笑顔の強制
なぜ、そういう進化の方向性になるのか分からないのだが、
最近じゃ、デジタルカメラで「被写体の顔を認識する」という機能が流行っているようだ。
「顔を検出して露出を自動補正し、人物と背景をキレイに撮影する」
というような説明がされていて、そりゃあ良い写真を撮るためには、あったほうがいい機能なんだろうけれど。
注意したいのは、「顔認識」という言い方に加えて、
「笑顔認識」という言葉づかいも使われていることだ。
今やっているソニーのCMでも、被写体は「笑顔で写真に収まっている」ことが顔認識機能の性能を説明するうえで必要なものとされている。
なので、このような技術革新を通して「写真に撮られるときは、笑顔でなければいけない」という「暗黙のルール」はますます我々に押し付けられていくわけで。
むかし、フランス出身の写真家の人とみんなで集合写真を撮ったときのことを思い出す。
酒も入って浮かれている我々のなかにいて、その写真家は気難しい顔をして写真に収まっていた。
聞けば、「あまり写真に撮られるのが好きじゃない」ということであり(写真を撮る人にはそういうタイプが多い気がする)、さらに「写真に収まるときは、決して笑わないというのがポリシー」でもあったと記憶している。
いつも写真に撮られるときは、余計なまでに「ヘンな表情」をしてしまいがちな自分にとっては、「うーむ、そういうポリシーがあってもいいんだよなぁ」と妙に新鮮な気分になったのを覚えている。
まぁ、それでも自分はあいかわらず写真に収まるときは、ヘンなテンションの表情になってしまうのだが。
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今日の研究所イベントに来ていただいた方々、本当にありがとうございました。
『フラガール』を上映するスクリーンの傍らで、シーンの内容に即した「注釈解説」をパワーポイントで流すという私のいきあたりばったりな思いつき企画がそれなりに好評だったので、安堵感があります。
ちなみに、パワポに登録したネタの順番を、あらかじめ別紙などにメモして控えておくという準備を失念したため、映画の進行を見ながら「えーと、次のページには何を書いたっけなぁ?」と、必死に思い出そうとして、そればかり気になってしょうがなかったりしていたのでありました。
ひょっとしてパワポの設定で、スライドショーの画像はプロジェクターから出して、ノートPCの画面はいつもの編集画面のままで、先の内容も見通せる」ということができるのかもしれませんが、そういう話は聞いたことがないので、作った本人もスライドショー画面をみながら「次は何の画面が出てくるのかなー」とドキドキしていたわけです。
次回の上映作品は赴きも一転して、原爆・核を扱ったドキュメンタリーを二本立てで上映です。『アトミック・カフェ』と『マッシュルーム・クラブ』ということで、とくに『アトミック・カフェ』は思わぬ経緯で上映作品に挙がることとなり、このようなパンクな作品を扱うことができるのは楽しみです。来場者をゲットするのは大変そうですが!■■■■
Comments
→フラガールについて→
小学生くらいのとき、当時の炭鉱村(?)のドキュメンタリー番組を見ました。しかもNHKです。
これが基盤にあるので、フラガールは、見ていてどきどきしました。
しかし全てはアオイユウの笑顔とかで帳消しになって、楽しめました。
楽しかったのですが、それが逆に微妙でした。寸感ですが。
Posted by: キョコー | 2007.11.08 09:45
キョコー>映画のプロデューサーが最初にみたドキュメンタリーって、そのNHKのやつかもしれませんなぁ。
しかしアオイユウってカタカナで書くと、また違った女優さんぽく思えてきます。
Posted by: HOWE | 2007.11.08 22:56