ生まれていないか、乳幼児だったという選手が多いのかもしれないと気づき、ずいぶん歳を重ねてしまったことを実感。

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▲マリノスは松田直樹のイラストをこれからもずっと掲げていてほしいと思う。

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▲開始早々にいきなり点が決まるも、カメラのファインダーごしだと何が起こったのか分からなかった・・・

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サンガは開始早々にアピアタウィア久が一発レッドで退場したり、2失点を喫するも、前半のうちに追いつくというイケイケの展開。しかし後半にふたたびアンデルソン・ロペスにゴールを許し、相手キーパーの退場もあったものの3点目が遠かった。

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▲試合終了後にうなだれる川﨑颯太。すぐにU-23代表の試合が待っている。

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アップダウンの激しい試合展開で、サンガ側のスタンドは最後は静かに敗戦の悔しさをかみしめていたけれど、写真を撮るぶんには楽しかった。。。もっと経験を積んで自分の思うような絵が切り取れるようになりたい(応援するクラブにこだわりがないので、つい家でDAZNを観てしまいがちだが・・・)。

そんなわけで、ダイさんには今回良い機会をいただき、感謝!

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▲これはダイさんお薦めのスタグル、焼き鯖寿司。美味。


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2023年12月25日

夏の思い出&今年もありがとうございました

中村俊輔の引退試合は仕事がなければ絶対行きたかった・・・!(でもチケットはとれなかっただろうなぁ)。
現役を終えてから時間をおいていたとはいえ、やはり「いつかはこの日が来るんだろう」という、ぼんやりとした感慨みたいなものがあって、スカパーの録画をみながら、いやもうこのフリーキック見せられたらまだまだイケるやん!? と思ったし、多くの人もそう感じたのでは。
将来、どこかの監督になってもフリーキックのシーンで「俊輔蹴って!」とか言われそうな気もする。
挫折を知り、苦労を重ねてきた選手だけに、指導者としてどうなっていくのか、その第二章も楽しみにしています。

そして小野伸二も引退したわけで、この選手についてもいろいろと語りたいところではあるんですが、日本代表での実績として「ここぞという大事な試合のときに限ってなぜか出られない巡り合わせの多かった選手」っていう印象がすごくあって、そしてシドニー五輪予選のときに負ってしまった大ケガの影響が、その後の彼が本来たどり着くべきはずだったステージを遠ざけてしまったのではないかという「悲運の天才」という見立てがどうしてもぬぐいきれなかったりするのです。それでも彼は運命に負けじと、全身でサッカーを楽しむようにボールを華麗に扱い、観る人を魅了し続けたプレーヤーだったことは忘れないでいたいと思います。

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そしてもうひとつ、ブログで書きそびれていたのですが。
夏に、JFLのティアモ枚方対沖縄SVの試合を観に行ったわけです。

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たまゆら陸上競技場。
暑かった。

一緒に行った友人のFくん(初めてオランダ旅行に行ったとき、到着した空港であのヨハン・クライフに出くわして一緒に写真に収まり「アムステルダムへようこそ」と言ってもらえたという、サッカーファンとして垂涎の幸運に恵まれた過去を持つ)が、現役時代からの二川孝広のファンということで、いま監督をしているティアモ枚方の試合を観にきたわけです。
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フタさん!!

ティアモ枚方のコーチ陣には、G大阪・横浜FCでプレーしていた寺田“ちんさん”伸一氏がいたり、そして京都サンガでプレーしていた大槻紘士氏もいて個人的に懐かしかったり。
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そしてこの日の対戦相手には、この男がいたわけですよ!
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自分と同世代ということもあり人生で一番日本代表を応援していたと言っていいシドニー五輪世代の代表的ストライカーには強い思い入れがあり、最近買ったばかりのカメラでひたすら激写していました。

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選手兼監督として沖縄SVを率いて、今シーズン限りでの現役引退が発表されていたので、そういう意味でもこの日の試合は見逃せなかったわけです。

試合前の両監督の挨拶シーン。
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ここで私のカメラは痛恨のピントぼけ(笑)。いい笑顔だったのに・・・

この日、高原はスタメンで出場。うぉぉ。
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まさか本当にピッチでプレーする高原が観られるとは。
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ただ残念なことに前半早々に、脚に違和感を覚えたのかピッチを去ることに。
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辛そうだった。

そんなわけで最大のお目当て2名はベンチにいることになり、使い慣れないカメラでひたすらスローシャッター撮影にトライしながら選手の動きを追いかけて楽しみました。
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高原はそのあと、監督としてベンチから戦況を見つめ続けていて、そして沖縄SVが先制点をあげる展開に。
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そうしてFくんと私の関心はやがて「二川監督は選手達に声を荒げて指示を出すのかどうか」というところに移っていくいくわけです。
現役時代、孤高の無口キャラゆえに「言葉はいらない、プレーで魅せろ」というフレーズの横断幕まで出ていたことが思い出されるわけです。

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無言。


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たまに、立つ。

そして、無言。

・・・いやはや、恐れ入りました。
(まぁ、実際はベンチから声を出していたけど、客席側までには聞こえていなかったんだろうなとは思うわけですが)

そんなこんなで、試合は沖縄SVがそのまま逃げ切りまして。
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最後の最後まで高原直泰の存在感が印象的でした。
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ただひたすらに、おつかれさま・・・高原&俊輔&小野!!

そうして、人生は続く!!


・・・ということで今年のFOOTBALL ACTIVISTブログはこの記事で締めくくりたいと思います。
読んでいただきありがとうございました-!!

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▲「試合後のミーティングでも、フタさん言葉少なめ・・・!?」と、そこばかり気になってしまう我々。

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2022年2月13日

World Champions! Chelsea!!

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すいません、結局ぜんぜんクラブW杯をライヴで観る状況ではなかったんですが、朝起きて優勝を知りました。
2012年の横浜開催のときの雪辱を果たしましたね・・・いやはや、おめでとうございます。
思えばアブラモビッチ体制になってからちょうど20年ぐらい経ったわけで(個人的にはあっという間な気分ですが)。ここまでオーナーが支えてくれるとも予想だにしませんでしたが、こうして頂点の頂点までトロフィーを獲得したわけで、そういう意味でもなんかホッとしたというか、どういうわけかオーナー目線でこの勝利を捉えてしまいますな(笑)。

後追いでYouTubeで試合を確認すると、ネックになったのは双方の2得点がVAR判定がらみだったということで、それなりに難しい試合展開だったようで。

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この最大の大一番における「現地組」のサポーターたちのユニフォーム着用率がとても気になるので、写真を探してしまいがちですが、ここぞというときに着るユニってそれぞれ思い入れがあると思うんですね。で、やはりみんなバラバラで、レトロなユニが興味深い。逆にいうと現行の「3ユニ」ってあまり人気なさそうな気もする。

それにしても英国版の公式サイトのトップページをみたら、
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いやー、このアスピリクエタの笑顔が、なんともインパクトあっていいですね。この笑顔に乾杯ってやつです!
Well done, Blues!!

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2021年5月30日

CHAMPION AGAIN!!

おおおおおおめでとうございますブルーズ各位!!

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9年前に初優勝したとき、「もう数十年は来ないだろうなぁ、もしかしたら人生で二度とないかもなぁ」と勝手に思っていたチェルシー・フットボール・クラブの2回目の欧州チャンピオンズリーグ制覇に、なんかもう、謝りたい気分!!イエス!!(笑)

急にDAZNからWOWOWにCLの放送権移ったりして、気持ち的にも「まぁいいか」って全戦スルーしていたので、よけいに!!

でもですね、今日はさすがに決勝は観ようとWOWOWに申し込んで、キックオフ1時間前からスタンバイしていたにもかかわらず、ハヴェルツが決勝点を決めたときは寝ていたので、「タテーシが起きてライヴ観戦しているとチェルシー点が入らない記録」は継続しています。すなわち今季のCL決勝に進めたのも、ひとえに私が「まったく観ていなかったから」ということが要因のひとつとなっていたわけであります。ええ、そういうの慣れてるんで。

それにしても1-0でギリギリの試合だったけれども、しっかり守れていたので後半途中からはなんだか負ける気がしなかった・・・まぁ、デブライネの気の毒なケガがあったのでよけいにシティの怖さが失われていたのもあり。あとアグエロがもし先発スタートだったらそっちのほうが怖かった気もする。

BBCワールドつけたら、スタンフォード・ブリッジ周辺の様子をレポートしていた。
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「大きな混乱はなかった」とのこと。しかしいずれにせよ、人混み溢れまくりな様子なので、みなさん感染防止は気をつけてもらいたいですねぇ~(現地組も同様。無理もないが)。そういえばトロフィー授与のときメダルを一人一人かけてお立ち台に移動する流れで、監督も選手もみんな、置いてあるトロフィーの同じようなところチューしまくっていて、そこがやたら気になってしまう世情のなかでの欧州制覇でありました。

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2021年5月 4日

ドルトムントでクロップ監督の役者っぷりを拝む:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その5)

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ドルトムントにやってきた。中央駅について上の写真を撮ったと思うが、すでに黄色いユニフォーム姿の人が見受けられる。

この日の夕方に、リーグ開幕前にDFLスーパーカップということでドルトムント×バイエルン・ミュンヘンの試合が行われることになっていて、奇跡的に私はチケットが取れたのである。

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中央駅から電車でほんの少し北にあがって今日のホテル、Senator by Centro Comfortの最寄り駅へ。都会だけど、のどかな雰囲気。

ホテルに荷物を置いて、すみやかに中央駅に戻って、Uバーンに乗りスタジアムへ向かう。

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試合の日はみんなに付いていけばいいだけなので迷わない。

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公園をみんなで散歩し・・・

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すごい人。さっきまでの、のどかな街並みとは違う異世界。

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ついに来てしまったジグナル・イドゥナ・パーク。

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そう、こういう人たちを観に来たのである。

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とにかくすごい人混み。チケットブースで予約していたチケットをゲットし、メガストア店内へ行ってみる。

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あらゆるスケール感がデカい。

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映画館とかライヴハウスのロビーっぽい雰囲気。やや暗めの照明にするのがポイントか。

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ユニが黄色基調だから、タオルマフラーのほうは黒基調のデザインが映える。

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スタジアムをモチーフにした黒い紙袋は欲しくなったが、持ち歩きにくいので買わず。

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自分のなかではハチだと思っているのだが、未だによくわからない生物のマスコットキャラ。

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クロップ監督をモチーフにしたグッズが予想外に少なくて残念だった。

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バーのような雰囲気のユニフォームナンバー貼り付けコーナー。

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子ども向けにミニサッカーで遊べるスペースも備わっていた。

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芝刈り機も売っていた。

私がこのメガストアで見つけたグッズですごく気に入ったのが、ゴール裏のサポーターの写真をあしらったポストカードだった(カードの表面がギザギザしていて、角度によって画像が動いているように見える)。
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やはりドルトムントといえばこの光景だ。このゴール裏をいつか見てみたいと思っていたが、こういう形で実現することになって嬉しい。

こうしていざスタジアム内に入ってみる。
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落ち着きなくカメラを撮るから全部ブレまくっていた。

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なぜか、大量のグミキャンディーの屋台があって、他のスタジアムではなかなか見受けられない展開だと思った。

そうして自分の席に着く前に、ホーム側ゴール裏の様子をうかがってきた。
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うおおおおおお。
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試合開始はもうちょっと後だったはずだが、このゴール裏だけは早めにギッシリと埋まっていた。
(コロナ禍だからよけいに思うが)ものすごい密集度と熱さである・・・あと、このスタンドだけを「一枚板」みたいな形状にしたことがすごく効果的なのである。角度の付け方も含めて。

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自分の座席からあらためてゴール裏を眺める。圧巻。

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こちらはバイエルン側。

リーグ開幕前ということでいやおうにも盛り上がるこの状況のなかで、試合前のアップが開始される。
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私の目の前ではバイエルンの選手達がアップをしていて、場内からのブーイングなどはお約束のもので、周囲を囲むドルトムントサポーターの熱量にシビれまくる。
そしてこの日私がもっとも印象的だったのが、このアップの時間帯におけるクロップ監督の姿だった。

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Klopp
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これである。クロップ監督は、両チームがアップをしている最中、ピッチの中央で、ずっとバイエルン側のほうを眺め続けていたのである

いやぁ~、この光景はヒジョーーに興味深かった・・・ある意味「奇行」ですらある(笑)。リーグ開幕前のこのタイミングで、まるで「自分たちの選手のことは問題ないし、全幅の信頼を置いている」と言わんばかりに、ライバルチームの選手の動きだけをピッチの真ん中からひたすら凝視し続けていたのである。これはバイエルンの選手たちにとってもすごくやりにくかったんじゃないかと思う。どうしたって視線を感じるわけである。
試合そのものの細かいことは記憶から薄れていくのだが、とにかくこの日はクロップ監督の仕掛けた挑発的な心理戦、あの役者っぷりが強烈な印象として残った。
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▲こんな世界屈指のオモシロ監督、なぜもっとグッズ展開させないのだ。

そんなわけで試合前からすっかりお腹いっぱいの気分であった。
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試合はドルトムントが2-0で勝利した。オーバメヤンがゴールパフォーマンスでスパイダーマンのマスクをつけたのがちょっとした話題に。
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当然ながら両チームともに、先日のワールドカップに出場していた各国代表選手の競演となっていて、どこを見てもテンションのあがるスター選手がいたわけだが、特に感じ入ったのがスイス代表のシャキリで、当時バイエルンの11番を背負って、小柄だけど強い体をうまく使ってゴリゴリの肉弾戦を展開していくプレースタイルが面白かった。

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▲試合後の状況。バイエルンファンが先に帰宅を急ぐ感じがうかがえる。

自分もわりと早めにスタジアムを後にした。地下鉄駅の係員から「乗り換えて帰ってくれ」みたいな指示を受けてよく分からなかったが、1日乗車券を持っていて、それなりにちゃんと中央駅まで戻って来られた。
ただ、晩ご飯を食べる場所を探すのが難しくて、こういうときは結局ファストフード系の店にお世話になりがちだが、メニューのオーダーの仕方をよくわかってなくて、どういうわけか「ポテトのみ」となったのが苦笑い。
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そんなわけで、欧州屈指のゴール裏の雰囲気を味わい、最高峰のスタープレーヤーの闘いを間近で目撃し、そしてクロップとグアルディオラの両監督の激突をこの地で観られたことはこの旅のひとつのハイライトであった。


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▲あと、この日のホテルの部屋にあった電話機がかわいかった。

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2019年3月18日

『フットボール批評』23号「川口能活とポーツマス」を読んで、久しぶりにあの街のことを想う

 最新号の『フットボール批評』23号に、「川口能活とポーツマス:かつての友人たちから親愛なるヨシへ」という6ページの記事が載っている。昨シーズンをもって引退した川口が以前在籍していた、ポーツマスFCにゆかりのある人物を訪ね、当時の川口との思い出をたどっていくという、小川由紀子氏によるこのレポートに私は感銘を受け、これだけでも今回の『批評』は買う価値があると思った。

 2001年から始まる川口能活のイングランド挑戦を振り返るときに私がまず思い出すのは、川口が渡英した直後にスカパーが当時2部のポーツマス戦の生中継を敢行したことだ。翌年のW杯を控えて日本代表のゴールキーパーが初めて欧州に挑戦するということで話題性は高く、2部チャンピオンシップリーグの試合が生中継で観られることそのものにまずは興奮したわけであるが、実際にフタを開けてみると、こともあろうに川口はスタメン出場ではなかった。「主役不在の試合」を当時の実況・コメンタリーがどのように苦慮しつつ進行していたのか、そこまではさすがに記憶がないのだが、イングランドの港町で繰り広げられる、まったく馴染みのない選手たちによるフットボールが展開される様子を眺めながら、歴史や伝統といったなんともいえないものに阻まれたかのような「壁の高さ」を感じた記憶だけは残っている。

 そのあとのポーツマスの印象としては、プレミアリーグに昇格してシャカ・ヒスロップというゴールキーパーが登場するやスタメンを張り続け、ついぞ川口はイングランドで輝きを放ったとは言いがたいわけである。

 それが、今回の『批評』の記事を読むと、川口のポーツマスでの日々が不遇だったとされる「歴史的認識」を違う角度から改めさせてくれたのである。
 細かいことは実際の記事をぜひ手に取って読んでもらいたいのだが、確かに川口個人としては活躍を残せたとは言いがたかった日々ではあるものの、スタッフたちや地元サポーターにとって、川口能活と過ごした日々がいかに素晴らしかったかということが、この記事を通して伝わってくるのである。アジアから来たキーパーにたいしてどれだけポーツマスの人々から愛情が注がれていたのか、その「記録や数字だけでは測れない何か」を今に至るまで残し続けていることに胸が打たれたのである。

 そもそも振り返れば川口というキーパーは、体格のハンデをものともしない「神がかったセービング」で強いインパクトを残し続けた選手である。そう思うと、記録や数字を越えた何かを彼は体現しつづけていて、そのひとつにポーツマスでの日々があったのかもしれないと思わせる。

 そして何より、このイングランド南部の港町については個人的にも感慨深い思い出があるがゆえに、なおさらに今回の記事であらためてポーツマスという街のことを繰り返し想起している。

 それはすでに川口も退団したあとの2009年12月のことで、プレミアリーグで奮闘していたポーツマスFCのホームゲームを観に行く機会があったのである。

 たどりついたスタジアム「フラットン・パーク」は、海からの潮風に絶えず吹きさらしにされてきたような、ある種、期待を裏切らない寂れ感があった。よけいな飾りたてもなく、あらゆる設備が必要最小限で済まされていて、時間の流れとともに少しずつ綻びながらたたずんでいる感じに、この国の人々の「アンティークを尊ぶ価値観」が表れているようにも思え、このスタジアムもまたそのひとつだと感じた。

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 晴れた日で、私が座っていた場所はコーナーフラッグ寄りでピッチの対角線上に位置していた。ポーツマスにはカヌやクラニチャルらが在籍していて、対戦相手のリバプールにはジェラードやトーレスがいた時代である。当然ながら試合の具体的な中身については記憶の彼方にあるのだが、特筆すべきは、この試合を2ー0で制したのはポーツマスの側だったことだ。そして2点目を決めた選手【記録ではフレデリック・ピケオンヌだった】が、コーナーフラッグのところへ走り込んできて、駆け寄るサポーターたちと歓喜の抱擁をしていた。
 このシーンだけが強く記憶に残っているのは、その後ホテルのテレビで繰り返しこの大金星となる得点を叩き込んだ喜びの場面がニュース映像として流れていて、「まさに自分の目の前の数メートル先で起こっていたこと」だったからだ。コーナーフラッグのすぐ近く、階段状の通路側に座っていた私も、やろうと思えば階段を降りて、あの抱擁の輪に加わることができたのである。それなのに私は動けなかった。もちろん、海外からの観光客としての一般的な振る舞いとしては正しかったのだろう。しかし、こういうときにこそ規範を少し逸脱して、心からワクワクするほうへ動けるようにもなりたいと、いまでもあのシーンを思い返すとちょっとした後悔の気持ちがわいてくる。

 そしてまたこの試合の勝利の意味を自分としては大事に受け止めていたいのである。というのも、このシーズンにポーツマスは7勝7分け24敗で最下位となり、あえなくプレミアリーグから降格することになるわけで、この12月19日に挙げたリバプールからの勝利というのは、当時の記録からすると、これ以後に強豪クラブに金星を挙げることができなかったという意味では、ポーツマスFCが成し得た国内トップリーグでの、現時点では最後の「輝いた瞬間」だったとも言えるのだ。

 そして試合後の高揚感あふれるスタジアムの雰囲気よりもはっきり覚えているのは、ポーツマスの中央駅近くに戻り、ショッピングモールで、ポーツマスFCのグッズを身につけた人々に向かって、家族連れなどが声をかけると、すかさずサポーターからも「2ー0で勝ったぜ!!」みたいな雰囲気で大声を返し合っていた光景だった。その日の夕刻、こうしてポーツマスの街のあちこちで、おらがクラブの奮闘ぶりがたくさんの人々に共有されていて、このエリアで船舶していた帆船を照らす夕日の印象とともに、心感じ入るハートフルな雰囲気に満ちていたのであった。

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 その後ポーツマスは破産問題における勝ち点剥奪のペナルティの影響もありディビジョンを落とし続け、一時期はサポーターがトラストを組織して市民オーナー制度でクラブが運営されるというドラマチックな出来事も経験し、4部リーグまで落ちていた時期もあるが、今シーズンは3部リーグの首位争いをしており、ふたたび上を目指すことのできるベクトルが整ってきているのであれば喜ばしい。そして今もなおスタジアムはあの「味のあるボロさ加減」を保っているのであろうかと想像する。

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2019年3月 9日

グランパスの好調ぶりを見届ける

久しぶりにJリーグのことを書く。
新シーズンに向けた名古屋の補強の充実ぶりが気になっていたので、ガンバ×グランパスを観るべく吹田へ。
例によって茨木市方面からレンタルサイクルで行くのだが、今回もやはり立ち寄るのはこのお店、「あきない」。

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私もJリーグの現場ではいつもスタグルをそれなりに楽しもうとは思うのだが、しかしスタジアムの近所で確実に美味しいものが食べられるのなら、そっちを選びたくなる。何せこの店のたこ焼きは10個でも600円、コスパ面でも素晴らしいのである。今日は時間があったので立ち飲み席でじっくりいただく。
さて、スタジアムに着いたら、「ピッタリ7」というイベントが行われていた。
ストップウォッチできっちり7秒を押せたらトートバッグがもらえるというもの。

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見た目は非常に地味な催しではあるが、私はこの「時間を正確にカウントする」という技術には密かに自信があったので、喜び勇んで待機列に加わってチャレンジ。一人につき2回トライできる。ストップウォッチを見ながらやってもいい。
結果は・・・非常に惜しいところまで行ったが、キッチリ7秒は達成できず。
ギリギリの人は「ゴールポスト賞」ということで、キラキラシールをもらえる。

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その場で状況を見守っていたスタッフさんに、こうやってコストをかけずにみんなが楽しめる催しがあるのはいいですよねぇ、と伝えると「そうでしょう!?」っていう感じで笑っていた。

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そんなわけで試合は、キックオフ早々40秒たらずで名古屋がゴール前できれいに崩し、赤崎による古巣への恩返し弾が炸裂。間違いなく自分がいままでスタジアムで目撃した「試合開始最短ゴール」となった。
そのあとも両チームにそれぞれオウンゴールが出たことも、自分にとってはなかなか珍しい体験だった。
私は最近、「左利きのセンターバック」というジャンルにちょっとこだわりを持って注目しているのだが、この試合は奇しくもガンバのキム・ヨングォン、名古屋の丸山祐市という二人の新加入DFがともにレフティーであったのが興味深かった。左利きゆえの独特の角度からパスを狙っていく感じとか、グッとくる。【追記:丸山は昨シーズンから加入しておりました・・・すいません】
そして名古屋においては、丸山とともに新加入となる米本拓司と吉田豊という、ボール奪取のためにひたすらファイトし続けることのできる二人の存在感がやはり光っていたように思う。ガンガン相手に向かっていくので、自分たちのペースにできる時間帯が長かったように思う。ガンバ側は吉田のマッチアップ相手として守備力のあるオ・ジェソクがスタメンだったが、後半終盤に米倉に交代していて、本来ならもっと早めに代えて攻撃的なガチンコ対決を見てみたかったところ。
あと最近の注目株のひとり、名古屋の相馬勇紀も後半交代で出場し、決勝点のオウンゴールを誘発するクロスを放っていた。
ちなみにその相馬とともに私が強い印象を受けたのは、背番号28をつける榎本大輝だった。とはいえこの試合には出場していないのだが、試合前のウォームアップのときになんとなく観察していたら、榎本と相馬がお互い背格好や雰囲気がそっくりで、遠くから見ると区別がつかないところにまず興味を覚え、そして榎本のボールの扱い方などを見ていると、相当なテクニシャンの雰囲気がありありで、やはり風間監督が選ぶだけあるなと思わせた。それまでまったく知らない選手にこういう鮮烈な印象を強く受けると、やはりもっとマメにいろんなスタジアムに足を運ばないとなぁと思う次第である。

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2018年9月17日

横断幕と暮らす日々(その12):ゲーフラとも暮らす日々

 出待ちをするなら、ましてや選手の個人サポーターを自認するのであるならば、本人にどういった声をかけるのかをあらかじめちゃんと考えておかねばならないと自省した日。

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 リーグ杯のグループリーグ最後の試合は7月14日のニッパツ横浜FCシーガルズとの一戦。会場は三ツ沢球技場で、ここはJリーグでも使用される球技専用スタジアムだけに、ピッチも観やすくて、サッカーを観に来ることの愉しさをじっくり味わえる場所だと感じた。

 この日はありがたいことに、関東在住のYさんがオルカの応援席にやってきてくれた。当ブログでもたびたび登場する、チェルシーFCのスタジアムツアーに初めて参加したときにたまたま同じ組になってから交流が続いている方である。オルカのユニフォームをまとい、そしてゲートフラッグを手にし、チャントの応援の声だしに精を出す私の姿をかたわらで見守って(?)、かつ写真に収めてくださった。

 ともあれ、この日も苛烈な暑さがおそいかかる日で、藤田のぞみはスタメンとして、バランスよくポジションを構えてここぞの場面でボールを奪う仕事が目立った。そして後半途中で交代した。

 得点が決まるときは決まるもので、齋藤敏子のゴールを皮切りに3点を奪って勝った。カップ戦の決勝進出には届かなかったが、このあとの中断期間を挟んだ肝心のリーグ戦に向けて良いイメージで終えられることが何よりこのチームには大事だった。

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 ただし出待ちのとき、ふいに現れた本人を前に、どういうわけか何も言うべき言葉が出てこず、ついとっさに「前の試合のゴールは本当によかったです」みたいな話をしてしまった。ちなみによく考えるとこの日の前の試合、リーグ杯のちふれエルフェン戦は私は「欠席」していたので、「前の試合のゴール」は3週間も前の出来事である。そりゃあ相手にとってもリアクションに困る微妙な感じになり、そしてその様子を後ろで見守っていたYさんも、このあっけなく終わったやりとりに「え、これで完了?」という雰囲気だった・・・。そういうわけで、私ももう少し気のきいた声かけができるようになろうと反省した日である。

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 この試合後からスケジュールは中断期間となり、かのU-20代表はフランスでワールドカップを戦った。オルカ鴨川から代表に選出されていた村岡真実は、フォワードの交代カードの切り札として奮闘していたこと(そして表彰台の上でもフォワードらしく良いポジショニングをキープしていたこと)は先の記事で述べたとおりである。

 U-20ワールドカップ初優勝という最高の結果をひっさげて、大会終了後最初の公式戦となった9月2日のスフィーダ世田谷戦において、さっそく村岡真実はスタメンでの出場となった。選手紹介のアナウンスのときは村岡にたいしてスフィーダのゴール裏サポーターからも拍手がおこっていた。

 この日の会場である「味の素フィールド西が丘」は、国立スポーツ科学センターの敷地のなかにある球技専用のスタジアムで、声出しをするサポーターはゴール裏側のスタンドに陣取ることができた。ピッチとの距離が近く、シュート練習のボールもすぐ飛んでくる場所だった。

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 試合中もたまたま私が一番ゴール寄りの場所に立っていたので、久しぶりにゴールキーパー目線からの試合観戦を楽しめた。なにより、この日もスタメンだった藤田のぞみがゴール前に進入してシュートを狙い、惜しくも外れたその力強いボールが私のところに飛んできたことが良い思い出となった。本来ならそのボールをそのままキャッチするか、パンチングで弾くかしたかったのだが、案の定受けとめることができず、ピンボールのようにベンチを行ったり来たりするボールをあたふたと追いかけることしかできなかったわけだが(試合中に選手が蹴ったボールを触ったのは、2009年に訪れたウエストハム・ユナイテッドの在りし日のホーム、アップトン・パークでのチェルシーとの試合中、バックスタンドにいた私と父のところにボールがやってきたとき以来だ。これはすごい幸運だとボールの手触りを味わいつつ、すぐにピッチにボールを戻さなかったので、ミヒャエル・バラックが「早くよこせ」と言わんばかりにこっちを見ていたことが懐かしい)

 このときのシュートに留まらず、この日の藤田のぞみは他にもシュートを狙ったり、前線へのスルーパスをたくさん試みていた印象だった。しかしなかなか状況を打開できず、後半に入ってサイドバックの吉田紫穂が負傷退場となった関係で、前線にいた村岡真実がサイドバックの位置に下がった。するとこのポジション変更直後に村岡が後方から上げたボールを永木真理子がヘディングでゴールに叩き込んで、それが決勝点となった。村岡の存在感が際だつ内容だった。

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 そして出待ちでは前回の反省をふまえ? 今日はスルーパスをガンガン狙ってましたね、という声かけをのんちゃんにさせていただく。もっとも他にもたくさんいるファン対応に勤しむ状況にあっては、あまり長々とした対話はいつもできないのだが。
 この日は全体的に出待ちの場の雰囲気がなんとなくゆったりと和んだ感じだった。試合に勝てたことが大きいのだろうが、暑い夏が終わろうかという気候もそうさせたからかもしれない。そしてたくさんの贈り物を抱えた村岡真実は凱旋試合後の疲れをみじんも感じさせないいつもの陽気さで、バスが出る直前までひっぱりだこだった。

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 この翌週、私は人生で最大級といえる強烈な台風を体験し、北海道では地震が起こり、落ち着かない日々が続いていたが、9月8日は伊丹空港から飛行機で松山市へ。愛媛FCとのアウェイ戦に臨む。

 総合運動公園に着いて路線バスを降り、広場を見渡すと、遠くからいつものオルカのコアサポーターのみなさんがこちらに向かって歩いてくるタイミングだった。しかも横一列に並んだその様子が『Gメン'75』のオープニングを思わせたので一人で笑ってしまった。そのことを伝えるとコールリーダーのEさんが突然「あの滑走路の『75』のロゴはベニヤの張りぼてだったんですよ」というトリビアを披露したり、みなさんだいたいそのあたりの世代・・・(笑)。

 

 試合会場となる愛媛県総合運動公園球技場は、Jリーグ愛媛FCのホーム「ニンジニアスタジアム」の裏手、丘のふもと側にあった。ちょうどこの日は愛媛FCとカマタマーレ讃岐のJ2リーグ戦も夜に開催されるので、ニンジニアスタジアム周辺では試合準備が行われつつあり、Jリーグのサポーターの姿もちらほらと見えていた。

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 ウォーミングアップ開始前、選手監督スタッフがアウェイサポーター席の前に来て挨拶をするとき、Tさんが村岡真実ゲーフラを掲げ、そのとなりで私も藤田のぞみゲーフラ(ネットでの公開が遠慮されるやつ)を掲げた。愛媛FCサポーター側をチラッとうかがうと、こういうゲーフラを掲げている様子はなさそうで、この澄んだ山間ののどかな球技場のチープな客席のなかにあっては、このゲーフラもかなり目立ってしまう。そのせいか、選手たちの何人かがこのゲーフラに反応しているようにうかがえ、そして藤田のぞみ本人もなんだか苦笑しているように見えた。インパクト重視のこのゲーフラが試合前の彼女たちに変なムードを与えてしまっていないか、いまさらそういうことを軽く心配しつつ私はキックオフを待った。

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▲コールリーダー用の特製ボード。

 雨が降ったり止んだりで難しいピッチのなか試合が行われ、苦労しながらの試合展開。先発の藤田のぞみはこの日は前節よりも攻撃参加を控え、ボール奪取の動きを多く見せていた印象。相手が2位のチームだということもあったが、前節と違いこの日はスタートから齋藤敏子とのコンビで中盤を構成していたからかもしれない。いつも感じていることなのだが、イタリア代表のレジェンドでいうと、ピルロのように後方から絶妙なパスを配球したかと思えば、ガットゥーゾのように闘犬のごとく相手ボールに食らいついて奪い返す、そこが藤田のぞみの真骨頂である。

 そんなこんなで拮抗した試合展開が続き、「アウェイで2位相手の試合、スコアレスドローでも御の字だよな・・・」というムードになって、試合終了を迎えようかというそのとき、最後の交代カードで入っていたフォワード土屋佑津季が、まさに昇格争いに加わるターニングポイントとなりうるミラクルなシュートを豪快に決めて大勝利を挙げたのであった

 沸き立つアウェイサポーター、そして雨がまた降り出してきた。横断幕を早々に片づけ、そして何人かは急いで帰路にむかう。人数の少ないこの日の出待ちでは、村岡真実のお母さんとはじめてゆっくり話をさせてもらったり。
 設備が整っているわけでもない試合会場なので、待機しているバスまで距離があり、大雨のなか選手スタッフは駆け足で移動。そんな状況で藤田のぞみをつかまえて、急いでいるなか恐縮だったが、この日はどうしてもアップ前のゲーフラの件について本人に尋ねてみたかった。あのゲーフラ、他の選手も笑っていたようだけど、実際どうなんでしょう?

「、好評です。」

と笑顔で言ってもらえた。なんだか文頭に「、」をつけたくなるような感じ・・・そう、若干この「、」のなかに苦笑い要素が入っていたような気がする(笑)。

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本当はこのあとのJ2の試合も気になっていたのだが、ますます雨が強くなり、立ちっぱなしでコールを続けていた疲労もあり、いますぐホテルにチェックインして横断幕とゲーフラを干したい気分だった。グッズ売場で愛媛FCのピンバッジを買い(一平君グッズは迷ったがスルー)、ホテルに着いてバタバタと横断幕などを干したりして、時間に余裕ができたので閉店間際の道後温泉に行ってみたりした。

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今年は夏に大きな旅行を予定していなかったので、この愛媛遠征が唯一といっていい、旅行らしい旅行のつもりで楽しみにしていた。しかし翌日も雨で、あまり出歩く気分にもなれず、とりあえず正岡子規記念博物館に行ってみた。見所の多い展示でそれなりに楽しんだが、そうこうしているうちに午後になると雨がさらに強烈になって避難勧告発令・警報レベルになり、JRが運行休止となったことをスマホで知る。夕方にゆっくり鉄道で帰ろうとしていた私はやむなくJR松山駅に駆けつけて切符をキャンセルし、急きょ飛行機の予約をとって松山空港へバスで向かって予定外のルートで帰着することとなった。てんやわんやだったが、アウェイでの劇的勝利、そしてゲーフラのことも含めて? 充実感は残った。

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2018年8月26日

“なでしこフィーバー”の完結と、あたらしい歴史への闘い

 興奮から一日たって。

 まず大枠の話。
 2011年のワールドカップ優勝を小学生のころに見ていたであろう世代が、Uー20女子ワールドカップを制覇した。ここにひとつの「なでしこフィーバー」の完結を見た思いがする。今回の決勝戦でのフジテレビNEXTの中継解説は野田朱美氏だったが、何度も「ここからが本当の勝負」というようなことを言っていて、それはU-20代表の彼女たちだけでなく、「すべてのカテゴリーでW杯を制覇してしまった後の日本女子サッカー界」にたいする気持ちでもあったのだろうと自分は受け止めた。一連の「フィーバー」はここで完結したのだから、後はいったい何を目標に、どういう方向性でこの業界を活性化させていかねばならないのか。言うまでもなく、男子サッカー界はそういう意味での「完結感」はまだ味わっていないのである。あのW杯を優勝しないことにはたどり着けないわけだから。
 なので来年の女子W杯フランス大会は、新たな歴史をどういうふうに紡いでいくのかの難しい第一歩となるのだと思う。誰しもが、この「強豪国」の立場になったあとの状況について、まったくの未知なのである。

 試合のこと。

 グループステージからずっと、キーパーのスタンボー華はパンチングが多くてキャッチングが不得手かと思えるプレーぶりが続いていたので、序盤からスペインもそのあたりを狙っていた気がする。スタンボーに弾かせてコーナーキックを奪い、そこからセットプレーの高さでいくつか決定的なチャンスを作っていた展開にはヒヤヒヤさせられた。もちろん、この試合でスタンボーはいくつかファインセーブを見せてはいたが、終始キーパーは今回のチームでウィークポイントだった。でもそれは女子サッカー全体においてもこの難しいポジションで人材が豊富な国は存在していないと思うので、「どっこいどっこい」の話なのだろうけど(そう思うと日本と対戦したときのパラグアイ代表のキーパーが神がかっていたのですごく印象的だった)。

 それでも前半終わり頃に宮澤のスーパーゴールが決まり、いい流れで後半につなげることができた。ずっとポゼッションで圧倒しているはずなのに、なぜかリードを許してしまっていることに戸惑いの色を隠せないスペイン。そこへ宝田、長野がゴラッソを立て続けに決め、W杯の決勝という舞台にも関わらず、このあと時間稼ぎをするわけでもなくさらに4点目を狙うべく前線から鬼神のプレスで走りまくっていた彼女たちの姿には末恐ろしいものを感じさせた。この感覚は男子W杯では未だに体験したことのない味わいであり、つくづくこの試合が地上波で全国放送されなかったことの損失を思う。どんなに気持ちのいいサッカーだったか。手を抜かず、お互いの技術力の高さを信じ合ってひたむきに走りきり、すべてが良い距離感でパスワークが行われ、深い信頼関係にある監督が苦しい時間帯に鼓舞し続ける・・・これが「自分たちの、日本のサッカー」なのだった。グループステージのパラグアイ戦以降、もうこのチームは崩れないという自信すら漂わせていたわけで、そりゃあ優勝するわな、とすら思わせた。日本サッカー史上類を見ない「超攻撃的チーム」がそこにあった。

 本当なら1点を返された直後に、流れを変える意味でも、FWからの守備を活性化させるべくすぐに村岡真実を投入してほしかった・・・そうして疲弊したスペインにトドメを刺す華麗なマタドール役と化す村岡を期待していたのだが、実際に投入されたのは残り数分のところであった。しかし最後の最後で歴史的なピッチ上に村岡が立てたことには、オルカ鴨川を応援するすべての人々、およびなでしこ2部リーグでがんばっている多くの選手・関係者が感銘を受けたはずだ。

 さらに言うと、表彰式でキャプテンの南がワールドカップを掲げるシーン、および大会名の書かれたバナーを前にして全員で記念写真を撮るときの村岡真実のポジショニングはどれも申し分なく、猛者たちの中でもしっかり彼女らしい才覚(?)を見せていたことを個人的には高く評価したい(笑)。

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