MORE
京都みなみ会館で『モア』を観にいく。ちなみに『モア』は3日間、『ラ・ヴァレ』に至っては2日間しか上映しないというレアなスケジュール。なので無理やり駆けつけた。この日の客は10人ほど。意外に若者が多かった。
この映画のチラシやパンフレットとか、ものすごーく欲しかったのだが、今回の上映に際しては新しく製品化もされていないようで、ロビーでは何も売っておらず。もはやここまでくると「個人の秘蔵DVD鑑賞パーティーかよ」とまで思わせる。
で、内容は、期待通りのB級カルト映画っぷりをいかんなく発揮していた(苦笑)。
そして長年の謎が解けたのはうれしかった。
ピンク・フロイドがこの映画のために作ったアルバム『モア』のジャケット写真は、よくみると「風車に向かって嬉しそうに走っていく人と、長い棒みたいなものを頭上にかかげている人が遠くにいる」という感じの「意味がよくわからない」写真なのだが、実際に映画のなかでは、文字通りそういうシーンがあったのである。「ドン・キホーテ」みたいな感じで。それでようやく腑に落ちた気分になったが、ただし「嬉しそうに棒を振り回して風車に向かって走っていく男女」のシーンが、なぜサントラのアルバムの表紙になるほどのモチーフになるのかはやはり意味が分からない・・・ええ、この映画は「ドラッグによる若者の退廃」を描いているんで、ね。もう、何がなんだかっていう(苦笑)。
ともあれ『モア』は、ピンク・フロイドがそのキャリアの初期において劇中の音楽を作ったという理由だけで、その存在が認識され続けている幻の映画であったわけだ。おかげで主人公たちが部屋でカセットテープやレコードを聴いたり、酒場やパーティー会場のシーンになるたびに、結局いつもみんなピンク・フロイドの音楽に酔いしれている・・・それはなんだか、ひとつのエピソードについてそのときの中心テーマが繰り返し登場する「サザエさん的世界」を思わせた(笑)。
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