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2005.01.04

宗教について

「宗教心」は大事だと思う。そして「宗教」のほうは、宗教心に比べれば、そんなに大事じゃないかもしれない、と思っている。
「宗教心」は、私にとって、自然に触れて感じる畏怖の念だったり、ご先祖様を敬う心だったり、食卓に並ぶ切り身の魚が海にいた頃を想像する子どもの心だったり、そして神秘的な体験や奇跡的現象にたいするときの心性だったりする。
「宗教」は、それこそいろいろありすぎて、それは明らかに人の手で構築されたものである以上、誰にとっても実はビミョーで、なんとも言いがたいものだと思う。

昔、森岡正博の『宗教なき時代を生きるために』を読んだ。この本で彼が言いたいことは、ただひとつ、「『ある宗教が奇跡的・神秘的現象を起こしました、だからこの宗教の教義を信じなさい。』ということは、そもそも論理的に間違っている。だから、どうかそんな短絡的な論法に乗らないように、冷静に判断してくれ!」ということだった。私はこの意見に触れて、心底ホッとしたのを覚えている。はじめて私は「宗教心」と「宗教」が別物であることを自信を持って意識できるようになったからだ。

というわけで、私はおそらく今後もずっと、「自分の宗教心」は大切にするが、「自分の宗教」にはニュートラルな態度でいようと思う。
そういえば、私の敬愛するダグラス・クープランドの小説『神は日本を憎んでる』の書き出しは、そんな私にとって(さらに、小説世界の対象がよりによって我々日本人の若者だということも含めて)とてもリアルで当事者的だったのだ。

「高校生活最後の年に、クラスでかわいかった3人の女子が宗教を見つけた。」

うむ、そうなのだ、「宗教」はやはり誰かによって「構築」されて、どこかで「発見」されるものなのだろう。

と、ここまで書いて、ふと思う。
私はたしかに「宗教」を持たないつもりで生きているが・・・・でも私は、疑いの余地なく、サッカー界における「チェルシー教」の「信徒」じゃないか? と。

あぁ・・・結局は今日もまた、あらゆるものは、結局のところ、フットボールに収斂していく・・・

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