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2007.07.17

ひとつの教育史によせて

ある学生さんが、
自分たちが無知であることを自嘲気味に表現すべく、

「わたしら、“ゆとり教育”やし」

と言った。

そのとき私はなにも言わなかったが、
「今、自分はものすごいセリフを聞いた」と思った。

うまく説明できるか自信がないが、このときの私の驚きを説明すると、
「ゆとり教育」というものが導入された過去をそれなりに覚えているし、そしてまた「ゆとり教育」が本当にいいものかどうかが問われつつある昨今の状況もリアルタイムで知っている私にとって、そのセリフは「ひとつの教育政策のはじまりと終わり(?)」の、一回りした帰結点みたいなものを感じさせたのである。
そして「ゆとり教育」という政策が、自己やその世代感覚を語るうえで「道具」としても使われる状況が現れたことへの素朴な驚きもあった。

そしてさらに、隣にいた別の学生さんが

「わたしらって、かなりゆとらされていたよなぁ!?」

と言った。

私は帰りの電車のなかで、この「ゆとらされた」というセリフは、日本の教育史において新たに付け加えられるべき名言に値するのではないかと思った。

実際に「ゆとり教育」のなかで育った側でないと発せられることのない、新しい言葉だ。
教育政策や制度といったものについて、これほどまでリアルな「体験者の声」もない。

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Comments

すごいリアルなやり取りです!
僕はぎりぎりでゆとらされませんでした。
ゆとり教育に乾杯!

Posted by: ホリ | 2007.07.18 at 14:12

ホリ>乾杯て(笑)。そうか、まだホリ氏のときはギリギリゆとらされていなかったのですね。

Posted by: HOWE | 2007.07.18 at 21:29

「なんとか世代」って呼ばれるのに憧れてました。
なんか、歴史の一部に入れたみたいじゃないですか!!
でも、なんだかアタクシたちの世代(20〜30代)
批判されるような呼び方ばっかりで嫌んなっちゃいます。
ゆとり教育世代しかり、ロストジェネレーションしかり。

Posted by: こけし | 2007.07.19 at 22:55

こけし>あと「団塊ジュニア」とか、なんやねんそれは、といいたくなります(笑)まるでこちらの主体性がないような言い方なんですよねぇ。

Posted by: HOWE | 2007.07.20 at 22:47

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