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2005.07.08

『道は開ける』をあらためて読む 第9章

第9章 「避けられない運命には従え」

うーむ。
こんなテロの翌日ではあるが、「避けられない運命には従え」ときた。

私たちは長い人生を歩むあいだに、どうにもならない不愉快な立場に立たされることが多い。それはどうにもしようがない。選択は私たちの自由である。そういう立場を天命として受け入れ、それに自分を順応させることができるか、あるいは、一生を台無しにしてまでも反抗し、神経衰弱になるかいずれかである。

柔道の達人たちは、「柳のように曲がれ、樫のように抵抗するな」と教えている。自動車のタイヤが道路に逆らって、ひどい目に遭った話をご存知だろうか? 初期のころタイヤ製造業者はタイヤを作る際に道路からの衝撃に耐えうるものを作ろうとした。そのタイヤはボロボロに裂けてしまった。次に彼らは道路からの衝撃を吸収してしまうタイヤを作った。このタイヤは「よく耐えた」。私たちも人生の難路につきものの衝撃や動揺を吸収する方法を学びさえすれば、より長く、いっそう快適なドライブを楽しむことができるだろう。

いろいろなことを考えてしまうわけだが・・・たとえば「ノーガード戦法」の怖さとか(笑)、F1レースのピット作業において、クルーたちの作業がもたついて、2位との差が一瞬にパーになって追い抜かれてしまったものの、そのあとの落ち着きはらった鬼神の走りで、ギャップをジワジワと挽回していって最後には追い抜いて優勝してしまうときのミハエル・シューマッハーの姿だったりとか。
あのときのシューマッハーが、たとえばヘルメットごしに、クルーにむかって「なにやってんだ!チクショー!」とか怒鳴っているようにはやはり想像できないわけで、その後のスムーズな、かつ鬼のような走りをみるにつけ、もはや一瞬にして頭を切り替えて集中をそらさないようにしているような印象があるわけだ。さすが“皇帝”だなぁ、と。些細なことでいちいちジタバタしていないんだよ、皇帝にもなれば(笑)。

あるいは、審判の判定に血相を変えてまで抗議しない中田英寿の姿とか。彼が食い下がっているシーンなんてみたことがないわけだが(ちょっとみてみたい気もする)、そういう意味で私は彼の「スタイル」が好きなのだ。(彼の場合、血相を変えて抗議するのは審判ではなく、日本代表の選手たちなんだよな・・・最近の“鬼軍曹”的なヒデはめっぽう好きだな。なんか“ロイ・キーン度”が高騰して、“おっかね~”感が増して面白い)
「審判に何か言っても、得することなんてひとつもないから」と言い切る中田英寿。これもある意味「避けられない運命に従う」姿ともいえよう。

で、「自分はどうなんだ」となったときに・・・これもなかなか難しい。どうしてもこだわり続けてしまうものがあるよなぁ、と。

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