ROXY MUSIC
先日描いたマンガ「モロゾフの論客」の登場人物である手品師の髪型は、以前からこういうイラストを描くときに好んで描きたくなるパターンの形であったのだが、その原型は何かと自問すれば、それはロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーに行き着くんじゃないかと思い至った。
そこで、かつて私が雑誌で見て猛烈にインスパイアされた、デビュー当時のフェリーの写真と同じものをネットで探したら、見つかった。うれしくなった。
どうよ、この髪、この服装、この背景、そしてこの表情(笑)。
でもこれこそが、フェリーおよびロキシー・ミュージックというバンドの魅力なんだろうと思う。
今でも好んで聴くことがあるのだが、でもどっちかというと、このバンドが放射する、妖しさとケバケバしさが素敵だと思う。
そんなロキシーで、未だに気になっているのが、ボックス・セットの存在である。
というのも、ボックス・セットのジャケットの写真が、ロキシーにしては妙にクールだからである。
いや、クールなんですって、これが(笑)。というのも、ディスコグラフィーを見れば分かると思うが、ロキシーのアルバムジャケットというのは、ことごとく「意味もなくセクシー美女登場」系なものばかりであり、しかも今の時代からみると、どうしてもまともに見てられない感じのものだらけなのである。それを思うと、この写真は顔だけをフューチャーしているため、落ち着いた印象があって、なんだかハッとさせられる厚みを感じるのだった。
しかもこの写真は、実物でみると若干ピンぼけ、ブレ気味なのである。それがなんともいえないムードを演出している。ボックスセットの大事な表紙が、そんなふうに「ちょっと不明瞭」な美女の写真というのが、なんだか「ケバケバしいロックバンド、ロキシーミュージック」のはっきりしすぎるイメージをうまーく神秘的につつんでいるような、そういう感じがする。
そういえば「More than this」はついこの前まで車のCM曲になっていた。後期ロキシーは誰もが知っているヒット曲もあったり、かと思えば初期ロキシーは、ブライアン・イーノがオリジナルメンバーだったり、あと上の写真でもあるようにほとんど未成年だったはずのエディ・ジョブソンが電子バイオリンを弾いていたり、考えてみたらとんでもないバンドだったんだなぁと再確認。
Comments
この写真、首に巻いてるのヘビやねぇ。新しいセクシーさでも求めたのでは?
Posted by: TY | 2005.03.26 00:58
たしかによくみるとヘビかも!? ヘビ柄っていうか。
なんか、図像学とかやっているみたいに、こういうビジュアルもしっかり凝視してみていると、なんかテレビとかでやってる話題の「ダヴィンチ・コード」みたいで楽しい。
Posted by: タテーシ | 2005.03.26 23:35