古くなったクリアファイルの活用方法
仕事場では、年末年始にかけて2つの公開講演会やらシンポジウムがあり、その準備におわれているところである。そんな状況において、日々たまっていく資料をある程度整理するためには、クリアファイルを使わざるを得ない。
で、経費節約のため、仕事場に昔から放置されていたらしい古いクリアファイルを発掘し、それを再利用して使っている。
だが、このファイルが実に汚く、透明部分が黄ばんで変色し、そしてクリアファイルのビニールにつく独特の白いキズみたいなのも、みっちりとまんべんなくついている。
文房具に多少のこだわりを持っている私としては、さっさと新しいクリアファイルを導入したいところであり、今使っているクリアファイルは、しょせん「一時しのぎ」のつもりで使っていたのだが・・・
今日、仕事の合間にそのクリアファイルを取り出して、今手がけている仕事についての書類をパラパラとめくって眺めているうちに、突然スパークするものを感じた。
あたらしい仕事の書類が、どことなくレトロな雰囲気に見えてくる(笑)
いまクリアファイルに入っている書類は、1ヵ月や2ヵ月後に用意されている未来の出来事についての記録であるのだが、なんだかそういう書類たちが、この黄ばんだボロボロのクリアファイルに収められていると、それらが「かつて起った古い出来事の集積」を再認識させてくれるような、微妙に心地よい感覚をもたらしてくれるのだった。
それは驚きに近い発見であった。まさにそれは、私にとってピンク・フロイドの古いライブ音源の海賊盤を聴くときに感じる「密かな快楽」に近いものがあった。微妙な、ビミョ~な、心地よさ。「古いアーカイブ」のみが発することのできる、時空間を越えた「何か」を、自分の生々しい「今」が捉えていることの「密かな快楽」みたいなもの・・・そういう感じをあらためて発見したのであった。
古いクリアファイルを使うことで、なんてことのない「今のアーカイブ」を、強引に「古く」させ、そういった感情をかきたてることができる・・・そうなると、私にとって「うまい具合に古ぼけたクリアファイル」は、ひるがえって「お金を出してでもほしくなる逸品」と化すんじゃないか・・・と、そこまで想像してしまう。
書類棚の奥で忘れ去られた、どうしようもなくボロボロになって変色している空っぽのクリアファイル。
たぶん、この世にたくさん存在しているんだろう。
今の僕なら、それらをフルに活用できそうな気がする。
Comments
なるほど。
ではいっそ、iPodやケータイなども、地面に落として軽く踏みつけて傷だらけにし、レトロ感を出すのはいかがでしょうか。
レトロとオンボロは紙一重ですね。
Posted by: ばろっく | 2005.11.17 23:36
やっぱ、姉弟だね。
私のヘアアイロンは、かれこれ15年使っていて、取っ手がひび割れ、アイロン部の鉄板が外れたり危険な状態なんだけど、中の機械はちゃんと機能してるし、今も使っているねんけど・・
15年、色んな思い出が詰まってるんよ。
でもただの貧乏性かも。(笑)あはは^^
Posted by: tomo | 2005.11.18 10:04
何かと整理することの大切さを感じる一年であった。
フィールドワークというのは、資料化されて初めて成功したといえそうだ。
ただの自己満足にならないように、資料から発見したことを書くか、話すかで言語化しないと、実はいみなかったりする・・。
その意味では、ただ人に会えたから新しいことを知ったからというのは、理解できていないということだよな。
どうでもいい独り言だけど。
Posted by: かほり | 2005.11.18 12:51
ばろっくさん>僕の場合、普通に使っているだけで、電化製品はレトロ化が急速に進んでいて・・・
姉>たのむから、電化製品に関しては、感電に気をつけるように。
かほりさん>そういや、資料を「整理」するのと、資料を「資料化」するのは意味がまったく異なっているという話を以前しましたよね。
Posted by: タテーシ | 2005.11.18 21:02
ジーンズで言うダメージ加工や、古着感覚かなぁ?放っといたらレトロになった‥、小学校の時のカビパン騒動思い出した。。。違うか(笑)
Posted by: toyotti | 2005.11.19 16:04
「古さ」は、得てして電化製品だったり食品だったり、人体に直接影響ありそうなものは、「さっさとよけて!」って素直に思います、ハイ(笑)
Posted by: タテーシ | 2005.11.20 00:26