これだから文化人類学って面白いんだよな。
大昔、イヌイット(エスキモー)の人たちは、寒い氷の上で、裸で寝ていたらしい。
ところが、西洋医学が発達して、「そんなところで寝ていたら、凍傷というものにかかるぞ」と言われたとたん、イヌイットたちは本当に凍傷にかかるようになり、以前のように裸で氷の上に寝ることができなくなったという。
すごい。
「凍傷になる」という概念が伝えられたとたん、彼らが長いこと培っていた精神力が、どこかで変化してしまうのだ。
いかに、人から言われたことや、人から伝えられた新しい知識によって、人間の生命力が左右されるか、という事例だと思う。
いろんなことに応用できるエピソードだ。
なので、よく甘いものを食べるときに「これ食べたらまた太るかもねー」とか言い合いながらカフェでケーキなぞ食べるシチュエーションがあったりするわけだが、いっそそういう「太るかも概念」を捨て去ってしまえたらいいのに、と思ってしまう。
あと、逆に「甘いものは別バラだから」といって食えてしまうのも、やはり「別腹」という概念を信じるからこそできる芸当かもしれない。そこを信じられるのであれば、ぜひ「太るかも概念」も「ないもの」として信じ込むことはできるのではないか。
なんか、かなり思いつきで書いています。
Comments
赤ちゃんって蛇を怖がらないんでしょ。
怖いものだって知らないから。
そういう意味で言うと人間って
文化的概念の蓄積物だね。
Posted by: ico | 2007.01.15 16:26
ico>なるほど、まさに蓄積ってやつですね。幸か不幸か、いつのまにかいろんなものを怖がって生きております(笑)
Posted by: HOWE | 2007.01.15 21:48
認識できるようになってからの脳と身体の変化はかなり大きそうですよね。
・・・別腹!脳からの刺激と身体の物理的変化を一番身近に感じるものです(笑)。
おなかいっぱいの所に好物を見せると、胃に隙間があく・・というのはTV番組でありました。恐怖と欲望のはざまで動物って凄いです(爆)!
Posted by: タムオ | 2007.01.16 00:21
タムオ>てか、胃にスキマですか! それは驚きです。むりやりねじこみに入るわけですな!?
Posted by: HOWE | 2007.01.17 23:46