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2006.01.29

漫画バトンのかわりに

サヨコさんから漫画バトンを受け取ったのだけれど、じつは以前もこのバトンを書いていた。

で、すごくいいタイミングで、私にとってオンリーワンな漫画家の待望の最新刊が発売されるので、今日はこの記事で、バトンに代えさせていただきます。

そう、桜玉吉の『御緩漫玉日記』の2巻が発売されるのである。(一部では、すでに発売中とあるらしいが)

この1年、まったく『ビーム』誌も読んでいないので、いったいその後の玉吉氏の周辺事情がどうなったのか、あるいは今回のメインテーマ?でもある「過去の思い出話」も、いったいどうなっているのやら、まったくわかっていない。ただ、ときおりネットで噂に上るとおり、玉吉氏の入院だったり、ビーム編集長O村名義で漫画を描いたり、といった断片情報だけはキャッチしてきた。
そんなわけで、あえて1年間「玉吉作品封印」を続けていたぶん、今回はドキドキである。

実は昨年末あたりから、「そろそろ単行本が出るだろうな」と思い、そのことを忘れまいと、私のノートPCの壁紙にも、玉吉氏の描いた何気ない1コマをスキャナした箇所を貼り付けていたりする・・・それは、玉吉氏とぱそみちゃんが多摩川で風に吹かれて遠くを見つめているコマだ。流れる風、マフラーの揺れ、玉吉氏のたたずまい、猫背なぱそみちゃんの鼻水、遠くの鉄塔などなど、あらゆる線が、ひとつの絵画のような味わいをもっていて、ずっと眺めていても飽きないコマなのだ。

私はそんなに漫画にくわしくないのだが、本当は世の中にはもっとたくさんいい漫画があることも分かっている、つもりだ。
しかしなんというか、玉吉氏の漫画は私にとってのピンク・フロイド『原子心母』と似ていて、「何気ないヒトコマを、何度も何度も繰り返し味わいながら、ウダウダと人生の時間をつぶしつつ、恍惚に楽しむ」感じをもたらしてくれる、一種の薬物みたいなものなのだろう。いちどハマってしまうと、なかなか他の種類にまで手がでにくくなる、困った作用をもたらしてくれる。

もはや玉吉氏が漫画を描き続けてくれている、そのことが心の支えだ。
と同時に、自らのリアルな生き様をこれでもかと笑えるネタにし、そしてじんわりと切なくなったり、哀しくなったり・・・そんな日常風景をファニーでポップ、かつ時折激しいタッチで描き彩る、その「ワザ」に堪能できる喜びを、また今回もかみしめたいと思う。

おそらく明後日までには新刊を手にしている公算が高い。その日はブログの更新が止まっても許して欲しい。

040522-41
玉吉氏ゆかりの調布市「シュベール」のナポリタン。

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Comments

あの漫画よいですよね。
前にたまたま『ビーム』買ったら載ってて、何回も読んでしまいましたヨ。
久々に買おうかな…『ビーム』

Posted by: イノウエ | 2006.01.30 18:39

イノウエさん>おっ、ビーム買ったんですね。ありがとうございます(って、お礼を言いたくなる雑誌・・・)
そうなんですよね、何回も読みたくなる絵です。最高です。

Posted by: タテーシ | 2006.01.30 22:50

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