スリランカ
「スリランカ」という国名に触れて思い出すものがふたつ。
ひとつは、「SF作家のアーサー・C・クラークが今も住んでいる」ということ。
もうひとつは、高校生のとき、文化祭をつくるスタッフであった頃のこと。
1994年だ。
スリランカから先生が来ていた縁で、高校の文化祭でスリランカへの寄付を募ることになった。
その流れで、文化祭スタッフの仲間であるなおぴよ(のちに組むこととなるバンド、バナナワニにおける歌姫)や、Miちゃん(当時の友人はみんな知っているだろうけど、僕が好きだった人)達のいたクラスが、そのスリランカからの先生との交流が深かったため、「スリランカのカレー」を出店することになった。
店の名前が「まさおカレー」となり、それはJリーグ発足間もない頃に流れていた「カレーを食べたまさお君がラモスに変身する、『Jリーグカレー』のCM」をもとに付けられた、ナイスなネーミングだった。
今振り返ってみると、なぜそういう経緯になったのか、ぜんぜん思い出せないのだが、パンフレットに掲載するラモスの顔のイラストを、なぜか隣のクラスにいた僕が描いたりしていた。そういうフリーダムなノリは、いかにも高校生って感じで、いい。
さらに、なぜそういう経緯になったのか、本当によくわからないのだが、なぜか僕は「スリランカのカレーの作り方」を必死にリサーチしなければいけない状況になった・・・
・・・ひょっとしたらMiちゃんに協力を求められたのかもしれない。そりゃあ当然動くよな、自分。
で、1994年当時、インターネットというものがなかったことに留意されたい。当時の僕が取った手段は、公立図書館へいき、めぼしい資料がないと分かると、「タウンページ」を開き、そこにあるカレー店のリストをチェックしたことだ。
そこで、永遠に忘れないであろう、
あるカレー店の名前が飛び込んできた。
「 イ ン ド の と な り 」
「インドの・・となり??」
というわけで。
「インドのとなりはスリランカだから、
ここならスリランカのカレーについて知っているはずだ」
という、そういう思い込みで動いてしまえる90年代的高校生っ! バンザイっ!!高校生!!
この年はtrfの『ボーイ・ミーツ・ガール』が流行っていたね! 今でも僕はこの曲が大好きだぁ!! いつ聴いてもこの頃の自分に戻るよ!!
さて
話を戻すと、
僕はさっそく「インドのとなり」に電話をした。
が、当然ながら店長さんは
「スリランカのカレーについては、よくわからない」
とのこと。
僕は、そのあと自分がどうしたのか、どう反応したのかという記憶が、まったくない。
ちなみに「インドのとなり」は、れっきとしたチェーン店であった。さしずめ今だったら、「ココイチ」にいって「オーガニック素材でつくるカレー粉の正しい調合方法を教えてくれ」と訊きに行くようなものだろう。そういう、なんともいえない、青臭い行為を、僕はあの頃真剣に、もうそれは本当にマジメに、やらかしていたわけだ。
さらに、なぜ、そうなったのか、まったく記憶にないのだが、
(都合の悪いことは全部忘れていく)
スリランカ・カレーの準備をめぐって、文化祭の実行委員長としての私が何らかの過失をやらかしたようで、その件で、そのクラスの怖い担任の先生に呼び出されて怒られたことがある。
私は今も昔も手際がわるかったり段取りがうまくできなかったりするわけだが、きっとそういう関連で、ミスったことをやったのだと思う。自分でも反省していた記憶がかすかにある。
本当にこの先生は学校で最も怖くて苦手だったので、その恐怖感が全身にあらわれていたのであろう。
なぜなら、その場に、おなじ文化祭スタッフとして責任を感じたのか、一緒に立ち会ってくれていた憧れのMiちゃんが、職員室を出たあとに「怒られてるとき、すっごい震えていたで」と教えてくれたからだ。
そんなこと、まったく自分では気付いていなかった。
怒られたことよりも、そっちの恥ずかしさのほうが堪えるわけだ。
そんなわけで、「スリランカ」と聞くと、私はいつもこのことを思い出す。
で、なんで今日になってこんなことをブログに書いたかというと・・・
地元の、阪奈道路ぞいの道に、だいぶ前から「スリランカ・カレーの店」というのがあるのだった。
この10年ぐらい、ずっと気にはなっていたが、あまりにも入りにくい雰囲気だったため、なかなか2階の入り口に続く階段が上れなかった。
そして店の前を通るたびに、私は「スリランカ」という国名に触れるため、上記のような思い出をいちいち想起させられるのである。
が、つい先日、意を決して入ってみたのである。
そうすると、ランチのカレー3点セットが、ふつうに美味しくて、「あぁぁぁあぁ、なんで今まで行かなかったんだよ!」と思ったわけなのである。
店の名前は「ハンターナ」。ホームページは(こちら)。
お店のスタッフも、おそらく全員スリランカの人たちだ。置いてあるものや流れている音楽も含めて、奈良の平城宮跡のちかくという観光濃度高めの状況とはまったく文脈を異にした、本格的エスニック料理店であった。
おまけに今、このお店を取り上げているヤフーのグルメサイトの「クチコミ投稿」をみると、「店に行ったきっかけは、知り合いが店の前で追突事故をおこし、警察が来るまでの間、待ちぼうけ(しかも真冬に)していたら、オーナーさんが”チャイ”を持ってきてくれた御礼を兼ねて食べに行った次第です。」という書き込みがあって、素直にグッとくるエピソードである。
いやぁ、自宅の近所に、ダイレクトにこんなよいお店があったとは・・・と、10年越しぐらいの再発見であった。
そういうわけで、「スリランカ」に、また新たな思い出がくっついた。
最近、なんだか「思い出話系」の話題が多いブログです。
では、trfのボーイミーツガールをここに貼り付け・・・
この曲のシングル盤には小室哲哉による「アイルトン・セナ追悼バージョン」も収録されていて、1994年という年をひたすら大きく目を見開いて生きた自分にとっては、なおさら思い入れがあって、いつ聴いても泣きそうになる4曲のうちのひとつだ。
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Comments
うはははは。
私は・・・
私は・・・・その「まさおカレー」を
食べた記憶がないのである。
そして、作り方をチャンダニー先生(スリランカ人)に聞いた気がする。
のちに、その先生の投げやりな態度に、
なぜか音響担当のM先生がキレていたのを鮮明に覚えています。
人によって、こうも記憶がちがうのかねぇ・・・
Posted by: なおぴよ | 2008.03.03 22:20
なおぴよ>こうしてすぐにコメントをくれると、救われた気分です(笑)その話、なんだかぼんやりと僕も聞いたかもしれません。いずれにせよ、みんな、どこかで妙なテンションだったんじゃないかな、と(笑)
Posted by: HOWE | 2008.03.03 22:31
ゆうきだっけ?ボーカルと同じ髪型にして、当時つきあってた人にボロクソ髪型をけなされたと言う思い出が。。この歌を聴くと懐かしさと少し恥ずかしさが入り混じった気分になるなぁ。
最近「なつかCD」を作るのが、うちでは流行ってますw
TMNとか、超懐かしい。ユニコーンとか。
Posted by: tomo | 2008.03.04 20:48
tomo>いやぁー、出てきますねぇ、いろいろ。思い出が。(笑)
「なつかCD」というネーミング自体が、どうにも80年代後半的ですね。レベッカやバービーボーイズもチョイスしたいところです。
Posted by: HOWE | 2008.03.04 22:11
阪奈道路沿いのスリランカカレー屋の
オーナーは私の家のはす向かいです。
子どもさんが去年の夏、
インターナショナルサマーセミナーに
参加しましたが、自分も1日だけ行って
タイ料理作ったし。
Posted by: ヒロポン | 2008.03.04 23:53
ヒロポン>あれまぁ・・・またしても奇遇な(笑)そして世間の狭さに驚くばかりです。よろしく伝えておいてくださいませ(笑)
Posted by: HOWE | 2008.03.05 22:57