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2005.05.17

振り返らない女

駅の自動改札機を通る際、思わぬときに「通せんぼ」されること、皆さんもよくあるかと思う。
往々にして切符を間違えたり、うっかり乗り越し精算を忘れたりすることがその原因だったりもするが。

先日も、大きい駅の改札口で、ドッと我々が押しかけるその自動改札機で、前方にいた女性が自動改札にひっかかった。
そうなると後続の列は勢いをそがれて急ストップをかけ、硬直した一瞬のひとときが訪れるわけだ。
よくある話だと思う。

しかしその日は、ちょっと違った。

自動改札に止められたその女性は、後ろを一切振り返ることなく、むりやり「ムギュ~」と二枚のあのトビラをこじあけ、なんとか脱出し、その後、切符を確かめに駅員さんのところにいったのである。

つまりどういうことかというと、彼女は後ろを振り返って、後続に並ぶ我々と「顔を合わせる」ことを避けるべく、そのような無謀な突破を果たした、としか思えないのである。(あくまで推測だが)
後ろを振り返り、イラつく我々と対峙するぐらいなら、顔を見せないまま、目の前の防壁をどんな手段を講じてでも突破するほうがマシだと・・・「そんなん、平然と後ろを振り返って、肩をすくめるなり、チッと舌打ちするような感じで戻ってくればええやんか。誰も怒るわけじゃないし」とかなんとか思うわけだが。(でも、あのドアをムギュ~と突破する苦闘の時間に比べれば、素直に振り返って戻ってきてくれたほうが、よっぽど時間のロスが少なくて、僕らも助かるんだけどね!!)
そうだとすれば、なんだか、これはどことなく「現代的」かもなぁ、とそのとき思った。とりわけ女性特有の「ある種の状況において断固と発動される“美意識”」みたいなものを、どうしても感じる。

この話とはぜんぜん関係ないとは思うのだが、今日のニュースで、我が娘を殺しながら「子育てに自信がなかった」と供述している母親の姿が報じられているわけで、子育てに自信はなくとも、殺人を平然とやってのける自信だけはあったのだろうかと思わずにいられないわけで、なんだか、このごろ、「ある種の状況において断固と発動される各々の“美意識”」のなかに、落ち着かないものを感じるようになっている。

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Comments

美意識すなわち自意識だよね。
後ろの人たちの尋常じゃない苛立ち方も表裏をなすものという気がするね。
失敗できない病とでもいうのかな。
今の日本の閉塞は完璧主義社会にも一因があるような気がするんだけどね。

Posted by: isaac | 2005.05.20 at 21:47

コメントありがとうございます。
ほんと、「失敗できない病」であり完璧主義ですね。
電車が遅れて乗り継ぎができなくっても、それぐらいでムカつくことはないわけで・・・別に遅れてもええやん、と。とくにこの一ヶ月は思いますよね。なんか、キツキツな世情が生き難いです。

Posted by: タテーシ | 2005.05.20 at 23:43

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