旅/trip

2021年8月12日

世界屈指のパンク系サッカークラブ、ザンクト・パウリ:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その10)

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 ハンブルグには、HSVというブンデスリーガの歴史を体現する伝統的なビッグクラブがあるとともに、ザンクト・パウリというユニークな雰囲気を放つサッカークラブがあるわけで、この旅で必ず訪れたかった憧れのチームでもある。

 HSVのスタジアムがあった郊外の大きな公園エリアから、再びハンブルグ中心街に戻ってきて歓楽街レーパーバーンへ向かう。「世界で最も罪深い1マイル」と呼ばれ、ブレイク前のビートルズが方々の店をライヴで回って修行をしていたことでも知られるこの界隈がザンクト・パウリのホームタウンであり、この立地の時点で同クラブの存在感が際だってくる。

 例えると東京だと新宿歌舞伎町、大阪キタのエリアだと北新地とか東通り商店街の付近にザンクト・パウリのスタジアムがあるようなもので、そこからだとHSVが7kmほど離れた先、つまり駒沢オリンピック公園とか鶴見緑地にあるような、そういう距離感である。つまりザンクト・パウリは大都市中心部における歓楽街近くにサッカー専用スタジアムを構えるも、歴史的にはあまり1部リーグには定着できないが、多くの熱いサポーターから支持を集めて世界的にも知名度を誇っているという異色のクラブである。
 
 ただ、私がこの罪深い1マイルでやったことといえば大衆食堂でカツレツをいただいたことぐらいである。せっかく海辺に来たのになぜカツレツなのか。
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 ▲あとで調べたらシュニッツェルという、ドイツ・オーストリア圏でポピュラーなカツレツ料理。

 ちなみにこのレーパーバーンに、ザンクト・パウリのグッズショップが展開されていて、週末は夜23時まで営業しているとドアに書いてあった。大して強豪クラブでもない(失礼)チームのショップが繁華街の大通りでわざわざ(客層に合わせて?)夜遅くまでまで店を開けていることにちょっと驚かされる。深夜にブラブラする客が地元サッカーチームのグッズをどれだけ必要としているのか、そして遅い時間まで店を開けることのコストが回収できているのかどうかも心配になってくる。でもきっと、ここで店を続けることは、コミュニティに強烈に結びついているクラブとしてのあり方を「表現」することなのかもしれない。

 そういう雰囲気は平日のスタジアムに行ってもそれとなく感じられたのである。

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 ▲ついにたどり着いた、ミラントア・スタジアム。名前の響きがいい。

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 ▲なぜか巨大なイカリがそこかしこに置いてあって、港町ハンブルグ感を演出。

 社会問題に積極的にコミットしていくクラブの姿勢が、あちこちに貼られたポスターでうかがえる。
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 ▲おそらく翻訳する限り、青少年への啓発運動か何か。

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 ▲反差別、反ファシズム。

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 ▲これはサポーターの貼ったステッカーか、難民への連帯。

 ただしハードコアな雰囲気のパンクなフットボールクラブでありつつ、子どもたちにもどんどん来てちょうだい、ということで、
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 子ども向けスタンドが確保されている様子。

 そして感じ入ったのはスタジアムの壁面に、サポーターの写真をおおきく掲げていたことだった。

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 こういうのは、なかなかステキな演出だと思う。本人たちも記念になるし。

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 ▲それにしても、わざと放置しているのか自然発生なのか、やたらグラフィティで落書きされたりステッカー貼られまくりの事務所近辺。

 そしてスタジアムの裏手から入るミュージアムが開館されていた。雰囲気的に、ボランティアさんたちで運営されているような感じだった。
 
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 館内はすべてドイツ語オンリーで説明が書かれていて、正直内容は分からなかったけれども、クラブの歴史についての資料展示が充実していた。

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 ▲この図がとてもいい雰囲気でポストカードにしてほしかったぐらい。

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 ▲子どもたち向けのコーナーもあったり。

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 ▲来場者の記念撮影コーナー。

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 ▲ここぞという昔のワンシーンを展示するにあたり、この写真を選ぶセンス。これこそまさに、っていう。

 しっかりと展示内容を追っていければ、この小さなクラブがいかにして地域に根付いて、そこからいろいろな社会運動へのアクティビズムと連動していき、独自のアイデンティティを築いていくようになったかが分かったのかもしれない。
 試合のあるときに再訪したら、その雰囲気をさらに味わえるのだろうし、それは将来に向けてのお楽しみに取っておきたい。
 
 で、スタジアム併設のショップに入る。
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 ▲期待を裏切らないクールな店内。そして公式エンブレムよりも頻発するおなじみのドクロマーク。

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 ▲見せ方がかっこいい。

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 ▲かわいいけど、ドクロマーク。徹底。

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 ▲試着室の中。バンドのライヴポスターを貼るっていう、これはやはりこのクラブだからこそな感じがする。

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 ▲そしてここで私はユニフォーム買いました。この当時のデザインがスポンサーロゴを含めて超絶かっこよかったので。

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 ▲なぜかドクロマーク入り、しゃもじ?までグッズに。

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このように、他にもグッズが売られていたわけだけど、8割ぐらいドクロマーク入りだった。
・・・で、私、正直なところあまりドクロマークが好みではないので(爆)、そのおかげで買い物欲がほどよくセーブされました(笑)。

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▲ちなみにこちらが、レーパーバーンのほうにあるグッズショップ店内の写真。スタジアムからそんなに遠くない距離に、同じようなクールなお店を二つ持っていることになる。

宮市亮がこのクラブに加入するのが、当時の旅から一年後のことで、日本人としては2人目になる。残念ながらケガの影響などで満足に出場し続けられたとは言いがたいが、かなり長くこのクラブにお世話になっていたということは、それなりに居心地がよいクラブだったのだろうか。
ともあれ、今度来るときはぜひ試合を観てみたいと強く願っている。

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ハンブルグはそれでなくても観光地としても魅力的であり、わずかな時間だったが港周辺の雰囲気を堪能させてもらう。

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▲そして最後に、意地でも魚を食べようと、港を眺めつつサンドイッチにかぶりつく。

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2021年7月10日

ハンブルクでまずは青いエンブレムのチームを訪ねる:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その9)

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ブレーメンから日帰りハンブルクの旅へ。

今思うと「なぜ日帰りにしたのか、なぜハンブルクほどの大都市でじっくり滞在すべく宿泊を考えなかったのか」と自分にツッコミを入れながら振り返っているのだが、当時のメモ帳を見るとこのブレーメン滞在中にも今後の旅程プランをあーだこーだと練り直している痕跡があり、そこに
「やりのこしたことがあったほうが次回へのモチベーションにもなる」
と、わざわざ書いてやがる・・・。ええ、再訪したいモチベーションなんて常にオールウェイズありまくりですよ、こんなコロナ禍だとなおさら・・・。

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わかりにくいけど、港湾都市に来た! っていう瞬間。格好つけてモノクロモードで撮影してます。

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中央駅に到着。
ハンブルクはなんといってもあのザンクト・パウリFCがあるわけだが、その前にまずは彼らの宿敵でもありドイツを代表する正真正銘の名門クラブであるハンブルガーSVを訪れないといけないだろう。

当時はImtec Arenaと呼ばれていた本拠地は、中心街からさらにSバーンの電車に乗って北西のところにあるStellingenという駅が最寄りだった。大きなスポーツ公園といった雰囲気で、そこからちょっとしたハイキング気分でけっこう歩く。

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▲なぜここにわざわざステッカーを貼るのだ・・・
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Imtec Arenaに到着。高名な港町だからどことなく「船っぽさ」を感じさせるデザインなのは気のせいか。
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この当時はブンデスリーガ1部在籍記録が(当然のように)更新中であり、その後酒井高徳がやってきてキャプテンになったり、そして大不振のあげく2部に落ちていくことになろうとはまったく想像もできなかった頃である。

で、スタジアムの前には、唐突ぎみではあるが
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巨大すぎる足形の像が設置されていた。

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クラブのレジェンドであるウーヴェ・ゼーラー氏を顕彰するものだった。
「それにしても、足だけですか・・・!」と思わずにはいられない。本人の希望だったのだろうか。なかなかありそうでないアプローチではないかと。

そしてこの日は土曜日だったのだが、スタジアムのすぐ目の前では、トップチームが練習を行っていたのである。
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そこではラファエル・ファンデルファールトが目の前で動いていた。やはりパッとみて「あ!」と分かるオーラがあったのだ。若い頃からオランダ代表で注目されていたアイドルだったが、結局ケガとかで不運なキャリアを送っていたイメージがあり、その姿をここで拝むことができるとは・・・と思った。あと、元アーセナルのヨハン・ジュルーもいた。知らずに訪れたタイミングで彼らの練習が見られてラッキーである。
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このときの写真をあらためて見返して気づいたのだが、練習場とお客さんの間には金網などがなくオープンな距離感で、観ているほうも緊張感を持っておかないといけない。あと、このときは8月の中旬だが、お客さんの装いをみるにつけ、いかにヨーロッパの北が寒々としているかがうかがえる。

もうすこしゆっくり練習を見ておきたいところだが、なにせ日帰りの旅程なので、いそいそとスタジアム内のショップに向かう。
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やはり人気者のファンデルファールトはこういう業務もこなす。

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ミュージアムやスタジアムツアーもある。今回はなくなくあきらめる。

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ショップに入ってまず目をひくのが、店内の奥がガラスばりになっていて、
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こうしてピッチが広々と見えるようになっていた。試合の日はどういう感じになるのだろう。

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ユニフォームの赤白と、エンブレムの青色がいい感じのエプロン。

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自転車もあった。

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ショップの近くにはカフェ・バーのスペースもあって、ここも開放的な窓からはスタジアムの様子がよく見えて、いい雰囲気だった。

やはりHSVはビッグクラブであった。そしてこれから向かうザンクト・パウリはそういうゴージャスさとは対極にありそうなイメージではあるが、それはそれで特徴が良く出ていて面白かったわけである。

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▲エンブレムが単純すぎて面白みがないのだが、こういうメガネを作るにあたっては、とても映える?のであった。

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2021年6月 6日

ブレーメンにはいつか住みたいと思った:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その8)

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ブレーメンの中央駅で撮影した、情報量が多い写真。駅のなかを自転車を押して歩く家族(自転車に連結したベビーカーもかっこいい)もさることながら、光の加減で分かりにくいが、天井からヴェルダー・ブレーメンのDFB杯制覇の歴史(過去6度優勝)を誇る垂れ幕が掲げられていた(ひょっとしたら裏側はブンデスリーガの優勝記録が描かれていたのかもしれない)。

駅でそういうバナーが掲げられていること自体が、この街の「熱さ」を伝えている気がした。

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駅近くの手頃なホテルを予約。
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部屋には壁いっぱいにカラフルなビジュアルが施されていて、よくみたら、
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「ブレーメンの音楽隊」が描かれていて、こういうのは心和む。よく考えたら音楽隊の物語のおかげで、幼少期に最初に覚えたヨーロッパの都市名は「ブレーメン」かもしれないと、このとき思った。

まずはスタジアムを訪れるべく、中心地から路面電車でちょっと東に移動。

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静かな住宅街に到着。でも試合の日は賑やかだろうな。
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こういう個人商店っぽいファンショップがあったりする街は、熱狂的なサポーターが多い証拠だと思える。
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スタジアム周辺にあった軽食レストランないしパブっぽいお店。

しばらく歩くと、ヴェーザー・スタディオンへ到着。
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この外壁の感じが独特で、照明灯の形もなんだかちょっと可愛らしさを感じさせる。
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裏手に回ると、すぐそこはヴェーザー川となる。
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その静かな流れが、すごくのどかで良かった。
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チェルシーとの親善試合の告知が柱にうまくデコレートされていた。

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こちらはサポーターによる年季の入ったステッカーまみれの柱。

そしてスタジアム内部に併設のファンショップへ!
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オシャレな空気感!

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ちょっと古いポスター貼りまくりコーナー。

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ユニは当然しっかり販売。

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女子向けカジュアルも充実(暗めですいません)

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ここでも子どもたちの集団が遠足っぽく来ていた。

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飾られていたモノクロ写真たちが、どれもすごくいい味だしていて、欲しいぐらい。

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この下に写っている「You'll Never Walk Alone」をかたどった黒いTシャツは即決で買った。今も夏場によく着ている。

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そしてこれですよ!「背番号をプリントするコーナー」の、このシンプルながらもカッコ良すぎな雰囲気が!!
なんか、さすが「ドイツ」だと思った。空間演出がうまいよなぁ。

そして最もグッときたポイントが、服の試着コーナーだった。
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中もよくできていて、サッカー選手のドレッシングルームのような雰囲気。
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で、写真が暗くて恐縮だが、壁面にはレジェンドの残した言葉みたいなのがさりげなく印刷されていて、こういう感じはものすごく好きだ。
ちなみに今回の記事を書くにあたって、あらためてこの写真に書かれたセリフはなんだろうかとウェブ翻訳ツールで調べてみたら・・・

WENN DER BALL AM TORWART VORBEIGEHT, IST ES MEIST EIN TOR.

「ボールがGKを通過すると、
たいていはゴールになります。」

とのことで、「お、おぅ・・・」ってなった(笑)。

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そしてクラブのエンブレムと同じ、ひし形のレジカウンターがまたカッコ良かったのだが、あらためてこの写真をみると美人の店員さんを写真に収めたかったがゆえに撮影した可能性が高い。

ブレーメンはその後、大迫勇也が加入することになり、ますます親しみがわくことになるのだが、このファンショップの雰囲気の良さがずっと印象的で、すっかりドイツのクラブでもお気に入りの存在になった。川沿いに静かにそびえるスタジアムで、ぜひいつか試合を観てみたいと願う。

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で、サッカーだけでなくブレーメンの街そのものも素晴らしかった。ここでも特に旧市街エリアはやはり見ごたえがあった。

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音楽隊の銅像。物語では結局ブレーメンまで到着しなかったわけだが、彼らはここにずっといて、観光客はみんな馬の前足を触って幸運を祈るのであった。

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この「狭い路地が密集してできあがった古い都市」の雰囲気が良くて、迷路を歩いて散策する感じが楽しかった。

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そしてもうひとつブレーメンでの想い出として、たまたま自分のホテルの近所で、フリーマーケットが開催されていたのであった。
旅先でフリマに出くわすのはラッキーだと思えるので、このおかげで急きょ予定を変更し、半日ぐらいここでウロウロすることとなった。
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グッときたのは、物品の陳列については「ザックリしすぎ」であったことだ。
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もう雨が降ろうがどうなろうが構いませんっていう、この雑多な陳列っぷり。見ていて爽快感すらただよう。
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真ん中あたりに写る、青いギザギザ模様の計量カップを衝動買い・・・。

こうしてすでに買い物にたいするモチベーションも上がりまくりであるが、このブレーメンを拠点にして、翌日はこの旅最大の目的でもあった、ハンブルグへと向かうのであった。


<おまけ>
旧市街地で出くわした、ファニーなキャラクターたち。
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2021年5月23日

ブラウンシュヴァイク・ドイツサッカーの故郷:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その7)

私のこれまでの人生において、映画館で観ていてもっともボロ泣きした作品が、2012年に観た『コッホ先生と僕らの革命』である。

これはドイツにはじめてフットボールというスポーツを紹介しようと奮闘したイギリス帰りの教師と、その教え子たちをめぐる映画なのだが、「この人たちのおかげで、やがてドイツのサッカーが隆盛し、それをお手本にして日本のサッカーも発展していったのだ」と思って観ているうちに、最後のクライマックスのときは(そこまで感動するシーンではないはずなのだが)先人たちへの感謝の念とかがわき起こり、涙がドバドバと止まらず鼻水ズルズル状態になってしまったわけだ。(当時このブログで書いた同作品についての記事は→こちらへ

※でも改めてウィキペディアで調べると、歴史的には実はこのときコッホ先生が紹介したのはサッカーではなくラグビーのルールだったという説もあったりで、私の涙の行方も肩すかしな気分になったりもするが・・・

で、この歴史の舞台となったのが、ブラウンシュヴァイクであり、同地のサッカークラブ、アイントラハト・ブラウンシュヴァイクは当時1部リーグから降格してこの夏から2部で再挑戦するという状況だった。

映画を観て間もない時期だったこともあり、この「ドイツサッカーの心の故郷」とも言えるブラウンシュヴァイクは、今回の旅では必ず訪れておきたい街だった(本当はもっと事前にがっつり調査をして、ゆかりの場所とかを特定していくこともできたはずなのだが、それは次回の課題ということで・・・)。

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ホテルの前。

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▲日本のビジネスホテルであれどこであれ、自分が泊まったホテルの部屋に飾ってあるアート作品はかならず写真に収めるのだが、このときのクリムトの絵は、旅情をかきたてられてグッときた。

駅からホテルまでの界隈は、それなりに普通の街だなーと思っていたのだが、さすがにドイツはだいたいどこも旧市街のゾーンでその歴史的味わいをこれでもかと見せつけてくる。
今でも思い返すに、このブラウンシュヴァイクは普通に観光でゆっくり再訪したいぐらい、とても独特の味わいが充ち満ちていた。

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▲微妙なバランス感覚で成り立っていた建物。

あと、最初この建物の前を通ったときに、どうしてたくさんの人が出入りしているんだろうと思ったのだが、
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入口に近づくと、実はこれはショッピングモールだった。中は普通にモールだった。この旅で初めて出くわした「巨大なモール」だったので、しばらく歩き回った。なぜか店内で一枚も写真を撮っていないので、おそらく当日すごくテンションが高ぶっていたと思われる。

そんなわけで、旧市街地の雰囲気がとてもよかった印象しかないブラウンシュヴァイクであった。

で、翌朝は中心部から少し離れた場所にあるスタジアムにバスで出かけた。

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スタジアム前は集合住宅が並んでいたが、このカラーリングがまた良い。

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陸上競技場併設型の、のっぺりした感じのスタジアムだった。

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ちょうど学校の遠足みたいなノリの子どもたちと同じタイミングでファンショップへ入店。

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で、ここでも良い感じのTシャツがいくつかあったのだが、私はこの旅でザンクト・パウリFCのショップでおそらく大量のグッズを買うことが予想されたので、「あまりムダにモノを買わない」と自制していたのだが、それも今思うと「我慢せずにたくさん買って途中で郵送で送っておけばよかったんじゃないか」と思ったり。
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こういうマイナー系クラブのシャツに限って、なかなか見応えのあるデザインだったりする。

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エナジードリンクのデザインも可愛らしい。

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そしてこの頃から徐々に気になってきたのが、この「洗面台の排水口のフタ」である。どこのクラブでも公式グッズになっていたのだが、最初私はこのグッズの使い方が分からず、こうして(わざわざ)洗面台とセットに展示してあったのを初めてみて、ようやく意味が理解できたのであった。この部分についてはドイツ国内はどこも規格が一緒なのだろうか?

もっと下調べをしていけば、「ここがドイツサッカー発祥の地です」みたいなものを示す史料に触れることができたのかもしれないが、少なくともこのスタジアムの周りにはそういう雰囲気はなかった。それはまた今度訪れるときに備えての宿題ということで、このあと私はブレーメンに向かった。

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▲ 一人だとカフェに入るのも勇気がいるが、この街の「居心地のよさ」がそうさせたのか、ちょっと休憩がてらにカフェラテを頼んでみたり。するとカップの形のとおり両手で持たないと飲めないぐらいの分量で(FAカップかよ!)、日本で飲む3杯分ぐらいあって、うろたえる。

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2021年5月 8日

ハノーファー、ヴォルフスブルグと緑色なクラブを訪れる:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その6)

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ドルトムントでの熱い試合を観たあと。
当時の旅行メモをふりかえると、これからのスケジュールをどのようにしていくか、いろいろと思案していたことがうかがえる。鉄道での移動を安く済ませるためにジャーマン・レイルパスのチケットを使うことが基本となるが、そのためには高速鉄道を利用するたびに駅の窓口で番号札を取ってカウンターで予約する必要がある。しかし真夏のバカンスシーズンゆえにこの順番待ちがいつも混雑していて予想以上に時間がかかっていて、当初考えていたプランも随時変更することとなった。

とにかく「たくさんのスタジアムをめぐる」という妙な目標が先立っているので、このあたり「水曜どうでしょう」的なノリを意識していたことは否定できない。
サイコロを振ることはないにせよ、とにかく事前に調べた地図などの情報(これらはEvernoteのオフラインモードでの機能を使い、あらゆるクラブのスタジアム・周辺地域の情報をタブレットで閲覧できるようにしていた)を何度も見ながらの、行き当たりばったりな旅となった。

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こうしてドルトムントで一泊した翌日、そのままハノーファーにいき、そこからヴォルフスブルグ、夜はブラウンシュバイクにて宿泊するという行程を選んだ。
ちなみに周知のとおりドルトムントの近くにはもうひとつ有名クラブがあるのだが、どういうわけか、当時のメモ帳をみると「これは次回ドイツに来たときに訪れよう」みたいなことを書いていて、おそらくあまのじゃくな自分のことだから、当時たくさんの日本人が注目していたあのクラブについては「まぁ、いっか」みたいなノリで、スルーしたのだろう。決して嫌いなクラブというわけではないのだが・・・

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こうしてハノーファーへ。
中央駅からスタジアムまでは2kmぐらいで、ちょうど歩くのにいい距離感でたどり着くわけで、良い立地条件にあるといえる。

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ここも大きい都市なので、見応えのある街並みがつづく。

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これは駅の近くにあった市庁舎を、南側の公園から捉えた写真。サッカーの試合のあとにちょっと歩けばこういう風景に触れられるのはいいなぁと思う。
ここから少し歩くとスタジアムに到着。

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公園から歩いてきた感覚だからか、そしてチームカラーも相まって、とにかく「緑地のなかにうもれたサッカー空間」のような印象。

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こういう、サポーターによる落書きやステッカーを眺めるのも楽しい。

ファンショップはスタジアムに併設されていた。
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どこをみても「96」だらけ。
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チームカラーが緑色なのに、当時ユニフォームを赤くしたことで物議をかもしていた記憶が。
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ケチャップまで売る。
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ここではTシャツがセールで安かったのでつい購入。

もっとゆっくり街を散策したいところではあるが、すみやかにここから電車でヴォルフスブルグへ。
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駅前の雰囲気でいうと、「ザ・フォルクスワーゲン工場前!」という感じだった。
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でも煙突の立ちっぷりとかは、歴史を感じさせる佇まいであった。
もっと写真を撮っているかなと思ったが、当時そんなにカメラを向けていなかったようで。

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で、駅からこうした工場群を眺めつつ歩いていると、整備されたエリアにスタジアムが見えてくる。

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試合のある日の騒々しさを、想像しながら歩く。

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VIPルームと書いてあるが、デカいバッテン印(?)がお出迎え。

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さすが工業の街、といった整然としたイメージが記憶にのこっている。

ヴォルフスブルグといえば長谷部がいたときにブンデスリーガを制したわけで、そのパネルがあった。
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ちょうど裏手の練習場ではトレーニングが行われていた。
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あまり選手に詳しくなかったので、もっと知識があればかなり楽しめたはず。

クラブショップは、期待通りの緑色だらけ。
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エンブレムのピンバッジが見当たらず、店員さんに尋ねてみたら、奥の倉庫から出してくれた。言ってみるものなのだな。
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ここにもケチャップが・・・
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そしてマスコットのオオカミがヘバっていた。
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ぶらさがるオオカミ。
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ここにもオオカミ。

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ハノーファーとはまったく雰囲気が違って、自動車づくりの工業地帯にある、コンパクトなサッカー公園といった趣きで、長谷部はこの環境からドイツでのキャリアを始めたのね、とあらためて実感。
このあと、ブラウンシュバイクへ向かう。
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▲ハノーファーで出会った、線審にオフサイドをアピールする(ウソ)マルティン・ルターの像。


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2021年5月 4日

ドルトムントでクロップ監督の役者っぷりを拝む:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その5)

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ドルトムントにやってきた。中央駅について上の写真を撮ったと思うが、すでに黄色いユニフォーム姿の人が見受けられる。

この日の夕方に、リーグ開幕前にDFLスーパーカップということでドルトムント×バイエルン・ミュンヘンの試合が行われることになっていて、奇跡的に私はチケットが取れたのである。

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中央駅から電車でほんの少し北にあがって今日のホテル、Senator by Centro Comfortの最寄り駅へ。都会だけど、のどかな雰囲気。

ホテルに荷物を置いて、すみやかに中央駅に戻って、Uバーンに乗りスタジアムへ向かう。

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試合の日はみんなに付いていけばいいだけなので迷わない。

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公園をみんなで散歩し・・・

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すごい人。さっきまでの、のどかな街並みとは違う異世界。

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ついに来てしまったジグナル・イドゥナ・パーク。

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そう、こういう人たちを観に来たのである。

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とにかくすごい人混み。チケットブースで予約していたチケットをゲットし、メガストア店内へ行ってみる。

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あらゆるスケール感がデカい。

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映画館とかライヴハウスのロビーっぽい雰囲気。やや暗めの照明にするのがポイントか。

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ユニが黄色基調だから、タオルマフラーのほうは黒基調のデザインが映える。

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スタジアムをモチーフにした黒い紙袋は欲しくなったが、持ち歩きにくいので買わず。

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自分のなかではハチだと思っているのだが、未だによくわからない生物のマスコットキャラ。

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クロップ監督をモチーフにしたグッズが予想外に少なくて残念だった。

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バーのような雰囲気のユニフォームナンバー貼り付けコーナー。

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子ども向けにミニサッカーで遊べるスペースも備わっていた。

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芝刈り機も売っていた。

私がこのメガストアで見つけたグッズですごく気に入ったのが、ゴール裏のサポーターの写真をあしらったポストカードだった(カードの表面がギザギザしていて、角度によって画像が動いているように見える)。
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やはりドルトムントといえばこの光景だ。このゴール裏をいつか見てみたいと思っていたが、こういう形で実現することになって嬉しい。

こうしていざスタジアム内に入ってみる。
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落ち着きなくカメラを撮るから全部ブレまくっていた。

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なぜか、大量のグミキャンディーの屋台があって、他のスタジアムではなかなか見受けられない展開だと思った。

そうして自分の席に着く前に、ホーム側ゴール裏の様子をうかがってきた。
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うおおおおおお。
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試合開始はもうちょっと後だったはずだが、このゴール裏だけは早めにギッシリと埋まっていた。
(コロナ禍だからよけいに思うが)ものすごい密集度と熱さである・・・あと、このスタンドだけを「一枚板」みたいな形状にしたことがすごく効果的なのである。角度の付け方も含めて。

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自分の座席からあらためてゴール裏を眺める。圧巻。

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こちらはバイエルン側。

リーグ開幕前ということでいやおうにも盛り上がるこの状況のなかで、試合前のアップが開始される。
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私の目の前ではバイエルンの選手達がアップをしていて、場内からのブーイングなどはお約束のもので、周囲を囲むドルトムントサポーターの熱量にシビれまくる。
そしてこの日私がもっとも印象的だったのが、このアップの時間帯におけるクロップ監督の姿だった。

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これである。クロップ監督は、両チームがアップをしている最中、ピッチの中央で、ずっとバイエルン側のほうを眺め続けていたのである

いやぁ~、この光景はヒジョーーに興味深かった・・・ある意味「奇行」ですらある(笑)。リーグ開幕前のこのタイミングで、まるで「自分たちの選手のことは問題ないし、全幅の信頼を置いている」と言わんばかりに、ライバルチームの選手の動きだけをピッチの真ん中からひたすら凝視し続けていたのである。これはバイエルンの選手たちにとってもすごくやりにくかったんじゃないかと思う。どうしたって視線を感じるわけである。
試合そのものの細かいことは記憶から薄れていくのだが、とにかくこの日はクロップ監督の仕掛けた挑発的な心理戦、あの役者っぷりが強烈な印象として残った。
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▲こんな世界屈指のオモシロ監督、なぜもっとグッズ展開させないのだ。

そんなわけで試合前からすっかりお腹いっぱいの気分であった。
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試合はドルトムントが2-0で勝利した。オーバメヤンがゴールパフォーマンスでスパイダーマンのマスクをつけたのがちょっとした話題に。
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当然ながら両チームともに、先日のワールドカップに出場していた各国代表選手の競演となっていて、どこを見てもテンションのあがるスター選手がいたわけだが、特に感じ入ったのがスイス代表のシャキリで、当時バイエルンの11番を背負って、小柄だけど強い体をうまく使ってゴリゴリの肉弾戦を展開していくプレースタイルが面白かった。

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▲試合後の状況。バイエルンファンが先に帰宅を急ぐ感じがうかがえる。

自分もわりと早めにスタジアムを後にした。地下鉄駅の係員から「乗り換えて帰ってくれ」みたいな指示を受けてよく分からなかったが、1日乗車券を持っていて、それなりにちゃんと中央駅まで戻って来られた。
ただ、晩ご飯を食べる場所を探すのが難しくて、こういうときは結局ファストフード系の店にお世話になりがちだが、メニューのオーダーの仕方をよくわかってなくて、どういうわけか「ポテトのみ」となったのが苦笑い。
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そんなわけで、欧州屈指のゴール裏の雰囲気を味わい、最高峰のスタープレーヤーの闘いを間近で目撃し、そしてクロップとグアルディオラの両監督の激突をこの地で観られたことはこの旅のひとつのハイライトであった。


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▲あと、この日のホテルの部屋にあった電話機がかわいかった。

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2021年4月29日

フォルトゥナ・デュッセルドルフ、そしてハイネの家の犬:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その4)

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▲お約束の、朝ごはん食べ過ぎの図。サンドイッチが・・・

デュッセルドルフには結局2泊し、次の目的地はドルトムントである。そのまえに午前中は時間があったので、地元のクラブであるフォルトゥナのスタジアムに寄ってみようと思った。当時は2部リーグで、直前まで大前元紀が所属していたことで知られていた。

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街の中心部からUバーンの列車で郊外へ。どういうわけか、スタジアムのことよりも、このとき路面電車の車内から街並みを観ていたときの印象が強い。

関西でいうインテックス大阪のようなメッセ会場行きの終点駅に着くと、そこにスタジアムが併設されているような感じだった。

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▲いきなりすぐ目の前に。

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▲駅はお客さんがほとんどいないのでちょっと怖かった。

なのでこれこそ駅直結型のスタジアムということで、サッカーの試合やイベントがないとものすごく閑散とした場所だった。
当時はネーミングライツの関係で「エスプリ・アレーナ」という名称だったが、現在は変わって「メルクール・シュピール・アレーナ」となっているらしい。

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こういう看板はあるにせよ、まるで駅ビル直結のホテルとかに移動するかのような雰囲気でスタジアムの入口にいくも、そこにいた係員に「今日は休みだから」みたいな感じで門前払い。グッズショップもなさそう。しかたなく周辺を歩いてみる。

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▲こういう外壁での囲み方も面白い。
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するとここにもやはり近所にはスポーツ施設があり、そしてチームの練習場もあるのだった。
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ここにきて、ようやく「人が集まっている状況」があり、すこし和んだ。
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とくにこの少年ファンが、熱心にゴールキーパーの練習を見ていたのが微笑ましくて。

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いろいろ写真を撮って過ごした。

ふたたび駅から中心街に戻り、あらためてデュッセルドルフを少しだけ観光。

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「ハインリッヒ・ハイネ通り」と書いてある。詩人ハイネ(私はまったく詳しくないのですが)ゆかりの街だそうで、

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そこにハイネの生家の跡地が書店となっているのをガイドブックで知ったので立ち寄ることに。

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長細い店内に、よくみるとイヌがじっと店番をしていた。

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人生でこんなにも「悠然とした」感じのイヌを見たことがなかったほどだ。どんなにカメラを向けても何も動じることなく、ひたすら自分のペースを守っていた。面白がってしばらく写真を撮りまくってしまった。

というわけで「デュッセルドルフの最大の見どころは」と問われたら、「ハイネの家のイヌ!」と私は答える。

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・・・とまぁ、天気もよく、本当はもっとゆっくりしたいぐらい素敵な街だったが、まだまだ訪れるべきスタジアムが待っているので、ここから一時間ほどかけて次の目的地、ドルトムントへ向かったのである。

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▲また行ったらこんな感じで店番を続けているのだろうか。

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2021年4月18日

ボルシアMGのスタジアムでクリストフ・クラマーに会う:スタジアムめぐり旅2014・ふりかえり(その3)

ケルン、レバークーゼンときて、この日の最後はボルシアMGに向かってみる。
ウィキペディアの表記に従えばMGは「メンヒェングラートバッハ」だが、私の場合は「メンヘングラッドバッハ」って発音してる気がする。

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中央駅。時計を見ると15:30に着いたようである。

スタジアムのある「ボルシア・パーク」は、駅からちょっと離れているのでバスで向かうことに。バス案内所みたいなところがあり、わざわざプリントアウトしてくれて、乗るべきバスの情報を教えてくれた。

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▲ab=出発地、MG Hbfはメングラ中央駅、Bstgは今となってはよく分からないので調べたら「乗り場ホーム」のことだった。
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▲バスの切符。

とはいえ知らない場所でバスを乗ると、どこで降りていいか分からない場合が多い。バスのルートマップを案内所でもらえたらそれで対応できるが、おそらくこのときはそういうものが得られなかったのだろう。そして当時はポケットWifiも持たない旅だったのでグーグルマップをオンラインで使うこともできなかったため、私が取った対策は「バス停に置いてある案内をデジカメで撮影しておいて随時確認する」というものだった(でも膨大な選択肢のなかからルートマップを探すよりもこの方法がいちばんてっとり早いので、その後も私はこのやり方を好んで使っている)。以下、7番と17番のバスルートをご参考まで・・・
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こうしてボルシア・パークのバス停に到着。
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向かう先にみえるスタジアム!
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チーム仕様のアウディ!
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で、たまたま私がたどりついた時間帯は、トップチームの練習が行われていた。その脇ではユースチームらしき子どもたちの練習も行われていて、しばし見学。
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で、トップ選手たちにサインをもらうべく出待ちの列もできはじめていた。
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ただこの写真から分かるように、すごく良い天気の日だったのに、このときだけすごく黒い雨雲が急にやってきていて、突発的に大雨になった。
なので、多くのファンがみんなで雨宿りをすることになり、私も一緒になってたたずんでみたり。
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こういう時間、わりと楽しかったりする。

すると練習が終わったようで、選手達がファンサービスをしてくれた。そのなかに私が推しているクリストフ・クラマーが! この一ヶ月前には南アフリカでワールドカップ決勝に出ていたあのクラマーが!(脳しんとうを起こしてあえなく交代になってしまったが)。
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「日本から来たよ~!」「サンキュー」のやりとり。ファンひとりひとりに丁寧に対応してくれた。とはいえ、雨上がりですぐに引き上げたかっただろうオーラはすごく感じたので申し訳ない(笑)。

ところで、このスタジアム併設の建物はわりと気軽に入れるゾーンとなっていて、ロビーではトロフィーが展示されていたり、
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そしてカフェ空間もとても充実していた。
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このときの雰囲気としては、ユースチームの練習にきた子どもたちの送り迎えをしにきた親御さんが多い感じで、こういう「スタジアムと練習場と、くつろげる空間」の近さがとても良いなぁと思った。

スタジアムから少し離れたところにプレハブっぽいグッズショップが。
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ビールの国らしくグラス類も充実。本当はすごく買って帰りたいところだが、旅行中の激しい移動が多いと手を出しにくい。
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▲デジカメでこのグラスだけアップで撮影していたということは、このグラスを買おうかどうか迷っていたのだろう(笑)。
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▲ちなみにアイスクリームも売っていた。

最後には雨もあがり、充実した気分でスタジアムを後にした。
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▲帰りのバス停。ここに限らず周辺もはげしくスプレーでいろいろ描かれていた。

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▲駅に戻り、夕食でケバブとコーラを。当時のメモをみると「店で若者3人がずっと歌っていてうるさかった」とのこと。

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2021年4月11日

ケルン、レバークーゼン:スタジアムめぐりの旅を今さら振り返る

 2014年の旅の記録、その2。

 アムステルダムにもっと滞在したかったが、そこから列車でドイツに入って、デュッセルドルフに向かった。
 
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▲アムスの空の美しさに最後まで魅了されまくり。どこがどう素晴らしいのかをうまく言葉にできないのだが。

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▲この先、さんざんお世話になるドイツの高速列車。

 この頃、初めてタブレット端末を手に入れたことから、この旅では「宿をあらかじめ決めずに、そのつどBooking.comのアプリでホテルを探しながら移動する」というスタイルを初めて試すことにした。そうして駅近くにほどよいホテルが見つかったので、そこで2泊する間に周辺の主要都市にあるサッカースタジアムを回りまくることにした。

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▲デュッセルドルフ駅に到着後の写真、よくみると夜21時ごろに着いているが、さすがに夏場は空が明るい。

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▲ドイツで最初の宿、Novum Hotel Maxim。低予算旅行者にはひたすらホテルの朝食が貴重な食事。

 まず行ったのがケルン。駅を降りたらすぐそこにある大聖堂の迫力に圧倒される。

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▲大きすぎてカメラの画角に収まらない。

 大聖堂は入り口に入るだけなら無料だったので見学もほどほどに、すぐに駅に戻り地下鉄と地上のトラムで1.FCケルンのスタジアムを目指した(このときの旅では「ひたすらたくさんの街を訪れることを優先し、気に入った場所を見つけたら今度またゆっくり時間をとって再訪するつもりで流す」という方針だったが、もう二度とそういう慌ただしい旅はしないと思う 笑)。

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 ラインエネルギー・シュタディオン。ネーミングライツの影響もあるが、たしかにエネルギーを生み出す発電所のようなメカニカルな雰囲気の建築。

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▲味わいのあるトイレの標識デザイン。

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▲ファンショップの中から、スタジアムの内部がうかがえた(はず)。

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▲ファンショップでは大迫と長澤の漢字の入ったシャツが売っていて、買おうかどうか迷ったことが当時のメモに残されている。買っておけばよかった(笑)。

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▲ヤギのグッズ展開も豊富に。

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 次に向かったのがレバークーゼン。

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 最寄りの駅からちょっと歩く。静かな住宅街といった感じで、小川ぞいの散歩を楽しむ雰囲気。いきなりそこからスタジアムが現れ、その近所にも体育館のような施設があった(ドイツではそういう場所が多いことが後々になって分かってくる)。

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▲スタジアムの脇に練習場。あとホテルも併設されていた。

 スタジアムのファンショップは閉まっていたので、調べたらここから別のところ、駅から西側にあるショッピングモールのエリアにも支店があった。オシャレな内装だった印象。

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 この日の午後はここからさらにメンヘングラードバッハに移動したのだがそのことは次回に。

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▲レバークーゼンのスタジアムから小川沿いに駅に帰るときに気づいた。近所のライバルチームの名前がスプレーでイタズラ書きされていた。

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2021年3月27日

2014年に旅したアヤックスのスタジアムのことを振り返ろうと思ったのだが

もはや今後数年間は海外旅行に行けないのかもしれないと、諦めつつある。
行けるときに行っておくというのは本当に大事だよなぁと、後ろ向きな気持ちで過去の旅行写真などを眺めていて、そういえば海外で訪れたスタジアムのことも、まだそんなにブログで書いていないよなぁと思った。

で、そういう「スタジアムめぐり」の旅で自分にとって最大規模だったのが2014年の8月のことだった。長めに休みをとってオランダから入ってドイツにいき、主にドイツの都市をひたすら鉄道で回った旅をした。

最初に訪れたのがアムステルダムだったので、アヤックスのスタジアムに行ったときの写真を並べてコメントしてみよう・・・と思ったのだが、その折にたまたまGoogleでアヤックスのことを調べていたら、そこの検索結果にこのブログの記事があることに気づき、よくみると過去にすでにアヤックスの旅のことを書いていたことを発見。旅行直後に書いていたようで、すっかり忘れている。ぜんぜん覚えていない。

 

なのですいません、のっけからこの企画がつまづいていますが、当時書いたアヤックスの記事は(こちら)。

 

くやしいので、当時のブログに載せていない写真をあらためて・・・(笑)

 

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いきなりスタジアム前で出迎えてくれる、この微妙なポーズの銅像はボビー・ハームスという人で私はよく知らなかったのだが、今回調べてみると、詳細に彼のことについて書かれたブログ記事をみつけた(こちら)。

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スタジアムショップの中。なぜかエンブレムのピンバッジは売っていなかった。スタジアムめぐりの“自分ルール”として「エンブレムのバッジだけは絶対に買う」というのがあって。

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なので近所の屋台で売っていたピンズを代わりにゲット。

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試合前にスタジアムのちかくで食べたケバブの包み紙、おそらく当時このデザインにグッときたから写真に残していたんだろう。

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デザインといえば、ゴミ箱のカタチとかもすごくオシャレだったのである。無造作に並べて保管されていた。上に取っ手がついているということは、そこを機械でつり上げて持って運ぶということになるのだろうか。

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で、試合後のスタジアム周辺の写真。路上にゴミが散乱するのは市街地でも同じだったが、せっかくのデザイン性を誇るゴミ箱のアイデンティティが(笑)

 

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ゴミ箱以外にも随所にデザイン的な面白さを感じさせるスタジアムであった。

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試合後の最寄りの駅の様子。近所に大きなショッピングモールなどもあり、大混雑で帰りにくいという印象はなく。

それにしてもアムステルダムという街は、どこまでもひたすらスペシャルに素敵だった。

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空の雰囲気がこの土地は独特で、そう感じさせる根拠が、『オランダの光』というドキュメンタリー映画。これは空好き・雲好き・オランダ絵画好きにはひたすら強くオススメできる作品。

空だけでなく、街中の建物とかもデザイン性の平均点の高さっぷりが半端無い。

アムステルダムの図書館でもひたすら写真を撮っていた。

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いやほんとガチで住んでみたい街。

あと、友人のFくんが以前訪れて、おすすめしてくれたカフェ・アメリカンというお店がまたよかった。朝食バイキングを食べた。

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この照明のカタチが面白かった。そして天井の高いカフェはやはり好きだ。

・・・と、もはや普通に旅行ブログ状態になるのだが、コロナ禍だからこそ今はひたすら過去を後ろ向きに振り返って心を整えていこうと思う。

 

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▲街中で見かけたお店。「DIYお面」における日本代表候補選手を自認する私としては、このときも目玉部分をくりぬいて良しとしているオランダ人のクオリティにたいして「ふっ、分かってないな・・・」とほくそ笑む。それにしてもお面で売っていいのかという人がちらほらと。

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