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2004.03.12

くるり 『アンテナ』

 ジャケットに映る濃い青空と、添付のディスコグラフィーを眺めて初めて気がついたが、彼らのアルバムは一貫して青空だったり、海だったり、やたらと青さに満ち満ちている。この世に生きる「空好き人種」のひとりであろう、そんな彼らが京都から巣立っていったロックバンドだということが、個人的に一番好きなところ。京都の低い空は、いつどこで誰と見ても、余計なものがジャマをしないぶん、大きく見えて、美しいから。
 いつでも自分にとってくるりの音楽は、時間が経てば経つほど、そのリアルさが同時進行的に移行するためか、受け止め方が変わっていくので、今のところはこのニューアルバムについてまだほとんど固定的なニュアンスをつかめない。ただひとつ考えたのは、U2のボノがかつて発言したことで、「一晩に5万人の人々に大丈夫だと告げるには、ある種の喪失状態になる必要がある。自己を失うという意味であって、正気を失う必要はないよ」(『ボノ語録』シンコー・ミュージック、1998年、p135)ということである。ラストの「HOW TO GO」を聴きながら、そのことを思い出した。「いつかは想像を超える日が待っているのだろう/毎日は過ぎてく でも僕は君の味方だよ」と言い切るその役割は、今のシーン、いちばん広い意味での「シーン」において、どれほどの重圧であろうかと思ってしまう。あえてその役割を引き受けていくバンドとして、もはやかつてのような「若者的」という冠をわざとらしく付けていた頃とは違った力強いスタンスを築きつつあるような予感がする。

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