ピンク・フロイドの奇妙な偶然の一致
ピンク・フロイドの諸作品は、ある特定の映画作品との間に「シンクロニシティ」が起ることでたびたび話題になる。私が実際にトライしたのは、「2001年宇宙の旅」と、アルバム『おせっかい』収録の「エコーズ」とのシンクロだが、確かに「エコーズ」のラストにおける「コォ~・・・」といった残響音?と、映画のラストに流れるなんともいえない効果音とのハマりぐあいなど、「うひゃーー、これ絶対ワザとだろう?」とか思わせるものがあった。そのへんかなりマジメに追っかけている方のサイトはこちらである。
そのほかの有名な事例として映画「オズの魔法使い」に対するピンク・フロイドの『狂気』のシンクロがあるのだが、今ネットで調べたら、他にもフロイドでは『炎』に対する映画「ブレードランナー」のシンクロもあるらしい!(こちら)。ここまでくると、ピンク・フロイドの作品を使って、とにかくシンクロしそうなネタを探した結果の「こじつけ」なのでは? と疑ってしまいたくなるような気にもなるが、ピンク・フロイドのメンバーの側が一切これらの奇妙な関連を否定している限り、この手の「神秘性」には、どうにも払いのけがたい「魅惑」もまた、存在する。(と同時に、なぜこのテの話がフロイドの作品に集中するか、という時点で、このバンドのもつ“独特のポジション=商品価値”もなおいっそう強化されていくわけだが)
でももしかして、作り手の側にとっては本当に「たまたま」だったりもするんだろうか、と考える。そっちのほうがよっぽど魅惑的でもある。つまりあらゆる人の営みが、実は意外なところで、「そんなの馬鹿馬鹿しいよ!」と思われるぐらい微細なところで連関しているような可能性。そういうことは、みなさんの日常にもあるのではないかと思う。そして、そんな些細なところに、ちょっと気を利かせて何らかの意味を見出していくことが、人生における隠し味にもなったりするのだろう。
イタリアかどこかで、ご主人のお墓参りをしていた奥さんが、墓地で捨てられていたサッカーくじのハズレ券を拾い、それ以来ずっとそのハズレ券の筆記通りに買い続けたら、数年後に見事全試合的中させた、という話がある。こういうエピソードは大好きだ。
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