旅と、写真
「人生は一度きりなんだから、
好きなことやったらいいじゃないですか」
と、
むかし私は、とある旅の途中で出会ったバックパッカーのRさんに言われた。
その発言は、まるで「服が汚れたら洗えばいいじゃないですか」と言っているかのように、自然で、気負いのないものだった。
あのときRさんはちょうどユーラシア大陸をほぼ横断してきたような、聞けば気の遠くなりそうなほどの長い旅を終えようとしていた時期であった。
Rさんは僕より年上だったが、すごく若く見えて、
そしてRさんも僕のことを、「どう考えても年下には見えない」と、
旅の最後の別れ際のときまで、何度も言われた。
そしてRさんは今もまた、いつ終わるのか分からない新たな長旅に出ているようで、南米あたりを回っているようだ。
私がそのことを知っているのは、このネット時代における恩恵のおかげであり、
それはつまり、Rさんはデジカメで撮影した写真を、そのつどパソコンを通して、「画像共有ページ」にアップしているからであった。
で、Rさんは別にカメラマンでもなく、写真については素人のはず、なのだが、
彼の撮影した写真のすべてが、なんだかもう、言いようのない見事な作品ばかりで、そこが面白いと思った。
構図や色の使い方とか、とても素人とは思えない。
興味のある方は、こちらの画像共有サイトを→(こちら)
とくに私は、ウユニ湖という世界最大の塩湖らしいところで撮影した、この写真が最高にお気に入りだ。
湖の表面、青い空、果てしなく広がる地平線・・・
旅の仲間と一緒に撮ったのであろうこの写真をみて、私はRさんに言われた
「人生は一度きりなんだから」
という言葉を思い出すのである。
しかし何度観ても、この人の撮る写真たちには不思議なオーラを感じる。
まるで、自分の直観を信じながら、自分の足で見てきたいろんな世界の姿、そのひとつひとつの「蓄積」を、新たな出会いと発見にぶっつけていきながら、撮影を重ねているような。
だから、Rさんは旅を続ければ続けるほど、その新しい写真たちがさらに鮮やかに見えてくるようで。
ひたすら無事を祈る。
Comments
南米という土地柄のせいでしょうか。
色彩と光が濃いからでしょうか。
すごく輪郭がハッキリとした写真だなあ、という印象を受けました。
もちろん、「すき!」と思いましたよ。
会ったことないですが、意志が強そうな人だなあなんて、勝手に想像したり。
ふふ。
Posted by: くろねこ | 2007.08.31 22:07
人生色々!!やる事沢山…。自分で自分の首絞めてます。
Posted by: 自転車 | 2007.08.31 23:30
写真、おもしろいですね。
私も旅に出たいです(泣)
塩湖であんな風に写真を取る人はなかなかいないと思います。
Rさんの完成に拍手。
Posted by: miwakichi | 2007.08.31 23:58
連続のコメント失礼します。
完成じゃなくて感性でした。
Posted by: miwakichi | 2007.08.31 23:59
俺も旅に出るとよく写真を撮りますが、この方のような写真を撮ることはできません。
先日のデンマークの写真の現像が今日上がってきましたが、やはり暗かったです。。。
どうやったら、こんな「明るい」というか、「はじけた」
写真が撮れるのか、俺の代わりに聞いておいて下さい。w
Posted by: mizuix | 2007.09.01 19:18
一度きりの人生をただいまポカラで
チャイを飲みながら満喫中です。
ほんといい写真ですね。
いつも素敵な旅の写真をとりたいなぁと想いつつ、
ビデオをまわすのでなかなかとれません(苦笑)
Posted by: T氏@ポカラ | 2007.09.01 21:49
くろねこ>やはり南米の光は濃いんでしょうか!? においとか光とか、そこに行かないと感じられないものですね。
自転車>手をはなせばいいんだ、手を!?
miwakichi>昔あなたは「世界遺産をまわりたい」と言っていましたね。覚えていますよ。
mizuix>またしても・・(笑)そっちのほうが僕的には興味深い現象ですわ(笑)なぜなんだろう。ちなみにこの方の愛用するデジカメは、RICOHのGRデジタル、とのことでした。僕も欲しいなと思いつつ。
T氏>無事でなにより。しっかり調査的なビデオ収録に努めてくださいませ(笑)
Posted by: HOWE | 2007.09.01 22:41