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2004.12.08

ひろさちや「巨人を無視する阪神ファン」

 先日の産経新聞の夕刊に掲載の、宗教学者ひろ・さちやの「正しい応援のあり方~巨人を無視する阪神ファン」のコラムが面白かった。概要を述べると、昨年阪神が優勝した日に、ひろさちやが阪神ファンの若者たちに「かくなるうえは巨人をBクラスに落としたくないか?」と聞くと、彼らは「巨人? そんなん、どうでもええやんか」と答えたエピソードが紹介される。そしてこのような気概は「巨人中心主義」といった構造に「待った」をかける可能性を持っているのではないか、ということだ。つまり阪神ファンにおいては、ファン自らが「球団のオーナー」であるという意識が根底にあり、球団社長や名義上のオーナーを「雇っている」という図式が示されているのである。それを踏まえ、「阪神以外は無視、自分の持ち物だけを贔屓する」というような徹底したエゴイズムが、実はひるがえって球界全体の発展につながるのではないか、という論考である。

 まさに同感である。そしておそらく、ひろさちやの世代になると、Jリーグが「百年構想」という理念で同じようなことを考えていることまでは、なかなか気づいてもらえていないかもしれない。
 たとえば、Jリーグの熱狂的なサポーターの中には、自分のサポートするチームから日本代表選手が一人も選出されなかった場合、日本代表の試合が行われていても「そんなん、ウチには関係ないし、どうでもいいわ」と思えるメンタリティが、確実に育っている。
 だから逆に、自分のチームから代表選手が輩出されたら、そのサポーターも瞬時に「日本代表ガンバレ!」と声を張り上げるだろう。そして、それこそが健全なあり方だと、私は思う。「なんだよ、ついこの前まで、オマエは日本代表をちっとも応援してないじゃないか! そんなヤツに応援をする資格はない!」なんていうつもりは、これっぽっちもない。
 自分のチームからたくさんの有力選手が日本代表に選出されると、その過密日程にゆえに、サポーターはチームに戻ってきた選手のコンディションを気にする。そして、代表と同じぐらい、クラブチームでのパフォーマンスを全力で発揮するよう、選手を叱咤激励していく。
 また、自分のチームから日本代表に選出されるような人材が乏しければ、いつか期待できそうな選手が育つよう、チーム全体を叱咤激励していく。 
 こうして、いずれにせよ各地で、サポーターは我がクラブをレベルアップさせていくわけで、これがJリーグの姿だろうと思う。自分のチームのことだけ考える人たちの競演である。そしてそんなサポーターたちが、クラブチームを構成する第一の要素だと思える。親会社がどうのじゃないのである。代表選手を全チームからバランスよく選出している場合じゃないのである。特定のチーム、特定のカリスマだけにバランスの力点を託している場合じゃないのである。ファンを、サポーターを・・・

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