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2006.07.13

シド・バレットがここにいないから

Syd2

昨日、isaac氏のメールではじめてシド・バレット死去のニュースを知る。
享年60歳。
合掌。

ピンク・フロイドの最初期のフロント・マンであり、精神を病んで脱退したのちも、その存在が常にピンク・フロイドの作品群に「投影」されつづけた人物である。

BBCのニュースサイトでは、訃報に際して、近年の姿が掲載されていたりする。

でも、
60年代を知らない私にとっては、もはや「想像上の生き物」という感覚の人物であるため、この訃報にも、感情的な哀しみというものが沸き起こりにくい。しかし、「今後永久に、シド・バレットから何かが語られることはない」という事実を思うと、そこに横たわる空虚感は、なんともいえない。
結局のところ、シドにとっては、この現実世界はどのように見えていたのだろうか、ピンク・フロイドというバンドは彼にとってどういうものだったのだろうか、などなど・・・

初期の作品である『バイク』などを聴くと、ファニーで朗らかなポップなセンスと、闇を見据えた絶望感の組み合わさった独特のバランス感に、鳥肌がたつ。すでにこの曲を作っているシド自身はもちろんのこと、聴き手である私たち自身もが、「よくわからない、あっちの世界」に笑顔のまんま引き込まれそうな、一瞬の「心地よい恐怖」をもたらす、あの音楽たち。それは確かに狂気の天才、「狂ったダイアモンド」の仕事であった。

まさに、かつてピンク・フロイドは、『狂ったダイアモンド!!』と歌い、そして同時に『あなたがここにいてほしい』という名曲を作った。
アコースティックギターで切々と歌い上げられる、素朴なメッセージ・ソング。
しかし、どこかで響き渡る、なんともいえない緊張感。
このバンドは、常にシドとそうやって対話してきたのであろう。

最近ある本でみかけた記事で、「おまえがここにいないから」というタイトルでフロイドを語る評論があって、すごく良いタイトルだと思った。
でも今になってみると、それはまさに現実的に、「アンタが、ここに、いないから」といいたくなる気分で一杯である。
なんせ、先日のライヴ8の、「一日だけの再結成」。
そう、「再結成」といっても、本当の意味で、このバンドはどこでなにをしようとも、シド・バレットの存在抜きでは語れないのだ。
あぁ、もう、再びこのようなタイミングは訪れないのだろうか、ね。

ご冥福をお祈りします。

Floyd52


B36aa

Syd


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