U2と原爆
『原子爆弾の解体方法』っていうのが、こんどのU2のニューアルバムの題名になるようだ。
日本発売が11月17日。もう前作から4年たっていたとは! そっちのほうが驚き。この4年間・・・ミレニアムを挟んで、どうにも落ち着かない情勢が今なお続く昨今においてU2が歩んだ軌跡を、この新作で力強く示してくれることだろう。
かつて『アクトン・ベイビー』が壁の崩壊の混乱さめやらぬベルリンで録音されたことを思い出す。そしてリリースされた1991年というタイミングは、同時に湾岸戦争~大統領選挙というタイミングと合致して、かのZOO-TVツアーという「反プロパガンダ装置」(思えば、あれはポップカルチャーが率先した最も効果的な“メディア・リテラシー教育”だったような気もする)を武器にしてU2は我々をゆさぶりまくった。でもそこには『心配すんなベイベー』という題名が示すかのような、ある種の「ヒネた感じ」もまた、彼ららしい采配ぶりではあったが・・・しかし時代は巡りめぐって、ふたたびあのZOO-TVのオープニングをリプレイするかのような、フセイン&ブッシュ息子の宿命とはいかに。もはやそこには「ヒネり」が入る余地はなく、もはや直接U2は自分たちの手で爆弾の解体に手を染めざるを得ない、そんな勢いを感じさせてしまうタイトルである。
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