地下道の写真
自分の住んでいる町には大きな駅があり、線路をくぐる地下道がそばにある。自宅から駅にいくときは、いつもそこを通っている。
長く住んでいると、なんてことのないただの地下道も、想い出に満ちた場所となる。しかし毎日通っていると、そういう想い出も次第にどこかへ消えてしまいがちになる。
先週あたりから、泥臭いこの地下道が補修工事されようとしていた。片側に二つある出入り口のうち、片方が塞がれてしまい、不便を感じつつ、「ここも変ってしまうのか」と思うと、今まですっかり忘れかけていた想い出が日に日に意識されてしまう。
そういうとき僕はいつだって「写真に記録しておこう」と思ってしまう。でも、なんとなく、毎日忙しく通る道にカメラを向けることができないままでいた。
そして今日の帰宅途中、地下道を見やるとついに両側の通路も塞がれてしまい、工事中のバリケードの向こうに、あの泥だらけの暗い地下道がわずかに見える程度になっていた。「あぁ、もう二度とあの頃のままの地下道には入れないのだな」と、写真一枚すら撮らなかったことを、少し残念に感じた。
僕はそうやって、すべてが終ってから、いろいろ後悔する。「今に生きる」ことを信条にしつつも、どこかでやっぱり、おもいきり後悔を重ねている。地下道の想い出は、またひとつそうやって後悔の重みを教えてくれている。
Comments
インカ料理、店潰れないうちに行きなって(笑)
一人で行くと、インカについての講義を受けれるよ。こっちの話は聞かないおやじから。
Posted by: toyotti | 2004.12.23 00:41
私は忘却を選ぶ。
Posted by: hanachirusato | 2004.12.23 19:18
↑ああ、なんか機嫌の悪い人みたいでスマン。
Posted by: hanachirusato | 2004.12.23 19:28
実はオチがありまして・・・
今日の朝地下道をみると、再び片方の通路が開いていて・・・つまり、昨日の場合は「夜間通行止め」みたいだったようで・・・ええ、撮りました。写真。たくさん。
toyotti>
あのインカ料理店に一人で入るほどの勇気はありません・・・閉店したとしても、まぁ、そんなに後悔は、しないだろうなぁ~!?
hanachirusato>
忘れられない想い出があるからこそ苦しい(笑)
Posted by: タテーシ | 2004.12.23 23:26