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2004.04.16

Number #600

 総合スポーツ雑誌「ナンバー」がついに通巻600号。で、今回の特集「英雄秘話」がかなりよかった。トップアスリートの若かりし頃について詳細に検証するドキュメント特集であり、特に中田英寿、新庄剛志、中村俊輔の特集が面白かった。私の好きなこの3人の生き方を通して共通しているポイントは、「日本人的な規範」、「年相応の規範」といったものを、誰に影響されるわけでもなく、自分の信念に従ってことごとくスルーして自分なりの目標を追求していったことだ。
 そして特にアスリートという枠組みを越えて私が中村俊輔に常々興味を持っているのは、挫折や試練の多い中学~高校時代において、彼が付け出したとされる有名な「サッカーノート」のことである。ノートに自分の目標を書いて、そして日々感じたことやプレーの内容などをコツコツ記録していき、その目標を現実化させる、というこの方法は、あらゆる自己啓発書にも書かれていながら、なかなか真剣に実行する人がいなさそうな活動である。いったい俊輔少年はこのノートをどのような理由やきっかけで付け出したのだろうか? そしてノートをつけるという習慣を誰に教えてもらったのか? あるいは自分で思いついたのか、自然の成り行きで試みたのか? 途中でノートを付け続けるのをやめたことはないのか? 興味は尽きない。これはうろ覚えだが、俊輔がノートに書いた数々の目標は、奇妙なほどその目標設定の期日と一致していく形で現実化していったのである(だからこそ2002年W杯は悔しかっただろう)。そのへんのことは、スポーツの本質とは別のところでもっと広く語られてもいいのではないかと思う。普段から自己啓発的な目的に則ったかたちでメモやノートへの記録にこだわるような私にとって、俊輔はまさに「メモ魔のヒーロー」とでも呼びたくなるアスリートであるのだ(笑)

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Comments

サッカーノート、僕ら部活で付けてた時期あったよ。探せばどっかにあるはず。あれ書くん続けてた子はやはりその後上手くなりました。続かなかった僕は、ファールの仕方など別のところが巧くなりました。

Posted by: toyotti | 2004.04.16 20:25

僕も実は中学時代のバスケ部で、一度だけ先生がそのようなノートをつけて、しかも提出しろ、となった。提出するものだから、やはり内容は無難なものになってきて、当たり前のことしか書かなかったんだけど、実はそのプロセスそのものに、すごい貴重なヒントがあったんだけど、それをつかみそこねたなぁ、と改めて今になって思うのでした。

Posted by: たてーし | 2004.04.18 01:02

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