惑星と星々のかなた
SさんとIさんが『大人の科学』のプラネタリウムを作っていた。
切り取られ、ひっくり返したり、やりなおしたり、組み替えられたりする宇宙。
できあがりの点灯を見せてもらう。
宇宙の点火式。
豆電球に照らされた、無数の星。
この、豆電球ならではの、いまにも消えそうな薄い光が、またいい。
いつもの部屋が、また違った宇宙を照らしていた。
で、
帰りの電車のなかで、ふと思った。
いっそ、キャンパスのど真ん中の広場にあのプラネタリウムを置いたらいいんだ、と。
もちろん、豆電球なので、光の量はぜんぜん足らない。
周囲の建物を星々がまたたくように照らすのは無理だ。
しかし、
「光の量が足りない」ということが問題なのではない。
大切なのは、「大学のキャンパスのど真ん中に、小さいプラネタリウムが置かれている」ということそのものではないか、と。
たとえ豆電球のプラネタリウムが、周辺の地面を暗く照らす程度であったとしても。
「この大学のロータリーの広場に、ある夜、プラネタリウムがひっそりとたたずんでいたこと」というささやかな一瞬の歴史がつくられること・・・そこで照らす光が、ほんの一握りの人にしか知覚できないものであったとしても、キャンパスのなかに、ひとつの擬似宇宙が広がっていったという、ささいな思い出っていうやつを、少しずつ積み重ねていくこと。そしてそんな想い出たちを、いつまでも大切に語り合うこと。
そういうことを、もっと大切にしたい。
今年、私の大学は開学10周年を迎えた。
大雑把に眺めると、そのことについて多くの人々が平静をよそおっているフリをしているようにすら感じてしまうのだが、私はそのことについて、すごくこだわっている。
よって、多くの人々が紡いできた思い出たちにとっての、かつて「そこ」にあったであろう、こうしたささやかな一瞬のきらめきっていうものについて、いつまでも、こっそりと、リスペクトしつづけていたいのであった。
Comments
スーパーゼウス。
ちなみにいつかのためのスーパーゼウスも持っています。
Posted by: num | 2006.05.01 23:55
さっそくのコメントありがとう(笑)
そういえば、なんとなく、ゆるゆると、あなたのスーパーゼウス、記憶にある・・・なんだったっけ・・・
Posted by: タテーシ | 2006.05.02 00:06
http://www.segatoys.co.jp/homestar/
Posted by: 正直猫 | 2006.05.02 00:35
あちこち移動しながら出没していたてんちゃんの人形が懐かしい
Posted by: にゃんごろう | 2006.05.02 07:46
白い傘の内側に照射とかできないのかな>プラネタリウム
Posted by: ナセルノフ | 2006.05.02 08:34
いっそのこと撤水さんの頭をプラネタリウムにするというのはどうでしょうか?
Posted by: mizuix | 2006.05.02 08:51
図書館の机にはりました。
物を落とした人があれって気付くように。
Posted by: num | 2006.05.02 17:58
こんばんは、初めて書き込みます。
他学科なのに三角部屋やタテーシの館に出没する車輪です。
こないだから覗かせてもらってます。今日は読んでてなんか『グッ』ときたので足跡残します。開学10周年。そんなのあんまり目にしない。。。話聞いて・知って少し寂しくなった
。
Posted by: 車輪 | 2006.05.02 21:15
正直猫>ひょっとして、買おうかなとか思っていたりするんでしょうか?
にゃんごろう>てんちゃんの「人形」?(笑)人形だったのかアレハ!
ナッセル>白い傘・・・? あれ、白じゃないと意味ないんだっけ??
mizuix>つまり、「毛穴から後光がさす」みたいな演出? そういう想像しかできない(笑)
車輪くん>ようこそーブログへ!(笑)読んでくれてありがとう。本当に。やはり現役の学生さんにとっても、「10周年」って“みえにくい”ものなのでしょうか。だとすると、すごく残念な気分になりますね。でも、「魂」の伝承は、続けて欲しいので、ぜひ、たのむ!(笑)
Posted by: タテーシ | 2006.05.03 02:10
最近は、「星」というキーワードにこっているのでしょうか。
プラネタリウムの★も綺麗ですが、京都の宇治市には本物の★は見えないですか。
http://www.soundbum.org/
上のホームページは、お馴染(?)のサウンドスケープに関連したサウンドバムというホームページだそうです。こういうところから、環境に興味を持つのことは良いことだと思います。
音っていう視点は今までないがしろにしていた自分がいたので、すごく新鮮な響きです。音=日常の風景(音の風景)
ぜひ、日常に響いている音も思い出の一部にいれてみてはどうでしょう。
Posted by: かほり | 2006.05.03 20:44
大学における「音」といえば、民音が夜の普照館の上から窓をあけてケーナを吹いているという情景です。響くんだよなぁ、夜だと、なおさら。>かほり
Posted by: タテーシ | 2006.05.04 00:41
「音」の風景の中に、ブラスの喇叭音と、ゲリラ的に稽古していた演劇部の絶叫も加えてください。
Posted by: xian | 2006.05.04 02:24
コメントありがとうです。
ゲリラ的稽古・・・演劇部は、稽古そのものがゲリラだったんですね。唱え舞い、その咆哮が月影の夜空に響いていたんですね・・・バック・トゥ・90年代末。
Posted by: タテーシ | 2006.05.07 15:55