『道は開ける』をあらためて読む 第2章
第二章「悩みを解決するための魔術的公式」
ここではウイリス・H・キャリアという人が若い頃のピンチに対して実践した、不安解消のための法則が紹介される。
1.状況を大胆率直に分析し、最悪の事態を予測する
2.生じうる最悪の事態を予測したら、やむをえない場合はその結果に従う覚悟をする
3.それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう冷静に自分の時間とエネルギーを集中させる
言われてみるとなんてことのない、公式というにもなんだか単純すぎる話ではあるが、要するに
「悩みにつきものの最大の欠陥は、私たちの集中能力を奪ってしまうことです。ひとたび悩みはじめると、気持ちが絶えず動揺して、決断力が失われます。しかし、自分の目を無理やりに最悪の事態へと向けさせ、それに対する心の備えを固めれば、妄想はことごとく消え去り、問題解決のため全力を集中できるような立場に自分を置くことができるのです」
というこの箇所がこの「ウイリス・H・キャリア公式」のなんたるかをうまく説明しているだろう。
ちなみにこのウイリス・H・キャリア氏とは、この本によると空調産業を開発した天才技師であり社長さん、とのことで、つまりはいわゆる「一般人」なわけであり、別に悩み解決を研究している人でもカウンセラーでもないわけであるが、こういう市井の人のアイデアに惜しみなく光を当てる、カーネギーの執筆姿勢にも感じ入るものがある。
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