今シーズン最初の大一番
アーセナル 2-2 チェルシー
スカパー解説の粕谷氏が、(チェルシーの試合において珍しく)「内容の濃い試合」と讃えた。異論なし。その直前までやっていたトヨタカップが、確かに最後まで手に汗握る試合ではあったものの、どうにも消化不良な内容だっただけに、このロンドン・ダービー=リーグ首位争いの「殴り合いの攻めまくりドロー」は、掛け値なしにスカッとするハイテンションな好ゲームだった。まずはそのことを記しておきたい。
シーズンのうち「何があっても、どうしても観ておきたい試合」というのは3つか4つは毎年出てくる。そのうちのひとつが昨日のこの試合だったわけだが、いきなりアーセナルは試合開始直後に左サイドからヘッドでつないで落としたボールをアンリがもんのすごく綺麗なトラップで止めてすばやく足を振りぬいて、あっというまにスコンと一撃食らわせたもんだから、いやはや、参りました。
そしてさらにゴール前フリーキックのチャンスを得たかと思うと、チェルシーの壁が整うまでのグズグズを見計らい、審判の動きをしっかり踏まえたアンリがスコンとゴール隅にさっさとボールを蹴りこんで、チェルシーFCの面々を、ロンドンの大都会に放り込まれた田舎者集団のような気分にさせてしまうあたり、いやはや、そのしたたかさに、参りました。いやー、なんか、すごくマヌケっぽいやられ方で、ミョーに面白かったから許す、って感じだった。そのあと執拗に抗議してしまったロッベンがイエローカードを食らっているあたり、さらに田舎者っぽさが増して、それもなんか妙に微笑ましかったほどだ。がんばれロッベン・・・君は確かに昨晩はアーセナル守備陣の人気を独り占めしすぎて完全に抑え込まれていたかもしれないが、一度だけ魅せた、あの相手DF3人ひきつれてあれよあれよとゴール前までドリブル突破してシュートまで持ち込んだあのシーン、あれはさすがのベンゲル監督も慌てふためいたはずだ。何より応援しているこっちまであわてたほどだ。
さて、チェルシーもこの日はたくましくアーセナルに立ち向かい、テリーのヘッドで1点返し、そして後半開始早々、グジョンセンが魅せた。「普通ありえない反応」でボールに頭から飛び込んで、普通ありえない弾道を描いてボールがゴール隅っこにホールイン。
(写真はBBCのサイトより)
この、「ミョーな決定力」こそがグジョンセンの真骨頂だろう。もはや誰も真似できない芸風に彼は位置しており、それゆえにモウリーニョ監督も彼を使い続けるのである。
しかしまぁ、それにしても・・・アーセナル、17歳のスペイン人・セスク・ファブレガス。こいつは本当に何者なんだろうというぐらい素晴らしい。怪我人多発などのチーム事情により最近よくスタメンで登場するが、こんな超A級大一番の試合でセンターMFに陣取って、あんな冷静に精度の高いボールさばく17歳って、なんやねんそれは!?(笑)さすがバルセロナのユースから引っ張ってきただけはあるのだろう。今後とも要チェックや!
(写真はBBCのサイトより。あえて小さく表示しているのは、悔しいからである。ウソ。クリックで拡大します)
さて、次にチェルシーがアーセナルとリーグ戦で闘うのは、リーグ終盤、第34節・・・4月20日だ。舞台はチェルシーのホーム・スタンフォードブリッジ! 果たしてその頃、順位表はどうなっているやら!? あー、この試合のチケットって取れるかな?(笑)
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