エディオンピースウイング広島に行ってみた(広島×横浜FC 2025年3月2日)
今年のJリーグ開幕前のスーパーカップをテレビで観ていて、サンフレッチェ広島はヴィッセル神戸相手に躍動し、新加入選手や補強が大当たりの予感があって、今季もっとも注目しておきたいチームとなっていた。
それとともに、関西以外のクラブでは他にも横浜FCの試合を観たいと思っていて、なぜなら中村俊輔がコーチをしているからだ。つまり試合前のアップのときに、ボールを蹴る中村俊輔をライヴで観ることができるかもしれないわけで、そんなわけでずっと「できるだけ横浜FCの試合に向かわねば」という思いがあった。
で、調べたら開幕間もない第4節、広島ホームで横浜FC戦があり、この時期だとデーゲームだからのんびり日帰りで観に行けそうだし、去年オープンしてすごく気になっていたエディオンピースウイングスタジアムへこの機会に行ってみようとなったのだ。
雨が降ったりやんだりの空模様だったが、広島駅からいろんなルートでアクセスできる立地の良さは本当に魅力的。
広島における「新スタジアム問題」は長年にわたっていろいろな紆余曲折があったわけだが、結果的にこうして平和祈念のしるしとしてのスタジアムが無事に建ったことはいちサッカーファンとしてうれしく感じる。
あたらしいスタジアムに当然ながらテンションも高ぶり、スタジアム併設の大きいグッズショップも延々とウロウロしたくなる。
選手名入りのタオルの並びをみるだけでも、ついつい気分が高揚し、大注目選手である「中島洋太朗」のタオルをカゴに入れた。
そして店の一角には、WEリーグのレジーナのグッズも多く取り揃えられているのを見てしまったもんだから、、、
ええ、勢いで中嶋淑乃選手のアクリルキーホルダーもカゴに入れましたよ。
かつてオルカ鴨川FCのファン感謝デーのミニサッカー大会に参加したとき、当時このクラブにいた中嶋淑乃と同じチームになって数試合プレーしたことがあるのだった。私の出した雑なパスが、どうみてもつながらないコースに飛んで行ったにもかかわらず、ダッシュでボールを追いかけていってくれた中嶋淑乃の後ろ姿に「ごめん!」と強く思った記憶が残っている。
はい、なので私にとって彼女は「元チームメイト」と言っていいんです(強引)。
(そうしてミニサッカーを一緒にさせていただいた数年後には三苫薫ばりの左サイドのドリブラーとして覚醒し、なでしこA代表に入るまでの選手になるとは当時想像もできていなくて、おっさんはただひたすら嬉しく思っております)
で、この流れで男子チームのアクリルキーホルダーも見てみたのだが、中島洋太朗を探すと・・・
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や、たしかにまだ十代だというのに、すでに悟りの境地に至っているかのようなクールさをただよわせているが!
これはこれでキャラ立ちしている雰囲気がツボにはまり、これもお買い上げ(そもそもこういう推し選手のアクリルキーホルダーなんてグッズを買うのは初めてだった 笑)。
会計時のレジではひとつひとつのグッズの選手名を店員さんから確認されるのでそのとき気づいたが、結果的にアクリルキーホルダー、「ナカジマとナカシマ」の組み合わせとなった。
そうしていよいよスタジアム内部へ。ぐるっと一周してみたり。
さすがのクオリティで、自分が今まで味わったなかでは豊田スタジアムのバックスタンドの傾斜っぷりとパナソニックスタジアム吹田の開放的でソリッドな雰囲気の、それぞれの良いところを組み合わせたような印象。
そして歴代レジェンドプレーヤーを紹介するコーナーなども。
歩き回っているうちに、無性に甘い物がほしくなったので、スイーツ系のスタグル売り場へ。関西エリアの各スタジアムだと「いつでも来れるから」と思ってスタグルの限定コラボメニューなどをチェックして買い求めることはめったにないのだが、この日だけは積極的に行列に並んでしまう。
売り場の案内をみたら、今日は中島洋太朗選手コラボメニュー「レモネード、おいしいです(あったかいです)600円」なるものが販売されていたので、これはオーダーするしかないだろう。
で、飲んでみた。
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う、うむ、たしかにレモネードでトンガッたバリエーションを生み出すのは難しいからな!
・・・気を取り直して、別のコラボスイーツに挑戦すべく、また行列に並んだ。
キーパー大迫敬介選手による「さつまの大学芋スティックでごわす Wホイップ仕立て1,000円」があり、「うむ、そういうの良いな! そうか大迫は鹿児島出身なのね~」など思いながら並んでいたわけだが、
「すいません、普通のアップルシナモンのチュロス650円のにしました」
(や、なんか、保管ケースに置いてあった大迫の芋スティックの実物をみて、ちょっとヒヨってしまい・・・)
そういうことも含めて、スタグルもエンジョイ!!
さてそんなわけで、いよいよ選手ウォーミングアップのお時間。
座席からカメラを構えて待機。
俊輔コーチ、キター!
私がかろうじて確保できたチケットは最上階のエリアだったのだが、望遠レンズでひたすら中村俊輔の姿を追いかけてシャッターを押しまくっていた(他にも三浦文丈や土肥洋一といった懐かしい名選手たちもコーチ陣にいる)。なので私の周りに座っていた紫色の方々からは「こいつアウェイチームのサポだな」と思われていたことだろう。
選手のためにボールの出し手になったりするシーンもちょくちょくあり、そのたびにファインダーをのぞきながら「うぉぉお、俊輔のボールタッチだ~」と、一人で興奮していたりする。
「キーパー練習のキッカー役とかやってほしいなー、ガチ本気の左足を見たいよなぁー」とか勝手なことを思いながら練習風景を凝視していたのだが、それに近いキックはウォーミングアップ終了時、方々に散らばったままのボールを回収するときに見せてくれた。
そうそうそう、これですよこれ!!
・・・と、まだ試合も始まっていないうちに、私はひとり無言のうちにハイテンションで中村俊輔御大のフォームを堪能していたわけである。
こうしてキックオフを迎える!
サンフレッチェ広島は、いきなり公式戦でガンガン点を取っている驚異の大卒ルーキー中村草太がスタメンだったのが嬉しかった。
そしてU-20アジアカップの日本代表が惜しくも決勝進出ならず、予定よりも早い帰国となったため、この日は中島洋太朗もベンチメンバーに名を連ねていた。
客席のかなり上方からでも、迫力のあるシーンが観られて、カメラで追いかけるのも楽しかった。
札幌から横浜FCへのレンタルを延長している福森晃斗の、中村俊輔から日々薫陶を受けているであろうフリーキックも目の前で味わえたり。
で、後半途中から中島洋太朗と今季新加入の田中聡が同時に交替出場となり、この若いボランチコンビが先日のスーパーカップでもすごく印象的だったので、スタジアムで観ることができてよかった。
この二人については印象的なシーンがひとつあった。
二人が交替で入ったすぐ直後、ほかの選手が接触プレーで痛み、しばらく試合が止まったときのことである。すかさず中島洋太朗はボールをもって田中聡に声をかけ、その場でできる限り体を温めてアップを補うべく、素早くパス交換を繰り返していたのだった。なんというか、「あぁきっと中島くんは高校生活とかでもスキマ時間を有効活用して英単語とか覚えるの得意そう~」と思わされたのである(笑)。
横浜FCの堅い守りにずっと手を焼いていたが、後半途中からこの中島・田中のダブルボランチによって、少しずつ流れが変わっていったように思う。
そんな後半33分に中村草太が決勝ゴールを決めた瞬間は、なんだかワケが分からないうちにブレブレのなかでカメラを連写していた。「勢い」があるって素晴らしい。ゴールを呼び込むオーラというか。
で、こちらは皆が喜んでいるときにちゃんとセンターサークル内に留まって相手にキックオフされないようにしている荒木隼人さん。
中村草太については、この日撮ったすべての写真の中で、彼の表情を捉えたこの写真が最もベストな一枚になった。(ぜひクリックして拡大して見ていただければ)
終盤に交代枠を使い切ったなかでトルガイの負傷離脱というアクシデントにみまわれた広島はそのまま10人での防戦を余儀なくされたが、このまま1-0で逃げ切った。
コンサドーレつながりで、しばし笑顔で交歓する菅ちゃんと福森。
ホームチームの勝利に沸くスタンド。
で、チームの広報カメラマンらしきがサポーターをバックに中村草太の写真を撮っているなーと思っていたら、
このように試合後のスタジアム内のモニターにさっそく表示されていて、いい演出だった。
このあとも時間はたっぷりあったので、スタジアム内にある「広島サッカーミュージアム」も見学した。
これは入口付近にあった壁で、場内は写真撮影できなかった。被爆地としての広島でどのように戦前・戦後とサッカーが振興していったかという歴史やサンフレッチェ広島の歩みをじっくり紹介しつつ、サッカー選手の身体能力に挑むアトラクションや科学的な展示などもあったり。
日常を平和に過ごしてみんなでサッカーが楽しめるというのは、当たり前のようで実はそうでもないことを実感しながら、スタジアムを後にする。
この流れで、スタジアムから南にすこし歩いたら、原爆ドームにたどりつく。
ちゃんと訪れたのは小学6年生の修学旅行以来なのだが、今回再訪して強い印象を受けたのは、建物内部の床に散らばるおびただしい瓦礫の連なりだった。子どもの頃の目線とは違って、大人になって背が高くなったからこの床面を見ることができるようになったからか、あらためてこの瓦礫の状況が目に刺さってきたのであった。
そうして原爆ドームから街中へふらふら歩き、「大山のぶ代ご推薦の店」という看板が目に入ったので、お好み焼き店へ。
中に入るとカープファン御用達のお店だったようで、大量のユニフォームと、カープの選手のサイン色紙で壁面が埋め尽くされていた。サッカー日本代表ユニだけ片隅に掲げてあったり。
夕食をとるには早い時間帯だったのであまり混み合ってなかった。せっかくなんでカキを乗せて。ちなみに後でこのお店についてネットで調べたら「観光客価格のぼったくり店」とあって、苦笑い。これもまたひとつの旅の味わい。
そのあともしばらく街中をウロウロしていたら、エディオンの本店にたどり着き、
この標識が歩道からも目に入ったのでつい立ち止まってしまい、
わざわざ冷蔵庫コーナーに行ってこれを確認した(笑)
たしかにあらゆる家電製品のなかでも冷蔵庫だと平面部分が多いからデコレーションしやすいよなぁ、と感心した。
そして賑やかな商店街ではデカデカとレジーナの応援キャンペーンが展開されていて、私の元チームメイト(←違うだろ)とここでも再会。
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ちなみにサッカーとは関係ないが、スタジアムの近所にある「ひろしま美術館」で「オディロン・ルドン展」が3月23日まで開催中であったことを、今回の日帰り旅を行う直前まで知らなかったのである。
なのでスタジアムに向かう前に早めに現地入りして美術館を訪れたのだが、私はルドンの「神秘的な対話」という作品が人生でベスト3に入るぐらい好きで、まさかこの作品と広島で再会できるとは!と、いたく感激しつつ可能な限り長い時間、絵の前に突っ立っていた(岐阜県美術館が世界屈指のレベルでルドンの絵画を大量に保有していることはもっと知られてほしい)。
で、このルドン展は巡回してこの4月から6月にかけては東京のパナソニック汐留美術館で行われるとのこと(こちら)。この人は音楽で例えたら、若い頃はハードコア・デスメタルみたいなのをやっていたのが晩年にはクラシック・ギタリストになっていったような「揺れ幅」が特徴的なのであるが、ハマる人にはハマる世界観だと思われる。 ※さすが東京と思わせるのは土日祝は「予約制」だそうで・・・
そんなわけで、これもピースウイングスタジアムが街の中心部にできたからこその、美術館~サッカー観戦のハシゴが楽しめたということで、つくづく素晴らしいスタジアムであることを実感させていただいた。また何度でも来たい!
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