幻の一歩手前、夢の一瞬先
いつか作ってみたい本がある。
民俗調査の収集のように・・・
博物誌のように・・・
世界のサッカーチームのエンブレムを収集した本だ。
世界中のあらゆる地域で浸透したほぼ唯一のスポーツであるサッカーは、「チーム」という単位のもとで成立し、その存在を象徴化するために、かならずといっていいほど「エンブレム」が表現される。それは歴史的な変遷をたどることもあるわけで、エンブレムの収集は、比較文化の視点でも、そして図像・シンボルへの分析的な視点から考えても、格好のネタになるわけだが。
しかし、ここ数年来の、私の(ある種いいかげんで散漫な)文献調査においては、そのような視点から作られた本は、日本はもちろん、海外でも見出すことができなかった。
ところが、である。
いきなりヴィレッジ・ヴァンガードでこんな本に出くわした!
ついに・・・ついに現われたな、と思った。
くやしいなぁ、先越されたなぁ。
もちろん、この本も必ずしも「全世界のものを網羅した」とは言いがたいわけで、やはり書籍の形でまとめるには、標本対象が多すぎるから、なかなか難しそうである。
こういうネタは、今後はやはりIT技術におけるデータベース化のなかで築かれていくものなのかもしれないが。
それでも、とにかく紙の本の形で、「サッカーチームのエンブレム」だけにこだわった書籍が誕生したことを、今は控えめに喜んでおきたい。
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