「週間 世界の新聞から」
さて、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
ほんと、いろいろありますよね。
ブログも再開です。
とはいえ、今日は脱力気味なサッカー関連ネタ。
スカパーでワールドカップ開幕直前まで放送される「週間 世界の新聞から」について。
この番組、司会はあの、えのきどいちろう氏。
そう、まさに4年前のあの日々にスカパーでブチあげられていた伝説の番組「ワールドカップジャーナル」の「プチ復活版」であった。
「ワールドカップジャーナル」という番組については、過去にもたびたび言及することがあったのだが、あらためて思うに、あの番組はテレビにおいての「ありえないほどの理想郷」だったと思っている。ワールドカップというイベントが日本で開催されるというその非日常的大事態にたいして、ありきたりの形式ばった情報提供をするわけでもなく、そして(ここが重要なのだが)番組スポンサーの顔色やら、視聴率をとるためのプレッシャーなんていう要素を出来る限りシャットアウトし、ただひたすら、毎日生放送を続けるという「日常化」の作業のなかで「非日常のイベント」をダラダラと語り合う、そういう番組だった。
朝日新聞がスポンサーだったにも関わらず、番組内で朝日の「中田ヒデ引退誤報」をはっきりと批判できた番組であったし、日本が敗退したのち韓国がグループリーグを勝ちあがっていくなかで生じた、日本の主要メディアの「急に韓国応援論調」についての違和感をあらわにし、サッカー評論家の後藤健生に「悔しいにきまってるだろ!」と叫ばせた、そういう番組でもあった。
つまり、インディーズ的ノリだったし、それはそれで危なっかしく、「無法地帯」みたいなもので、そんな状況のなかで、出演している人、そして視聴者も、最高に楽しんで毎日番組に参加していたっていう、ひとつの実験的番組だった。たしかに形態としてCS放送じゃなきゃ成立しなかったであろうが、日本のメディア論を考えるうえでも、貴重な示唆を与えてくれる事例であったと本気で思う。
で、今回の期間限定新番組「週間 世界の新聞から」。 えのきどいちろうと、ゲストが、ワールドカップ直前における世界各地の新聞報道をネタに、毎週土曜日の一時間だけの枠で、あれこれ語っていくわけだ。
でも話はどんどん脱線するし、誰もそれをどうのこうの制御するつもりもないし、途中で番組スタッフに対する説教になったりもするし(笑)、そのノリが、とても心地よい。
4年前に、スカパーのデータマンとして番組に登場していた、スタッフの金子くん・・・つまり最初はまったくの素人さんとして大人しくはじっこに座っていた人であったが、えのきどいちろうのイジり倒しの末に次第にキャラクターが成長していき、トークにガンガンからみまくることができるようになって、もはや番組には欠かせない存在となっていった彼であるが、いまや晴れてスカパーのプロデューサーとしてこの番組に名を連ねていたりして、時の流れを感じずにはいられない。
でも、(金子くんのおかげなのか)、さすがあの当時のノリのまま、この新番組は素人臭く、インディーズなノリを継承している。
この前の放送終了直前には、
えのきど「えー、来週のゲストは、加藤久さんを予定しております・・・
が、ま だ 連 絡 が つ き ま せ ん ! ! 」
なんじゃあそりゃあー!!?
テレビやろー!? スケジュールぐらいちゃんと押さえろやー!(笑)
ていうか、わざわざ「連絡がまだ取れない」という深刻な内部事情を、視聴者にバラさなくてもー!(笑)
・・・というわけで、このあまりにルーズでインディーズなノリに、心底ホッとするものを感じてしまう。
ワールドカップに関連して、過度に誇張された内容や、ステレオタイプありまくりだったりするニュース報道やら、ありきたりなバラエティ仕立ての特集番組が増えそうな雰囲気のなかにおいて、こういうメディアがあってもいい。
Comments
で、今回もFAXコーナーはあるんですか?
さすがにE-mail受付ですか?
Posted by: toyotti | 2006.05.21 10:54
みたかんじ、FAXはないっぽい。
いやー、4年前は、FAX送りまくったなぁ。家にFAXないから、コンビニから・・・あんな情熱をかきたてられることって、あの番組だからかもなぁ。>toyotti
Posted by: タテーシ | 2006.05.21 21:02
そっかぁ、残念。。
家にFAXなし→仕事場から仕事そっちのけでFAX送りまくる‥ようなHEAT UP !!が見られるのかと思ったよ。
Posted by: toyotti | 2006.05.21 22:19
それは、さすがに、ない(笑)
あぁ、でもそういう熱さを喚起させてくれる番組って、ほんとにないよなぁ。
Posted by: タテーシ | 2006.05.21 22:39