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2004.10.30

京都駅からずっと

京都駅は始発駅であるため、改札を通ると、そのまま目の前のホームに出発前の列車がタテに並んでいる。つまり車両の一番後ろが、改札から一番近い車両になる。急いでいるときは、ついつい改札を抜けたら最後尾のドアめがけてダッシュしてしまうこともしばしばだ。
こういう形式のホームの場合、出発まで少し時間があると、だいたいの場合は空いている車両をそれとなく探しながら、ホームを歩き続ける人が多いだろう。

今日も、夜9時ごろ私は京都駅の改札を抜けた。荷物が多かったので、座りたいなと思っていた。そして出発まで2分ぐらいしかなく、いそいそと後方の車両にたくさんの人が小走りで向かっていく。そして私はかねてから、こういう場合でも、時間が許す限り必ず先頭車両を目指す。

というのも、どんなに混んでいるように見えても、先頭の車両では、まだ席が空いたままであることがほとんどだからだ。

たしかに、今日ばかりはさすがにダメだろうとも思った。車両の後方から、すでに混雑は本格的だった。それでもとりあえずいつものように、最前列を目指した。こうして辿り着いた先頭車両は、見事に空席が残っていた。思わず笑ってしまいそうになった。

こういうとき、いつも思うのである。「多くの人びとは、わりとけっこう、すぐにあきらめる」。
先頭車両を目指してホームを歩き続けると、ひとり、またひとりと、途中の車両に入っていく。改札を通った直後に、たくさんの人が僕とともに同じ方向へ歩いていたが、ホームのもっとも遠い、あの先頭車両まで僕とともに歩き続ける人は、確かに少ないのである。もちろん、座ることにそれほど執着しない人がほとんどなのかもしれない。でもどうせホームを歩いて、わざわざ混みあっている車両を避けているのであれば、いっそのこと、行き着くところまでチャレンジしたらどうだ、と言いたくなる。それぐらい、混みあった後方車両と、人の少ない先頭車両のギャップは、いつも驚かされる。

だから、僕は京都駅のホームに来るたびに、多くの人に「あきらめんなよ!」と言いたくなるのである。
見た目にだまされてはいけない。目の前の車両のほとんどが混みあっているからといって、先頭車両もどうせ混んでいるだろうと、自分で勝手に思い込んで、そこでチャレンジを止めてはいけない、と。
これは日常生活のあらゆる局面にも通じているような気がする。ゆえに僕にとって京都駅のホームというのは、「あきらめない」ことの秘訣を教わる場であるのだった。

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Comments

めっちゃあきらめてました。

実は私が京都駅から教わっていたのは、このばかげた行列を前に早々と諦めて、次の電車に乗るというものです。なぜか?待つという時間的損失を賭してなお、先頭で電車に乗り込み数少ない席を奪取する快楽が忘れられないからです!!

・・・おれってあほや。

Posted by: ヤマーモト | 2004.11.01 05:46

コメントありがとう!

いや、座席の奪取を楽しんでいるのならオーケーでしょうに(笑)
僕にとって悔しいのは、楽しんでもなく、トライすることなく、あきらめるというパターンですね。どこかで楽しみが見出すことができればいいんですよね。

Posted by: タテーシ | 2004.11.03 01:17

 研究を続けるということは、先頭車両を探し歩き彷徨う姿とどこか似ている気がする。結婚も?(笑)
 問題は時間の許す限りということか・・・

Posted by: らくだ | 2004.11.04 12:30

らくだ>
そう、あきらめたらアカン、ちゅーこっちゃ(笑)

Posted by: タテーシ | 2004.11.05 18:29

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