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2008.05.05

定本・尾崎翠全集をみつける

地元の図書館にて『定本・尾崎翠全集』というのを見つけた。
こういう全集が刊行されているのをはじめて知った。
ほかの用事があったにも関わらず、ページをめくったら、気がつけば1時間半ちかく読みふけってしまった。
あいかわらず、不思議なチカラでひきつけてくる、魅力的な作品たちであり、なんともいえない味わいがあるなぁと実感。大正から昭和初期にかけて、こんなにピュアで瑞々しい文章を書きながら、ほとんどの時代を無名で過ごした女流作家であるわけだが、代表作『第七官界彷徨』って、もはや題名の時点で異次元レベルに突入しかかっているエッジの効いた小説で大好きだ。あと個人的には『花束』とかの、一瞬の追憶をさらりと語り流す感じの作品もグッとくる。

こんな傾向を持つ私は、よく過去の私に逃れました。そして過ぎ去った私は、いつも、今の私よりどこか幸福だった気がします。・・・人間の幸福は過去にばかりある物ですね。追憶を通して生まれてくる昔の私ばかりが、いつも穏やかな、すこしの不安もない顔をしているのです。今の私でも、何年かの後、追憶の濾過に逢ったら、やはりどこか幸福の影を帯びて来るかもしれません。

と、ちょっとセンチメンタルになったところで、あれなんだが、
編者による個人的思い入れの強い「解説」のところも読み応えがあった。しかし、その文中で登場するはずの、私にとって個人的思い入れの強い「橋浦泰雄」の名前が、なぜか「椿浦泰雄」と誤植になっていて、図書館のなかで「ちがーう!」とシャウトしたい気分になった。くわしい説明は省くが、もはや橋浦泰雄は私にとっての何らかの一部みたいな存在であり、考えてみれば尾崎翠を知ったのも橋浦泰雄のおかげである。だからこそ、これほどまで落胆を覚える誤植ははじめてであった。たのむよ筑摩書房。初刷以降では誤植が訂正されているのだろうか。ていうか初刷以降は出ているのだろうか。気になってくる。

それはそうと、最近mizuix氏から『水曜どうでしょう』のDVDを借りているのだが、この番組を観ていると、無性に旅に出たくなってくるわけである。
ただ、あまり日本国内でこれといった興味が見出せない地理オンチなタテーシさんではあったが、この『全集』をみつけたあと、「そうだ、尾崎翠ゆかりの地に行こう。鳥取だ、鳥取!」となってきた。
ユースホステルの会員証も最近新しく更新されたぶんが送られてきた。正直いって海外旅行にいくときぐらいしか使っていないユースの会員証である。せっかくなんだから日本国内もユースで旅しないと・・・と思って今調べたが、鳥取にはユースホステルが1軒ぐらいしかなさそうで、さっそく出鼻をくじかれている。

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Comments

椿浦泰雄・・・中々いい名前ですね。
私もそろそろ鳥取へ行かねば、と思っているところです。

Posted by: トークマン | 2008.05.05 at 22:34

トークマン>さっそくのコメント、ありがとうございます。「なかなかいい名前ですね」っていう、その優雅なリアクションに、ちょっと救われた思いがします(笑)

Posted by: HOWE | 2008.05.05 at 22:42

鳥取には意外とマニアの心をくすぐる見所がたくさんあります。
たとえば、鳥取砂丘にある昭和の匂いがプンプンするドライブインとか、七福神のえべっさん持っている魚、あの魚を釣ったとされる岬とか、風車とか(笑)
まあ、一度行ったらゲップが出るほどもういいですけど。

Posted by: mizuix | 2008.05.06 at 02:02

mizuix>七福神のえべっさんの魚・・・実在しているかの勢いですね。あ、それ言っちゃだめなんですな?(笑)

Posted by: HOWE | 2008.05.06 at 22:17

おいでませ、鳥取!!(笑)

Posted by: のん | 2008.05.09 at 04:48

のん>いいよなぁ、尾崎翠を誇れる県民は! ぜひ行きたいと思います。

Posted by: HOWE | 2008.05.10 at 22:32

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