地球は遠くにありて想うもの
さっき夕食をとりながら、ディスカバリーchの「無の空間:宇宙の心理学」を観ていて「うーーむ」となっていた。
宇宙船に乗る飛行士たちも、さすがにあの狭い空間、壁の向こうには誰もいない宇宙のなかで、精神的なリズムをコントロールするのは大変なのだそうだ。
なので過去には精神的な問題によるトラブルや危機もあったという。
とくにハッとさせられたのは・・・たとえば1991年にソ連邦が崩壊する中で、ソ連の宇宙船ミールの乗組員が先行きの不透明な宇宙空間での生活で平静を保てたのは、「窓から見える地球の姿が見飽きなかったから」という証言があるのだが、そんなエピソードを踏まえたうえで考えられることは、「もし今後、火星へ人類が旅立つときになったら、そのときはじめて、宇宙船の窓から地球の姿が見えなくなるほどの距離まで移動することになるので、そのとき人間の精神状態がどうなるか、予測がつかない」という懸念があることだ。
たしかに言われるまで気がつかなかったが、いままでの有人宇宙飛行って、地球が見える範囲までが前提になっていたもんなぁ。どんどん彼方まで旅立って、いざ地球が見えなくなったら、そりゃあなんだか病的なまでに心細くなるかもしれない。しかも、乗組員の誰かがそうやって精神的にダメージを被ると、その時点で想定外のリスクが一気に高まるわけだし。宇宙で暮らすのも、楽じゃなさそうだ。
Comments
なるほどねー。
いままで、近づいてくる星に精神状態が耐えられるかなぁ
とばかり考えていたけど、見えなくなる地球のこと想像してなかったな。
地球が小さくなって、目指す星もまだ遠い。
そのときが一番怖いかも。
http://masa-p3-rw.hp.infoseek.co.jp/planet/9planets.htm
これを見ると色々想像が膨らみます。
膨らませすぎて怖っ!てなりますが。
Posted by: まつもと | 2006.03.15 02:35
時々、宇宙に打ち上げられた犬のことを思い出して超絶憂鬱な気分になるのは、似たような心理なのかネェ~
Posted by: にゃんごろう | 2006.03.15 10:05
たしかに、太陽と地球を比べると・・・「小さッ!」ってなりますな。
そのことでいつも思い出すのは、「地球と太陽の距離が数センチ違っていたら、地球は存在できなかった」ということですね。その計り知れない絶妙の距離を思うと、あぁ、地球が誕生して、僕らがこうしてモノを考えていることには、絶対に意味があるんだよなぁって思いますわ。仕事に疲れると、こういう「宇宙論」って、けっこうストレートな意味で「癒し」になります(笑) >まつもと
犬、たしかにいたよなぁ。すっかり忘れています。「宇宙犬」で検索してみました。ライカ犬っていう種類があることをはじめて知りましたよ。>にゃんごろう
Posted by: タテーシ | 2006.03.16 00:05
それこそ、放浪癖のある人とか適任者かも。全てを捨てればパイオニア。
Posted by: toyotti | 2006.03.16 16:19
映画「Mitt Liv Som Hund」(邦題「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」)にライカ犬の事が出てきますね。主人公の男の子が、世の中の不幸な出来事と自らとを照らし合わせ、境遇を受け入れようとします。
ライカ犬クドリャフカ。彼女は望まず宇宙へ。帰る事が約束されていたミールの乗組員。彼らも望まずに取り残された。
モンゴロイドは、シベリアからベーリング海峡を渡り南アメリカへ。彼らは遠い故郷アフリカへの郷愁の念を抱きながら旅をしたか。群れから追われた者たちが分布していったと言う人もいますが、新天地を求め飛び出していった者たちなら、どうなんでしょう。
日清カップヌードルのCM「NO BORDER」キャンペーンも地球を離れ国際宇宙ステーションからの映像になりました。次は火星からか(笑)。
Posted by: 正直猫 | 2006.03.17 13:42