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2020年6月27日

『フットボール批評』28号「無観客劇場への覚悟はあるか」

今日からJリーグが再開される。なんとかここまで、こぎつけた。

そんななか『フットボール批評』最新の28号、特集は「無観客劇場への覚悟はあるか」。今回も非常に読み応えがあったので、いくつかコメント。

 まず冒頭のJリーグ村井チェアマンのインタビュー。コロナ禍で個人的にも毎日の仕事生活に疲弊しつつある状況で読んでいるからか、この記事において村井チェアマンの発言に触れると、素直に「この人、すごい有能!!」と平伏したくなった。思考と決断と実行のスピードの早さ、そしてサッカー業界の外からやってきたがゆえに、変なところでの考慮をせず、ひたすらJリーグ理念を判断基準として動こうとしているところに我々ファンは一定の信頼感を寄せることができるわけだ。
 「新型コロナウイルスの本質的な意味は『分断』にある」という村井氏の意見は、広く社会全般に共有されてほしい問題提起ではないだろうか。

 新連載「汚点:横浜フリューゲルスは、なぜ消滅しなければならなかったのか」。これまでもサッカー産業の暗部に切り込んできた田崎健太氏による原稿なので、今後の展開がすごく楽しみ。まさに『批評』だからこそこういうテーマは正面切って掲載していく意義がある。確かに言われてみたら当時はクラブの消滅についていろいろと考えるところはあったけれども、そもそも横浜フリューゲルスというクラブの成り立ちについて思い及んだことはなかったなぁ、と。そこでこの連載では、クラブの出発点が1964年東京五輪の時期に結成されたサッカー少年団だった、というところから歴史語りが始まっていき、思わぬ人物の関わりが明らかにされ、続きが早く読みたい・・・!となる(おそらくやがては単行本化されるとは思うので期待したい)。
 そして何より、コロナ禍における経済的損失が不可避となってきたサッカー界およびスポーツ界にとって、第二のフリューゲルスを生み出さないようにするためにはどうするか、という裏のテーマも図らずも背負うことになっていくと思うので、なおさら雑誌としても大事にしていってほしい連載。

 最近の『批評』の連載ですごく楽しみになっているのが「世界サッカー狂図鑑」。さまざまな国の市井のサッカーファンをじっくりと取材し、文章とイラストで親しみやすく紹介してくれる。今回はマレーシアのジョホールバル出身のサポーターさんで、イスラム教徒としての生活様式と、サッカーを熱くサポートしていく日々がどのようにリンクしていくかが興味深い。そして今回は「番外編」として、この国で芝を作る日本人の奮闘ぶりもレポートされている。こちらも「すげぇぇー!!」となる。サッカーというスポーツの及ぶ世界の広さをあらためて実感。

 今号では、以前別冊で出た「フットボール戦術批評」のエッセンスが「ミニ版」として収録されていて、あえてサッカーが観られないなかでこういうガチな戦術論を載せてきたこと自体が面白い。そして期待以上に前のめりになる記事ばかりだった。ひとつはシメオネ監督のアトレティコがリバプールとのCL戦で見せた「ゲーゲンプレッシング2.0」といえる組織的ボール奪取の理論の話。
 もうひとつはベガルタ仙台を指揮していた渡邉前監督と岩政大樹氏の対談「ポジショナルプレー実践論」。これは指導者目線で語られたがゆえに、「いかに選手に分かってもらうか」というベクトルが、そのまま読み手である我々素人にたいする「いかに読者に分かってもらうか」という方向性に一致していくので、記事の中で岩政氏がひとりで熱く盛り上がっていくポイントと、読み手の私のほうもシンクロして「そういうことですかー!! なるほどーー!」となった出色の対談。
 ちなみに普通こういう対談形式の記事は「聞き役の合いの手」が省かれることが多い。しかしこの記事では

「岩政:はい」

「岩政:あーー」

っていう、やたら挿入される岩政氏のこの短いリアクションが誌面で再現されていると、読んでいるこちらのリズムにも同調してくるので、このスタンスはわりと悪くないと個人的には思っている。

 そしてこちらも印象に残った記事としては、元Jリーガー井筒陸也氏とサガン鳥栖・小林祐三の対談。もともと音楽活動などサッカー選手以外の顔も積極的に見せていた“パンゾー”選手だったが、その発信力ゆえにいろんな言葉を持っている選手だということが改めて分かってすごく刺激的。コロナ禍におけるJリーガーは何を考えるべきか、という井筒氏の問いかけに対して小林祐三は、

「一回、絶望したらいいんじゃないと思うけど。
そこで絶望できるというのも、一つの指針になるなと思っていて。
でも、僕は絶望できなかった」

 刺さるフレーズである。
 ほかにも「フットボールにたいして盲目的にならないようにする、ほどよい脱力感」というテーマも興味深く、「子供のときからサッカーしかやってませんでした」というのが、日本の部活動のありかたなども含めて果たしてどうなんだろうかという教育文化的な側面にも通じるものがある。 やー、小林祐三に連載記事書いてもらえないだろうか(笑)。つまり、こういう『批評』のようなメディアこそが「語れるJリーガーを見いだしていく」という機能を果たしていくのではないかと思っていて、普段だとなかなか話せないことも、『批評』のような場だったら、心の内を自分のリアルな言葉で紡いでもらえるのではないかと、そういうことを改めて期待させた号だった。

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2020年4月21日

本当にどうでもいい話かもしれないのだが

こんにちは。

ひきつづき先の見えない生活が続いていて、張り合いのない日々ではあるが、そんななかコネタを。

最近DAZNでは過去のプレミアリーグの名勝負などが随時配信されていて、そのなかで1994-95シーズンにおけるブラックバーン・ローヴァーズの優勝決定の試合があった。

いまは2部リーグにいるが、トップ・ディビジョンがプレミアリーグとして新設された1992-93シーズンから、2004-05シーズンにチェルシーが優勝するまでの間は、「マンチェスターUとアーセナル以外でプレミアを制した唯一のクラブ」として特異なポジションを誇っていたわけで、近年のレスターほどではないにせよ、この優勝はなかなかレアなものと言える。

この時代のことはまったく知識に乏しく、ブラックバーンにはアラン・シアラーがいて活躍したことぐらいしか知らなくて、映像をみていると元チェルシーのグレアム・ルソーもこのときの優勝メンバーだったことを今回はじめて知った(つまりその後のルソーがチェルシーに長く在籍していたあいだは、チームのなかで数少ないプレミアリーグ優勝経験者だったことになる)。

 

で、そんな昔の試合映像をダラダラと眺めていると、思いもがけない発見があった。

 

ブラックバーン・ローヴァーズFCといえば、このエンブレムである。

Blackburn

そう、バラである。

設立が1875年とのことでイングランドでも古いほうになる。調べたらエンブレムもいろいろな変遷があったようだが、チームの位置するランカスター地方を代表する花が赤いバラとのこと。イングランドのクラブは紋章風のエンブレムが多いので、こういうビジュアル直球型のデザインはやや珍しいとも言える。ちなみに下に書いてあるラテン語は「技術と労働」という意味。ArtとLabourか。


そして、

この奇跡の1994-95シーズンにおいて、ブラックバーンのゴールマウスを守っていたキーパーというのが・・・



Flowers

 

「フラワーズ」さん、なのである。

 

すごい、と思う。

 

見事なオチだ。

・・・すごくないですか?

Flowers

「フラワーーズ!!」

 

     ( し つ こ い ? )

Savage10_20200421222901

 

やー、素直に感動しましたよ、ワタシは。

そういうことってあるんですね、と。

外出自粛のなか、ひとりで家にこもりつつも、こういうネタは大事にしていきたいのである。

 

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2020年3月21日

イングランド史上最高のフォワード、ウェイン・ルーニーは「詩を書くこと」が好きだという驚きの事実に「…なるほど!」となる

いまDAZNで配信されている、BBCドキュメンタリーのウェイン・ルーニー編を「いまさらルーニーもなぁ」と思いつつ(失礼)、それとなくダラダラと観ていたわけだが、何が驚いたかって、ルーニーは少年期から「詩を書くことが好き」だという。

奥さんと付き合い始めたときはもちろん、結婚後も、旅先などで妻や子どもたちよりも先に早く起きて、詩をしたためて贈ったりするとか。

いや、ほんと失礼で申し訳ないのだが、ルーニーがそういうことをする人だとは、これっぽっちも思っていなかった。

「文章を書くことは好き」と本人も認めているわけだが、16歳で衝撃のプレミアリーグデビューを飾った「怪童」が、同じ頃リバプールのとある高校の国語の授業を楽しんで受講していたのかもしれないと思うと、それまで思い描いていたルーニー像が、また違った印象になる。

そして私は今回、「ルーニーは文才がある」という新事実を前にして、あらためて「なるほど!」と、深く納得したわけである。

それはどういうことかというと、ルーニーのサッカー選手としての際立った特徴のひとつとして、「どんな選手と組んでもうまく機能する」というのがあると思えるからだ。彼のキャリアのハイライトはマンチェスター・ユナイテッド時代になるが、その在籍中、ファン・ニステルローイ、カルロス・テベス、クリスティアーノ・ロナウド、ズラタン・イブラヒモビッチなど、「超個性的」とも言える点取り屋が来て活躍しては去っていったわけだが、ルーニーはこうした選手たちと常に良いコンビネーションを築き上げていった。彼はゴールゲッターでもあるがチャンスメイクにも長けていて、コンビを組むアタッカーといかに連動していくかを高いサッカーセンスでもって成し遂げていった印象があるのだ。

で、「文章を書くこと」というのは、「相手とのコミュニケーションへの心遣い」というものが非常に重要になってくる作業であり、相手の立場や状況を察知して、自らの表現をそのときどきに応じて適切に発動させる行為だとすると、ルーニーが「詩を書くのが好き」というとき、それは彼のサッカー選手としての(そして人としての)根本的な「姿勢、スタイル」にも見事に直結しているのではないか、と思うのである。味方を活かしつつ自分もチャンスで狙っていく。それをルーニーのレベルでやられたら、そりゃあ相手は大変である。

ちなみに日本のサッカー界でも、田嶋幸三氏(いまコロナウイルスで大変なことになっていてお見舞い申し上げます)がかつて『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(光文社新書、2007年)という本などで紹介しているが、JFAアカデミーでも育成年代のサッカー選手にたいして論理的思考や言葉の運用能力を向上させようという取り組みが行われているわけで、このあたりは日本全体の教育そのものの重要性に直結するところだから個人的にも興味深い部分である。いずれにせよ若いサッカー選手たちには「ルーニーは、詩を書くのが好きだってよ!!」と言い聞かせたいところである。

 

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2019年10月20日

久保建英のユニフォームの名前表記はTAKEじゃないほうがいいのでは問題




もちろん、どうでもいい話かもしれない。



しかし今のマジョルカにおける「TAKE」の表記を見るにつけ、これから久保建英が世界のサッカー市場に向けて名前を売っていくにあたっては、やはり「KUBO」のほうがいいのではないかと、お節介なおじさんは思ってしまうわけである。

もちろん、気軽に名前を呼びやすく、ファンからも覚えられやすいのはTAKEのほうだろう。ただよく考えてみてほしいのだが、ペレの本名はエドソン・アランテス・ド・ナシメント 、ジーコの本名はアルトゥール・アントゥネス・コインブラ で、彼らが本名のままで活動していたら、もしかしたらここまでの世界的知名度は得られなかったかもしれない。でもTAKEの本名は「TAKEFUSA KUBO」なのだから、そのあたりは何も心配することなく「KUBO」の名前で売り出していいのではないか。

Take


本人がどれほどそのことを意識しているかは分からないが、Jリーグおよび日本代表において、ちょっと前まで「久保」といえば、久保竜彦のイメージが強かったわけだ。

Dragon

それでも久保建英はまだまだこれからたっぷり日本代表選手として活躍できる時間も可能性も大いにあるわけで、そのうち「日本代表の久保といえば久保建英」となるだろう。ひょっとして「建英」の漢字名を「たけふさ」と読まれにくいことについて、日本人向けには「オレはタケだ」というアピールは一定の効果があるかもしれないが、充分その存在を知られている日本市場にはそこまで気をつかう必要はないと思う。


そしてこの問題を考えるうえで、さらに私が気をもんでしまうのは、すでに日本代表でも海外挑戦においても、久保裕也という先達がいることだ。

Yuyakubo

いまベルギーリーグのKAAヘントに所属しているが、このまま久保建英がスペイン1部でブレイクしていくと、むしろ久保裕也のほうが、名前を売るという意味では不利になっていく。「YUYA KUBO」となると、名字は久保建英とカブり、名前のほうはブレーメンの半端無い大迫勇也とカブってしまうわけである。

Osako

この事態は、実はすごいことかもしれないのだ。日本人サッカー選手が世界で挑戦するようになり、その人数が増えていくと、こうした「名前も名字もカブる問題」が発生しやすくなるのである。その最初の事例として、この久保裕也が挙げられよう。

そこですぐ思い出されるのは中田英寿と中田浩二のことだ。同時代において、二人とも同じぐらい日本代表選手としても活躍していたわけで、そして中田英寿は自分のユニフォームにHIDEと書くこともなくナカタで闘い続けた。その後マルセイユやバーゼルで海外挑戦をした中田浩二は、ひょっとしたらこの名前カブり問題に少しは苦しんだ可能性があるかもしれない。仮に、私が当時の彼に話ができる立場にいたら、「もし世界中で覚えられやすい登録名を考えているのなら、いっそのことロック・ドラマーのコージー・パウエルにあやかって、ユニフォームの登録名を“COZY”にしてみたらどうか」と提案したかった・・・まぁ、本人にしてみたら「自分は自分、だからナカタでいく」という気概でいたのだろうけど。

Kojinakata

▲マルセイユのときはトルシエが監督だったな。

Kojinakata2

▲「NAKATA」カブりに悩まされたのか、つづくバーゼルでは「KOJI」の表記だったことを今回初めて知りました。

でも確か中田英寿が欧州で活躍したあとの代表のユニフォームでは中田浩二は「K.NAKATA」と書いていて、ヒデのほうは何も変わらず「NAKATA」だった記憶があって、それはちょっと不公平な気がした記憶がある(←ここはうろ覚えなので間違っていたらすいません)。

というわけで、今こそ私は、久保裕也が今後、そうした「名前カブり問題」のちょっとしたアヤを乗り越えて、世界の舞台で輝けるようにと願うばかりである。



そして、この文章を書いている途中に気がついたのだが、高校卒業後にいきなり海外挑戦となった宮市亮も、アーセナル(=フェイエノールトへのレンタル)やボルトンにいた頃は、背番号のネームを「RYO」にしていたわけである。

Ryo

うむ、やはり売り出し中の若手選手は、いきなりファーストネームを押し出すのはやめたほうがいいのではないかという気になってきた。

ちなみにその後、彼が長く在籍することになるザンクト・パウリではMIYAICHIのネームになっている。

Miyauchi

それにしてもザンクト・パウリのユニフォームは書体も風変わりで、あいかわらず独特な雰囲気だな。

・・・というわけで書いている自分でも予想外だったが、久保建英の話題で書きはじめて、最後は宮市のいるザンクト・パウリの話になっていく記事となった。

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2019年8月22日

いわゆる「ランパード案件」について

 一年は早いもので、昨年のいまごろはサッリ監督のチェルシーについての展望を書いていた・・・というか話の主題は、サッリ監督が「チャーリー・ザ・ツナ」に似ていることを世界に向かって叫びたいだけのものだったわけだが。


 そうして月日が流れ、7月にプレシーズンで来日して川崎フロンターレやバルセロナと試合をしたチェルシーFCの監督席には、サッリではなく、フランク・ランパードが座っていた。そんなことになるとは一年前に想像もできなかったし、昨シーズンは2部のダービー・カウンティで結果を残していて、どちらかといえばもともとの出身クラブであるウエストハムあたりで今後は若手育成などを経験して大きく育っていく監督になるのかなぁーなんていう程度で、横目で彼の動向を追っていたぐらいだ。

 正直にいえば、私はもうちょっとサッリ監督のチェルシーが観てみたかったのである。

 一緒にナポリから連れてきた愛弟子ジョルジーニョありきの戦術で、どこかでジョルジーニョが故障などして使えなくなった場合に、果たしてどういうやりくりを戦術家サッリは見せてくれるのかを私はずっと密かに期待していたのだ。あるいはリュディガーやダビド・ルイスが揃って長期不在になったときにセンターバックからのボール供給という重要業務を誰がどうするのか、その状況において、伸び悩むクリステンセン君あたりが逆境をはねのけてどこまでチェルシー守備陣の救世主になれるのかなど、そういう(ネガティブ要因から生じる、総じてドタバタ感が満載の)物語を観てみたかったのである。

それがどうだ、ジョルジーニョはシーズン通してフル稼働していて、なぜかセンターバックもサイドもそれなりに元気でシーズンを終え、新加入GKケパもまるで5年ぐらい前からそこにいたかのような存在感だ。
 つまりのところ「固定しすぎたスタメンが、シーズン中盤から当然のごとく疲弊していって調子を落としまくって、かろうじて4位でフィニッシュ」という、実に予定調和的でフツーな感じの結末になったわけだ。そりゃあCL出場権に滑り込んだということは大成功の部類に入るシーズンではあったんだろうけど、本当にそれでいいのかチェルシーよ。
 私はひたすら「豪華絢爛さの陰で、卑屈でネガティブな雰囲気から立ち上る、モヤモヤがぬぐえないサッカー戦闘集団」としてのチェルシーを応援したいという想いを捨てきれずにいるので、まるで地方の公立高校で部員が最低人数しかそろってないけど甲子園を健気に目指して地方大会ベスト8あたりで惜しくも敗退した野球部のような、涙ぐましいさわやかな「やりきった感」のある少数精鋭チームというのはなんだか違和感があるのだ。

そんなわけで、オフにアザールが抜けて、移籍ルール違反のごたごたで補強禁止処分が下り、プリシッチがかろうじてルール範囲内で新規獲得選手となり、ほとんど変わらないメンバーで新シーズンを迎えることになったが、ここでこそサッリ監督2年目の「必死のやりくり」を見せて欲しかったのである。何せサッリは元銀行員という異色の経歴の持ち主だから、バランスの悪い条件下における「絶妙な帳尻合わせ」をピッチ上で見せてくれたはずなのである。それが面白くないわけがないだろう。なので、ここでランパードを監督に迎えることがどれだけハンデになっていることか、首脳陣は考えたことがあるのだろうか。

ついでにいうと、サッリの後釜に「レジェンドOB」を迎えるのであれば、なぜランパードではなく、サッリの副官だったジャンフランコ・ゾラを真っ先に指名しなかったのか。どうしてサッリ退任とともにゾラもチームを離れなきゃならなかったのか。「ゾラ信徒」としてはそこも解せないわけである。

というわけで、ここまで読んでくれた方は、「タテイシはランパードを評価していない」と思う向きもあるだろう。

うむ、そこは、とても難しいところであるが、「否定はできない」と述べておく。

実を言うと、私はフランク・ランパードについて、どうしても「表現しにくい何か」を抱えている。ずっと。
とても評価しにくく、何らかの言葉で言い表すことが難しい存在の選手である。

あまりに多くの貢献を果たしたスーパーな選手であることは認めつつ、とはいえ、チェルシーのファンとして彼の監督就任を手放しで喜べるかというと、そうでもない。
私はこの「ランパード案件」がずっとひっかかっていた。どうしても素直にスーパー・フランキーを讃えられない。

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・・・と、以上までの文章を書いたところで、しばらく「寝かせて」おいた。ブログの下書きとして置いておいて、これからどう書こうかとぼんやりと考えつつ、あぁそろそろプレミアも開幕だなぁとノンキに構えていたら、すんでのところでまさかのダビド・ルイス、アーセナル移籍の報道。

これで私にとってはっきりしたのは、「やはりランパードとは分かり合えない気がする」ということだ。まぁ、別に私がランパードと友人になるかどうかが問われているわけではないのだが・・・

ダビド・ルイスと新監督とのあいだに何があったのかについて、もはや私はその報道を追いかける気にもなれないのでよく分かっていない。「能力以上に、キャラ立ち具合」で私はチェルシーの選手を評価してきたので、そういう意味ではダビド・ルイスこそが現在のチェルシーFCをひっぱっていた選手だったから、この移籍にはかなりの失望感を覚えている。そもそもゴール前のフリーキックの場面で「呼ばれてもないのに、自分が宇宙一のフリーキッカーであると言わんばかりにやたら蹴りたがる感を出すこと」で相手GKへのムダな揺さぶりをかけていたあの役割をこれから誰が担うんだよ、ランパードが代わりに蹴るのかよ。

そんなわけで、開幕からさっそく私は新監督にたいして厳しい目を向けてしまうこととなった。チャーリー・ザ・ツナに似ているわけでもなく、どうしたって「レジェンドの香り」しか出てこない精悍な若大将について、このモヤモヤ感を抱えたままシーズンを送ることが今年のテーマになりそうだ。

まぁ、でも、結局な、
DAZNに変わったらプレミアリーグをかつてのような愉しい気持ちで鑑賞することも難しくなっていくんだろうよ。結局そこかもしれない。ブツブツ途切れすぎなんだよネット映像配信は!ほんとに、もう。

 

・・・と、結局いろいろなところに八つ当たりをしている夏の日々なのである。

 

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2019年2月14日

比嘉さんの引退

まだまだ若いのだが、比嘉祐介選手・・・というかなぜかこの業界では一貫して「比嘉さん」と呼ばれているJリーガーなわけだが、このたび引退を発表した。
最後の所属先となった東京ヴェルディの公式サイトでメッセージが発表されているが、これは本当に自分自身の言葉で伝えたいという気持ちにあふれた文章となっていて、それがとても比嘉さんらしくて良い。
とくに最後の一文で、大の仲良し(すぎる)関係で有名な中村俊輔への言及がなされているのも、最後の最後まで比嘉さんワールドである。
しかも何がすごいって、よくよく考えると、
「ヴェルディの選手が引退するにあたって、最後の最後でマリノスのレジェンドへエールを送っている」ということなのである。この両クラブの歴史的関係を思うと、こういうことができるのはさすが比嘉さんである。比嘉さん以外にこんなことできない。
思えばロンドン五輪予選で全国区になっていき、惜しくも本選メンバーには選ばれなかったのだが、そのあと比嘉さんは本選メンバーを応援するDVD動画を自作して贈ったというエピソードに私も心を打たれたわけだが、こうして記憶に残るユニークな選手がピッチを離れるのはさびしいものである。でもどこかでまた比嘉さんはサッカーファンを魅了してくれると信じたい。

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2018年8月22日

日本サッカー協会のHPも少し狂乱ぎみになっている?U20女子代表の決勝戦に備えよ!

 前回のチェルスキーな記事では、新加入のジョルジーニョについてうっかり書き忘れていて、それでもって新生アーセナルとのロンドンダービーまで制して開幕2連勝となり、改めてジョルジーニョの存在について自分なりに感想を述べたいところだが、申し訳ないがいまはU-20女子ワールドカップである。
 日本代表“ヤングなでしこ”(わたしは『プチなでしこ』というネーミングのほうがいいんじゃないかとずっと思っている)が同カテゴリーでは初の決勝進出を果たし、スカパーでしか生中継していなかったフジテレビも今度はいよいよ地上波でも放送することになった。しかし地方ローカルでは放送がないようなので、関西地方(カンテレ)でも観られない。今回のチームにおいては宝田沙織、林穂之香、北村菜々美のセレッソ大阪組のユニットがすばらしい働きをしているのだが、彼女たちの奮闘が関西地方のお茶の間で視聴できないことは残念である。

 ユニットで捉えると、セレッソ組に対して、右サイド寄りに植木理子、宮澤ひなた、宮川麻都の日テレベレーザ組がさすがの技術力の高さを誇っていて、中盤で「いかにも10番」な雰囲気で自信満々にプレーしている長野風花が元レッズであることを思うと、センターバックにかけてのゾーンは浦和レッズのユニットが形成されている。これが今回のU20代表の基本的枠組みだと思える。

 そのなかで今大会間違いなく驚異的に存在感を発揮しているのは、今はベレーザに指定強化選手として籍を置いている18歳の遠藤純である。JFAアカデミーは女子サッカーにおいては本当に育成機関として素晴らしい仕事をしていると認めざるを得ない。攻守に走りまくり、そうかと思えば左足で絶妙のパスを精度良くガンガン通してくる。2戦目からスタメンに入るや、もはやこのチームは遠藤の仕掛けからすべてのスイッチが入るかのようで、「機動力のある中村俊輔みたいだ!!」と思えてくる。ドイツ戦でのプレーヤー・オブ・マッチを獲り、次の準決勝イングランド戦では相手から警戒をされるも、その遠藤の存在に刺激されてか反対サイドからの仕掛けが活性化し、決勝点は宮澤のクロスバー直撃からの、走り込んでいた遠藤のヘディングで決めることとなった。
 いやはや、遠藤純、とんでもない選手がまた現れた。ゴール前のフリーキックでは「右で蹴るのか?左か?」という感じで、かすかに微笑を浮かべる長野とポーカーフェイスの遠藤が並び立ち、それはかつての中田英寿と中村俊輔の姿を連想させた・・・(すまないが、こういうシーンではおっさんの郷愁に浸らせて欲しい)。ともあれ、決勝戦でもし負けたとしても、日本にとってはこの大会で遠藤純という傑出した個を見出したことで、すでに大きい成果を上げたのではないかと思っている。

 そしてこのチームにおいて攻撃の流れを変える切り札として、我らがなでしこリーグ2部・オルカ鴨川FCから選出された村岡真実14番がベンチに控えているのである。サッカーにおける背番号14は伝統的に「ジョーカー的存在」であったり「影のエース」の雰囲気があると思っているので、まさにこの番号は彼女によく似合う。ほぼ毎試合で途中から入り、ひたすら前線からボールを追いまくる。多少の粗さはあるものの、がむしゃらに何度もアタックを繰り返す姿は、普段の彼女のキャラクター性も相まって、チームを元気づけるものがある。それゆえに池田太監督からもそうした役割が期待されているのだろう。

 U20代表といえば、私にとってはどうしたって藤田のぞみの存在が最初にあったわけだが、こうして新たな才能が次々と新しい扉を開いてくれて、村岡真実のような選手が藤田のぞみの後に続いていく歴史を今まさに見守っているわけである。そう思うと2018年の私のサッカー的想い出のなかで、非常に重要な一戦を迎えることになる。私としては決勝戦で村岡真実のゴールを観たい。ひたすら、それを願っている。
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 ちなみにオチとしては、いまグーグルで「U20女子日本代表ワールドカップ」などの言葉で検索して、トップにでてくるリンク一覧のなかで、こういう画面になるのだが

U20_1


よーーく見てみると、

U20_2

Siralexfergusonpicgetty251997844

「 を ~ ! ! 」

・・・・落ち着け!落ち着けってば!!(笑)

と、本当に些細なところではあるが、そんな感じである・・・。

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2018年1月26日

チェルシーFCとオルカ鴨川FCにおける“新背番号8”をめぐって

Number8

思えば今シーズンのプレミアリーグが夏にはじまり、その開幕を現地で見届けたあと、いろいろな葛藤を経て、湯郷ベルの試合をできる限り応援にいくという覚悟を決めて秋から冬を過ごしている。そんな日々のなかで、海外サッカーは「横目で眺める」という感覚になっていった。もっともプレミアリーグの優勝争いはすでにクリスマス時点で決着がついてしまっているような展開であるが・・・そうこうしているうちに、エバートンからロス・バークリーがチェルシーに加入した。そして背番号は、ずっと空き番号となっていたかのスーパー・レジェンド、スーパー・フランク・ランパードがつけていた「8番」となった。大きな意味をもつ番号がついに継承されることにひとつの歴史のターニングポイントを思う。ランパードと比較される運命とともに、新たな歴史を築いていくプレーを楽しみにしたい。

そして先日、オルカ鴨川FCに移籍した藤田のぞみの背番号も「8番」と決まった。
本人は背番号には特にこだわりがなさそうな印象があるが、とにかくどんな背番号であれ、いま置かれた環境のなかで、全力をつくして自らのサッカー人生を悔いの無いものにしていくための闘いが続いていく。

ところで背番号が8番となったことで、以前やったのぞみ7号に乗ってのぞみ7番を応援しにいく」という企画の第2弾、今度は偶数番号なので東京行きの新幹線となって「のぞみ8号に乗ってのぞみ8番を応援しにいく」というネタができそうだ。
鴨川の流れる古都から、鴨川と呼ばれる海へと・・・遠いが・・・。

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2017年4月19日

キャプテン、リーダー、レジェンド

モウリーニョのチームに負けた試合はテレビで見ていなかった(日本時間の日曜深夜0時キックオフは、私には寝ることを強いる状況だ)。
そして私が知らないうちにひどく順位が低迷していたバーミンガム・シティは、監督ジャンフランコ・ゾラの辞任を発表した。
その翌日、ゾラと同じチェルシーのレジェンドとなりうる選手の退団が、ついにアナウンスされた。
ぜんぶ、一気にきた。そんな感じ。

これは開幕直後から感じていたことだが、コンテ監督がチェルシーに来てやり遂げるべき大きな仕事のひとつが、「ジョン・テリーの花道をいかに作るか」であり、それは裏返すと「ジョン・テリーの不在にいかに適応させていくか」であったと思う。そしてその取り組みが現在の好成績につながっていったという意味で、コンテ監督の1年目は大成功だといえる。
そしてこのタイミングでの退団決定は、「キャプテンの有終の美を飾るために、リーグとFAカップの両方を絶対に獲りに行く」という声明でもある。このダブル達成に向けて、選手もクラブもサポーターも、あらためてギアを入れ直すことになった。

ともあれ、現役を続行する意欲を見せており、まだ終わっていないのである。ジョン・テリーがどういう選手であるのかは、むしろこれからの彼のプレー、新しい場所での立ち位置や姿勢をみてこそ、さらに分かってくる。そういう厳しさをあえて選んでいくJTに敬意を表したい。

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2016年9月 3日

チェルシーが夏の移籍市場で私をひさしぶりに揺さぶってきた

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チェルシーに、ダヴィド・ルイスと、ミヒャエル・バラックが復帰しました。

すいません、ウソ。

バラックじゃなくてアロンソな。

マルコス・アロンソ・メンドーサさん、ようこそチェルスキーへ!!

以前の記事でもちょっと触れていたことだが、さすがに監督もフロントもバカではなかったので、ちゃんとサイドバックを獲得したわけです。

やー、このプロモーション画像、まず序盤でテクニックを見せつけつつ、そこから「徹底的にボールに食らいつける、球際での根性バッチリの闘えるサイドバック」であることを示してて、3分あたりで「ロングボールも蹴れますアピール」が流れてですね、スペイン人でアロンソという名前のサッカー選手はみんなこういう高精度のロングパスを供給しなきゃいけないルールでもあるのかと思わせるプレーぶり。もう、左サイドバックからナナメのロングボールでウィリアンを走らせてチャンスメークする映像がすでに私の頭のなかには出来上がってますよ!! しかも経歴よくみたらフィオレンティーナの前にはボルトンで2部生活も経験して苦労人だったりしてすでにガッチリとイングランド慣れしているだろうからすぐにチェルシーにもフィットしてくれるだろう
し、うぉぉ~これは近年でもかなり良い補強したか!?

そんで、最終日に驚きのダヴィド・ルイス帰還のニュース!!!!!

そりゃあ昨季までPSGでさんざんチェルシーのCLをジャマしてきた過去もあるが、そんなことよりもチェルシーサポにとってはモウリーニョ体制の被害者であることはみんな分かっていたことだし、ブラジルW杯のチョンボもすべて忘れて、心機一転ブルーズの一員としてまた暴れまくってほしいのだ。最近ほんとこういう選手いないからなぁ。

でもこの記者会見時のダヴィルイ、黒い水泳帽みたいなのを被っているけど、なんだか「普段のモフモフの髪の毛は、かぶりもんです」みたいに想像するとジワジワくる。

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