2010年W杯開催国に南アフリカ
FIFA会長のブラッター氏の政治的思惑により「各大陸持ち回り開催」をブチ上げた結果、どうしても2010年はアフリカのどこかの国で開催することがほぼ決定的となっていた。そして最終的には南アフリカに落ち着いたのだが、以前、ムーチョ熊谷・著『ワールドサッカー漫遊記』(ビクターブックス、絶版)を読んだ印象では、この国はどうしても基本的なレベルの治安が悪そうなイメージがぬぐえないのであった(まぁ、もちろんサッカー観戦目的の単身旅行者、しかも日本人の単独行動というのは世界中どこへ行っても命にかかわる危険に身をさらしているようなものなのだが・・・)。アパルトヘイト撤廃後の約10年の今、失業率が30%、国民の20%がエイズに苦しむこの国、まだまだ解決すべき課題はたっくさんあるはずなのだ。FIFAの示した評価基準の「治安」の項目が、新聞の資料だと「問題ありも開催上はトラブルない」と記されており、それを言い切ってしまえる根性が、この場ではどうにも腑に落ちない。もちろん、実際に行ってみないと分からないことはたくさんあるのだろうけど・・・
先日、オールドトラッフォードで未遂に終わったテロ計画が示すように、実はサッカーをとりまく情勢も、少しずつ以前よりも増して危険度が「変異」している可能性を忘れてはいけない。そしてサッカー界における文化・経済、および「それ以外の面」においても少しずつ蔓延しつつある「北米の影」というのは、実は個人的にもすごく気になっているテーマではある。まさにサッカーの試合がそうであるように、いろいろなプレイヤーの動きが、試合の流れとボールの行方を左右しているがゆえに、観戦者として<or ときとしてプレーヤーとして>の我々は、しっかり試合を見守っていきたい。
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