くるりのりんご飴的サイケデリックブレークファスト
くるりの曲で一番好きなのは「りんご飴」である。
アコースティックギターとピアノの伴奏が、ノスタルジー感たっぷりでまろやかーに広がっていく感じ。
そして私の最も大切な音楽であるピンク・フロイドの『原子心母』のラストを飾る「アランのサイケデリック・ブレークファスト」という曲がかもしだす、「日常性のなかの神秘」を想起させる。それは、何気ない、なんでもないような世界において、ちょっと遠くで鳴るピアノの単音が、思い出したくても思い出せない絶対的に遠い記憶をふいに結びつけてくれるんじゃないか、と思えるような感覚である。
くるりの曲も、「生活感」がもたらす微妙な味わいっていうのが堪能できる。「りんご飴」の曲における「どんな味か思い出せないあの夏のりんご飴」というモチーフに、「絶対的に遠い記憶への憧憬」を、やはり感じるのである。
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