KRAFTWERK at なんばHatch 2/25
いつかは通るべき道だと思っていたクラフトワークだったが、結局過去の作品を聴きこむ前に、実物を拝むチャンスが先に来た。いまこうして遅ればせながら「アウトバーン」とか聴いていると、ちょっともったいないことしたなぁと痛感。
それにしても60過ぎのオヤジ4人組が、黒いスーツと赤いシャツ姿で、ひたすらノートPCと鍵盤を前に直立不動のままテクノミュージックを延々と繰り出すという光景は、それだけでテクノの元祖たる説得力があって格好よかった。もちろんそれだけだとあまりにもオーディエンスは辛くなるので、背後にいろいろな映像を音楽に合わせて流していたのだが、いずれにせよ開演前の「カメラ付き携帯電話の撮影はお断りしております・・・」の幾度ものコールが無力化するほど、ビジュアル的には「動き」の皆無なライヴだった(笑)
前にも書いたように、このグループが、かのニューオーダーおよびジョイ・ディビジョンにとっての「起点」としても位置づけられていることに、個人的なこだわりをもってクラフトワークを見つめていた。23歳で死んだイアン・カーティスは、もし生きていたら今もこうしてクラフトワークを聴き続けているのだろうか、と。
独特の「放射能」だとか「ビタミン」だとか「コンピュータ・ワールド」だとか「電卓」といった、工業都市的経験へのまなざしを込めたサウンドは、背景のスクリーンの映像とともに、やたらと胸に残ったし、最新作である「ツール・ド・フランス」へのオマージュは、それはそれで、妙にどことなく牧歌的で、レース的じゃない雰囲気がかえって興味深かった。
それ以上に、アンコールのたびに、緞帳が引いて出てくるメンバー(とかロボット?)のいでたちには、笑いと驚愕を覚えた。ネタのために、これは実際トークの中で使わせてもらうと思ったぐらいだ。だからここでは深く書かない。
あと、個人的経験として、入り口で販売していた関連Tシャツとかの種類が豊富で、しかもデザインがどれも秀逸だったことが印象的。さすがテクノの神様、デザインのネタには困らないというか、うまーくハマっているものが多くて、思わず赤色のMAN MACHINEシャツをゲット。
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