広告批評五月号「キューピーのクリエイティブ」
前にも書いたように、日本における企業広告の最もハイセンスな例は、キューピーマヨネーズだと信じている。
毎度やってる「CM好感度調査」では、やれ単なるウケ狙いだったり、話題性だけだったりするCMがどうしても僕らの印象に残ってしまい、そのノリがランキングに反映されているが、何度でも言う、もっと僕らはキューピー社のCMをホメ讃えるべきなんじゃないか、と。
・長く続ける
・不変のメッセージ性を表現する
・センスよく、かっこよく、オシャレである
これって、僕にとっての「理想のロックバンド像」にも当てはまるが、キューピー社のCMはこれらのポリシーを徹底して守り通している。それでいて、古くならない。これは奇跡的なことである。
今回このような記事を書くのは、先日トークマン氏(仮名)からいただいた、「広告批評」の五月号が、なんとズバリキューピー社のCMについての特集号だったからだ。
これはもう、キューピーのCMファンにはたまらない内容で、過去の名作CMをあますところなく紹介し、40年にもわたる、一連の広告活動に最大限のリスペクトを表している。
会社そのものも80周年を迎えたらしいのだが、そうなると、創業から半分の月日を、同じクリエイターチームによる、不変のメッセージ性を社会に発信しつづけたことになる。いやはや、えらい。えらすぎる。食品の広報なんて、それこそ方向性なんてコロコロ変わってしかるべきなのに、この一貫した姿勢を貫き、かつ抜群にセンス良くやり遂げるっていうのは、世界的にみても誇れる例なのではないか。
うむ、確かに僕のスタンスは、基本的に「マーケティングなんて大嫌いだ」というものである。ただ、それだからこそ、キューピーのような「良心的」な存在に、強い興味をかきたてられる。
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