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2005.06.27

『道は開ける』をあらためて読む 第4章

第4章「悩みの分析と解消法」

最初に力説されるのは、客観的に悩みに関する事実を集め、分析していくことの重要性。
コロンビア大学ホークス学長の言。「この世の悩みの大半は、判断の根拠となる知識が十分でないのに、あえて判断を下そうとするから生じる。」

そしてカーネギーはこう付け加える。悩んでいるときは感情が高ぶっているから、公平で客観的な態度でいることは難しいかもしれない。そこでこのようなアイデアが提案される。
1.事実を把握しようとする場合に、情報集めは自分のためではなく、誰か他人のためなのだと思うようにする。
2.自分を悩ます問題について事実を集めている間は、自分の立場を反対側にたって反証しようとする弁護士のようにみなす。つまり自分に不利だったり直視したくない事実のすべてを把握するように努める

こうして集めた事実を分析・解明していくわけだ。そのための四つの段階が、

1.悩んでいる事柄を詳しく書き記す
2.それについて自分にできることを書き記す
3.どうするかを決断する
4.その決断をただちに実行する

・・・うーん、改めて自分で書いてみると、なんて単純なことを言っているんだろうと思えてくるのだが(笑)、でもこれを本当にちゃんと踏まえて実行できる人は、やはりそうそういないんじゃないかとは思う。

ところでこの章で挙げられている実例には、戦時中に資産を清算すべく日本軍の将官が乗り込んできた保険会社の経営者の話が紹介されているが、悩みに悩んで、上記のプロセスを踏まえ、すんでのところで拷問を逃れたエピソードはいつ読んでも迫ってくるものがある。あらぬ疑惑をつきつけられたとしても、「何も知らないふりをして次の日には出社してみる」という判断を下すためには、上記のようなプロセスを踏んだおかげだ、ということだ。

さてカユイところに手が届くカーネギーの筆は、最後にこうしめくくる。「要するに、事実に基づいて慎重に決断したならば、行動に移れということだ。もはや思いとどまったりするな。露ほどのためらいや不安を感じてもいけないし、やり直しも許されない。ひとたび自分を疑いだしたら、また別の疑いが生じてくる。もはや肩ごしに後ろを振り返ってはならないのだ。」

行動することの重要性、あらためて説き伏せられるものの、これができたら、ほんと、悩まなくていいんだよなぁ、何においても・・・

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